% 1/3=0.333...

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\def\baselinestretch{1.33}

\begin{document}

\noindent{\bf 1/3=0.333...}

本題に入る前に、多くの人が感じている疑問を挙げよう。

\[
\frac{1}{3}を3倍すると1になるのに、0.333\cdots を3倍しても1にならない(0.999\cdots になる)のはなぜ?
\]

最後の疑問符が何に対するものかと言うと、$\displaystyle\frac{1}{3}$の$3$倍はきっちり$1$になるのに、$\displaystyle\frac{1}{3}$に等しい$0.333\cdots$を$3$倍しても$1$よりわずかに小さい$0.999\cdots$にしかならないのはなぜ?というわけだ。この疑問は、知ってる人からすれば
\[
``やあ''を3連呼すると``やあやあやあ''なのに、``\textrm{yah}''を3連呼しても``\textrm{yahyahyah}''にならないのはなぜ?
\]
と同じことを言っているように聞こえる。``yahyahyah''にならないだって?\hspace{1zw}``yahyahyah''になってるじゃん!\hspace{1zw}変なことをを言うなよ。

そこで知っている人は、あれこれと知恵を絞って$0.333\cdots$の$3$倍がきっちり$1$になっていることを説明するのだが、きっちり$1$になっているものを$1$になっていないと言う人を説得することは難しい。``yahyahyah''は``yahyahyah''じゃないと言う人に、``yahyahyah''は``yahyahyah''だと理解させられないのと同じだ。

つまり、相手は手強い。``やあ''を3回繰り返すと``やあやあやあ''は文句ない。簡単な話だ。``やあ''が``yah''であることも問題ない。ちゃんと調べたから。でも、``yah''は3回繰り返すと``yah yah yah''だよね。それは、見れば分かるね。ほら、``yahyahyah''に比べて隙間があるから違うじゃない!\hspace{1zw}そう、手強い相手は見た目が違うと言うわけだ。

$\displaystyle\frac{1}{3}$と$0.333\cdots$だって見た目が違うんじゃない?と言ったところで、手強い相手は意に介さない。だって、$1\div3$を筆算でやれば---実際、目の前で筆算をするかもしれない---$0.333\cdots$になると言うはずだ。つまり、こちらは見た目が違っても同じで、$1$と$0.999\cdots$は見た目が違うから違うという。まったく、困ったものだ。

前置きが長くなった。ようやく、ここからが本題である。手強い相手は明らかに矛盾していることを言っていながら、矛盾に気づかないか矛盾を無視している。$0.999\cdots$が$1$よりわずかに小さいという理由は何だ?\hspace{1zw}おそらく、$9$が無限に続き一向に終わらないから$1$にたどり着くこともない、というのだろう。要点は「終わりがないから完結しない」だ。なのに、終わりがない$0.333\cdots$と完結している$\displaystyle\frac{1}{3}$を等しいと認めている。

結局、手強い相手は身勝手ということだ。それに、現実の世界と数学の世界を区別していない。「終わりがないから完結しない」のは現実の世界のことである。数学の世界は「終わりがなくても完結できる」のである。その違いは時間が関係している。現実の世界では、終わりがないものは時間も無限にかかる。しかし数学の世界では、終わりがないものも有限時間で存在できる。現実の話と数学の話を混ぜてはいけない。

\end{document}