●流星・流星群・流星雨とはいったいなんぞや?

バラエティやアニメ等で、ドラマティックというだけでよく使われる自然現象なのですが、、、
理解して描いてる?と思わせる作品が多すぎるので、正確な情報を。

@なぜ流れる?
A何が落ちてるの?
B流星群って何?日時が予測できるのはなんで?
C実際にどれくらい流れるの?
D実際に見たいけど…いつ?
Eその他に知っておくといい事は?
F天文マニアの観測方法。



TOP/上へ/下へ/BOTTOM

@なぜ流れる?

まず、確認しないといけない事は、流星は宇宙の現象でなく地球の大気圏内で起こっている現象。
空に瞬いてる星が落ちてるわけではありません。
多くの人が、人工衛星などが地球に突入した時に大気との摩擦で燃えることは知ってるいと思います。
それと同じ現象なのです。ただ、途中で燃え尽きるほど小さな浮遊物が落ちているのです。


TOP/上へ/下へ/BOTTOM

A何が落ちてるの?
大半は宇宙空間に漂う細かなチリです。
普通にボーっと眺めていても、普段は滅多に流れるのが見れない。そんな程度しか存在しない密度で存在しています。

最近のゆとり教育の影響で、一部の人は地球が中心で、太陽や星がその周りを回ってると思う人がいるようですが…。
実際には、ものすごい速さで太陽の周りをぐるぐる回ってます。
その速さがすごいので、ごくまれに漂ってるチリを拾うわけです。

落ちているチリは、色々な原因を考えられますが…。
今日は話題を流星群について絞り込んでみようと思います。
そのチリは彗星が落としたものです。
彗星は、ほうき星とも言われますね。キレイな尾を伸ばして宇宙を走り回っています(彗星の知識も重要なので、後ほど…)。
で、その彗星の尾チリになり、地球に拾われると燃えて流星になります。


TOP/上へ/下へ/BOTTOM

B流星群って何?日時が予測できるのはなんで?
流星群は、流星が多い日?一応間違いではないんですが…。
先ほどの彗星の尾が流星になることを理解すれば、更に正しく理解できます。

地球は、毎年同じ道を通って太陽の周りをぐるぐる回っています。
ということで…去年流星が多かった日は、来年も多い可能性が高いということですね。
流星が多かったという事は、チリがそこには多かったということになります。

彗星の尾が流星になるのはAでお話したとおり。
彗星が通った後には、当然そのチリが多く残っていると思って間違いないですよね?
つまり、【どこを彗星が通ったかということを把握してれば、計算でいつどの空の位置から流れてくるかを予測】できます。
それを流星群と言います。
その中でも特に多く流れた瞬間を慣例的流星雨と呼びますが、あまり正式な呼称ではありません。

流星群の日とよく一般に言われますが、間違った言い方です。
一日とは限りません。極大日(時間)という瞬間があって、その前後数時間〜一週間続くものなのです。


TOP/上へ/下へ/BOTTOM

C実際にどれくらい流れるの?
天の川が見れる空で、360度全てカバーして数えると…一時間に100個超えれば非常に多い流星群だったと言えます。
1分で2個。それも、360度カバーしての話で、人間の視野だと平均で1個流れるかどうか?程度です。
それも、全国の都市部の1等星のような超明るい星だけしか見えない環境では、こんな都合のいい日でも一時間に30個程度ではないでしょうか…。
普通の流星群だと、天の川が見れる空で一時間に5個程度が一般的です。
あんなアニメで流れるようなあの数、、、私は見たことがありません(汗)


TOP/上へ/下へ/BOTTOM

D実際に見たいけど…いつ?
ちなみに、年に20個程の流星群を予測されています。が、一時間当り30個以上予測される大きな流星群は3個しかありません。
しぶんぎ(1/4前後)、ペルセウス座 (8/14前後。日がずれても安定して流れる)、ふたご座(12/14前後)
この3個が代表と言えます。
中でも、ペルセウスが期間も長く、明るく尾を引く大きな流星が多いのでお勧めですね。期間も盆に当るため、遠出して暗い星空に見に行ったりも可能だったりします。
ふたご座は数は多いのですが、印象としては、パッと流れてすぐに消えてしまう物足りなさがあります。チリが小さいんですね。
ちなみに、しし座(11/18前後)が妙に有名ですが、インパクトある1個を期待するなら、これが一番いいかも知れません。が、一時間に10個以下が通例です。


TOP/上へ/下へ/BOTTOM

Eその他に知っておくといい事は?
では、まず輻射点から。
輻射点とは、流星群の流星の流れた道をたどると、全てそこから流れてくる地点を言います。
流星群に全て星座名が付いているのは、その輻射点の位置からです。
流星の通ったチリの道と、地球が衝突する位置でもあって、ここから全ての流星がスタートするのです。

でも、輻射点をじっと眺めていても流れません。
摩擦熱が大きくなって、燃え始めるまで時間がかかるからで、大抵は目の横から燃え始めて「流れた!」ということになるでしょう。
こういう輻射点を同じくする流星を群流星といい、まれに別の方向から流れてきた散在流星と区別しています。

ただ、輻射点をじっと見ていれば…。
ごく低確率で全く動かずに瞬間的に光る星が見れるかも知れません。自分に向かってチリが突入した時だけに見れるもので、これを静止流星と言います。ちなみに私は1度しか見ていません。

・痕あり/痕なし
大半の流星は、尾を残したりしません。
さっと流れてはさっと消えていきます。
ただ、ごくまれに大きな流星では、通った道に光の線を残して、0.5〜5秒程度残ったりするすごいものがあります。
印象としてはヒコウキ雲みたいなものですね。原理は全く違うと思いますけど。
この光の道を流星痕と呼んでいます。
これが長く残るような大きなものに当れば、3回のお祈りだって可能かもしれません♪

・オレンジ色の火の玉が!?
どの星の何倍も明るい流星が流れることがあります。ほぼ全てが散在流星です。
これを火球と言って区別するのが慣例となっています。
彗星のチリでなく、何かにぶつかって放出されたりした小惑星のカケラが地球に来て燃えている現象だと思われています。
もっと大きなカケラが突入して、大火球になると、燃えきらなくて地上に衝突することがあります。
これが、いわゆる隕石。ひょっとすると、地上のどこかで静止大火球を見て、近所に落下してる人が居るかも知れないですね(汗)


TOP/上へ/下へ/BOTTOM

F天文マニアの観測方法。
・目で見る流星観測
5〜6人の人海戦術を使って360度+天頂の全てをカバーする作戦です。
うち1人を記録者としてペンライトと記録用紙に報告を記号で書き込みます。
折り畳みなどのイスに座った記録者を中心に、東西南北に一人ずつシートをひいて寝転がって受け持ち区域のみを観測&報告します。
人数が足りない時は、重要でない観測区域を捨てます。無理して少ない人数でカバーするのは無理です。

流れたら「流れた」や「SHOOT」や「来た」などで記録者に知らせます。
記録者が時間をペンライトで確認してから、内容の報告を促します(これ大事)。記録者はそれぞれの報告者の報告を書く準備をします。
内容は:
明るさ(等級)、速さ(通常7段階)、群/散在。ここまでは必須項目。
余裕がある団体は、流れた星座も記録します。
特記事項で、痕の有無、色、音、途中の爆発、など、特殊な情報ももしあれば加えます。
大抵はヒマです(笑)。ですが、ペルセウス座やふたご座の流星群の極大前後には書ききれないほどの報告が届きます。
1時間に100個超える流れる極大には、報告が3〜4個溜まってしまい、ベテランでないとパニックすることもあるでしょう。

10分に一度、雲の量を0-10で&見ることの可能な最も暗い星の等級をそれぞれ記録します。
これは、方角や各人の視力で全然変わります。見えたそのままを報告して書きとめましょう。

後日データをまとめまず。
総数や平均などを計算して、アマチュアの協会などに報告してこの年の流星群の状態をデータとして残します。
これが元になってニュースとかの元情報になったりするわけですね(^^
集まる情報量を考えると、アマチュアの草の根観測のすごさを実感します。

・写真を使って…。
機材によりますが、かなり明るいものでないと写りません。
で、離れた2地点で同時に同じ流星を写したものを発見したら、、、
3Dでの流星の移動経路が解ります。もしそれが出来たら貴重な資料ですね♪
カメラの写せる範囲は限られているので、無計画で同じ空域を撮ってる可能性は低いので、予め2団体以上で計画してないと実現できないですよね。

・ラジオでも?
流星は燃えるときに大きなエネルギーを発します。
その影響で、時々ラジオにガリガリッと雑音が入ることがあります。天文マニアの間ではラジオ流観(FM使用)と呼ぶこともありますが、天候の悪い時のウサ晴らし&天気情報確認ついでくらいの団体が多いです(笑)
もっと機材をそろえて専用受信機を使う観測方法もあります。これは電波観測と呼んでいます。私はやった事はありませんけど。
ただ、山などに出かけて、流星の発する雑音と比べ物にならない多きなガリガリッって音は…間違いなく付近でが発生してる雲があります。危ないので即撤退しましょう。事故が起こってからでは遅いのです…。

TOP/
黒猫TOP/
アニメTOP/

その他TOP
リンク