さて1発目、なぜこれかというと、今やってるカールが道を間違えると、こうなると思うからであります。「イミテーション〜」終わった頃に、よく思い出しました。
juneファンにはおなじみの秋成ですが、わたしの好きなのは「青頭巾」でも「菊花の契り」でもなく、「白峰」。なんですね。
小学生のころにジュブナイル版読んでより、ずっと好きです。今でも挿し絵をよく覚えています。木立の前に立つ白装束の人陰。そんなに暗い絵じゃありませんでしたが、長じて原典を読んで、前にもまして気に入りました。が、暗さの違いに驚きました。
冥さのおくゆきが違う。果てのない、底のない暗黒の中で、両眼の炎だけが燠火のように
燃えている。そんなイメージです。
わたし、恐ろしいものが好きだったんですねえ(笑)。
崇徳上皇といえば、日本史上最大最強の怨霊といっていい方ですが(これは後で知った)
保元の乱に負けて、四国の讃岐に流されて、そこで無念の死を遂げてより、祟りに祟った方ですね。明治天皇が即位の時、その災いを恐れた時の政府が、天皇即位の1週間前、上皇の遺品だか遺髪を、京都市内に輿に乗せて戻した。と聞きました。明治天皇即位といえば、まだたかだか百数十年前のこと、そんな時まで影響を与えるとは、なんともはやすごいもんです。
でも本の中の上皇は真面目な人で、なかなかかわいくて、祟った理由、これがまたいい。そうして「終に大魔王となりて、三百予類の巨魁(かみ)となる」といい、「あさましきさまと、成り果てても」といいながら、西行の歌をきいて、顔をやわらげてきえていく。
ああ、やはり聡明な人であったのだなあ、人の心をよく知るものであったのだなあと、いう気がして、なんだかとっても好きです。
一度はこういう、怨霊ものというか、歴史物というか、魔道ものというか、描いてみたいなと思うんだけどね。(でも恐いので、やめとく? うんうん、やめとく。)