銀傘に 黄色き声の 野分吹く

       
以上3句 2006/08/08
納涼の 越後路 太鼓フェスティバル
秋立てど 高校野球 さかりなり
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夕焼けの 冴えて暖簾の あかね色

ちちろ鳴き 伸べて敷きおり 掛け布団


ちちろ鳴き 蒲団敷く手に 躊躇あり

                   2006/8/26
9月の始めに母親が亡くなって何日かして気がつくと、眼鏡を取り替えたような、空気の質が変わったような気がした。それは、単に秋への歩みが進んだだけかも知れないのだが、私には、母親が風になった、と思えた。

 母逝きて 風になりしや 萩揺れる

静岡では母が亡くなって葬儀が終わるまで9月の始めとはいえとても暑い日々が続いた。お勤めが一段落して自宅のあるつくばに帰ってきたら暑いことに変わりないものの蝉の鳴き声の違うことに気がついた。

 静岡はシャンシャン筑波ツクホーシ

いのちはすべからく自然とともに生き、やがて自然の中に溶けゆくものらしい。
                                                  (2006.9.10)
虫の声 二題

  松虫の声母の声ハモりおり

  雪隠に 蟋蟀の歌 あふれおり                     (2006.9.17)    


                                           
 彼岸去り 夏雲残る 「温暖化」                     (2006.9.25)
チッ チッ と 朝日が雨戸 叩きおり                 (2006.9.17)
蟲の声絶えて冷気が鳴くを聞く




母逝きて 秋の雲満つ 機窓外

鰯雲 上空から見て 故母思う                 
(2006.10.28)
よべ地虫今宵冷気の声繁し                   (2006.9.26)
俳句 その2