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メコンデルタ
date
11/23

メコンデルタを目指し、ミトー(My Tho)の街へ。ホーチミンからバスで2時間ほど。ほんとうは「ラ・マン」に出てくるヴィンロンへも行ってみたかったけど、日帰りではスケジュールがきつい。
「シンカフェ」というディープなツアーを企画している現地のカフェ兼旅行エージェンシーで申し込む。8:30AMにHCMを出て、5:30 PMに戻るという一日がかりのツアーで昼食付きで US$7。ホテルまでの送迎をつけても US$8と非常に安い。

朝、出発バスの集まるシンカフェ前に行くと、各国のツーリストやバッグパッカー風の人々でごったかえしている。ガイドが各ツアー参加者を行先別にバスに振り分けるが、これが大混乱。狭い路地に何台もの大型バスがアイドリングをしながら乗客の乗車を待っているので、すごい排気ガス。少しでもお客になりそうな人がいれば、商売をしようとやってくる抜け目ない物売りも。サングラス、ハンモック、模型の帆船。こんなところで買ってどうするんだというようなしろものばかり。断っても断ってもめげずに売り込みにくる。ク・チトンネル(ベトナム戦争中に作られた総延距離250キロにもおよぶという、南ベトナム民族解放戦線の基地となった地下トンネル) &カオダイ寺院行きセット(なんとこれは US$4)のバスのあと、ようやく私たちのメコンデルタツアー、ミトー行きの番がきて、乗り込む。
メコン川はチベットを源流として、中国、ラオス、タイ、カンボジアを経てベトナムに入り、南シナ海に流れ込むという4000キロの大河。河口はいくつもの支流に枝分かれして、広大で肥沃なデルタ地帯を形成している。果物は一年中たわわに実り、魚は捕り放題、お米はなんと三毛作もするという穀倉地帯、豊かな恵みを享受できるベトナムの食料天国。ミトーから支流を上るとタイロン島、タイソン島、フーン島など4つの中州があります。ココナツキャンディー工場やはちみつ農場、工場といっても、家族と親戚一同でやってる純正手作り工房のようなもの。メコン河河口ではエンジン付きの20人乗りほどのボートに乗りますが、幅の狭い密林を進む支流に入るにはさらに小さな4人乗りの手漕ぎボートに乗り換えます。
ゆったりと流れる雄大な河口と、映画「地獄の黙示録」を思い出させるジャングルクルーズ。どちらも日本では味わえない景色です。
 
タイソン島に上陸してランチ。
シンカフェのツアー料金に含まれているのは、豚肉のグリルのせワンプレートご飯。ビールなど飲み物とメコン河名物、 Elephant Ear Fish の姿揚げは別料金。オーダーしてみると、巨大な鯛に似た魚で、川魚とは思えない白身魚で、さっぱりしたクセのない味。2度揚げしているので、骨までカリカリ食べられます。ちょっと太くて硬かったけど。サービスの少女が来て、魚の身をほぐし、ビーフン、ラウエ(ミントとバジルの中間のような香りのハーブ、葉っぱです)などと一緒にライスペーパーにくるみ、ヌクナム入りの甘辛ソースをつけていただきます。あたりは熱帯椰子やバナナの生い茂るジャングル、メコンデルタの中州の、小さな椰子の屋根がついただけのオープンエア!レストランで食べる不思議なランチでした。
この魚、「象の耳」に似てますかあ?

シンカフェやその他の旅行会社がさまざまな観光客を運んでくるせいか、このあたりの子供たちは、人なつこく、話しかけてきたり、バナナの葉を器用に細工して、バッタや花の飾りものにして手渡してくる。どこまでも付いてくるので何だかどう扱かっていのか迷うところでした。
かつてベトナム戦争の最中には、このメコンデルタに枯葉剤が撒かれ、何年にも渡ってダイオキシンの被害を被ったという土地。それもまだほんの30年前のことなのです。

ホーチミンに戻って、屋台や定食屋、雑貨屋めぐり、お土産探しと残りの旅を楽しみます。
日本でも人気のフォー。フォー・ガーが鶏肉入り、フォー・ボーが牛肉入り。もっともこのあたりの牛肉は水牛がほとんどとのこと。お好み焼きはバイン・セオ、皮がパリッとして中身は豚肉、モヤシ、エビなど。屋台に専門店があります。意外なヒットは、バイン・フラン。ベトナム名物、プリンですね。
ミルクも卵も濃いので、味わいも濃く、ちょっとザラっとしてなめらかすぎない素朴な手作り感に感動します。仏領インドシナ時代の名残りで、カフェ文化のあるベトナム。カフェのデザートやスィーツもおいしい。次回はゆっくり楽しみたいな。
同行した私たちのメンバーは食いしん坊が多く、あらゆる珍味にも果敢にチャレンジ。
ヤギ鍋、ヤギ焼き肉、孵化寸前のアヒルの卵「ホビロン」はおつな味だったそう。わたしはトライしていません。バイクタクシーに乗って、そのおにいさんの家にまでお邪魔した方もあり。貴重な経験です。バイクでホーチミンの街を飛ばすのはとても気持ちよかったそうです。
ベトナムワインも飲みました。ガメイのような、フランのような、そうピノタージュにも似てる。これもおつな味。 

ラストナイトは街のビストロでフレンチとホーチミンのショットバーへ。
熱帯モンスーン気候です。冷房の効かない外にはヤモリがよくはりついています。