カリフォルニア・スーパープレミアムワインのひとつ、 Araujo のvertical(同じ銘柄のワインの年号違いを並べて飲む。ワイン好きの間では「垂直飲み」=verticalと言われている)。
華々しいとしか言いようのないパワフルな一夜になりました。

Araujoは1990ナパヴァレーのカリストガに設立され、かつてはあの天才ワインメーカー、トニー・ソーターがコンサルティングをしていたワイナリー。

この日は贅沢にも
Araujo Eisele Vinyard Cabernet Sauvignon 94/96/97/98/99
Altagracia Napa Valley 2000/1999
Araujo Eisele Vinyard Sauvignon Blanc 2000/2001
Araujo Syrah 95
が並びました。

●では飲んだ順にレポート。

1)Araujo Eisele Vinyard Sauvignon Blanc 2000
2)Araujo Eisele Vinyard Sauvignon Blanc 2001

1)飲み応えたっぷり。凝縮された果実のエキス。トロピカルフルーツや花の香り。Vioginerがブレンドされています。実にパワフルなソービニオン・ブラン。一本目から強烈な幕開け。透明ボトル。
2) 2000年より立体的。アルコール度も強い。グリーンボトル。生産量が少なかった年とか。
ソービニオン・ブランは500〜700ケース程度と生産量も少なめなので、じっくり噛みしめていただきました。

3)Altagracia 2000
4) Altagracia 1999

アルタグラシア2000、最初の印象は軽やか。どこまでもまろやかなのにしっかり濃い。ラフィット〜!な印象。料理に合わせるとするっとなめらかなマリアージュ。これはおいしいです。タンニンもしっかり、酸はきれいにとけ込んでいて、パーフェクトなバランス。私的にはニ重丸と言っておきましょう。
1999はやや印象が違います。鋭角なイメージがあって、タンニンにもザラツキがある。ストラクチャーがしっかりしていて強い。hard style かも。しかし余韻は非常に複雑です。これまた、99はイラスト入りのエチケットですが、2000は文字だけ。よく変えますね。何かコンセプト的に違うのかな?しかし2000は見逃せないおいしさです。


そしていよいよ、カベルネ大会です。
5)Araujo Eisele Vinyard Cabernet Sauvignon 99
 ひえー、これはダンチの差です。スケールが違います。強靱で骨格のしっかりしたボディに引き締まった筋肉。無敵のパワーに圧倒される。長くしっかりした余韻。体にも脳細胞にもガツンとした衝撃です。偉大な長熟ワインなのに、今でも飲める、というところがカリフォルニアなのかもしれません。もっともっと熟成させて飲んでみたいと思いました。

6)Araujo Eisele Vinyard Cabernet Sauvignon 98
判断に迷う。△って、比べる相手が強すぎます。98年のナパのカベルネはちょっとだけ評価が低いと聞いていますが、98の良さも見つけて今度は単独で飲みたいと思いました。

7)Araujo Eisele Vinyard Cabernet Sauvignon 97
99によく似ています。力強く非の打ち所がない。年数が経過した分、スムースな印象。完熟したプラムやベリーと果実以外の香り。樽香やタバコ、少しづつ顔を出すピーマンやシシトウ。ちょっと肩の力が抜けた99という感じ。お見事。

8)Araujo Eisele Vinyard Cabernet Sauvignon 96
同席したKさん命名。「くどうしずか」。穏やかに静かに味わい深い。こなれていて口当たりスムース。飲み頃に入っており、あと数年、くどうしずかでいるかも。

9)Araujo Eisele Vinyard Cabernet Sauvignon 94
カリカベのパワーとアルコールの高さで、このあたりに来るとかなりフラフラになります。94年です。I think it 'perfect' ! (急に英語になるほど酔いが回っています)。今飲んでベストでしょう。チョコレート、バニラ、杉、タイム、甘さとハーブ香の2重奏。長〜い余韻にうっとり。94っておいしいですね。ワインスペクテーターも「Highly Recommended」でした。そうそう、ウチに94のルビコンがあったな。

10)Araujo Syrah 95
ラストはこれまた貴重なシラーです。主催者としては「95だけがなかったから・・・」とのこと。当日の私のコメントにはyellowな感じ…とだけ意味不明のメモが。10本は多すぎる。シラーでホッとします、との声も。これもまた今度ゆっくりと単独で味わいたいワイン。

出席者の評価。
99年ダントツ。好みです。すばらしい。とのこと。しかし97、96にも魅せられたとのこと。
私的には1-3-5-7。そして9です。


ちなみにワインスペクテイターより。
Araujo Cabernet Sauvignon Napa Valley Eisele Vineyard 1999
Rich,earthy,decadent aromas are intense and enormously concentrated,with sharply focused,currant,pencil lead,mineral,sage and dusty berry flavors that offer uncommon depth and concentration. Finishes with an amazingly long and detailed aftertaste. Should be a 20-year wine,with ease. best from 2006 through 2019. 1,745 cases made.
Score:97

飲んだ日 2003/1/10
スコア 20/19