ヘルマン・ヘッセを旅する―カルチャー紀行 世界文化社 (2002/07) 南川 三治郎(著)
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ヘッセの文庫本を鞄につめてカルフから旅を, 2002/9/12
2002年は、ヘッセ生誕125周年という区切りの年。ほぼヘッセの生涯の足取りに沿って、豊富な写真と文章で、ゆかりの地と事跡をたどる。ヘッセの水彩画、アルバムも。
21世紀に入り、新しい生き方と文明のありようを巡って、ヘッセの作品と生涯をなぞってみようという人が増えると思う。通り一遍のパック旅行に飽きた人々の中に、テーマを決めた個人旅行をしようとする人も増えると思う。それらのアンド集合に属する人にオススメの一冊。いろんなことに焦点をあてて写真や文章を楽しめて、例えば3番目までの夫人との足取りをたどる旅も、この本の中で可能である。
10年前に、新潮社のとんぼの本の一冊で、「ヘルマン・ヘッセへの旅」という本が出て、「ヘルマン・ヘッセ号」という国際列車の旅を紙上でしたことがあった。その内容は、ヘッセの生涯と旅のノウ・ハウというところであったが、3人の著者によるものであった。今回の本は、一人が写真と文をものしているので、一層個性的である。
ヘッセの文庫本とこの本を鞄に詰めてカルフから始めて、ゆっくりとした旅をしてみたい。