LANG & REED Cabernet Franc Rose Wild Hare 2001


ロゼというワインは本当に不遇な星のもとに生まれたのだと思う。
シャンパーニュのロゼなら垂涎の的となるのに、ただのロゼワインとなると人々の態度は急変する。
「甘ったるいし、初心者が飲むワインでしょ。」とか「花見の席だったらぴったりだけど。」なんて
言われたりして。私が記憶している限りでは、CWFCのワイン会でもロゼは一度も出されたことはない
はず。


「ホワイト・ジンファンデル」というロゼより軽い安価なブラッシュ・ワインが広く浸透している
アメリカでも、ロゼは夏向けのワインと考えられているのか、この時期になると急にリリースされ
る数が増える。逆の見方をすると、この時期でないと出会えないレアなものもあるわけで。
そんな貴重なワインのひとつが、このカベルネ・フラン100%のロゼ。Lang&Reedという
ワイナリー自体がカベルネ・フラン専門なんだけど、聞くところによると、日ごろ軽んじられて
いるロゼを“HIP”なワインにしようと思い、このワインを造ることにしたのだとか。


冷蔵庫でよく冷やして夕食時に。色調はややオレンジがかったルビー色。グラスに鼻を近づけると、
甘い砂糖漬けのチェリー、スパイス、そして干しブドウの茎のような青みのある香り。
甘みはほとんど感じられず、酸がしっかりしてドライな口当たり。
特筆すべきはタンニンの強さで渋みは感じないものの、しっかりとタンニンのニュアンスが舌に残る。
除梗をしていないのか、ロゼにしては結構骨太。時間とともに少しずつ甘みも出てきてまろやかに
なったが、食前酒として軽く飲むには少々強いかも知れない。

夕食のメニューに焼き茄子を生姜醤油で、という一品があったのだが、それがこのワインに合うこと!
スモーキーな焼き茄子の香りや醤油の味と絶妙のハーモニー。驚きました。これは意外と和食に合わせ
やすいワインなのかも。うちの奥さんは、「おせち料理に合いそう。」と言っていたが、伊達巻や黒豆、
田作りなんかぴったりでしょう。鳥の唐揚げや「鶏肉のカシューナッツ炒め」みたいな中華、キャビア
やサーモンをのせたカナッペなどにも良さそう。
値段も約13ドルと手頃だが、たったの152ケースしか造っていないのが残念。
これもまたラベルに惹かれて買ってしまったワイン。しかも3本も!(笑)


ところで“Wild Hare”って「野ウサギ」という意味なんだけど、体の色がロゼワインに似ている
っていうことなのか? う〜ん、よくわからない。あのバックス・バニーは灰色だぞ!


2002/9/7