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ホーチミン
date
11/21

ホーチミンは、喧噪の街でした。
人、人、人、バイク、バイク、バイク・・・
熱気と排気ガス。気温は30度ほどで、湿度も高く蒸し暑いけれど、なによりエネルギーの満ちあふれる街でした。しかし、大好きなベトナム料理を満喫し、メコンデルタを渡り、市場や雑貨屋めぐり、4日間とは思えない充実した旅でした。

ホーチミンは日本から約6時間のフライト。ベトナム航空のスチュワーデスはしっとりとしたえんじ色のアオザイを着ていてとてもキレイ。女性なら、乗ったとたんに、うん、私もアオザイを作ろう!と思うのでは?何しろ、オーダーメイドで翌日仕上げですからね。
さて、到着した途端にスコールの洗礼。熱帯モンスーン地帯であり、11月は乾期とのことですが、思い切り降ります。しかもただ止むのを待つしかないものすごい雨。小一時間で止んだのですが、想像を絶する激しいスコール。今日一日をリセットするような潔い雨でした。スコールが上がって街に出てすぐの景色がこれ。バイクでビュンビュン走り回るカップルや人々を縫って道を横断するのが一苦労。信号はあってもないようなもの。ゆっくり歩く、止まらずに歩く、と向こうが避けてくれる、とのことですが、最初は怖くて渡れません。しかしホーチミン随一の繁華街、ドンコイ通りとコンチネンタルホテルを臨む夕暮れの街は、ノスタルジックな建物がライトに照らし出され美しいです。

最初に行ったレストランは「Mandarin」という "シノワズリーな雰囲気でフレンチのおもてなし"とのふれこみの vietnamise。ボジョレ・ヌーボー解禁の日でさかんに勧められる。さすが仏領インドシナの名残でしょうか、ワインはフランス産が充実しています。
ゴイクン(生春巻き)、揚げ春巻き、蒸し海老、焼き帆立貝とパパイアのサラダ刻みピーナッツかけ、など定番を一通り。サービスもフランス式に真っ白なナプキンを膝にかけてまでしてくれる。西欧人や日本人、その他の観光客も多いので、サービスは洗練されていて、極めて無難。ソムリエがやけに自分の好みを押しつけるので閉口しましたが(笑)まずは全員ベトナムに無事到着の喜びに乾杯。シャンパンはめちゃくちゃ高かったので、カリフォルニアのシャルドネからスタートしたのでした!絵になる料理は生春巻きですが、味は揚げ春巻きの方が一段上。
 
翌日は街に飛び出してあちこちへ。短い滞在につき、まずアオザイを注文に。ベトナムシルクは薄くて繊細なので、日本で着るなら裏地をつけてもらうといい。生地を選んで、デザインを決めて、採寸して、翌日仕上げ。生地にもよりますが、だいたい US$30-US$45。街中はほとんどが米ドルが使えます。VDN(ベトナムドン)の exchangeより条件がいいので、ドルで支払う方が有利。アオザイ以外チャイナドレスでも、ワンピースでも、ブラウスでも、共布でサンダルからバッグまで作ってくれちゃう、ハンドメイド天国。仕事の速さと価格の安さに驚きます。
翌日のメコンデルタへ行く現地のシンカフェツアーの申し込みに出掛け、雑貨の宝庫、ベンタイン市場へ。広い市場の中はじっとしているだけでもたらーっと汗が流れ出る暑さ。洋服、バッグ、サンダル、ミュール、水牛の角や黒檀、ラワン材のお箸や安南焼きの茶器、食器、椰子材の食器、漆、陶器、ビーズや刺繍の手工芸品。食材や調味料まで、値切るお客もボロうとする売り子も、汗だく。まとめて買って値切ったようでも、なんだか騙されたような不思議な感覚。しかし、値段が安いのでトータルでは満足。バッグやクツは US$10-15ほど。もっと安く買えるんだけど、熱くて根負けしてしまいます。
 

市場で買ったバッグやサンダル。これはほんの一部!

バインミーというのが、ベトナムのフランスパンサンドイッチ。フランスパンにレバーペーストを塗って、ハムや大根と人参のナマスやハーブなどをはさんで食べます。ここ、ニューランは町中のバインミーの老舗。バケットそのものが、外がパリッと焼けていておいしいです。

 

トラン・アン・ユン監督の「青いパパイアの香り」がヒットした7-8年前から、あこがれていたベトナムに行ってみて、その色彩と風景に魅了されました。明日は、マルグリット・デュラスの「ラ・マン」に描かれた中国人街チョロン(フランス読みではショロン)とメコンデルタの町、ミトーへ。

Cakeもこんなデコレーション。なんともwonderland !