甲子園の高校野球と北京オリンピック

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甲子園の高校野球の日程が、今年は、早くなっています。北京オリンピックが始まる前に決勝戦が終わるよう、予選など全ての日程を早めているのだそうです。

これは、多分、テレビ局の都合によると思われます。高視聴率を取れるイベントが重なったら、テレビ局にとっては都合が悪いのでしょう。聴取者も場合によっては都合悪いことはありうるのですが、多分、それが主な理由でないと想像します。

先日、サッカー・ワールドカップ・アジア3次予選のバーレーン戦が、現地ではまだ日が高いうちから始められ、放送中も、かつてないと評されていたような過酷な環境下での試合になりました。これは、日本でのテレビ放映をゴールデンアワーに実況放送できるようにするためという理由からのことでした。アジアサッカー連盟も、そうでないと放送料が減ってしまうという仕組みになっているのです。選手にベストな条件下でベストな試合を準備することより、過酷な条件下であってもテレビ放映料を多く取ることを優先させたのです。

高校野球とオリンピックについていえば、全てを見ようという人はほとんどいないでしょう。自分の都合に合わせて選んで見るのが普通の見方です。そうしてもぶつかったら、録画も可能です。チャンネルもたくさんあります。高校野球の予選のために、学校の定期テストも繰り上げられるのでしょうか。

マスコミの横暴が時々問題になりますが、このようにテレビが大型イベントを左右している実態が、その力の大きさと、横暴に振る舞ってもよいこと、とのはき違えにつながっているとしたら、どこかで断ち切って貰わねばなりません。テレビが専制君主であって良い理由は無いはずです。これも、政治の世界で自由民主党というのは、正しくは自由金主党であるという話と同様に、日本という国には民主主義が定着していないことの現れなのでしょうか。


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