■REPORT #2/陰謀を追って 記録1
 

セントラルページへ戻る

 


テスト書きこみ/1/20

テスト書きこみ テスト書きこみ テスト書きこみ

テストくんは語る


旅立ちの朝/2/5

俺は朝早く「月光の煌き亭」をあとにした。見送りは誰もいない。寂しいが、冒険者の旅立ちという物は大抵孤独な物だと相場が決まっている。■待ち合わせ場所は、西の山脈への荷物の護衛、ということなので一番近い側の出口である西門の近くになっていた。そこに真っ先に着いたのは俺だった。じきに他の連中も集まりだす。■俺と同じ盗賊のウィナルド。タイガー一族の戦士と名乗る”虎の瞳の”ルマ。剣士をめざすシーク=パームランド。グラスランナーのルーノ・エッタ・ミルはいつも陽気で騒いでいる。それに戦士のゲルハルト。■意外に戦い慣れしているメンバーも多そうだ。俺は彼らと会話を交わしながら、俺は依頼について再度考えてみることにした。■詳しい話を聞いてみると『西の山脈への荷物の護衛。商人と一緒に山の村シザイテに小麦を届ける。最近、隊商がゴブリンに襲われることが多いので、わざとゴブリンどもをおびき寄せて、撃退することを目的』という一石二鳥の作戦である。■やはり連戦が避けられない以上、プリーストか誰かに助けを呼ぶべきだったったのか・・・。ルマが説得に成功していた事実を知らなかった俺は、そのような考えに捕らわれていた。

”蒼い鷹の”サキは語る


旅立ちの昼/2月5日

(かたことかたこと…ガタン…かたことかたこと)……ふあ〜〜(あくび)……馬車の荷台の上って揺れるねえ……◆隊商がリファールを出発してから結構な時間がたった。そろそろお昼ご飯の時間。始めは景色を見たり、鳥さんと話たりしてたけどすぐに飽きちゃった。で、みんなとお話をする。ゲルハルトさんとは昨日市場であった。僕の歌の値段は5ガメルだった(えへ)。サキさんとルマさんはいつのまにかカトルカースさんという人間の女の人を連れてきてた。自分で呼んだ(らしい)割には、サキさんはカトルカースさんを見て驚いていた。人間って不思議だ。で、カトルカースさんはファリスの司祭だそうだ。神様を信仰するって、よく分からないことだ。そしてそのカトルカースさんにシークさんは近付こうとしない。まったく不思議だ。魔術師…らしいけど、そうすると魔術師と司祭って仲が悪いのかな?う〜ん、ここは一曲歌って二人を仲良くさせてあげよう♪うん?どう、ウィナルドさん。一緒に歌う?楽しいよ〜(ぽろろ〜ん♪)………えっ、ご飯?……(ぐぅ♪)……にゅう、食べる〜。さあ、みんな〜、ご飯だよ〜♪

ルーノ・エッタ・ミルは語る


やがて日は落ちて・・・/2月5日

グラスランナー、へぇぇ(じろじろ)。僕はグラスランナーを見るのは初めてだ。書物に記されていた通り子供に似てるけど、人間とは細部がずいぶん違うんだな(じろじろ)。ルーノくんは僕を気にした様子もなく元気に騒いでいる。陽気な彼はすでにムードメイカーだった。戦闘があるはずという重たい緊張感が少し楽になった気がする。・・・このメンバーなら安心かもな。■食事中、今夜の見張りの話があがった。僕は「2人か3人で一組かなぁ?」とか言いつつも、一抹の不安があった。僕は落ち着こうとスカーフの巻き方を変えてみた。そして『僕が女性と一緒なのは・・・まずいよ。』、そう言おうか迷っているうちにくじ引きが始まっていた。「えぇ!くじで決めちゃうの!?」

シーク=パームランドは語る


旅立ちの夕方なのダ/2/5

エイムさんついて来てくれる事になったのダ。有難うなのダ〜●ルマがエイムさん連れて来たらサキさんちょっとびっくりしたのダ・・・サキさんが神官さん連れて来いって言ったのにナ?盗賊の人だから、ファリスの神官さん怖いのカ?●・・・お昼にはゴブリン出なかったのダ。ゴブリンは明るいところ嫌いだからナ。・・・ルマもそれくらい知ってるゾ。でも、シ−クさん(温泉で首に布巻いてた人なのだ。今日も巻いてたゾ)が青い顔してたのダ。馬車ゴロゴロするから気持ち悪いのカ?ルマそう聞いたケド違うみたいなのダ・・・なんかエイムさんの方を見ると余計顔が青くなるのダ・・・シ−クさんもファリスの神官さん怖い人なのカ?●夕方、馬車がとまれるような場所に着いたのダ。暗くなったカラ、今日はここまでなのダ〜!ご飯を食べて寝るのダ。でも見張りは必要だゾ。みんな寝るとゴブリン来ても分からないからナ。・・・くじ引きカ!じゃあルマひくのダ〜!!

”虎の瞳の”ルマは語る


見張りのパートナーは・・・/2/5

■夜が更けるにつれ、「キン」と音がするような寒さが忍び込んでくる。 寝静まったキャンプの中、たき火のはぜる音が妙に大きく聞こえる。 時々枝をくべながら、私は静かに炎を見つめてる。 ■ルマの熱心な頼みに負けて、商隊の護衛についていくことになった。 報酬なしってのは正直痛い。だけど、これもファリス神の示された試練と思えば、 ・・・と、自分に言い聞かせた。まあ、護衛の間は食事の心配しなくていいだけ、ましかもね。 <ヴァレンタイン>を思いっきり振り回せれば文句もないし。 ■もっとも、その必要はないかもしれない。夕食を採ってる仲間達を見てると、そう思えてくる。 特にゲルハルトの筋骨隆々の体付きと、戦斧を見てたら、ね。 ウィナルドも、今朝私を見て驚いてたサキも、話してみると感じのいい人達だった。 ■そのうち、見張りの話になって・・・「このくじを引けばいいのね」 私は軽い気持ちで応じたのはいいけれど・・・。 ■「大丈夫?眠くない?そこは寒いでしょう、もう少し火の側に寄ったら?」 見張りの相手に話しかけると、少し離れたところから、少し引きつった声が返って来た。 ■あなたの性質は理解したつもりよ。温泉の件も、昨日のお茶セットで水に流したけど ・・・だからさ、シーク。そんな露骨に、嫌わないでほしいんだけどなあ。

アラザン・モニク・カトルカースは語る


一日の終わりに/2/5

何事も無く、本当につつがなく、仕事の一日目が終わろうとしている。野外の夜の冷え込みの中、毛布にくるまってまどろみながら、今日一日を回想してみる。えてして退屈になりやすい馬車の旅も、ルーノ(グラスランナーだ。久々に見たな)のおかげで、少しも飽きがこない。サキは案の定同業者だった。ギルドで何度か顔を見た事があったしな。ゲルハルトは、少し話してみて感じたが、結構場馴れしてるようだ。ルマも、ずいぶん腕には自信があるみたいだし、いざという時には頼りになるだろう。にしても、神官がついて来てくれたのはありがたいんだが、よりによってファリスとはなあ。スネに傷を持つ身としちゃ、多少因縁のある宗派だが、まあ、昔の事は忘れよう。俺は冒険者になったんだ。それにしても、シークはどうしてたき火からあんなに離れてるんだ?

ウィナルドは語る


平穏な夜/2/5

■今回の仕事の仲間は全員自分の身を守る事は出来る、と言う事で見張りをくじ引きで決める事になった。俺はウィナルドと一緒に最後の3直目を担当する事になった。■俺の故郷のロマールとは違い、ここリファールは内陸に位置するためか朝晩の冷え込みは厳しい。その寒さを紛らわすためにウィナルドに色々話し掛ける。■あまり自分の事を話したがらないようなので、たまたま彼の出身地でもあるこのリファールについて色々教えてもらう事にした。■やがて空が白々と空けてきて新しい一日が始まる。「そろそろみんなを起こそうか。」

ゲルハルトは語る


ルーノの人間考察/2月6日

昨日は結局何もなかった。ゴブリンは夜中に活発になるらしいけど、夜も大丈夫だった。おかげでぐっすり眠れた。う〜ん、いい朝だ♪でも、あいかわらずシークさんはカトルカースさんに近付こうとしなかった…らしい。う〜ん……見れなかった…。こうなるとぐっすり眠ってしまったのが悔やまれる…く〜〜。★で、結論。魔術師と司祭は仲が悪い。そうに違いないって、どー見ても。きっと過去に何かあって、伝統とかになってるんだろう。人間って大事にしてるらしいからね。よく言うもの、「ここには伝統がある」とか「伝統にのっとり」とか。★「人とは過去に縛られている生き物」、って歌詞がどこかにあった。たしかによく聞く。宿屋には歴史があって、貴族は由緒正しいんだって。奴とは因縁がある、なんてよく酒場の酔っ払いが喧嘩の時に言ってるし、人間はほんとに過去が好きだ。僕らみたいに今を楽しく、なんて考えてないみたいだからねえ…。ねえ、だからさあ…、せっかく僕が気持ち良く歌おうとしてるんだから止めないでよ。僕が歌うから、みんな楽しく踊ろうよ♪、って言ってるだけだよ。ほんとに人間って楽しもうとしないんだから…。ねえってば〜◆追記、カトルカースさんのことを、ルマさんはエイムさんと呼んでいる。フルネームはアラザン・モニク・カトルカースさんらしいけど、エイムさんだ。う〜〜ん………人間って不思議だ…

ルーノ・エッタ・ミルは語る


小麦輸送護衛/襲来!/2/6

■二日目の日が暮れた。もっと頻繁にゴブリンが現れるものと思っていたから、ちょっと拍子抜けだ。 もしかしたら、このまま何事もなく終わるかもしれない。そんな雰囲気が、私達の間に流れていた。 そういえば、夕食の時ルーノが私の名前を不思議がっていたっけ。 「エイムはね、『アラザン・モニク』のA・Mよ。これでもモニクでもカトルカースでも、好きに呼んでね」 ■昨日と同じ顔ぶれで夜営をすることになった。 しんしんと冷え込む中、シークは相変わらずたき火から離れてる。 「シーク?ねえ、こっちに来なさいよ。別に取って食べたりしないからさ」 軽く冗談を言って、立ち上がった時。 ■寝静まったキャンプに、不穏な空気が流れた。闇の中に光るいくつもの眼、かすかに聞こえる獣のような声・・・。 「来たわよ!みんな起きて!」大声で叫びながら、走り出す。<ヴァレンタイン>を大きく振り上げ、妖魔達へ飛びかかった。

アラザン・モニク・カトルカースは語る


小麦輸送護衛/初の実戦!/2月6日

だいぶ彼女にもなれてきた。少しくらいは近づいても平気だ。我ながら進歩したモノだ。そんなことを思い、近づいてみようかなと思いはじめていた。そんな野営の最中に奴らは現れた。鼻の曲がるような匂いに醜悪な姿・・・。これがゴブリンか!僕は剣を抜いて走った。■「負けるはずはない。」でも、僕は攻撃を仕掛けるタイミングを全くとれないでいた。これが実戦なのか。背中に汗が吹き出ているのがわかる。そんな僕の焦りを知ってか、ゴブリンはにたりにたりと笑った。「畜生!てぇぇい!」僕は体ごとそのゴブリンにぶつかっていった。やがてゴブリンの首が乾いた地面を転がっていった。僕は赤く染まった右腕と首のないゴブリンを見つめた。勝ったのか?・・・なんだかよく分からない。『さくっ。』でも、その音は僕の背中側からはっきりと聞こえて、大腿部に熱い痛みが走っていた。

シーク=パームランドは語る


小麦輸送護衛/遭遇/2/6

今日は2日目。一緒になった連中とも色々話をして、それなりに打ち解けてきた。今はみんなで手分けをして、メシの支度をしているところだ。なんだかいいな。こういうのも。昔の自分を思い出し、冒険者になってよかった、と少しだけ感じた。今日もまた、平穏に一日が終わろうとしている。後はみんなでメシを食って・・・。ん? 空耳か? 今、何か物音が・・・。神経を集中して、あたりの様子をうかがってみる。やっぱり。暗く静まり返った中から、かすかに物音が聞こえてくる。来やがった。みんなに知らせ・・・って、気づいたのは俺だけじゃないみたいだな。さすが、頼りになるぜ。

ウィナルドは語る


小麦輸送護衛/ゴブリンとの戦いなのダ/2/5

ルマが”エイムさん”って呼んでるのルーノ不思議がってたけど・・・”アラザンさん”と呼ぶと怒られるのダ。・・・・・・・・・・とっても怖かったのダ。・・・でもそれは秘密なのダ。■今日のお昼もゴブリンには会わなかったのダ。ルマ達が強そうだからゴブリン近くに来ないのかモ?■夜の見張りは昨日と同じになったのダ。もう一度くじ作って、くじひくのめんどくさいと思ったのダ。■ルマはサキさんとルーノと3人で最初に見張りしたのダ。ルーノすぐ歌おうとするの止める大変だったのダ・・・踊ってたら見張りにならないのダ。でも、ルマ達見張ってる間にはゴブリン出て来なかったのダ。今夜もゴブリン来ないかもしれないのダ。次の人に交代して寝るのダ。■槍すぐ取れる所に置いて・・・皮鎧は来たままにするのダ。ゴブリン出てこなくても油断大敵なのダ!・・・戦士の教えなのダ。■・・・「来たわよ!みんな起きて!」エイムさんの大声でルマ飛び起きたのダ。・・・精霊使いの眼で見たら森の暗闇の中にルマより少し小さいくらいの姿が見えるのダ。多分ゴブリンだゾ。・・・まずはこれをくらえなのダ〜!ルマのお願いに応えて焚き火の火蜥蜴が炎の息を吐いたのダ。・・・炎の息がゴブリンの姿をちょっとの間だけ照らし出したのダ。

”虎の瞳の”ルマは語る


小麦輸送護衛/シーク負傷/2/6

「ギィィィ〜」真っ二つにされたゴブリンが最期の悲鳴をあげる。目の前の敵を倒して余裕が出来たので周りの仲間を見まわす。■ウィナルドとルーノはもう終わりそうだ。ルマは今サラマンダ―を呼び出した、こちらもカタがつきそうだ。エイムも押し気味に戦っている。焚き火から(エイムからかな?)少し離れた所に居たためシークが孤立している。が、今体当たりで仕留めたようだ。これで俺の仕事は終わりかな?■ん?シークの後ろで何かが光ったような・・・。マズイ!「シーク、後ろ!」だがその警告は遅かったようだ。その光が彼にぶつかった瞬間、シークが前のめりに倒れていく。俺は慌ててその場に掛けつけ、その光の持ち主とシークの間に割って入る。そしてゴブリンと刃を交えながら、「エイム、シークがやられた!頼む。」

ゲルハルトは語る


小麦輸送護衛/心配のなのダ〜/2/7

炎の息くらったゴブリンがびっくりしたところを槍でとどめなのダ。・・・倒したのダ・・・ゴブリンまだ居るカ?・・・ルマが周り見まわしたラ、シークさんが脚を刺されて倒れてたのダ・・・やられたのダ!?■最初にゴブリン倒してたゲルハルドさんがシークさん守って闘ってたのダ。シークさんかばいながらだから、ちょっと苦戦してるみたいなのダ。・・・助けなきゃなのダ・・・ルマもう一度火蜥蜴にお願いしたのダ。・・・炎の息がゴブリンの背中に命中なのダ!!■ゴブリンひるんだところをゲルハルドさんが斧でとどめ刺したのダ。■・・・エイムさん、シークさん大丈夫カ?

”虎の瞳の”ルマは語る


小麦輸送護衛/冒険者気分/2月7日

シザイテの村が見えてきたのはもう夕暮れだった。ふっと緊張がとける。昨日の襲撃から皆、緊張し続けだったもの。でも、おもしろい冒険だったな。『頼りになる仲間たち』と『危険』、そんな相反する2つ・・・これが冒険者なのか。妙に感動。隊商には大した被害はなかったし、今のところ万々歳だな。僕は治癒してもらった足の傷のところ、破けたズボンにスカーフを巻いてみた。巻きながら『ありがとう』って心の中で言ってみた。口では「いい感じ。明日もこれしてみようかな〜。」って言っといた。誰かが僕の後ろで笑った。

シーク=パームランドは語る


小麦輸送護衛/シザイテ村でのひととき/2/7

■荷の積み下ろしを端で眺めながら、私は大きくため息をついた。 緊張の糸が解けて、笑みがひとりでに零れる。今夜は久しぶりにベッドの上で眠れる、ありがたいわ。 ゴブリンの襲撃から荷を護ったっていう満足感もあるし。 ■シークの怪我も大したことなくて良かった。 これもファリス神のお陰ね。それにしても、みんないい腕だわ。 ゲルハルトやウィナルドも頼もしかたし、ルマの魔法のタイミングも良かったわ。 ルマの第一印象って「人間の皮を被ったグラスランナー?」だったけど、 れっきとしたミラルゴの戦士ね。見直したわ。 ■明日はノカ村へ向かう。また緊張の日が始まる・・・今夜はゆっくり休まなきゃ、ね。

アラザン・モニク・カトルカースは語る


小麦輸送護衛/勝利の実感/2/7

夜風が気持ちいい。月もきれいだ。宿の明かりは消えている。みんなもう、寝ちまったかな。明日からに備えて眠らなければならないのは分かっているが、妙に気分が高揚している。昨日襲撃を受けてから、緊張し続てたからな。ほっとして落ち着いた分、なんか、こう、達成感みたいなもんが込み上げてきて・・・。いけねえな。まだ仕事が終わったわけじゃねえのに。気を引き締めねえと。・・・だけど、少しくらいは自分たちを誉めてもいいよな。俺達は勝ったんだ。

ウィナルドは語る


小麦輸送護衛/シーク=パームランドという男/2/7

■昨日の戦いではシークが怪我をした。奴は今度が初の実戦だと言っていたので、いきなり傷をくらってさぞかし落ち込んでいるのではないかと思っていた。ところが今朝、傷のところにスカーフを巻いて楽しそうに微笑んでいるではないか!その光景を見ていて、思わずつられて笑いがこぼれてしまった。それに気づいて奴は振り返ったが「何でもない気にするな。」と答えるのが精一杯だった。■たいした男だ。奴は魔法使いと戦士の両方の修行を積んでいるようだが、魔法使いのほうは俺にはわからないが戦士として専念したら結構いい所までいくかもしれない。体格が違うから俺とは違うタイプで、と言う事になるが。■そのようなことを考えているうちに目的地であるシザイテ村に到着した。荷物の積み下ろしも終わったので、今日は野営ではなく部屋の中で眠る事が許された。明日からはリファールへの帰路となるので今日のうちにゆっくり休んで明日以降の仕事に備えなければ。

ゲルハルトは語る


小麦輸送護衛/ノカ村へ…/2/8

ふぅ…久しぶりの実戦に少々戸惑うところもあったが、なんとかこの間はゴブリンを撃退できた。■あの時、「来たわよ!みんな起きて!」エイムが叫ぶや否や、俺はすかさず跳ね起き素早く辺りを見渡す。普通の人間には見えないはずの暗がりも、精霊使いの血を引いた俺には関係ない。■ルマが火蜥蜴の力を借り炎の息を出させる。なるほど、あいつも精霊使いなのか…。俺は他の連中が前線で戦っているうちに素早く相棒のライト・クロスボウに矢を装填し、暗がりから近寄ってくるゴブリンを一匹ずつかたずけていった。前線の連中の手助けになったようでなによりだ。■成果というとシークがかすり傷程度の怪我を負っただけで、あとはこちらの完全勝利であった。安心する。■シザイテ村に着き、荷の積み換えを行う。作業を素早く進めるために俺も手伝った。他の連中は、ひょろりとしている俺が意外に力持ちであることに少々戸惑っていた。■シザイテ村での夜、俺は一晩中警戒して眠れなかった。ゴブリンにじゃない、そう、近くにある『あの街』からの追手が襲ってこないだろうかと考えてのことだ。他の連中は気持ちよさそうに眠っている…。いつまでこんな事が続くのだろうか…。■そして夜は明けた。今日はいよいよノカ村に向かう…。俺は馬車に揺られながら、新たな戦いに向け気持ちを引き締めていた。

”蒼い鷹の”サキは語る


小麦輸送護衛/くしゃみと手拭い/2/8

■がたごととリズミカルな音を立て、馬車はノカ村へ向かっている。 今日も(今のところは)平穏無事、ゴブリンの「ゴ」の字の気配もない。 話から想像するに、もっと頻繁に現れるものとばかり思ってたのに・・・ こんなものなのかしら?それとも今回だけなのかな?襲撃してきたゴブリンからは何も聞き出せなかった。 もっとも、妖魔の言葉を使える人が誰もいなかったんだけどね。 ■ノカ村はこれで2度目。ほんの7日前に立ち寄ったばかり。 こんな短い期間にもう一度来ることがあるなんて、思わなかったわ。 縁って不思議なものね。シークもルマも、ここで出会ってたんだから。 あ・・・そうだ。シークからもらった手拭い、返した方がいいかな? 私にとってはただの手拭いだけど、彼にとっては大切なものみたいだし・・。 ■そんなことを考えてると、鼻が急にむずむずしてきた。 止めなきゃ、と思った瞬間、くしゃみが出た。それも立て続けに3回も。 周囲から笑い声がした。「風邪かい?」「お大事に」と声がかかる。 「ノカ村へ着いたら、温泉にゆっくりつかるがいいさ」。 ■でも、そうもゆっくりしてられない。村へ着いたら、その足ですぐリファールへ戻らなきゃ。 早々に次の冒険の口を探さないと、財布が干からびちゃうんですもの。

アラザン・モニク・カトルカースは語る


小麦輸送護衛/穏やかな日差しの中で/2/8

おだやかな日差しの中、のんびりと馬車に揺られている。先日の襲撃以来、ゴブリンの姿は見えない。気合を入れ直していた分、どうも拍子抜けしてしまっている。エイムがくしゃみをしている。「風邪かい?」とからかってみる。だが、気が抜けるのはよくわかるぜ。こんな調子じゃ、な。予定では、あと二日ほどで最終目的地のノカ村に着く。たしかあそこは温泉村だったよな。報酬も入る事だし、すこしのんびりしていこうか。だけど、次の仕事も探さにゃならんし・・・。都合よく着いた先に仕事が転がってれば・・・、さすがに、そんなうまい話はないか。他のみんなはどうするんだろう。後で、参考までに聞いてみよう。

ウィナルドは語る


小麦輸送護衛/その後の仕事/2/8

■今夜も、ウィナルドと一緒に見張りをしていた。予想されたゴブリン等の襲撃も無く、手持ち無沙汰だったのかこの仕事が終わった後のことを聞いてきた。「そうだな・・・」ノカ村は温泉があるだけの小さな村だと聞いている。そこでは仕事の依頼も少ないだろうから、「多分リファールに戻るんじゃないかな?闘技場のこともあるし・・・」闘将の館に何も言わずにリファールを出たのを思いだして、後のほうは独り言だったのだが、盗賊であり耳のいいウィナルドには聞こえたようだ。闘技場?賭けでもするのか?と聞き返された。「ああ、そんなところだ。」但し、俺の賭けるのは金ではなく命だが。「まあ、ノカ村に行ってから考えるさ。」

ゲルハルトは語る


小麦輸送護衛/風邪ひきさんにも報酬を/2月9日

「風邪かい?」昨日からくしゃみを時々しているカトルカースに尋ねた。「明日の夕方には温泉村だから、もうちょっとの辛抱だよ。」馬車の中、出来るだけ優しい言葉を選んで話しかけた。僕も進歩したモノだ。そんな僕の手にはスカーフがある。彼女は以前僕が渡した『スカーフ』を返してくれた。すっごく嬉しいな。なんだか洗濯してあるみたいな気もする。「このスカーフ、マスク代わりにどう?」僕は冗談を言って笑ってみた。■ふと思い出したけど、彼女は報酬ないはずだよな?僕は後ろにいたゲルハルトにそっと耳打ちした。「彼女の報酬はどうしよう?僕は出したい。」

シーク=パームランドは語る


小麦輸送護衛/報酬の分配/2月9日

■エイムさんには感謝している。彼女の助けがなければ、俺達の仕事は一苦労も二苦労もあったはずである。その彼女に何らかの報酬があっていいはずだ…。■やはり報酬はみんなで分配した方がいいだろう。もしエイムさんが断ったら「ファリス神への寄進」とかいって受け取ってもらおう。別に嘘じゃない。お世話になった者への報酬なんだから許してくれるだろう。■俺はこのアイディアを、エイムさんには聞こえないように他の連中に持ちかけた。エイムさんを含めて一人頭1000。残った200はノカ村で打ち上げに使う。というアイディアだ。■さぁ、どうなることやら…

”蒼い鷹の”サキは語る


小麦輸送護衛/温泉に向かって移動すること/2月9日

ゴブリン退治は結構呆気なかった。シークさんが怪我をしたくらいだ。夜中の襲撃で僕はぐっすりだったので、歌を歌えなかった。せっかく「ダンス」を歌って踊らせてみようとか思っていたのに…。結局ゴブリンも遊び心がないみたいだ。つまんない連中…■人間もなかなか理解出来ない。本当の名前があるのにエイムさんだし。東の方の国には、本当の名前を隠す習慣があるらしいけど、それなのかな?まあ、エイムさんって呼んどけばいっか■昨夜もゴブリンの襲撃はなかった。まあ、そんなにぽろぽろ出てくることもないんだろうけどね。天気も良いせいか、みんな緊張が緩んでいる。ゆるゆるだ。僕みたいに始めっから緊張してなければ、こんなにゆるゆるにならないのにねえ…。■サキさんの提案。まあ、いいけどね。やっぱり司祭もお金がないと生きていけないみたいだ。ずっと前に会った(見た)司祭は、「金などいらん!」とか言ってた。う〜ん、やっぱり酔ってたからそんなこと言ったのかな?■ノカ村には「温泉」があるらしい。「温泉」というのはあったかい水たまりのことだ。入ると気持ちいいらしい。エイムさんは昨日からくしゃみが止まらないみたいだ。きっと「温泉」に入りにいくんだろう。病気にいいらしいから…何にいいのかは知らないけど…。でも、みんなも入るのかな?う〜ん、入ったことないし…、入ってみるか〜……、でもちょっぴり不安。さらに僕の横ではエイムさんがごほごほいってる。う〜ん、よし、ここは一つ。「エイム姉ちゃん、だいじょーぶか?元気づけに一曲ど〜だい?」と、言いながら、返事は待たずにハープを弾き始めた。うーん、気持ちいい♪

ルーノ・エッタ・ミルは語る


冬の歌声/2/9

■困ったわ。昨日からくしゃみと咳が止まらない。心なしか寒気もする。 こんな時に風邪をひくなんて。今の私は、病気を治癒することは出来ない。 信仰心の表れが足りず、ファリス神がお認め下さらないから・・・。 ■明日は夜通し歩いて、リファールへ戻るつもり。このことはまだ誰にも話してない。 ノカ村に着いてから言おうと思ってる。宿に泊まるほど余裕もないし、早く次の仕事を探さないといけないのに。 なんて間が悪いんだろう。 ■そんな私に、みんなはいろいろ気を遣ってくれてる。もちろん、女性恐怖症のシークも。私にはだいぶ慣れたみたい。 でも、世の中の半分は女なんだから、もっと精進しなくちゃね。それから、ルーノが歌を歌ってくれた。 みんなも知ってる歌らしく、馬車は一時、歌声で満ちあふれた。 楽しい雰囲気の中にも、武器は手放さない。姿の見えないゴブリンへの警戒を解いてない証拠だわ。 ■そういえば、ちょっと気になる事があった。昼の休憩の時、サキやシークがなにやらこそこそ話していた。 夕食の時も、私を避けるように仲間達が固まってる。近づくと、さっと会話を終わらせるし・・・。 「何話してるの?」私の質問に、「え、えーと、ノカ村で打ち上げしようってね・・・」ちょっとうわずった返事。 ・・・ふーん・・・。

アラザン・モニク・カトルカースは語る


小麦輸送護衛/秘密なのダ〜/2/9

エイムさんにお金分けるのカ?もちろんなのダ。ルマ最初からそのつもりだったゾ。いっぱい貰えるから少しくらい減っても平気だしナ。■・・・でもノカ村に着くまで秘密なのカ?なんでダ?・・・断られるかもしれなイ?・・・ファリス神の教エ?・・・ルマには難しくて良く分からないケド、秘密にしておけば良いんだナ?分かったゾ。秘密なのダ!!!!・・・声が大きイ?・・・ごめんなのダ〜

”虎の瞳の”ルマは語る


小麦輸送護衛/ファリスと盗賊/2/9

「エイムの分の報酬ねえ・・・」手持ちの金を思い出し、頭の中で手早く金の勘定をしてみる。「な、なんだよサキ。そんな目で見るなって。別に反対するってわけじゃねえんだから」こんな時は同業者って嫌だよな。考えてる事がばれちまう。まあ、元々金には余裕があるし、世話にもなったから、報酬を分配するのには賛成だ。何より、果たした役割に対して、正当な評価を受けなければならない。報酬を受け取るのは当然の権利だ。「それにしても、どうやって受け取らせる気だ? 結構頑固そうだぜ、あいつ」・・・何? ファリスへの寄進だあ? 「だーっはっはっはっはっ、こいつは傑作だ! ・・・すまん」幸い休憩中で、近くにエイムはいないみたいだ。助かったな。「俺らが寄進なんて言っても、皮肉にしか聞こえねえって。渡す役はシークあたりにでも頼もうぜ」

ウィナルドは語る


小麦輸送護衛/「頑張ってくれ」/2/9

■馬車の中でシークから聞いたが、結局考える事はみんな一緒ってことだ。彼女は遊んでいたわけではなくキチンと仕事を果たしている、当然報酬を手にする権利を持っている。そして彼女に金を渡す事で当初より報酬が減る事になる6人は全員その事に反対するものはいない。■後はこの事をどのように伝えるか、だな。敬虔なファリス信者である彼女は一旦「無報酬でいい」と言った事を生半可な事では撤回しないだろう。どうしたものかと考えていると、サキが「ファリス神への寄進ということにしてはどうか?」と言ってきた。ウィナルドは笑っていたが、妥当な線だろう。「渡す役はシークあたりにでも頼もうぜ」ウィナルドは続けてそう言った。一斉にみんなの視線を受けて戸惑うシークに俺は真顔でこう言ってやった。「シーク、これはゴブリン退治以上に難しい仕事だ。頑張ってくれ。」

ゲルハルトは語る


石像の砦/出発!/2/12

早朝、私はいつも着ているローブを脱ぐと冒険用の装備に着替えた。魔術師の杖をつかみ、食糧等のつまった重たい袋をかつぐと私は、エリンと共に仲間達の待つ「清流の木漏れ日」亭にむかった。■酒場で合流すると私達は夢見る都を後にした。■両親の血のせいだろうか?新たな冒険に私は心躍らせていた。

ヴァンガードは語る


石像の砦/冒険の第一歩/2/12

■昼間に市場で食糧を仕入れて、冒険の準備は終わり、と。危険に備えて、武器の準備も万全だし、これでいつでも出発できるよ……って、今日なんだけどね。■■そういえば先日バスタードソードを買ったときに、マーファの信者らしくないんじゃないかって言われたなぁ。いいじゃん(笑)。■■そして、みんな清流の木漏れ日亭に集まったんだ。う〜ん、やっぱり緊張感は隠せないなぁ。あのヴァンガードさえ、心なしか落ち着かないように見えるしね。■■そして今、まさにリファールの街から出るところ。これが、俺たちの冒険の第一歩なんだ

リーズロウ・ラーデンは語る


石像の砦/旅立ち/2/12

先日のうちに買い揃えた保存食や道具類を背負い袋に詰め込むと、僕は「清流の木漏れ日」亭を訪れた。ヴァンガートやエリンの姿も見える。挨拶を交わし、僕は改めてこれから共に旅をする仲間達を見回した。知り合ったばかりだが、彼らは信頼できる。そう思えた。■街を離れるにつれて、今回の奇妙な話が自然と思い出される。……果たして僕らを待ち受けているものは、何なのだろうか?

チェイン・ステアーは語る


妖艶麗人護衛/旅の空・月の夜/2/12

「空が高いな・・」俺は揺れる馬車の横を歩きながら何となくそんな事を呟いた。■昨日約束の場所に現れたバセルテットはブランセから聞いていた通りの、いいやそれ以上に美しい・・と言うよりは艶っぽい女だった。そいつは思わず寒気の来るくらいにね。ブランセがぶるっちまうのは・・ま、しょうがないか。■「どうしました?」「別に・・いい空だなって。」「ええ」他愛のない会話でも彼女は笑って応えてくれている。そういう意味じゃ悪くない旅だな。ただし、「へへ、何言ってんだかな」もう一人の護衛エドリーはすっかり出来上がっている。それもあまり良い酔いかたではない。それでも内心の思いは隔しつつにっこり対応する事にする、雇い主が何も言わない以上はね。■旅は順調に進み夕暮れを迎えた馬車を止め野営出来る場所に落ち着く「先の見張りを頼みます。エドリーさん」「何で俺が」言いかける彼に多少いい銘柄の酒瓶をみせると「っち」と舌打ちしながらも火の側に向かっていった。■3時間くらいの時がすぎた頃だろうか?人の気配を感じ「まだ交代の時間には・・」俺はそのまま言葉を失う。目の前の・・月光の下に立つ美しき姿に。■彼女の声が耳元で甘く響く、不思議な香りが鼻孔を擽る。綺麗なだけではなくあまりに・・これは夢か・けれどそれにしては。おれの頭の何処かで危険を告げているだが・・月と星が闇を照らす夜はそのまま過ぎゆく。■けれど、パセルテット・・貴女は何者何だろうね。甘き時の中に俺の中のもうひとつの部分が疑問を持ち膨らみ続ける。どちらにせよ期待通りさ・・危険な罠でもね。

紅薔薇のクフィールは語る



セントラルページへ戻る