■よーするに、あたしが“中途半端”だから気持ち悪い、ってことなのね。たしかに“中途半端”だってことは否定しないわ。……でも、ロキ、ひとつ勘違いしてると思うの。あたしは“エルフ”になったつもりはない。“エルフ”の真似をしたつもりもない。あたしは、あくまでも“ハーフエルフ”なの。どっちかになろうとしたことなんて、さらさらないわよ。 ■それに……『そうそう、ロキ。あたしには精霊を見分けることはできないわ。……つまり、あれは、“精霊使いがオーラを見分けることができるみたいに”あんたの態度がわかりやすいってことなのよ!』 あたしはロキに向かってウィンクしながら言った。 ■とはいえ……随分前に、父さんが言ったことを思い出す。父さんは人間として生きて行くって、母さんと出会った時に決めたみたいだったけど……あたしは、『ハーフエルフとして』生きて行きたいと思っている。でも、まだ、今はそれがどういうことなのかはわからない。いつかわかる時が来るのかしら。 ■ふと、思ったんだけど……ロキにも、いつか『種族に対するこだわりがいかにナンセンスなことか』気付く時がくるのかしら? ロキの感じてる違和感……もしかしたら、ロキ自身わかっていてもどうにもならないのかもしれないけど。 ■もし、この先、ロキが異種族に恋することがあったら……『とりあえず、今は、そんなこと全然想像できないわね』 そんなことがあったら、きっと、あたし大笑いしちゃう。 ■ん、よし、決めた。やっぱり、次の詩は『“偏屈”エルフの恋』だわ。リファールに帰ったら、さっそく中央市場に歌いに行こうっと♪
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