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2000年夏。記録的な猛暑というのに、このディープなローヌ、ロティのテイスティング。フランスチームの鎌倉合宿。すごかったですよ。めったに出来ない経験、2度とめぐりあえないリストでしょう。この日のラインナップ。ローヌというテーマが知らされ、説明を聞いたあと、飲み返しなしの一点づつ、オールブラインドで出されました。
写真はギガルのコートロティ、La Landonne(左) と La Mouline(右) 。なんと85年でした。1)は渋い、渋い!アルコールが高く、15年を経過しているとは思えません。100%シラー。ガツンとすごいワインです。大脳直撃とはこのこと。強烈ですが、何物にも屈しない孤高のバランスを感じました。男性的なワインです。2)は私の好み。こちらも超超、濃いのですが、1)よりはずっと飲みやすい。こちらもまさか85年とはわからず。でも、メンバーのCYO ちゃんはしっかり、推理。絶対10年以上。80年代中半とぴたりと当てました。まろやかで、強くて、濃厚。viognier入りだそうです。ローヌきっての名手、ギガルの最上品の3つ、ランドンヌ、ムーリン、トゥルク、そのうちの2つを飲んでしまったというわけ。この2本はめちゃくちゃ高いです。Rotiの85年はずば抜けていいグレートビンテージで、いわゆるボルドーの82年のようなものとのことですが、値段を聞いてびっくりしました。銘畑からの銘嬢。ランドンヌはなんと4年近くの新樽熟成だそうで、まさにローヌのトップブランドですね。
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3)は酸化熟成香がはっきり、しかし味わいはまろやかでエレガント。スモーキーな感じもあります。89年としましたが、なんとこれも85年、そして4)ですが、タンニンが強くシャープで若々しい。まだまだ、10年はいけそう、と思ったらなんと1979年。いやー、ローヌは奥が深い。ただものではないワイン達です。
実はどちらもエルミタージュ、ラ・シャペル、ポール・ジャブレでした。
シャペルは、ジャブレの実質的なグランヴァンで、良年のみ作られるという最高ブランド。Les Bessardsという鉄分の多い優良畑を中心に複数の畑からの葡萄をブレンドして作られるそうですが、不作の年はすべてセカンドワイン、Pied la Coteとされます。さすがの貫禄です。
私は5月にシャペル83年も飲んでいます。エレガントでソフト。すべてがとけ込んだ柔らかい味わいになっており、この時も感動しました。
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5番(右)は、まさに圧巻。香りにフラフラ。お醤油+アニマルです。好きな人はわかるんですね。100%グルナッシュを使った伝説のシャトー・レイヤス。しかも1983年です。澱まで飲みたいという声あり。世界中にこのワインならいくらでもお金を出すという熱狂的なファンがいるというワイン。
とどめは、明らかに古い、色も薄く枯れ始め、澱がすごい。香りはやわらかに広がり、まさに落ちる寸前、最後の飲み頃。好みです。なんとCNP、ポール・ジャブレの1966年でした。
グルナッシュ100%のピニャンはシャトー・レイヤスのセカンドワイン。なんともおいしいワインですが、本物の方は強烈でした。大人の男達をとろけさせてしまう官能的なワインなんですね。メンバーたちのブラインドでの人気は2と6。しかしさすが、ワイン好きの集団です。5の味わいも、どうしても気になる、うーん、すごい、好きかもしれない、好き、と結局は高い評価になりました。とんでもないテイスティングでした。
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1 COTE ROTI LA LANDONNE 1985 GUIGAL
2 COTE ROTI LA MOULINE 1985 GUIGAL
3 HERMITAGE LA CHAPELLE 1985 PaulJaboulet
4 HERMITAGE LA CHAPELLE 1979 Paul Jaboulet
5 Chateauneaf-Du-Pape 1983 Chateau RAYAS
6 Chateauneaf-Du-Pape 1966 Paul Jaboulet
■Cote Roti:ローヌ河ヴィエンヌの対岸、アンピュイの町を中心とした斜度60度くらいの急斜面の畑が最高級のロティを生むコート・ブリュヌとコート・ブロンド。コート・ロティは南仏最高の赤ワインといわれ、個性的で長熟。色調はどっぷりと深く、香りは頭がくらくらする位強い。フルボディでアルコールも強く、酸とタンニンのバランスがいい。若いうちは薬草、スパイシー、時がたつとラクティック(乳酸)でアニマルな香りをたちのぼらせる。
■Hermitage La Chapelle : エルミタージュの丘の頂上近くにある小さなチャペルにちなんで付けられた名。スペイン遠征の戦いに破れた十字軍の騎士、ステランベールが時の女王カスティールの許可を得てチャペルを建てそのまわりに葡萄を植えて畑を造り、余生を仙人(hermit)として過ごしたということからHermitage(仙人の隠れ家)と呼ばれるようになったと言われている。このチャペルは現在ジャブレが所有している。
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