闇のすとれんじゃー


scene:6
理光学園旧校舎

校庭の一隅にある木造3階建の旧校舎。
学園創立時の建物をここに運んできたもので、当時外国の高名な建築家によって造られた、すっきりと美しい、堅牢な建物。何度かの修理を経て、いま
だにしっかりと建っており、昨今、文化財の指定を受けるなどという話しも聞かれる。さすがに現在は校舎としては使われておらず、古い建物でもあり何かあってはいけないので、生徒の出入りは禁止されていた。
学校の禁止事項が守られたためしは無い。
旧校舎3階のある教室。立入禁止の教室内で数名の男子生徒が、
これまた学則違反である「買い食い」をしている。
昼食からさほど時間がたっているわけでもないが、この年代の食欲は、実に「超能力」なみである。
半額キャンペーン中なのをいいことに、驚くほど大量に買い込んできたハンバーガーを、あらかた食い尽くしていた。
「お、そろそろ、」
腕時計をながめたひとりが声をかける、
「お」
その声を合図に他の生徒、残ったハンバーガーをのどに押し込み、ふくれた頬をモグモグ動かしながらジュースで飲み下す。
「そろそろ行こうぜ」
「ほーい、」
周りに散らばったハンバーガーの包装紙や紙屑などを拾い集め、一つの紙袋に押し込んで手に持つ。きちんとゴミの始末はするようで、この点は感心で
ある。
「俺のバッグ取ってくれい、」
「ほいよ」
頼まれた一人が床からバッグを取り、ひょいと投げ渡す。
「おっとぉ、」
少々狙いがはずれた。あわててバッグを掴もうとして足がもつれる。
ドカッ、体当たりする形で窓にぶつかった。
ガタ・・・
衝撃でずれた窓が、最初はゆっくりと窓枠から離れて行き、すっ、と視界から消えた。
「ああっ!」
真っ青になって窓から首を出す男子生徒。
その真下には人影が・・・

scene:7へ続く