ほっとする老子のことば―いのちを養うタオの智慧 加島祥造(著) 二玄社 (2007/02)

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老子道徳経81章を咀嚼し、構成し直した思想・人生論 2007/5/28


加島さんは、この本で、人生の見方・考え方を老子に即して語ってくれます。それも、老子の言葉の直接引用をせずに。

まずはじめに加島老子、いや加島老詩といえそうな詩を配し、次の頁から2頁程を使って、その解説をする、という繰り返し。「序」で、今、なぜ老子風の生き方か、が明らかにされ、「タオとは」という最初の章では、読者が入りやすいような導きをしてくれます。「あとがき」では、老子には「人の心をほっとさせる言葉がいくつも見つかりますので、そのうちから選びました」と書いておられます。老子道徳経81章を咀嚼し、構成し直した思想・人生論35章です。

つまり、加島さんは、とうとう老子に誘発されて加島タオの世界を作り出すところに至ったようです。この本では、従来加島さんがやっておられたような老子の原文を引用しつつ、ご自分の解釈や経験を話すのではなく、ほとんどがご自分の言葉になっています。でも、それが道徳経の第何章からの思想であるかは、ちょろりと書かれているので、原文に立ち返りたい読者も困りません

各章に挿入された加島さんの水墨画文。その章に合った絵と文は、それを見ていてもおもしろい。以前の本の挿絵が、時に文章の流れを中断していたのにくらべ、本書では、章と絵をセットにしたため中断は起こりえないで、大変読みやすくなりました。



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