-年代記-
J eanne d'Arc's_ S ymphony
First Jeanne


『そしてジャンヌは国王の前までやってくると、まるで彼女は宮廷で育った人
のごとく作法通り身をかがめ、御辞儀をした。そして彼女は今まで王の顔も知
らず、1度も会ったわけでもないのに、国王の方を向いてこう声を掛けた。”
やんごとなき国王様、神様が御長寿をお授けくださいますように。”その場には
あまたの諸侯が同席しており、おのおの国王より美々しく装っていた。そのため
国王はそのジャンヌなる娘にこう答えた。”王様は私ではないだろう、ジャンヌ。”
そして諸侯の一人を指して、”この方が王様だよ”と言うと、彼女は
”神かけて、気高き王様、王様はあなた以外の何方でもありません。”
と答えた。』


レジーヌ・ペルヌー&マリ=ヴェロニック・クラン 著『ジャンヌ・ダルク』より