虹色の青春

 ふぬぉりゃー!! あー、いい! このゲームはいいぞ! 虹野LOVELOVE野郎にはある意味『ときメモ』本編を超えた内容だ。ありがとうコナミ!
 虹野さんが主役。あの詩織を差し置いて。虹野さん以外の女子なんざ付け合せのパセリみてえなモンとしか思っていない、またはスーパーモンキーズ時代のアムロの後ろで踊ってるMAXくらいにしか思ってない人間には待望のゲームだった。
 でも実は渉部、発売を知った時諸手を上げて喜べなかったんですよ。イヤ、基本的には大喜びだし大歓迎だし毎日コナミ本社に巡礼したくなるくらいのウキウキ感だったんです。が、なんつーか、その、オフィシャル設定を増やしすぎるのもナニかなーなんて。やっぱりですね、『ときメモ』はですね、限られたですね、情報をですね、想像でですね、補うからですね、面白いとですね、思うんですね、ってくどいなあ>虹野さん。そこに新たな設定が出てきちゃうと弊害が出るんですよ。いくら開発者が「プレーヤーの数だけあるストーリーの1つなんです」的なことを言っても、やっぱりコナミが決めた設定には絶対的な力があるんですよね。例えば渉部の中で虹野さんは野球部のマネージャーなんです。それが全国的に虹野さん=サッカー部のマネージャーになってしまう! ようするに想像の幅が狭まっちまうんじゃないかと、そう考え恐れビビったわけです。お代官にゃあ逆らえねえぞ、と。
 そんな不安とは裏腹に体は正直、足取り軽やかにソフトを買ってきて速攻で始めると……、始めると……。
 ふぬぉりゃー!! あー、いい! このゲームはいいぞ! 虹野LOVELOVE野郎にはある意味『ときメモ』本編を超え……あ、ヤバイ。エンドレスになってる。あっ! お客さん帰らないで。冗談だってばあ。
 モーレツな勢いでゲームをやり続けた渉部はおもわずゲーム専用TVに抱きつき、台からTVが落ち、足の小指に直撃し、もんどりうっていた。
「こ、これは危険だ……」
 足の小指をさすりながら、例の『出会えて良かった』が流れるエンディングを見ていた渉部の脳内メモリーには買うまでの不安なんざあデリートされ、新たに凄まじいまでの感動のストーリーが上書き保存され名前を変えて保存もされていた。
 落胆、気遣う虹野さん、夜の神社、何回かのデート、夕日に照らされる虹野さんの姿、すれ違い、そして……。
 うう……感動した。怒涛の感動だ。こんなに感動したのは某有名野球マンガの最終回を見て以来だ。これは全宇宙的に見ても非常に希に見る感動提供デジタルコンテンツでありぜひ学校の道徳の時間などに生徒にこれをやらせて世紀末の荒みきった子供の心を清らかにしてあげたい! とまではさすがに思わなかったが、とにかく良い話なのである。
 人によっては「チョーありがちーっていうかそんな感じーみたいな〜」と言われてしまうクライマックスではあるが、単純且つゲームの中の主人公とのシンクロ率が178%に達していた渉部には"ありがち"なんて思考は1bitだって無く、しかもゲームの中の主人公同様落ち込み、虹野さんを信じきることができなかった。うおー! ごめんなさーい虹野さん!! こんな渉部を許してくれー!! 非常に悔い改めたくなった渉部ではあるが「虹野さんはそんなことしねえ!」というふうにシンクロ率下げるとゲームがつまんなくなっちゃうんスよー(いいわけ)。
 本編ではやさしさと元気と料理を主成分に構成されていた虹野さんだったが『虹色の青春』ではひたむきさとかいじらしさがかなり添加され栄養満天(漢字これでいいのか?)であり本編とは比べ物にならないくらい魅力的に感じられ、イヤー惚れ直しましたよ。やっぱりキャラを絞ったのは正解ですな。渉部から言わせれば早乙女優(以下不適切な発言により削除)。どうせだったら完全に虹野さんだけのゲームを出していただきたい。『彩のラブソング』はサブキャラ多すぎだと思うのだが。まあ、まだプレイしてねえからよくわかんないけど。
 とにかく『虹色の青春』は本編では伝わりきらなかった虹野さんの魅力を必要以上に伝え、プレーヤーの心の中を虹色に染めぶっ壊しちゃうなんともデンジャラスなゲームであると言える。落ち込んだ時や疲れた時にこのゲームをプレイするとエナジーを充電できるので、現在渉部はそのような目的で使用している。なのでもう何回プレイしたかわかんないが、とにかく便利だなぁと思った。

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