アルジャーノンに花束を
けえかほおこく1
3がつ3日
- ストラウス博士に経過報告を書けといわれたから書くことに。
- いろいろと自己紹介。
けえかほおこく2
三がつ四日
- ニーマー教授のところで検査。
- バートが試験官でロールシャッハテスト。単なるインクのこぼれた紙にしか見えない。
だい三けえかほおこく
三がつ五日
- ストラウス博士とニーマー教授と今後のこととかでいろいろと話す。
けえかほおこく4
3がつ6日
- きれえな女のしとと主題統覚テストを受ける。写真を見てお話を作るってやつだけど、作れません。
- バートに連れてかれて、白ネズミのアルジャーノンと初対面。
- アルジャーノンと迷路で勝負。負けてやんの。
けえかほおこく5
三がつ7日
- 妹のノーマが手術の許可を出したらしい。
- ニーマー教授とストラウス博士とバートと手術のことで話し合う。ニーマー教授はちょっと途惑い気味?
- 手術をやるという方向に。
第六けえかほおこく
三がつ8日
- これから手術ってことで、いろいろ面会とか差し入れとか。
経過報告7
三月十一日
- 手術は無事終わったっぽい。麻酔してる間にさくっと。
三月十二日
- 看護婦のヒルダさんは手術のことを罪深いことと思ってるらしい。
三月十三日
- 看護婦がルシルという人に代わった。赤ちゃんはどうやって産まれるかを聞いたら照れた。
- 手術をしたら急に頭が良くなるというわけではないらしいので、これからいろいろと勉強を。
経過報告8
三月十五日
三月十六日
- 大学の食堂でバートと昼飯を食べる。
- 手術のことはみんなにないしょだよってことらしい。
三月十七日
- まだ利口にはなってないっぽい。とりあえず心棒することにする。
三月二十日
- パン屋の仕事に戻る。
- アルジャーノンも同じ手術を受けてたらしい。
三月二十一日
- パン屋ではチャーリーの周りに笑いが巻き起こる。みんなに好かれてる?
- 休んでる間に、アーニイという新入りが来た。
- ドナーさんは、首にするつもりはないらしいので、あまり仕事をするなと言っている。
三月二十四日
- テストをサボってたので、ニーマー教授とストラウス博士が部屋に来た。
- 教授がティーチングマシーンを貸してくれた。テレビみたいなヤツ。寝ているときにつけるらしい。
三月二十五日
- ティーチングマシーンをキチガイ呼ばわりする。効き目あるの?
三月二十六日
- ティーチングマシーンのおかげで学校に行くようになったいきさつを思い出す。
- 昔、ジョウ・カープと読み方の習えるかという話になって、なんだかんだと。
- で、ビークマン大学の精薄成人センターへ。そこでキニアン先生と初対面。
三月二十七日
- 夢を見たり思い出したりするようになったので、ストラウス博士と心理療法を。
- 寝椅子に寝て、博士と頭に浮かぶことを話す。
三月二十八日
- ストラウス博士に潜在意識と意識の話を聞く。
- ジョウ・カープ達と飲みにに行く。喜んでいただけたらしい。
- 迷子になったせいで、デパートで迷子になった夢をみた。お父さんとお母さんの顔は良く思い出せない。
三月二十九日
三月三十日
- キニアン先生に励まされる。
- ロビンソンクルーソーの本を読みはじめる。
三月三十一日
経過報告9
四月一日
- パン屋で、粉練り機の使い方をラーニング。みんなビックリ。
四月三日
四月四日
- 報告書を読んだキニアン先生に同情される。僕の友達はみんないい人で、意地悪されたことはないと言ったら、キニアン先生が泣き出した。
- 妹が産まれたときのことを思い出した。妹にさわるとお母さんにものすごく怒られた。
四月六日
- キニアン先生にコンマ(,)のことを習った。のでバカの一つ覚えのように使いまくる。
四月七日
- コンマの正しい使い方を覚えた。読者も一安心。
- キニアン先生に辞書を使うように言われる。漢字がちゃんと使われるようになって、読者も二安心。
- 色々な記号を覚えたので、酷使しまくる。
四月八日
- 文法書を読んで理解する。
- 学習高原に達したらしい。
四月十日
- 昨夜、ジョウ・カープ達にパーティに誘われた。
- エレンと踊ったが、みんなが足を突き出すので転びまくる。大爆笑。
- 笑い者にされてると気づく。はずかしく思う。
- エレンの夢を見たら夢精した。お赤飯?
四月十三日
- まだパン屋の仕事を休んでる。
- ドナー・ベーカリーに勤め始めたころのことを思い出す。ウンコまみれにされたとかろくなことじゃない。
四月十四日
- ストラウス博士って、精神病医であり神経外科医であったのか。
- 知的成長が感情的成長を追い越してるから、いろいろ問題が出てくるらしい。
四月十五日
四月十六日
- IQについて、いろんな人から話を聞いたけど、よくわからない。
四月十七日
- いやな夢を見る。経過報告にイヤらしいことを書いて、キニアン先生とかに怒られるというやつ。で、やぶかれた報告書が血まみれのバレンタインカードになるっていうの。
- で、自由連想をして、昔のことを思い出す。
- 11歳のころ、バレンタインのとき、クラスのアイドルのハリエットにロケットをプレゼントしようとして、友達のハイミイに手紙の代筆を頼んだら、なんかイヤらしい手紙にされて、ハリエットの兄貴にぼこぼこにされたってことを。
四月十八日
- またロールシャッハテストを受けることになったが、あれってだまされてるんじゃないのかと疑いだし怒り出す。
経過報告10
四月二十一日
- 粉練り機の生産性をスピードアップされる新方式を考案する。
- パン屋のみんながよそよそしい。
- 昔、ロールパンの丸め方を教わって、うまく行かなかったときのことを思い出す。
四月二十二日
四月二十四日
- 報告書で不都合なところは非公開にするってことにする。
- ストラウス博士とニーマー教授が議論してるのを立ち聞きする。
- このプロジェクトのことをシカゴの学会で発表するかどうかで、ストラウス博士はまだ早いって言ってる。
- あの二人は神でも英雄でもなく、ただの人間ってことらしい。
四月二十六日
四月二十七日
- キャンパスの軽食堂で数人の男子学生と友達になって、いろいろ論じ合っているのを聞く。
- 図書館で色々と本を読む。
四月二十八日
- 小学校のころ(ノーマが生まれる前)の夢を見る。
- 両親と校長先生が、チャーリーをワレン養護学校に入れるかどうかで議論している。
- ローズのほうは、この子は正常だと言い張り、マットは無理だといってる。
経過報告11
五月一日
- アリス・キニアン(以下アリス)と映画と夕食に行った。
- アリスにときめきラブ。
- アリスがチャーリーのめざましい進歩に感心する。あと、チャーリーが傷つかないか心配する。
- アリスに告白するが、拒まれるというか戸惑われる。
五月三日
- 長い廊下を走っている悪夢を見る。ポケットに何かを隠していて、赤毛の女の子が現れて抱きしめるけど、いけないような気がして怖くなり、彼女が血まみれのナイフを握っているというもの。
- アリスのことを考えると同じ恐怖感がでる。
- 自由連想をして、ノーマが風呂に入っているのを覗いたときのことを思い出す。ノーマの下着に血がこびりついてる。お赤飯?
- 三匹のめくらのねずみの歌。
五月八日
- パン屋の親方のジンピイがレジをごまかしてお金をちょろまかしてることに気づく。どうしてよいかわからない。
五月九日
- ドナーさんとジンピイさんの間で板ばさみになって迷う。
五月十日
- ニーマー教授に相談すると、無視しろといっている。ところで教授は手術前の自分を人間扱いしていないっぽい。
- ストラウス博士はドナーさんに話せといっている。
- アリスに相談すると、自分を信じて自分で決めろといっている。
- ついでに恋の告白。しばらく様子を見ましょうということに。
五月十一日
- ジンピイにそれとなく警告する。盗みをやめざるをえないっぽいってことで決着がついたみたい。
五月十五日
- 学習高原をバリバリと登りつめる。教授達なんか鼻で笑ってちちんぷい。
五月十七日
- 夕べはアリスとコンサートへ。
- アリスに愛撫しようかしまいか葛藤しまくる。
- いいところで耳鳴りがして、十五、六の少年の幻覚が見えだしたんで、帰る事にする。
五月二十日
- パン屋をクビになる。頭が良すぎるせいでみんなに憎まれる。
- 知恵の実を食べたアダムとイブ状態?
五月二十五日
- アリスの部屋へおじゃまする。
- 友達がいなくなったり、パン屋を追い出される恐怖を訴える。
- 配達先の中年女に裸を見せられたり、妹の友達を見て勃起してローズにこっぴどくしかられたことを思い出す。
- アリスを抱こうとしたが、土壇場になって耳鳴りが始まった。
経過報告12
六月五日
- 一週間後の国際心理学会にむけていろいろと。
- 報告書の作成にタイプを使うようになった。
- アリスとはプラトニックな関係。
- ノーマが歴史のテストでAを取ったときのことを思い出す。
- ご褒美に犬を買ってという話から、兄を邪険に扱う流れになって、それが父の怒りを買って話がお流れになった。で、ノーマにものすごく嫌われるようになった。
六月六日
- アリスに会いに母校の精薄者成人センターへ。
- 昔の仲間に対するチャーリーの態度とか、いつのまにか立場が逆になってる彼に対する劣等感とかその他もろもろでアリスが怒り出す。
六月八日
- 行き場を求めてセントラル・パークを散歩してたら、男漁りをしてる人妻に会う。
- せっかくだからいただくことにしたら、妊娠五ヵ月で、なんか妹を妊娠したころの母を思い出してキレる。
経過報告13
六月十日
- 飛行機でシカゴの学会へ。
- シートベルトのせいで、五歳ごろの時母に連れられたインチキ医者のことを思い出す。
- 診察台に拘束されて、超短音波改造機とかいう胡散臭い機械にかけられたけど、利口になれるって励ましてくれたので、まんざらでもない。
- 利口になりたいってモティベーションってこの辺の母親の影響?
六月十一日
- ちょっとごたごた。
- 宿泊先の心理学者達にちやほや。
- ニーマー教授もストラウス博士も単なる凡人だと気づく。(←っていうか、あんたが頭良すぎるだけじゃん。寛容ってもんがないの?)
六月十三日
- 国際会議っつっても、そんなたいそうなものじゃないじゃん。
- アルジャーノンってこのごろ少し変らしい。どうしたのかな。
- なんかみんな自分のことを実験動物っぽく扱ってるじゃん。
- ところで、今回の実験って変化が定着するかどうかまだ見極められてないじゃん。
- ニーマーのヤロウ、昔のチャーリーは存在してなかったとか、今の私は自分が作ったみたいなこと言ってやがるじゃん。ちょムカ。
- アルジャーノンを籠から逃す。
- アルジャーノンといっしょにトンヅラこいてGO!
経過報告14
六月一五日
- 新聞にバッチリ載ってるじゃん。しかも家族も。
- 家族の写真見てたら母のことを思い出す。ノーマが産まれて正常だとわかったら、母の態度が逆転して、雑草扱いになったっとか、ノーマの為にワレン養護学校にいれちゃおうとか。
- 母に会おうとか思ったけど思いとどまる。
- ニューヨークで金をおろしてホテルに泊まる。
六月一六日
- アパートを借りる。
- アルジャーノンの部屋を作る。
- ひとりでのんびりと考え事でもしますか。
六月十九日
- ふとしたきっかけでお向かいのフェイ・リルマンと付き合う。美少女わんさかコメディ?
- 彼女は芸術化肌のちょっと変わった人。アルジャーノンの迷路を芸術作品呼ばわりとか。でも魅力的?
六月二十日
- 父が母と別れて開業した理髪店へ。結構さびれてる。
- 父との思い出はけっこう温かな感じ。
- 自分のこと打ち明けようと思ったけど、気づかないっぽいのでそのまま帰る。
六月二十一日
- アルジャーノンって食べ物がなくても迷路を解くじゃん。成功自体が褒賞?
- でも最近様子がおかしい。
六月二十二日
- フェイがアルジャーノンの相手にとメスネズミのミニィを連れてきた。
六月二十三日
- フェイと一発やろうかと。でも第三者から見てるような変な感じがするのでやめることに。
- フェイと酒盛りして酔っ払う。そしたら、なんか昔のチャーリーになったらしい。
六月二十四日
- 人との一体感を求めて映画館のはしご。
- 立ち寄った食堂で、精薄児の皿洗いがバカにされてたのでキレる。
- 昔の自分と今の自分のとこでいろいろと考える。
- せっかくだから自分の知識と能力を生かして、ウェルバーク財団に頼んで、人間の知識の増進をはかる独自の研究をやらせてもらいましょうか。
六月二十五日
- アリスと再会。
- 昔のチャーリーに見張られてるっぽいとか、彼の存在についてとか話す。女性が怖いのって彼の感情のせい?
- 感情的にも成長しないとね。
- 彼女を抱こうとするけど、昔のチャーリーが邪魔をするっぽい。ってことでフェイだと思って抱くことにする。結構鬼畜?
- でも中止。ガマン汁漫画。BOYS BE?
- 本モノのフェイとやることに。チャーリーが見てるっぽいけどやることに。こんどは成功?
六月二十九日
- 研究室に帰る前に、学会を飛び出してから着手した研究課題を完成させようと、いろいろと。
六月三十日
- フェイって社会不適合者っぽいけど、やる分には結構いいかも。チャーリーも監視しなくなったし。
七月五日
七月八日
- クラブ通いとか、ウルドゥ語の動詞形の言語学的分析とか。
- はやく研究室に戻らないとね。
- アルジャーノンがおかしいっぽい。
七月九日
経過報告15
七月十二日
- 研究室に戻る。
- 財団に接触して、独自の研究をやるってことで、ニーマーが冷たいっぽい。
- アルジャーノンがいろいろと忘れてるっぽい。
- 状況を把握するために研究室を見てまわる。
- 標本を処理するための冷蔵庫と焼却炉を発見。
- アルジャーノンは自分で始末する。
- 自分の場合のことをニーマーに聞く。失敗した場合は前よりひどくなる場合もあるから、ワレン養護学校送りに。焼却炉じゃなくてよかったね。
- せっかくだからワレンを訪問することに。
- 心理学のテキストをいろいろ勉強。
経過報告16
七月十四日
- ワレン養護学校を訪問。けっこういいところっぽい。スタッフは己の一部を子供達のために犠牲にすることをいとわない人間だし。
七月十五日
- 母に会うのは先ということに。自分の研究の結果を見届けてから。
- アルジャーノンがかなりやばいことに。自分と同一視するのはやめましょう。
- フェイとすれ違いぎみ。彼女が独占欲を示し出した。
七月十六日
- アリスがアルジャーノンを見に来た。手術を勧めたことに責任を感じてる。
- アパートでアリスとフェイが鉢合わせ。お互いに話には聞いていたけど。
- おたがいに好感を持ったみたい。
- アリスを送っていく。いろいろと心配してもらう。彼女が本命ということでフォロー。
七月二十七日
- フェイがかまってくれないとごねてるけど、時間がないので無視。
- 知能の解析学はおもしろいです。
- 研究室に泊り込んで夜も昼もなく。
- 猿を見てる夢を見る。
- アルジャーノンは自分の排泄物の中でうずくまって動かない。
七月二十八日
- フェイに新しいボーイフレンドができた。ほっとした。
- アルジャーノンは無気力から立ち直って迷路を走ったり、行き止まりにいって、とち狂ったり。
七月三十一日
八月十一日
- 研究が袋小路。でもあわてないあわてない、一休み一休み。
- ニーマー婦人のカクテル・パーティに出席。
- ニーマー婦人が夫を持ち上げるようなことを言うので反発する。
- ウェルバーグ財団の人がこの研究の実用性に疑問を持つ発言をしてたけど、ストラウスがうまくあしらう。
- なんか場違いっぽい?
- ニーマー教授と口ゲンカ。お互いに日ごろの鬱憤をぶちまける。
- 閃いた。
八月二十六日
- ニーマー教授宛の書簡(コピイ)
- 別便で『アルジャーノン・ゴードン効果
増大された知能の構造と研究』をお送り申し上げます。
- あなたがたの療法は無駄無駄無駄ァァァ!!
- 人為的に誘発された知能は、その増大量に比例する速度で低下する。
九月一日
- そろそろ焼損の最初の症状があらわれる?
- アリスにこのへんの話をしたら泣いた。
九月二日
- 山の頂きでひとり立ってる夢を見る。
- 今回の実験については誰も悪くはないでしょ。予測できなかったことだし。
- あとどれだけもつか?
九月一五日
- 私の結論が確証されたらしい。
- とりあえずこれ以上人体実験をしないように提案。
- 酵素の不安定性あたりの研究をしたいけど、時間はないだろうし。
九月一七日
- ぼんやりするようになった。最初の徴候?
- アルジャーノンが死んだ。
- 予測通り脳がすかすかになってた。
- 実感がわき、はじめて将来のことが不安になった。
- アルジャーノンを家の裏庭に埋葬。墓に野の花を供えながら泣く。
九月二十一日
九月二十七日
- 三日前ローズに会いにマークス通りへ行った。なんか記憶にあるより汚らしい通りだった。
- 母に会う。わりとすんなりこっちのことを気づいた。で、かなり耄碌しているけど、いろいろあったあと、正気に戻って自分を頭がよくなったチャーリーだと認識したら大歓迎してくれた。来て良かった。
- 会いたくなかったけど、ノーマと鉢合わせ。
- 思ったよりいい人だった。自分を歓迎してくれた。
- いろいろ話して、過去のわだかまりがなくなった。
- ノーマにすがりつかれてるのを見て、ローズが昔にもどってキレてナイフを持ち出す。
- とおりに出たらこらえきれなくなって泣き出す。
- 三匹のめくらのねずみの歌。
経過報告17
十月三日
- 自殺しようと思ったけど、チャーリーのことを考え思いとどまる。
- 人類への貢献だと考え、経過報告を頑張る。
- 怒りっぽくなっていらいらする。レコードやステレオを叩き壊す。
十月四日
- ストラウス博士のところで心理療法。
- ストラウス博士に悪態をついたり。
- なんか心霊体験だか幻覚だかわかんない変な感覚を味わう。
十月五日
- テストを受けに実験室へ。
- 迷路がうまくできなくなったので頭に来た。
- ロールシャッハ・テストはどう答えるとどういう結果か知っているから。っていうかなんか忘れてる。ショック。
- ビークマンを永遠に去ることに。
十月七日
- ストラウスが会いに来たけど無視。
- 数ヶ月前読んだ本の内容が思い出せない。
- 六、七歳のころ、母親に教科書で読み方の練習をさせられたことを思い出す。
- 『失楽園』を破いて放り投げる。
十月十日
- いつも夜になると散歩に出かけて、街の中をほっつきまわる。
- 夕べは自分が住んでるところを思い出せなくて、おまわりさんに連れて帰ってもらった。
- ポン引きにだまされたり。
十月十一日
- 心配したアリスが来てた。
- アリスと口ゲンカ。
- アリスと愛し合う。神秘的。
十月十四日
- アリスと音楽会に行ったが、注意力が集中できなくて途中で退屈して出てきた。
十月十七日
十月十八日
十月十九日
- 運動神経機能が減退。
- テレビばっかり見ている。
- 外国語を忘れてしまった。
十月二十一日
- アリスとケンカ。出ていっちゃった。
- 自己憐憫のせい?
十月二十五日
- 退化進行。タイプライタの使用をあきらめた。
- 古いことをどんどん忘れていってるけど、本を借りてきて読んだりすれば、わずかな知能を引きとめられる?くだりのエスカレーターの上で駈けあがってるみたいなもん?
- ストラウス博士が来た。
- フェイは自分のことを怖がって裂けてる。
- 大家さんのムーニイさんが食べ物をもってきてくれた。アリスかストラウスの差し金?
十一月一日
- ここ一週間ほどベッドで寝ている。
- 一応本は借りている。
- ドンキホーテの話の意味がなんかわからない。
十一がつ2日
- 通りのむこうのビルの一階下にいる女が風呂から出てくるのが覗けるのでコアラッキー☆
十一がつ5日
- ムーニイさんがいろいろと心配してくれる。
- アルジャーノンのお墓にはちゃんとお花を供えています。
- フェイに門前払いをくらう。
十一がつ9日
- テレビがないので気がまぎらわせられない。
- お向かいの婦人を覗けなくなってチョバチョブ。
十一がつ10日
- ムーニイさんがお医者を連れてきた。
- 事情を知らないのでキチガイだと思われる。
十一がつ11日
- ストラウス博士とアリスが来たが門前払いにする。
- 二人はムーニイさんにお金を払ったらしい。
- 人の恵みは受けたくないので働きに行きますか。
十一がつ15日
- 昔の経過報告を見ても意味がわからなくなってる。
- っていうか、読者のほうもこのごろの報告書を見ても支離滅裂で訳がわからなくなってきてると思う。
十一がつ16日
- アリスが来たけど門前払い。
- 別に嫌いってわけじゃないけど、笑われたくないし。
十一がつ18日
- ドナーさんのところへ行って昔の仕事をさせてもらう。
- 新入りのメイヤー・クラウスというやつにいじめられたりしたけど、他のみんながかばってくれた。
- ともだちがいるのわいいものだな……
十一がつ21日
- うっかり精薄者成人センターのキニアン先生のクラスに行って、昔の席に座る。学年があがったときにうっかり前のクラスに行っちゃうみたいなもの?
- それを見たキニアン先生ショック大大。
- ワレン養護学校にでもいきますか。天才のころの自分を知ってる人に同情されたくないし。
- みんなにいろいろと別れの言葉。
- アルジャーノンに花束を。
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