稲の旋律    新日本出版社 (2002/04)

                   旭爪 あかね(著)  

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混迷の世を人として生きること, 2002/6/24

競争があおられ、リストラが横行するやるせないこの頃、違う世界があるんだ、ありうるんだ、と分からせてくれる本。

 ひとりの若い女性のSOSを訴える手紙が入ったペットボトルをお百姓さんが緑の稲田の水路に見つけたところからこの物語は始まる。いのちを育ていのちを支えるお百姓が、いのちを粗末にする現代を切り開く生き方を一番良く知っているのかも知れない。水田の畦に立って、稲が奏でる旋律を聴くことが出来れば、現代を生きる道が分かったと言えるのかも知れない。

 読後にこんなにさわやかさを覚えた本は近頃めずらしい。

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