Posted by YOSHI on January 25, 1998 at 00:48:03:
ツバメ号とアマゾン号ファンのみなさん(ランサマイトというのですね)、こんばんわ。 以下、昔、湖水地方へ行ったときの話を少々。
「かぶれた方向について」
私は男・30代・会社員です。小学三年生からの「ツバメ号とアマゾン号」かぶれです。ホームページなどをみていますと、かぶれる方向も、ランサムその人・登場人物・食べ物・鳥・イギリス、などいろいろのようですが、私のキーワードは「帆走」、大学ではヨット部に迷わず入部。二人乗りのディンギィで競技ヨットをやりました。(愛艇には Silver Lining と命名)。今も三浦半島でクルーザー(共同所有なので名前は違いますが)に乗って、鬼号気分です。
「湖水地方へ行ったのはもう 13年前」
小学生のときからウインダミア・コニストンはあこがれの場所で、いつかは行くぞと決意していました。訪れたのは古い話で 1985年3月です。当時はやりのヨーロッパ一人旅を二ヶ月したのですが、その一環でした。雪の北ヨーロッパから列車でロンドンに到着、ロンドンには泊まらずにすぐに湖水地方に列車で行きました。プレストン・オクセンホルムと二回乗り換えて、終点がウインダミア駅。プラットフォームに屋根もない、小さな駅でした。駅前の道路を湖に向かいてくてく歩いていって、最初に見つけた プロスペクトハウスという B&B に投宿。
「アーサー who? にがっかり」
ピーターラビットのポッターと詩人ワーズワースが湖水地方の二大看板で、B&B のおやじさんもランサムのことを知らず。ツーリストインフォメーションで尋ねても、なんの情報もなし。(今は違うのでしょうね。)シーズンオフだったせいかも。みんな、ワーズワースゆかりの地はどこどこだ、とワーズワース情報を吹き込みたがる。自伝を頼りに自分で回るしかなかったです。
「レンタカー」
電話帳でレンタカー屋を探し、いってみるとシトロエンのディーラー(ウーリーズ)。そこで車の申し込みをしました。2CV6(ドゥセベ) という、フォルクスワーゲンのビートルをさらに横からつぶしたような小さな小さな車でした。湖水地方を回るのに、フランスの車とはね、と苦笑い。車の横腹にはそのディーラーの広告が大きくべったりと塗られていました。走る広告ですね。狭い道に入りやすかったです。
「三月はガラすきの湖水地方」
季節柄、観光客はまったく見かけず、車を止めては public footpath と表示されているところを散歩したのですが、めったに人とは会いませんでした。でも、十分に暖く、花もちらほら咲いていて、大変きれいでした。羊の放牧地を区切る石垣が、醜い有刺鉄線にかわらないようにと、ピーターラビットの作者ポッターが National Trust をはじめた(思い違いかもしれませんが)とのことで、そのため、ランサムの小説の舞台も昔の面影を色濃く残していました。
「ヤマネコ島は岸からすぐ近く」
最初に行った、コニストン湖の、ヤマネコ島の舞台になったピール島は、東岸からすぐ近くでした。季節柄、貸しヨットも一切なく、泳ぐには寒すぎて、眺めるだけで涙をのみました。上陸した人の旅行記をこのたびインターネットで見ましたが、ああ、うらやましい(でも、次に行くときの目標が残っているのも悪くない、と負け惜しみ)。島の反対側の岸に桟橋があったので行ってみましたが、コニストン・セイリングクラブでした。季節と曜日の関係で閉まっいてました。
「道案内はランサム自伝」
島を見た後は、日本で買って持っていったランサム自伝(日本語)と、現地で購入した三枚の地図と併せて、ゆかりの場所を探し出してはそれらを目指して車を走らせました。ランサムが休暇を過ごしたり、執筆をしたり、または住んでいた家のいくつかには「私はランサム作品が大好きで、はるばる日本からやってきました、中を見せてもらえますか?」と、ずうずうしくも上がり込んだりしました。
「ランサムゆかりの家に住む人々」
ある家では偏屈そうな老人にお茶をふるまわれ、「自伝ではなく、Hugh Brogan という作家が書いた伝記もあるぞ。これだ。執筆取材協力者に、ほれワシの名前も出てくる」と教えてもらいました。また「(伝記によれば?)ランサムは子供が嫌いな、変人だったよ」とのこと。また、ランサムの死後、ランサムの奥さんエヴゲーニアから 1969 に直接その家を買ったという女性は、エヴゲーニアとよくお茶をしたと語ってくれました。スウェンソン農場を探してある古家に入って尋ねたら、「ランサムを読んできたね。ここがスウェンソン農場だよ」といわれ、うれしい驚きがありました。(いずれの家も、ランサムに関係のない人が住んでいるわけで、彼らにとって、突然の見知らぬ訪問客はさぞかし迷惑だったろうと今となっては思いますが。)
「湖岸を散歩中、ツバメ号とアマゾン号を、発見」
ランサムが休暇を過ごし、初代ツバメ号を帆走したレインヘッドは、スポーツセンターになっていました。早朝おとずれたので、建物は訪ねなかったのですが、林の中の艇庫の横に、ディンギィ(FRP製)が二杯、ひっくり返しておいてあり、なんと船首には Swallow と Amazon という船名がそれぞれかかれているではないですか! このときは雷にうたれたようなショックでした。博物館などの存在も知らず、島にも渡れず、帆走もできず、ランサムといっても地元の人もそれほど反応しない中、この二杯を発見したことで、すっかり幸せになりました。さらにその横には朽ち果てた木製のディンギィが打ち捨てられており、そうか、こっちが初代ツバメ号で、これらは二代目(または三代目?)だな、と勝手に納得していました。多分違うのでしょうが。写真は宝物です。
「Hugh Brogan のランサム伝」
地元の本屋にはなく、ロンドンで購入。13年間読まなきゃと思いつづけ、写真だけ眺めて、文章はまだ読んでいません。邦訳がすでに出ている(神宮輝夫訳)ので、それを読むつもりです。インターネット上の皆さんの熱さに刺激され今日図書館で予約してきました。次に行くときはこれもガイドかな・・
「最近の湖水地方を訪れた方へ」
プロスペクトハウスというウインダミア駅前の B&B はやっているでしょうか。ウーリーズはまだシトロエンを売っているでしょうか。
以上、長々と、とりとめなく、すみませんでした。ウインダミアには4泊しましたが、私の旅の中でも(といっても数少ないのですが)もっとも思いで深い訪問地です。