BEHRENS & HITCHCOCK Red Napa Valley Ode to Picasso 1998  

ひろみみさん、リニューアルオープンおめでとうございます!と言うことで、お祝いのワインならこのラベルしかないでしょう。あのR.パーカーも絶賛するナパ・バレーのブティック・ワイナリー、B&HのOde to Picassoじゃ!!

Ode to Picassoは、シラー中心のブレンドだが、セパージュは毎年大きく変わり、その年に造られた樽の中で最上のものを選んでブレンドされているらしい。
98年は残念ながら詳細が不明だが、99年はシラー(32%)、カベルネ・ソーヴィニョン(31%)、メルロー(25%)、カベルネ・フラン(12%)の4種類。これに対し、97年はシラー(80%)、メルロー(20%)という2種類のブレンド。
96年が初ヴィンテージだが、今までに飲んだことはなく、この98年がまさに初めてだった。

色は濃く、やや紫がかった鮮紅色。くるみの渋皮、干したチェリー、オレンジムース、コアントローにバタークリームを溶かしたような香り。最初のアタックは軽くて柔らか、次に切れのよいフレッシュな酸が広がる。うちの奥さん曰く、「グレープフルーツみたい。」
硬質で引き締まったボディ、濃厚ながら甘みを抑えた果実味。口の中を洗い流すような、たっぷりとしてきめの細かいタンニン。最後に舌の奥にずしんと来る独特の重みは、今まで味わったことのない感触だ。
今飲んでも美味しいけど、もう少し熟成させたほうが良さそう。某サイトのTNによると、今飲むなら3時間前のデカンタが必要とか。2日目には酸も落ち着いて、ほのかにスパイシーな香りが漂う。シラーの特徴が前面に出始めたのか、黒胡椒、黒糖、洋酒で煮たチェリー。そしてタンニンはシルキーでより滑らかに。瓶に残った最後の一杯は、ふくよかで実に美味しかった!

ワイナリーの設立は1993年。オーナーの2人はそれぞれ会計士とレストラン経営者だったが、彼らがガレージで造り始めた「自分たちが飲みたいワイン」が評判を呼んで、今では知る人ぞ知る超人気ワインとなった。現在もブドウはカリフォルニア各地の著名な栽培畑から買い付けたものが大半を占めている。どのワインも100ケースからせいぜい500ケース、販売ルートもメーリング・リストだけとか。ここまで書いて気付いたが、まるであのWilliams & Selyemみたい。職人が造るこだわりの1本、といったところか。
Picassoとは、そのオーナーに飼われていた猫の名前。可愛がっていた彼の死を悼んで、いつまでもその想い出を残そうとこのワインを造り続けている。ラベルとキャップシールの色は毎年変わり、写真の水色が98年、紫は99年。400ケースくらいしか造られていないレア物だが、これから毎ヴィンテージ買ってしまいそう。猫好きワイン好きの方々にはたまらないコレクター・アイテムでしょう。

2002/10/20