貴重なシャンパーニュの85年ヴィンテージ4本を比べながら飲んだ夜。
甘美な味わいを堪能し、その感動をいまだ引きづっているような・・・余韻の長いワイン会でした。

シャンパーニュの華やかなすばらしさを味わうのは至福の時。
贅沢にもよりすぐりばかりで、それぞれに違うスタイルをたっぷりと楽しめました。
飲んだのはこの４本。

アラン・ロベール。
Le Menil Cuvee Tradition　85　"Rare" という文字が入ったこのキュベ。
では、と開ける時のうきうきするような華やかなひととき。みんなうれしそー。
プスっという静かな音とともに、甘く熟した蜜入りりんごの香りが漂います。きれいなグラスに注がれるキラキラと輝く泡の美しいこと！幸せの香りがしてあまりに優雅。味わいは甘やかで丸く、しかしすっきりとして濃い。Chardonnay だけとは思えないふくよかさ。さすが通好みといわれるシャンパン。Jさん曰く。じいさん好み。こだわりのクセ者だけど秀逸！というひねりの造り。
熟成シャンパーニュを味わうと抜けられなくなるのが困りますね。
香りはのちに黒蜜、栗、黒砂糖・・・どこまでも濃い大好きな香りになりました。

ドンペリ。Brut 85 。
泡はアラン・ロベールよりずっとsharpで勢いがある。立ちのぼりも早く、そのキメ細かさはパウダーのよう。ロブマイヤーのデリケートなグラスに華麗にたちのぼります。ドンペリ、おいしい！完璧なバランスは誰もが「お見事！」と認めるところ。90 年のパワフルさとは違うけどエレガントという点では飛び抜けています。PN45%と歩くワイン博士のJ さん曰く。ちょっと79年のブル白に似ているというコメントも。シャルドネがよかった年です。男性的ですがしなやかさが加わった魅力的な造り。

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Krug。
いちばん圧が高い。チリチリと舌を刺激するアグレシブな印象。クルギュストたちがこよなく愛するシャンパンは少し、ヨードの香り、海草の香りがしました。クルッグは酸と骨格のしっかりしたメニルの畑と、ミネラルと果実味のアヴィスの畑と、もうひとつトレパイユの畑のシャルドネをブレンドするという。それにピノ・ノワール、ピノ・ムニエ。それぞれに3種から数種の異なるキャラクターを持つ畑からのぶどうをそれぞれにワインにして絶妙なアッサンブラージュによって完成する。当主とその家族だけでなされる緻密なブレンド。飲むたびにため息のでる特別なシャンパンです。ヘミングウエイ、マリア・カラス、エリザベス女王の最愛のシャンパン・・どこがおいしいって、激しいです。なんだかいちばん個性的なクセ者だったかも。ハードで重厚なスタイルと言えるのでしょうか。
このあたりでお料理は白子と牡蛎のクリームソース。話しは、フランソワ・ミエ。「余韻だけは人がつくることはできない。ぶどうの力がつくるのだ」とのことと、Mパパが語る。中尾ミエじゃないよ、とギャグも快調。
残り香は、どこまで待ってもアラン・ロベールにはならない。これもきっと作ることはできないのでしょう。

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そして最後にBollinger VVF 85。超レアな一本。
Blanc de Noirです。フレッシュないい香り。85にしてこの若々しさ。金属や鉄の香りがしてピノ・ノワールの芯の通った強さとふくよかさを感じます。懐が深いというか、実力があるのに、さりげないというか、限りなくジェームス・ボンド。昔のショーン・コネリーもいいけど、今もいいですよね。熟成するということがいかにすばらしいか。。。ボランジェ・ファンが多いのも、納得です。味のある男、ですね。複雑でしかも深い。お料理はアワビを添えたウニソースのリゾット。ちょっとオコワ風。
しかし、このラインナップ、飲む順番が良かったですね。起承転結。すばらしい。

赤ワインもオール85ビンテージです。
レバンジル85、そして予定外のプレゼント！オーブリオン85！
レバンジルは、なんともおいしい。
鉄分を含んだ血の匂いがしてポムロールを感じます。いろいろな栄養素を体に染み込ませたあとで、必要なよいものだけを残して、贅肉をそぎ落としたような深みのあるすっきりさです。
18℃という適温で出してくださるお店の配慮にも感激。
そしてオーブリオン。
一口、口に含むと、みんなを黙らせてしまう力があります。はっきりいって若々しい。すっきりしているようでまったりしているというか、むっちりしたかとおもうと凛々しくなるというか。妖艶から端正へ、行ったり来たりする美女のようです。U 氏曰く、クールビューティー。Graves だからか。なるほど。
バランスも味わいも余韻も一流のものでした。最後にバニュルス、これも85年。
デザートのワインも幸せの味です。