双葉文庫 ファミコン冒険ゲームブックシリーズ
ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者
池田美沙 著 スタジオ・ハード編
というわけで、ファミコン探偵倶楽部のゲームブックです。選択肢を選んでそこへ飛んだり、行動記録紙に、知力ポイント(捜査の進行具合で増えたり減ったり)やアルファベットチェック(得た情報など)を記入したりします。当然選択肢を幅優先探索で全パターンをチェックしたり、ヘマしても知力ポイントを減らさなかったりするのは誰もが通る道だと思いますけど、それでも結構難易度が高いような気がします。
ストーリーの流れのほうは、割と原作に忠実にうまくまとめて流れていきます。
ってことで、プロローグは記憶喪失になった主人公が、天地に助けられるところから始まります。
で、あゆみちゃんに会って、空木探偵事務所につれてかれます。で、いろいろと教えてくれます。っていうか、名前まで教えてくれます。ゲームの方の自分の名前を思い出すところ(名前入力のシーン)が結構好きだったんですけど(思い出した瞬間、不安な感じの音楽から、事務所の音楽に変わるところが)、まあしょうがないですか。
そうそう、主人公の探偵君は「高田直哉(たかだなおや)」という名前になっています。あとどうでもいいけど、主人公、髪の毛ボリューム結構ありますね。なんか超能力でも使いそう(偏見)。
で、自分が書いたメモを頼りに、明神村の綾城家に行き、執事の善蔵さんに会います。ここまではほぼ原作通りと思ったら、ぎゃぎゃ〜ん(こっからネタばれ)、なんか天地がいます。じゃ、じゃあ、神田弁護士は…、って神田弁護士も別人でちゃんといるじゃん。じゃあ天地って、えっ、興信所の人間、ユリを捜してるんですか、なるほど。
で、善蔵さんにいろいろ話を聞いて、熊田先生に会いに。熊田先生は、お人好しって感じだけど、なんか貫禄があります。原作と比べてなんか妙な違和感があるんだけど………、ってせりふの文章が「ぢ」じゃなくて「じ」になってるじゃん。
で、今度は神楽寺に行きます。原作だと綾城家の墓をべたべたと調べていると住職が出現しますが、しかられて知力ポイントが下がるので普通に会いに行きましょう。で、綾城家の甦り伝説を聞いたり。
で、綾城家に戻って、茜と話したり、こげ跡を見つけたり、完治と話したり、あずさと話したり、善蔵と話したりなどを割とテンポよく。
そうしてたら、天地がいきなり後継者の展久(のぶひさ)君を連れてきます。あずさもビックリ。まあ、後継者の証ってのがまだ見つかってないらしいけど。
とりあえず、今日はここまでってことにして、事務所に帰って休みます。どうでもいいけど、上半身裸で寝ますか、事務所に居候してるくせに。っていうか、よく考えたらあんた長袖のシャツを着てなきゃいけないんじゃなかったっけ?
で、あゆみちゃんからの電話で起こされます。なんか完治が綾城家の土蔵で殺されたらしいです。
ってことで、綾城家に向かって、死体を調べたり、駆けつけてきた二郎に話を聞いたりなど。
で、熊田医院に頭の傷の話をしたり(原作だと背景のレントゲン写真を調べないとフラグが立たなかったんだよな)、海上の崖で平吉じいさんとあったり。
で、事務所に戻る。あゆみちゃんといろいろと打ち合わせしたり。事件について今までの整理をするってことができるんだけど、知力ポイントが減るってのがなあ(どうせ減らさないけど)。
で、綾城商事に向かって、内情を調査したり、二郎に小言を言われたり。
それから、綾城家で、完治の妻のかおりと話をしたり、熊田医院で完治の死因が不審らしいと聞いたり、神楽寺で住職に和人のことを聞いたり、綾城家で善蔵と話したり。
事務所で休んでいると、善蔵から電話がかかってきて、二郎が裏山で自殺したらしいです。って原作と違って話を引っ張ったりしないで、割とさっくりと話が進みます。ってまあ、別に引っ張るところじゃないんだけど。
で、善蔵や茜に話を聞いたり。原作のこの時の微妙な雰囲気やBGMがけっこう好きだったりするんだけど。
で、熊田医院で熊田に話を聞いたり、綾城家であずさに話を聞いたり(熊田先生との話でフラグが立ってないと、あずさに熊田医院に誘われます。なんかあずさに一生懸命なところを気に入られてます。)、神田の事務所に行って神田が留守だけど、スタッフにいろいろ話を聞いたり、神田の部屋を調べたり。
で、事務所に帰って考え事をしていると、なんと空木先生のお帰り。原作だと一切姿を見せないので、犯人だと疑われる度N0.1のキャラなのに。で、食事に誘われていろいろとアドバイスを受けたり。どうでもいいけど、この人食事しながらじゃないと話ができないんですか?
で、翌日、天地のところに、自分が着ている見覚えがないセーターのことを聞きに行く。っていうか、天地に服のことを聞くとなんかごまかされてハマります、注意。で、天地の提案で、ユリが住んでいた八束町に向かうことに。で、ユリが生前働いていたスーパーの社長に、ユリの夫の遠山隆男の話(チンピラとケンカして刑務所で獄死)や、放火の話(地上げ屋の仕業)を聞いたり、生き残った赤ん坊の話など。なんか原作と微妙に違ってて、感動がちょっとダウンって感じだけど。で、ユリが住んでいたアパートに向かって、そこの主婦に、昔そこに住んでいた赤鼻商店のご主人の話を聞く。で、彼に会って、ユリの子供が引き取られた八束町の孤児院の話を聞く。で、孤児院に着いたけど、院長が留守で、娘の雅美さんに話を聞くが大したことが聞けません。ってことで、事務所に帰って今日はここまでと言うことに。
翌日、明神村に向かうと、なんか海上の崖の方が騒がしいです。あずさが何者かに殺されたらしいです。
で、熊田に二郎の指先の青酸反応の話や、ユリの腹違いの弟の和人の話を聞いたり。和人は法律家を目指しているらしいけど、自分の認知問題でもめたせい?なんかこすっからいかんじだけど。
で、村人達はキクが甦ったとおびえています。ゲームの方のこの辺の雰囲気が結構好きだったんですけど。
綾城家に戻って、食事をご馳走になってるときに茜にこげ跡のことを聞くと顔色が変わります。で、問い詰めます。ゲームほ方だと、手鏡を見せるとものすごくおびえて面白かったんですけど(悪趣味)。そうすると、「すみません。キク様を殺してしまったのは、この私なんです!」と衝撃の大告白。やったー、事件解決。っていうか、ただ、キクが熊田先生に止められていたタバコをすっていたことだけなんだけど。で、その話を聞いて、なんかすぐ青酸タバコのトリックに気づきます。なんか頭いいな。よくシアン化水素のことをしってたな。
ってことで、タバコを被害者に手渡せる人間でアキラが怪しいと言うことで、あゆみちゃんが調査したアキラが出入りしていた喫茶店へ向かうことに。アキラをよく知っているウェイトレス(わりとカワイイ)に話を聞くと、根はいい人だとかばっています。
で、善蔵から連絡が入り、明日の朝、キクのたたりや幽霊説でフィーバーした村人が綾城家の墓をあばくらしいです。原作だと主人公があばくんだけど、手鏡や血痕とかのとっかかりが無いし。でもまあ、こっちの流れの方が自然かな。で、墓の中身はアキラです。で、自分を崖から突き落としたのがアキラだったことを思い出したり、アキラが持っていたタバコから青酸反応が出たり。
で、天地の事務所に話を聞きに行くけど天地は留守で、そのかわり秘書に自分が着ていたシャツを返してもらい、事務所で着替えることに。で、火傷の跡に気づき、孤児院に向かい雅美に火傷の跡を見せることに。原作だとここが一番盛り上がるところです。で、自分がユリの息子で、悲しい過去を隠すために孤児として育てられたこととか、両親を探すとか言ってユリの形見の日本人形を持って飛び出したこととかを聞きます。
で、事務所に戻って日本人形を調べるとお守り袋が出てきて、その中からユリの遺言が。内容は、自分が綾城家の後継者だということや、後継者の証のこととか。あと、火傷のことをくどくどと謝ってますけど、それよりも主人公が綾城家に戻ったときに幸せになれるのかどうかを心配したほうが。
で、お守りに同封されてた鍵を持って、綾城家の土蔵に。で、地下迷路なんですけど、ゲームの方の卍のヤツとは違うんですけど、割と厄介な感じです。なもんで、思わずマッピングしてしまいました。割と力作(5時間以上かかってる)、インターネット初公開(だと思う)の土蔵地下迷路完全マップ(あいかわらず、ほぼ役に立たないものに力を入れてますね、私のページ)。
で、神棚に無事到着すると、そこに封筒がおいてあり、「綾城家・後継者の証」と表書きしてあります。で、喜んでると一抹の疑問が。天地さんの連れてきた展久君というのは?天地さんほどの人が、探す相手を間違えたりするんだろうか?(←買い被り過ぎと違う?)。
そうしてると「その証、渡してもらおうか」と背後から低い声が。その声の主とは。あの人かな?、それともあの人かな?ってことでエピローグへ。
ぎゃぎゃ〜ん、天地さんでした。自分が用意したニセの後継者にあとを継がせるために必要な後継者の証のために、自分を助けたり、泳がせたりしてたらしいです。
で、自分の両親を自殺に追い込んだ綾城徳兵衛への復讐のためってことらしいです。
で、天地がナイフを心臓めがけて刺そうとした時、一人の男が助けてくれました。あの人?かとおもってたら、神田弁護士でした。
で、封筒の中に、"綾城家後継者の証"のほかに、キクが残した別の遺言状がありました。っていついれたの?土蔵の奥の扉の鍵は?
で、遺書の内容は、自分がいびり出した和人のことで、罪の意識にさいなまれて、密かに行方を調査してたら、なんと自分の会社の弁護士の神田裕二その人ってことで、じいさん2度びっくり。って気づいてなかったのかよ。でも、それでも恨みのひとつも言わず、ひたすら身分を隠して会社のために忠誠を尽くしてくれた和人は偉いですねえ。原作の神田弁護士とはえらい違いだ。
で、とりあえず、後継者の証は和人に預かってもらうことに。自分にまだ綾城商事を切り回す力がないので。ってことで、両親のこともわかったし、天外孤独だった自分にとてもたよりになる身内もあらわれたってことで、めでたしめでたし。
あと、最後にちょっと疑問。原作と比べていろいろと。
天地は、ニセの後継者の後見人として腕を振るうつもりだったらしいけど、たかが興信所の人間にそこまで出来る権限があるの?
完治や二郎を青酸タバコで殺したとき、どうやって呼び出したの?顧問弁護士でもないのに。
主人公の探偵がこの事件に関わったのって単なる偶然?それとも善蔵か神田弁護士にもちかけたの?
っていうか、天地がこの事件に関われたのも偶然?それとも神田のことを知っててうまく近づいたの?