絵で読む日本語〈下〉詩歌編 旺文社 (2003/12)   鵜川 昇(著)

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美しくも楽しいこの本と豊かな時間を, 2004/3/20,   2004/3/20

詩歌は、脳裏に絵を鮮明に思い浮かばしめることがある。上巻の散文の場合は比較的リアルな絵が浮かぶのに対して、詩歌は象徴的な絵が多くて、それだけ鮮やかだったり抽象的だったり多様である。この本は、そんな詩歌にそんな絵を対峙させている。例えば、富士山をめぐって、草野心平と片岡球子、雪をめぐって、三好達治と谷内六郎、といった具合。短歌や俳句は、中心となる句歌のほかに、関連する句歌を束ねて、一枚の絵に対峙させる。そこには、句歌をどう括るかの編著者のセンス・思想が反映する。当然、読者は、いろいろな詩歌に対し独自のイメージを持ち、独自の絵を思い浮かべる。読者のイメージを編著者のそれに対峙させるという側面もある。かくして、美しくも豊かなこの本と楽しい時間を過ごすことができる。



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