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残雪の北ア:蝶ヶ岳の稜線へ
2024年4月27日(土)〜29日(月)
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 今年の連休はカレンダーの都合もあって、長い休みになりそうです。 前半戦の三連休は好天に恵まれそうなこともあって、急遽参戦に決定!。 少し悩んだものの、展望が得られる蝶ヶ岳に行くことに決めました。 朝家を出て一日目に蝶ヶ岳まで到着するのは厳しいので、一日目は徳沢泊まりとし、 二日目に横尾を回って蝶ヶ岳の稜線に到着する計画にしました。 これなら、テント装備の重いザックでもどうにか歩くことができそうです。

第1日目:
 上高地(1040)→明神(1125)→徳沢(1215)
 初日は徳沢までなのでゆっくりしてもよいのですが、なぜだかいつものように始発電車に乗車してしまいました。 順調に乗り継いで、朝の上高地に到着。開山祭で人だかりの河童橋を横目に、歩き始めます。 例年なら雪解け直後なのに、今年は春の花が早いらしく、ニリンソウ、フキノトウ、ネコノメソウ、エンレイソウなどを見つけたので、楽しい歩きになりました。 この分だと、ニリンソウの満開は5月20日頃に早まりそうですね。
 お昼には徳澤園に到着、広いテント場の隅にテントを組み立ててお昼寝!。 あの広いテント場も夕方にはかなりの数のテントにあふれていました。
第2日目:
 徳沢(0450)→横尾(0550-0630)→槍見台(0815-20)→横尾分岐(1100)→2664mP(1115-20)→蝶ガ岳ヒュッテ(1210)
 二日目、未明にテントを撤収して、梓川沿いに横尾へ向かいます。 川岸からの穂高連峰が楽しみな路なのに、新村橋の張替工事中だとかで、 歩行者通路は右岸に付け替えられていました。 横尾で朝食をいただいた後、登山路に入ります。
 しばらくは雪のない夏路でしたが、2100m付近からは残雪の路に変わりました。 槍見台で槍ヶ岳の眺めを楽しんだ後は、喘ぎながらも標高を上げてゆきます。 右手の樹間に見える稜線が近くなったかな、と思うと森林限界を抜けて、一気に展望が広がります。 なんと言っても、正面の槍穂の眺めに目を奪われてしまいました。 縦走路の分岐に到着し、P2664mまで足を延ばした後は、蝶ヶ岳へ。 残雪期の春山だというのに雪のないテント場にテントを張って早速お昼寝です ^_^//。
 午後時間が経つに連れ、空に薄い雲が広がってゆきます。 すっきりとした陽の入りにはならないにしろ、しっかりとカメラを構えて、撮影に励みました。
第3日目:
 蝶ヶ岳ヒュッテ(0500)→長塀山(0535-40)→3km(0612)→2000mの平(0700)→徳沢(0740-50)→明神(0835)→上高地(0920)
 一晩中吹き荒れた風も空しく、今朝の空は高曇り。モルゲンロートどころか、陽の出も難しそうです。 天を恨んでも仕方ないので、カメラを構えて、陽の出を待ちました。 気のせいか、槍穂も微かに紅くなっているような・・・。
 撮影も早々に切り上げて、長塀尾根を下ります。 朝も早いので、上部では固く歩きやすかった雪も、雪が薄くなってくるのも手伝って、2300mにもなるとぬかるんできて滑りやすくなってきます。 2000m付近で雪も消えたので、一気に徳沢へ下り降りました。
 徳澤園で小休止の後、上高地へ。少し急げば、予定より一本早いバスに乗れそうです。 この後のバスだと松本で電車待ちするしかないからなぁ・・・。 Alpicoのバスと電車で松本へ、JR電車に乗り換えて、八王子に帰着したのは午後3時過ぎ。 ずいぶん早かった、ですね。
 
 展望の蝶ヶ岳、の期待通りに、真っ正面に槍穂の眺めを堪能することができました。 ただ、逆光で写真になりにくい陽の入りはまだしも、期待していた陽の出もモルゲンロートもかなわず・・。 稜線からの展望を楽しむことができたので、佳しとするしかないですね。
 情報としては聞いていたものの、これ程雪が少ないとは!。 GWだというのに、2600mの稜線には雪がありません。 前回(35年前!)の写真と比べると、違いがよくわかります。 せっかく持って行ったピッケル・アイゼンは荷物になっただけでした。 テント場にも雪がなく、暖かで寒い思いをすることがなかったのは大助かりでしたが、 なんか雪山参考に来た気分のない変な?山行でした・・・。
 昨年の至仏山に続いて、今回もチェーンスパイクの人を見かけました。 技術があればピッケル・アイゼンも必要がない(かもしれない)残雪期の山とは言え、雪山に来るからにはしっかりと準備をしてほしいと思います。なんか覚悟が足りないような・・・。
 そう言えば、蝶ヶ岳で張られていたテントはほとんどが三季用ばかりでした。 それも軽量化重視のテントが中心で、中にはインナーメッシュのテントもありました。 予想外に雪は少ないし、稜線でも最低気温4,5℃と暖かかったのは事実かもしれませんが、もっとしっかりと準備をしてほしい、と思うのは変でしょうか?。 もし天候が急変して降雪にでもなったなら、と考えはしなかったのでしょうか。 これで「残雪期の山を歩けた」という情報だけが独り歩きしてしまって、さらに軽装備の人が増えてしまうような気がしてなりません。

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制作:加藤 輝男 2024年4月30日
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