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南ア:塩見岳から仙丈ヶ岳へ強行軍
2023年7月28日(金)〜31日(月)
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 7月梅雨明け後の週末。会社休日の金曜に休日の月曜日をつなげて、三泊四日の山行計画を作り上げました。 久しぶりの仙塩尾根を鳥倉登山口から入り、熊ノ平、仙丈と、仙塩尾根を歩き抜けて、地蔵尾根を降ります。 一日目は登り始めるのが遅いので行動時間は3時間と短いものの、二日目、三日目はほぼ10時間コース、 四日目でも8時間コース、と強行軍!になってしまいました。 それぞれの路は何度か歩いているとは言え、体力が持つかどうか、ちょっと心配かも・・・。

第1日目:
 鳥倉登山口(1400)→水場(1555)→三伏峠(1650)
 早朝から乗車した電車を、伊那大島駅でミニバスに乗り換えて、鳥倉林道登山口へ。 雨予報だった空模様がもったか、と気をよくしたら、歩き始めたまさにその時に雨が降り始めました。 急いでレインウェアを着用します。 途中で雨も上がって、レインウェアが乾き始めた頃、9合目?の塩川からの登山道分岐を過ぎる頃に再び雨に捕まってしまいました。 小屋に着いた頃は大雨でテントを張る気にもならず、雨雲が通過するまで小屋脇の休憩所?で過ごしました。
雲の向こうに見えるのは小河内岳? イチヤクソウ
第2日目:
 三伏峠(0350)→本谷山(0450-0500)→水場(0605-10)→塩見小屋(0650-55)→塩見岳(0825-0840)→北俣分岐(0905-30)→雪投沢分岐(0950)→北荒川避難小屋(1040-45)→北荒川岳(1100)→小岩峰(1240)→熊ノ平(1400)
 今日の行程は長いので、未明にテントを撤収して歩き始めました。 本谷山で塩見岳を見つけた後は、緩やかに降って権右衛門沢を渡り、一時間弱の急登をこなすと塩見小屋に到着。 一気に展望が広がります。塩見岳まで残り300mですね。 岩場の現れた天狗岩を回り込んだら、最後は塩見岳へ、岩場をこなす登りです。 たどり着いた山頂は360度の展望で、南には荒川三山、北には白根三山や、これから向かう仙丈ヶ岳が見えています。
塩見岳のシルエット 未明、影絵の仙丈ヶ岳 未明、雲海の向こうは中央アルプス 塩見岳を望む、塩見小屋から
三伏沢を囲む山々を観る 雲海の向こうは中央アルプス 南ア北部の展望、仙丈ヶ岳(左)、甲斐駒ヶ岳(奥)、間ノ岳 シャクナゲ
天狗岩を回り込むと、塩見岳山頂が近くなる! 塩見岳東峰、西峰から 塩見岳東峰と富士山、西峰から 塩見岳東峰にて
 人の多い塩見岳山頂を後に、北俣岳に向かいます。 朝から食べていない状態のまま、熊ノ平までは無理だろう、と思い直して、北俣岳の分岐で遅めの朝食にしました。 北へ滑りやすそうなザレ場を降ると雪投沢源頭です。 尾根筋を大きく右手に回り込み、小屋跡?を過ぎると北荒川岳へ。 塩見岳とはここでお別れとなり、樹林帯の中、長く続く路を、熊ノ平へと向かいます。 遠くに雷鳴が聞こえたり、ガスが上がってきたり、でまた雨に降られないか心配で、早歩きになってしまいました。 疲れた・・・。
塩見岳を降る、正面は農鳥岳 北俣岳の肩に富士山 間ノ岳を見ながら、雪投げ沢源頭へ急降下 降り坂の途中、塩見岳を振り仰ぐ
塩見岳を振り返り見る 北荒川岳を右(北)へ 荒々しい塩見岳北面 小岩峰から遠くに熊ノ平を見つける
第3日目:
 熊ノ平(0355)→三国平(0435-40)→三峰岳(0600-05) →野呂川越(0825-0900)→伊那荒倉岳(1130)→大仙丈ヶ岳(1520)→仙丈ヶ岳(1605)
 再び未明に出発。三国平を過ぎる頃に陽の出となり、振り返り振り返りながら塩見岳を始めとする南ア南部に連なる山々の写真を撮っていました。 少し岩場の現れた三峰岳に到着すると、北へ今日たどる仙丈ヶ岳へと続く尾根が見えてきます、長いなぁ〜〜〜。 先ずは野呂川乗越への急降下をこなさないと・・・。
塩見岳に陽が射す 茜空を背に笊ヶ岳の遠望 西農鳥岳のシルエット
仙丈に陽が射す 御嶽山−遠望 陰に浮かぶ塩見岳 農鳥の鞍部に富士山を見る
タカネオトギリソウ? タカネヤハズハハコ? ミヤマホツツジ アキノキリンソウ?
タカネシュロソウ 三峰岳へ向かう岩場 三峰岳山頂にて、遠景は塩見岳 仙塩尾根を仙丈へ、右奥は甲斐駒ヶ岳
三峰岳を振り仰ぐ コケモモ
 野呂川乗越の空き地で中食を済ませて、仙丈へと向かいます。 標高差約700m。登りでも降りでも大変だった記憶しかないので、焦らずにじっくりと歩くことにしましょう。 独標、高望池と過ぎ、伊那荒倉岳を越えて、苳平の急坂をこなしてしまえば、森林限界をこえてしばらくは緩やかな路に変わります。 小さな尾根のアップダウンをこなしてじりじりと高度を上げた後、急尾根の登りを息絶え絶えで大仙丈ヶ岳に到着。 仙丈ヶ岳の山頂まではもう少しです。
野呂川越に到着 仙丈ヶ岳を望む、独標から 高望池にて、水場でホッと一息 ハクサンフウロ
トウヤクリンドウ 大仙丈ヶ岳が近づいてくる イワツメグサ?? チングルマの綿毛
第4日目:
 仙丈ヶ岳(0500)→休(0710-45)→地蔵岳(0800)→松峰小屋(0840-45)→柏木(1215)→市野瀬(1255)
 あくる朝は快晴の星空、仙丈ヶ岳山頂には4時過ぎに到着し、青白い空が、少しずつ明るくなって、茜色に変わってゆくのをず〜〜と眺めていました。 陽の出方向には少しばかり雲があり、陽の出はその雲の上からでしたが、御迎光を見ると心が落ち着くものですね。
陽の出方向 シルエットの富士山と北岳 シルエットの甲斐駒ヶ岳 足元の仙丈カールと仙丈小屋
未明、富士山と北岳、雲が焼けた? 未明、富士山と北岳 未明、富士山と北岳 茜空を背に中央アルプス
御迎光 御迎光 御迎光、登山者のシルエット 南ア南部の稜線、右手前は大仙丈ヶ岳
仙丈ヶ岳山頂を後に 足下に仙丈小屋
 小屋へ戻る人たちと別れて、地蔵尾根に踏み込みます。 しばらくは右左に山々の展望を楽しみながら、正面へと続く尾根をたどりました。 やがて樹林の路に変わりますが、地蔵岳手前の手前にあった小岩峰の展望が気に入って、ここで中食としました。 さらに進んで地蔵岳は右へ巻いて、急路を降れば、松峰小屋分岐に。 水場があるのですが、水は足りているので、立ち寄らずに急ぎます。
地蔵尾根分岐を左(西)へ ミヤマコゴメグサ? 雲海の向こうに、槍穂が見えた 尾根の先に、中央アルプス
仙丈ヶ岳を振り返り見る イワギキョウ? ミヤマダイコンソウ? タカネグンナイフウロ
ミネウスユキソウ? 地蔵岳の向こうに中央アルプス 左手に見つけた塩見岳、あそこから歩いてきたんだ、遠いなぁ・・ タカネコウリンカ?
ウメバチソウ? 松峰小屋の分岐に到着
 小尾根が終わって松峰山を大回りすると、昔の峠道を思わせるような歩きやすい路に変わります。 一方で高度が下がらなくてイライラし始める頃に、ようやく林道に飛び出しました。 その後は、登山道を歩いたり、林道を歩いたり。 で、高度計を見ながらの歩きとなって、ようやく標高1115mの人家のある柏木登山口に到着です。 あと少しで市野瀬だ!。
センジュガンピ マルバダケブキ 林道と交差する 林道に飛び出した後、しばらく林道を歩く
 市野瀬でタクシーを呼んで高遠駅へ。ここって、食料品を販売している店がないのですね。 一時間余待ってJRバスで伊那市駅に出た後は、各駅停車を乗り継いで帰ってきました。 月曜日だったためか、電車はそれ程混み合うことがなくて、助かった・・・。
 
 海の日の八ヶ岳を天候不良で敗退しただけに、今回の山行は(一日目をのぞいて)比較的天候にも恵まれて、 遠山の展望と高山の山歩きの雰囲気を存分に楽しむことができ、本当にリフレッシュできました。 小屋はどこも予約で一杯。予約不要のテント場は、それでも大混雑というほどでもなく、ポツポツと空きがあるような感じでした。 談笑をしながらのテント暮らしには丁度よかったかもしれませんね。
 仙塩尾根を最初に歩いたのは1994年の夏、仙丈から荒川三山への路でした。三伏峠へは塩川から登ったこともあります。 それからも何度目かの仙塩尾根ですが、倒木とかが整理されてだんだんと歩きやすくなり、歩く人も増えてきたように思います。 とは言え、小屋の間隔が広く、一日の歩行時間が長いのは変わらないですね。
 変わったといえるのは自分の体力!。 今回は強行軍だったとはいえ、仙塩尾根の歩行時間は、以前の大体一、二割増し、でした。 追い抜くよりも追い抜かれる方が多かったです。特に、登りが問題だな・・・。

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制作:加藤 輝男 2023年8月11日
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