私は土になりたい 巴金(著) 石上韶(訳) 筑摩書房刊「巴金 病中集」より
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こう言える境地は, 2010/10/13
土を扱った文学はたくさんあるのだけれど、この小品ほど、単刀直入に土を謳ったものはそう多くはない。著者は、近代化に向け右往左往していた時代に、四川省成都の地主の家に生まれたのだが、幼い頃から、その使用人と交わって過ごしたことが多かったらしい。その当時のことを、主として文革という試練をかいくぐって後に、異国を訪れたときの啓示のごとくに思い出し、その結果、この標題のようなことを思うようになったと本文中で述べている。「私は土になりたい」と端的に言える境地は、上記経験と文革を乗り越えた経験に巴金の視野の広さが相俟って得られていることは間違いないだろう。
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