特集号に寄せて

−活動の報告とお礼−


 神戸や長田は1月17日の震災後、多くの人に支えられて、復興の道を歩んでいます。鉄道も全線開通し、市場や仮設での営業をはじめ、避難所や待機所で生活する人もわずかになったとのニュースがテレビで紹介されています。
 現実は、全壊家屋やビルの撤去はすすんだものの、空き地と焼け跡が残り、プレハブの仮設住居や仮設店舗が。ぽつりぽつりと目立つばかりです。暑いこの夏、仮設では、何人かの老人が一人寂しく亡くなってゆきました。神戸では、全半壊が22万世帯、全半焼が7400棟でした。多くの市民、区民が仮住まいでの”しんぼう生活”を続けています。

 ”すたあと長田”の活動も、地元のスタッフを中心に行っておりますが、資金面、精神面では、東京はじめ、北から南まで全国の方々のご支援で成り立っています。
 本当にありがとうございます。”さぽおと”して下さっている皆様、物資や資金などのご寄付をいただいている皆様、なかなかお礼を申し上げる機会がありませんでしたが、この書面を借り、お礼を申し上げます。
 長田に人が戻り、さらに、あたたかみのある街になってもらいたいという思いで、”すたあと長田”も、活動を続けていきます。この夏、私たちは、これまでの活動を振り返り、皆様へのご報告も兼ね、秋以降の活動のエネルギー源とするため、特集号を作成しました。この一冊で秋の夜長を満喫すると同時に、長田で生きる人々の事をもう一度皆様のココロに焼き付けていただければ幸いです。
 今後も長田を、神戸をあたたかく見守って下さい。

                            1995年 秋                         すたあと長田スタッフ一同



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp