〓子(チャーズ)の検証 遠藤 誉著  
                              遠藤 誉(著) 明石書店 (1997/01)
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「大地の子」が、いかに盗作であるかの検証,
2005/8/14

本書で著者遠藤さんが検証しようとするのは、山崎豊子著「大地の子」が、いかに著者の作品などの盗作であるかの検証であって、チャーズそのものの歴史的・地理的な検証ではない。後者があるとしても、付随して、というところか。多分、後に行われることとなった裁判の準備ともなったのだろうと思われる。裁判は、原告著者側の敗訴だったと聞く。

著者の、あれ以来の人生をかけた長年の葛藤を盗作により冒涜されたという切なさ。父を思うこころの強さは、父への冒涜という思いともなる。それらは強く伝わる。そして、チャーズで亡くなった十万人以上といわれる人々の生命。しかし、それらをもってしても裁判に勝てないというコワさ。

しかし、私は、盗作検証の密林を掻き分けて、チャーズの歴史的・地理的検証として、同じ著者の文春文庫のチャーズ(上・下)と併せ読ませて頂き、その概要がかなり理解できたように思う。


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