Rubicon 1981

 

「ゴットファーザー」で大成功を収めたフランシス・コッポラ監督は1975年、ナパヴァレーのラザフォード地区にGustave Niebaumの畑を買い取り、ワイン作りを始めました。「ルビコン」はそのプレミアムワインです。「ルビコン河を渡る」というとイタリアでは「背水の陣」のたとえの通り、住居をここに移してコッポラファミリーがあつい情熱をそそぎ込んだイタリアの魂みたいなワインなのです。映画関連の品々も多く、ワイナリーの見学は観光客の人気です。
 このルビコン、ヴィンテージは1981年ですから19才のワイン。満を期しての抜栓です。コルクを抜いたとたんに広がった極上の香り。プラム、チョコレート、プルーン。次々に華やかに開いてとてもゴキゲン。色は茶色から煉瓦色を含んでやわらかく暖かい。飲み頃のピークは過ぎ、たぶんゆるやかに落ちかけていくところ。でも甘みも有り、タンニンもしっかりある。カクシャクとして骨太な中に、運命的な悲しさを秘めているような味わいでした。ふるさとのシシリー島の日溜まりで揺り椅子に眠るコルレオーネのイメージで。

 エノロジストにトニー・ソーターを迎えてコンサルティングとアドヴァイスを受け、Rubiconならではのキャラクターを作り上げることを目指したとのこと。こんなキャラクターを引き出すというトニー・ソーターの技にはやっぱり脱帽です。


少し前に1995 年も飲みました。こちらはバリバリのフルボディ。でも完熟果実の旨味と甘みの中に少しだけもの悲しいニュアンスを感じたのは、私だけでしょうか。グレイトなワインでした。


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Rubicon 
Niebaum-Coppola Estate Winery
Rutherford California
Red Wine:A Meritage blend of Cabernet Sauvignon,Cabernet Franc and Melrot

 

飲んだ日 2000/2/5
スコア 18/20