日本のうた DENON 畑 儀文(歌)
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歌詞を大切にひとつひとつの言葉を慈しむように歌い上げます, 2006/11/23
良い詩や句、歌は、その国の言葉の良さを発揮します。それに曲がついたとき、それほどでないこともありますが、一層良くなることもあります。良い歌曲を歌手がうまく歌うときは、その歌詞を大切にひとつひとつの言葉を慈しむように歌い上げます。それに何よりもそれらすべてに日本の情感がそのとおり発揮されるとき、私たちはえもいわれぬ感動に浸ることになります。どの国の歌手も、自国の作品を歌うときに一番自然でのびやかな歌声を響かせるのだそうです。
畑儀文さんのCD「日本のうた」は、そんな感動を誘う作品です。啄木「初恋」にはじまって、「この道」、星野富弘さんの「日々草」・・・「早春賦」「夏の思い出」「雪の降る町を」・・・。最後の「赤とんぼ」は無伴奏。同類では、鮫島有美子さんのCDも良いのですがきれいすぎ(西洋的すぎ)て、倍賞智恵子さんのもののほうが好ましい。でも、畑さんのは、それらに増して上述のような「えもいわれぬ感動」をひきおこしてくれます。かつて銀座山野楽器店ステージで聞いた畑さんのライブは忘れられません。