6月の新作ワイン会は、スペシャル・ゲストとして「カレラ・ワイナリーの物語」を昨年翻訳された松元寛樹さんにもご参加いただき、楽しいひとときを過ごさせていただきました。

1. VOSS Sauvignon Blanc Napa Valley 2000
2. TESTAROSSA Chardonnay Santa Maria Valley Bien Nacido Vineyard 99
3. GARY FARRELL Pinot Noir Sonoma County Russian River Valley 99
4. WILLIAMS SELYEM Pinot Noir Central Coast 99
5. TURNBULL Red Wine Oakville Napa Valley 97
6. VERITE Merlot 98
7. BROWN ESTATE Zinfandel Napa Valley 99
8. T-VINE Zinfandel Napa Valley Brown Family Vineyard 98
9. KENWOOD Cabernet Sauvignon Artist Series 93
10. RAVENSWOOD Late Harvest Gewurtraminer Sonoma Valley 97

1.は非常に軽やかで飲みごこちの良いSB.レモンのようなシャープな酸と苦味が印象的。ロリスさんいわく、「レストランで出される、レモン入りの水のよう」 なるほど!

2.は非常に濃厚でクリーミーな樽とバニラの香り。でも口に含むと酸がきりっとしていて重くなく、これも軽やかな白ワイン。今風のトレンドなシャルドネか?

3.はとても華やかな香りがグラスいっぱいに広がって圧倒される。純粋無垢できれいな酸、でも味わいは濃厚でタンニンもしっかり。Rochioli、Allen、Olivet Lane、Stilingといったトップクラスの畑のブレンド。単一畑ではないものの、これは意外なヒット!

4.はWilliams Selyemの新しいオーナーがカレラの畑の近くに所有する自社畑から。これも酸がしまっていて、全体のバランスが抜群! 時間とともにまろやかに変化。$25という値段からすれば、非常にお値打ちなピノですね。

5.はTURNBULLが97年に特別に瓶詰めしたワインで、The Wine News誌で96点を獲得したもの。
凝縮した果実味が凄い! でも口のなかでふわっと膨らむようなやわらかさ。甘さもあるけど、決してしつこくなくバランスが非常に良い。でも$80弱という値段は高いですね。

6.のVeriteは、「ぺトリュスに対抗できる水準のメルロー」を作るために設立されたケンドール・ジャクソンの新しいプロジェクト。ブラインドでペトリュス95より高い評価だったとのことだが、なるほど5.のワインとは格が全然ちがう。 非常にエレガントで上品、軽やかな口当たり。でも口に含むとしっかりとしたストラクチャーと秘められたパワーが凄い。濃厚な黒いベリー系の果実味。メルロー90%だけど、どこかしらAraujoの面影が見え隠れする。余韻もたっぷりで言葉を失いそう。

7.は昨年起きたナパ・ヴァレーのワイン倉庫の火事で98年産ワインのほとんどを失った悲劇のワイナリー。圧倒されそうなオークの香り、口当たりはとても軽やかでしっかりとした果実味。Zinにしてはやや強めでシャープな酸が印象的。

8.はT-Vineが、Brown Estateから買い付けた貴重な98年産のブドウを使ったもの。
15%を超えるアルコール度の強さは、WS誌最新号に書かれていた通りの今のトレンド。でもガツーンというパワーではなく、ふっくらとソフトでまろやか。甘味も強いけど上質の砂糖といった感じのエレガントさ。いや〜、美味しいZinです。

9.は次回のワイン会用に用意してあったものだが、皆さまのご要望にお答えして急遽登板。(よって写真はなし)前評判ではタンニンが強くて熟成に時間がかかるとのことだったが、非常にまろやかで豊潤で濃厚な果実味がたまらない。ここまでまろやかになったのは、我が家で常温のまま夏を3回過ごしたせいか?

10.はこのワイナリーでは珍しいデザート。アプリコットの甘い香り、すっきりと上品な酸。とにかく香りが素晴らしく、ずっと嗅いでいたいほど。これも意外なヒット!

2001/06/07