中国の地図事情

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「満州」の地図は、日本国が、日露戦争終戦とほぼ同時に作り始め1945年までには一部周縁部をのこして主なところはほとんど作り上げました。2万5千分の一の地形図です。5万分の一地形図など小縮尺(分母が大きい)地図も作られています。旧陸軍参謀本部陸地測量部が中心になって測量・製作しました。その全ては、国会図書館(東京、京都)で見ることができます。HPで、所在の概要を知ることもできます:

 http://www.ndl.go.jp/jp/data/theme/asia/theme_asia_34.html

現在は、中国の地形図はかなり詳細なものも作られているようですが、全国地図のスケールのもの以外、東北地方に限らず国家機密で、まれに政府機関などの壁に張られているのにお目にかかることがあってもそれを手に入れることはできません。都市図も詳細なものは、その都市でか、またはかなり限られた場所でしか入手できません。たとえば、長春の詳細な市街図は、勿論長春では手に入りますが、他の都市では北京においてさえほとんど入手不可能です。手に入っても、小縮尺なものがせいぜいです。詳細市街図でも、そこにある情報は、河川、湖沼、道路、鉄道と街区、主要建物とそれらの名前あたりで終わりで、地形は入っていません。平面的で山坂の具合は全く分かりません。それらは、しばらく前だと、駅頭、観光地などで、手に持ってひろげたりして売っているおばさん、おじさんから買うのが手っ取り早かったのですが、最近は、本屋さんにかなり出回るようになりました。

インターネットの地図も、GoogleMapのようなものが、いくつか使えるようになっています。例えば、

 http://www.go2map.com/

 http://map.baidu.com/

主要都市などではかなりの詳細な情報が記されていますが、日本のものに比べると貧弱に見えてしまいます。

人工衛星情報が出回るようになり、GoogleEarthでもかなり見えてしまうのですから、中国政府も、開放を考えているはずで、北京オリンピック前後がその時期でしょうか?そうなってほしいと、地図好きは思っているはずです。

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