『ファルカタ 〜アストラン・パードマの紋章〜

 ガストという会社名を聞くと、『マリーのアトリエ』シリーズを連想する人が多そうですが、そんなんでは全然ダメだ。ガストと言ったら誰がなんと言おうと『ファルカタ』に決まっている! いや、もちろん「そんなことはない! ボクはPS2の『フレースヴェルグ』を思い出すぜ!!」とか「私は『黒い瞳のノア』よ!」とか「拙者は『うぇるかむはうす』でござる」という人もいると思いますが、まあ、その話はひとまず置いといて『ファルカタ』の話をぜひしていきたい。
 この『ファルカタ』というゲームは、1995年の6月に発売されたタイトルで、多分ガスト初のPS作品です。当時、そこらへんにいる普通の高校生だったオレは、1994年の年末から1995年にかけて各ゲーム雑誌でよく見られた特集記事、「次世代ハード・ソフトカタログ」なんてものを眺めながら、これからのゲーム業界を鳥瞰しつつおもしろそうなゲームを物色してたわけです。で、目に止まったのがこの『ファルカタ』。ゲーム画面を見ると、マップ上にいくつもの丸とそれをつなぐ線が描かれていて、なにやらSLGとボードゲームが融合したハイブリッドで新しい雰囲気を感じさせます。しかもゲームの紹介文を読むと、「パーティの仲間が自分の意思で提案したり一緒に戦ったりするぞ」とありました。これらの情報を統合すると、"自由意思を持った仲間と冒険する、ボードゲーム風RPG内包型SLG"ということになり、なにやら非常に斬新そうです。よし買うぜ! ゲーム屋へダッシュ!! さて、ゲームの概要を説明しますと、ジャンルはRPG要素を含んだSLGになります。ストーリーは、紀元前1500年前に実在したとされる(ほんとかよ)「アストラン」という都市に、「ミクトラン」という敵対種族が攻め込んできて、その結果土地を追われた「アストラン」の民を率いてほかの土地を旅するというもの。ただ、ゲームの目的はそのミクトランから土地を取り戻すことかと思いきや、ほかの土地をひたすら放浪したあげく、最終的にたどり着いた土地で「タフムーラス」という種族を倒して終わります。土地を追われた人々がほかの土地を侵略および略奪して完結……。そんな微妙な物語が展開されるわけです。
 次にシステムですが、プレイヤーは最大5人パーティのリーダーとして、マップ上の線でつながれた丸をパーティ単位で移動していきます。そして、探索してアイテムを見つけたり、遭遇した盗賊と戦ってキャラを育てたりして進めていくことになります。さて、ゲームを始めてみると、パーティには自分以外に2人の仲間がいるんですが、ステータス画面を見てみると、どちらも「お金に目がくらむことが多く、困ることも」とか、「名誉のためだけに生きているような性格」とかで、ろくなヤツがいやしません。さらに、このゲームのポイントである「計略」にも注目しましょう。このコマンドは他のパーティへの妨害工作をするコマンド。ほかのパーティに使者を送って、「虚言」でそのパーティにいるメンバーの信頼度を下げて裏切りやすくしたり、お金を盗んだりできるんですが、これは敵種族のパーティだけでなく、味方のパーティにも可能です。ていうか味方のパーティはガンガン人の金を盗もうとしますし、自分のパーティのメンバーもプレイヤーに、「グラン・ムーン(パーティの名前)から貢がせよう」とか言ってきます。なんだよその"貢がせよう"って。さすがは自由意思を持った仲間たち! 自己中心的だ!! しかも、んじゃあ盗ませてみるかと、「盗み」のコマンドを実行してみると、成功確率が高い場合、「あそこはアホだからうまくいくはず」などと、非常に言葉使いが悪いです。そもそも、土地を追われて部族の一大事だってのに、揚げ足取りばっかしてないでくださいよみなさんという感じだと言えましょう。つまり、『ファルカタ』というゲームを簡潔に説明すると、欲深い民族が仲間をおとしいれつつ自分たちの土地を奪われた腹いせにほかの国の土地を蹂躙する――となり、ややダークサイドな感じですが、なんだかとてつもなく楽しそうですよね! ね!! ね!! そのほか、『ファルカタ』を語るうえで絶対欠かせないのが音楽。通常のマップ画面などではゲームの雰囲気(シルクロードっぽい)にマッチした曲が使われているんですが、なぜか戦闘になると「ギュイィィーン!」とギター全開。音楽担当の人は実はロック好きで、マップ画面用にそれほど好きではないジャンルの音楽を作曲した反動から、戦闘シーンの音楽ではしゃいでるのでは? などと邪推したくなるほど、戦闘シーンの音楽は秀逸なのです。やはり男は黙ってロック! ロックしつつ他国を蹂躙!! これだ!! なにが「これだ!!」なのかはよくわかりませんが、楽しそうだと思った人は計略にハマったと思ってゲーム屋へダッシュしよう!!

【うんちく】
 ていうか読者のみなさんからすれば、なんでいきなりこんなマイナーなゲームのレビューすんねんと思われるでしょうが、これには非常に大事なワケがあって、ウソです、全然大事なワケなどありませんで、以前に書いたストックを今さら発掘してきてアップしただけです。予定ではお金になるはずだったんですけどね……。
●参考:ガスト公式サイトhttp://www.gust.co.jp/

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