■REPORT #1/西部諸国見聞録 記録2
バセルテット情報収集/ヤァート街にて/2/16▼ようやく着いたか・・・前渡金の300ガメルを受け取って、ここヤァート街に着いたとき既に夕方だった。さぁて、バセルテットの情報を集めなきゃ・・・・でも、ここって危険な取り引きとかもあるって噂があるんだよなぁ・・・・▼そこらへんの通行人に、声をかけてまわったが収穫は無し。それではと、近くの酒場に入った。こういう時は酒場のオヤジさんとかに聞いてみるか。飲み物(果汁)を頼みつつ、チップ(5ガメルほど)マスターにはずんだ。そして情報を聞いてみたら、「ん?確かその名前は聞き覚えがあるなぁ。え〜と・・・」と、言いつつもなかなか思い出そうとしないようなので、さらに5ガメルを渡すと、「そうそう、先週にここに来ていた2人組がその名前を出していたぞ。「バセルテットを襲撃しよう」とね。」ほほう。「それと、連中はこの辺じゃ見かけない奴等だったからなぁ。ドレックノールの連中じゃないかな?」むむっ、悪名高きドレックノールの人間に・・・・彼女は一体・・・・▼「おい、兄ちゃん何嗅ぎまわってるんだ?」マスターに話を聞いた後、外を出ると声をかけられた。ガラの悪そうな2人組だ・・・・路地裏に連れて行かれて奴等は一言、「俺達にもチップくれねえかな?それぞれ50ずつな。」と、嫌な笑いを浮かべながら言ってきた・・・・確かに金はある。でも、大事な大事な金だ。できれば渡したくない。「払ったら何を教えてくれるんだ?」「教えてやることなんてねぇな。」その一言で俺は決意した。「お前らにやる金は無いな」▼その後、喧嘩になったんだった・・・向こうはそれなりにケンカ慣れしていたけど、俺も金を渡すのが嫌だったから必死で応戦した。でも、向こうは2人がかりだ・・・こっちが不利だった。しかも、男の1人に両腕を押さえられていた。ピンチである。「くらえぇ!」チンピラの片割れが右の拳を振りかぶってこっちを殴ろうとしている・・・反射的に、そう偶然だったのかも知れない、右足を蹴り上げていた。ぐしゃっ!「ぐぅおおお!?」・・・ものすごく痛そうな部分を直撃したような・・・「お、おいっ!大丈夫か?」あっ、腕の力が緩んだ!一瞬のスキを突いて俺はチンピラから腕を振りほどき反撃に出た。しかし、向こうも負けじと殴り掛かってくる!「うおりゃあっ!」最後は俺の体を張った頭突きで倒したけど・・・・痛い。鏡で確認しなきゃ俺にはわからないが結構、腫れたかも知れねえ・・・・とりあえず、勝ったから良かったけど・・・そうだ、こいつらから何か聞けねえかな?と思ったけど、どっちもうずくまっていて話を聞けそうにない。残念。▼さてと、とりあえず帰路に就くか。に、してもどう報告するかだなぁ・・・・「盗賊らしいのが二人ほど彼女を襲おうとしてました」とだけ言うってのも・・・そもそも彼女が善なのか悪なのかってのが分からねえし・・・・まっ、いいや。他の人達がその辺を調べてくれてるだろう♪と、いうわけで俺はヤァート街を後にして、街に戻ることにした。
ジェダ=グローエンは語る
隠し倉庫探検隊/わあ!きれいな川ですー!/2月16日。朝ご飯の支度をしながら、スープの味見をしますー。「・・・・・・。ううーん、個性的な味がしますー。」「未知の食材ですからねえ。・・・やはり下拵えをしておくべきでしたね・・・。」ハインさんがまた悩みはじめましたー。でも、カシスはこの味もいいと思いますー。ちょっと苦いけど後味がピリリとしてて、不思議な感じがしますー。☆「カシスさん、このスープ美味しいですよ!」ラディオスさんがニコニコしてますー。「何か、いつもと違う調味料を使ったようですね。」キースさんにそう言っていただけると、カシス、作った甲斐がありますー!「カシスもこーんなに美味しくなるとは思いませんでしたー!やっぱり外見じゃないんですねー、ム・・・ふぎゅ!」「ところでみなさん!この燭台のことなんですが・・・」ふぇー?『ムカデさん』って言おうとしたら、ハインさんに口を塞がれてしまいましたー。☆燭台は、ラディオスさんに売ってもらって、地図は微笑み亭に預ける。いい考えですー。剣を手に入れるまでに地図をなくしちゃったら大変ですー。☆今日はご飯と狩り以外は、ずーっと歩きっぱなしですー。みなさーん。そろそろ夕方ですよー。☆来るときとはちょっと違う道を通って帰りますー。初めての場所ばっかりで、わくわく!ですー!☆「わ・・・あ!」野営地のすぐ近くを、川が流れていますー。・・・よく見ると、川から湯気があがってますー!温泉ですー!温泉ですうー!!そういえば。2、3日お風呂に入ってなかったですー!わーい。グレートソードぽいっ!服もぽぽいっ!!・・・ザブゥゥー!!「・・・う・・・うっきゃああー!!!」☆「外気が水温より低くなると、よく見られる現象です。かと言って。決して水温が高いワケじゃないんですよ。」ハインさん、カシスがおバカでしたー。うううー。寒いですー!
カシス=ピンキィは語る
バセルテット情報収集/ついでに師匠も探してみます/2/16■『先週ゴブリンの一隊になにか指示を与えている女がいた。その女はすごく邪悪な顔をして笑っていた』・・・怖くなって逃げてきたって言っているってことはたぶん嘘じゃないんだろうな・・・ここに来る途中で見たゴブリンの死体を思い出す・・・同じゴブリンなのかな・・・■ゴブリンに指示を与えていた女の人はヘブリンさんから聞いた占い師のバセルテットさんに似ているらしいけど・・・「これは報告するとして、もう少し話を聞いてみようかな」■しかし、他にバセルテットさんに関する情報はなかった・・・せっかくリファールの街から出たんだからここでも聞いていこうかな?「すみません。ジェスタールという名の魔術師を見たことある人はいませんか?」■師匠は結局ここにもあらわれていないみたい・・・とりあえず帰ろう。私は「ポークマンの豚農場」を後にした。
リカルド=カザフェルバートは語る
隠し倉庫探検隊/小川のほとりにて/2/16■“食べられるものは食べる”と言うのは良いこと。私のような出身でもないのに率先してムカデを調理するカシスさんはたいした人だ。街の人もこうだといいんだけど。■今回の冒険成果と今後についての提案をハインが言った。まあそんな所でいいと思う。どうせチャ・ザは数千ガメルぐらいじゃ聞いてくれないだろうし。お礼も大事だ。■今日の野営は小川のほとり。キースさんがまたもリュートを弾く。煌く川面が背景にあって、なかなかさまに成っている。見なれてきた所為かもしれない。この光景も明日で終わりか…。でも、まだビザラークの剣のことがある。もう少し一緒に続けたいかな。
ジュラは語る
バセルテット情報収集/疑惑と誤解/2/16「伝染病の治療ねえ。邪教信者とはいまいち結びつかねえよなぁ」バセルテットは二ヶ月ほど前に、伝染病の子供を治療したらしい。マーファあたりの神官だと思われて、感謝されている。■ヘブリンの依頼でリファールの北、ラサアルト泉郷を訪れた俺は、住人たちと話をして、こんな情報を手に入れた。この情報だけだと、ヘブリンの思い過ごしということになる。他の連中が集めてる情報を総合してみないと、確かな事は言えないが。■きっと、思い過ごしで済んだほうがいいんだろう。そう願いながら、俺は、リファールに向かって歩き出した。
ウィナルドは語る
隠し倉庫探検隊/川面に流れよ我が歌声/2/16●今日の野営地は小川のほとり。カシスさんが早速・・・といった風情で飛び込んでいった。あわてて後ろを向いて火を起こし始める。●ハインさんが地図をリュキアンの微笑み亭に、5人の連名であずけようと提案してきた。「・・・ええ、私もそれでかまいませんよ。じゃあ、代表者はハインさんということで。」●「・・・う・・・うっきゃああー!!!」突然カシスさんの絹を裂くような叫び声。私はモールをかまえ、すぐさま助けに・・・「いかなくていいの!」「へ?」ジュラさんとハインさんに止められる。「うううー。寒いですー!」あ、なるほど。・・・2月の川にいきなり飛び込めばなあ。●カシスさんが火にあたっている間、私も体ぐらい洗っておこう。「う〜ん、冷たくて良い気持ちだ。」・・・すいません、やせ我慢です。ファリス神よ、見栄を張ってうそをつきました。懺悔いたします。●そういえば、顔もしばらく洗っていなかったなあ。仮面をはずしてばしゃばしゃと顔を洗う。「!!!・・・。」くぐもった小さな叫び声が聞こえた。そちらを見ると、がさがさと誰かが草の中をキャンプのほうへ戻っていく。誰だろう・・・やっぱりこの焼け爛れた顔を見て、驚いたのだろうか。驚くよなあ、やっぱり。ちょっと物悲しい気分になりつつ再び仮面をつけた。●夕食の後、私はリュートを引っ張り出した。演目は『許されざる恋』といい、古代王国期の貴族と、奴隷階級の蛮族の娘との悲恋を描いた歌だ。私の拙い演奏と歌に、皆拍手を送ってくれる。少々きはずかしいが、決して悪い気分はしない。次の演目は『金鱗の竜王』。呪われた島から伝わったといわれる歌だが、本当のところはわからない。勇壮なメロディーが川面に流れていく。夜がふけていく。いよいよ明日の夜はリファールだゥァ」
「仮面の聖戦士」キースは語る
バセルテット情報収集/夕刻の葡萄畑/2月16日昨日、『リュキアンの微笑み亭』で、シークさんと言う、スカーフを巻いた戦士(だよね)に、バセルテット、という怪しい占い師についての調査の仲間にしてもらった。報酬は、ないみたいだけど、まだ、財布に余裕はなんとかあるし、なにより、もし、彼女が邪悪な占い師だと言うのなら、同じ占い師として、黙ってられないもの。◆ところで、シークさんったら、朝からずっと街道の右端を歩いているけど、一体どうして?私が近づくと、さりげなく先に行ったり、端に寄ったりして、絶対並ぼうとしないし。ひょっとして、女の子が苦手なのかな?まあ、いいけど。◆荘園に到着したのは夕方だった。ワインの醸造所があるらしく、見渡す限り、手入れの行き届いた見事な葡萄畑が広がっている。この様子じゃ、今日は美味しいワインが飲めるかな?と考えつつ、誰から話を聞こうかと考えつつ、葡萄畑の中を縫うように出来た道を歩いていると、私達を呼び止める人がいた。「え?荘園主が僕らを呼んでる?」シークさんがそう言った。 どうやら、ここの荘園主である貴族は、私達冒険者に用があるらしい。貴族が一介の冒険者に何の用なんだろう?とりあえず、話を聞くために荘園主の屋敷に向かう道の途中、「?」後ろの方に、何か生き物の気配を感じた。それも、複数。私は、さりげなくシークさんの側に寄ると、逃げようとする彼の腕を逃げないように捕まえ、小声でささやいた。「ちょっと逃げずに話聞いて下さい。誰かが私達を後をつけてる。」ひょっとして、私達が動くことって、バセルテットの方にもれてるのかしら。「人目の付かないとこで、襲撃するのかもしれない。気を付けた方がいいわ」シークさんの顔が、引きつったのは、私に、腕を捕まれただけ、じゃないよね。シークさん、あなたの方が剣の腕はたつみたいだから、もし、襲撃があったら、頼りにしてるわね。私も出来る限り援護はするからさ。
リーヴェシュラン・バドリーは語る
隠し倉庫探検隊/遠足の続き/2/16★「わぁ小川がありますよ〜」谷の方からリファールへの近道を再度模索し、僕達は来た道を多少南にそれた辺りを歩いていた。そろそろ日も落ちかけようかと言う頃に目の前に綺麗な清流を称えた小川が姿を表す。★「わ〜い、温泉ですぅ〜」僕が小川に頭を突っ込んで水を飲んでいると突然大きな水飛沫があがり裸のカシスさんが飛び込んできました。「あ〜冷たくて美味しかった・・って温泉・・?」★僕が水に浸した布で全身の汚れを落し、今日の夜営地に戻ると毛布に包ったカシスさんが震えていました・・風邪でも引かなければいいんですけどね・・。★「と、キースおじさんも言ってるし、この蜀台はラディオス君に任せます」と言って僕はハインさんから魔法の蜀台を渡された。ぱっと見価値はよく解らないけどパーカーさんの地下にでも持っていけば少しは良い値になるかな?★「あれ?キースさん。涙なんか貯めてどうしたんですか?」体を清めに小川へ行くと言って帰ってきたキースさんは仮面の淵から涙を流していた。★「ん?涙?あぁこれかい?」と言ってキースさんはマスクの上部を右手で抑えつける。”ぶしゅ”という音をたてて仮面から水がしたたる。「仮面を洗うと少し水が溜まるんだよ」・・・お・・面白すぎますよ。キースさん・・。
ラディオスは語る
隠し倉庫探検隊/清算が済むまでが遠足/2/17●『家に帰るまでが遠足』と言うが、今回は『清算が済むまでが遠足』である。地図を預けるのは収入が確定してからとして、それまでは私が預かるとしておこう。代表を任ぜられた以上、最後まできちんと管理しなければ、な。●昨日は川に飛び込んで震えていたカシスさんも、既に元気に皆と談笑しながら歩いている。・・・飛び込みを止めなかった私もかなりアレな気がするが、こればかりは性分だ。『三つ子の魂百まで』である。十かそこらの時分の性分は、捨てる事が出来たとしても。●この軽い足取りで行くと、夕刻にはリファールに戻れそうだ。山野を抜けた所で昼食を摂る。ジュラさん、カシスさん、キースおじさま、ラディオス君―――皆、気持ちの良い人達だ。ビザラークの剣を手に入れるまでの間でも、一緒に冒険出来るものならそうしたいものだと思う。これほど旅を面白いと思った事は、かつて無かった事だから・・・
諺学者アーヅェルハイン(ハイン)は語る
隠し倉庫探検隊/冒険に化けた遠足が終わって/2/17■リファールに着くのは夕方ぐらいだ。着いたら微笑み亭か、カシスさんの働いている酒場に行こうかな。「みんなも行く?」■それにしてもこのまま戦利品を分けて解散では面白くない。冒険は仕事じゃないんだから、楽しい人達とがいい。おもいってみんなに言ってみた。「まだ謎は解けきっていないし…もう暫く一緒に冒険してみない?」
ジュラは語る
隠し倉庫探検隊/もうちょっと、もうちょっとだけ!/2月17日。リファールですー!着きましたー!・・・・・・でも、みなさんとお別れするのはとっても寂しいですー・・・。カシス、もっともーっと・・・ううん。もう少しだけ、もう少しだけでいいからみなさんと冒険がしたいですー。☆え・・・?今、何て?・・・ジュラさんが、「もう少し一緒に居たい」って・・・。ハインさんも「お別れは寂しい」って・・・。☆「ふぇーん!」あったかい涙が地面に滲みます。「ど、どうしたんですか??!」「まさか、今頃になって食中毒とか・・・!」「カシス、カシスみなさんと一緒に居たいですー!みなさんもそう思ってくれて、とっても嬉しいんですー!!ひっく。」「なぁんだ。ムカデにあたったんじゃないのか。よかったあ!」「・・・ラディオス君、なぜムカデを食したことを知っているのです?」ハインさんが驚いてましたー。
カシス=ピンキィは語る
バセルテット情報収集/葡萄畑の決戦/2月17日昨日僕はリーヴィに腕をとられた。(うひぃ!)僕の声にもならない悲鳴。突然なんだモノ。彼女も背後に気配を感じたと言う。腕をほどこうと努力しながら僕は言った。「考えすぎだよ。農家の人じゃないの?」占い師としての彼女が『やばそうな占い師』であるバセルテットを許せなく思うのは分かるけど。■僕らは大きな館で荘園主から話をされた。内容は、荘園主もバセルテットを捜していると言うもので、冒険者に探しに行って欲しいらしかった(僕はその話を断った)。他にもいろいろ話をしたけど、僕らはすんなりとバセルテットの風評を手に入れることが出来た。■荘園主に引き留められて、僕らが帰路についたのは今日の夕刻だった。葡萄畑を通っていると、僕は不意に頭に衝撃を受けた。リーヴィはすぐさま用意していた弓をつがえる。追跡者は実在していたのだ。僕が甘かった。僕らの上空には2匹の暗褐色の妖魔『インプ』がきぃきぃと鳴き、尻尾をくねらせていた。剣を振ってもあの高さでは届かない!『魔力付与』でリーヴィの弓に魔力を与え、「頼んだよ。」そう言って僕はおとりとなるべく、葡萄の棚に駆け上った。足場の悪い棚の上で、剣を抜きつつ言った。「かかってこい!」インプに西方語が分かるとは思えないけどね。
シーク=パームランドは語る
バセルテット情報収集/葡萄畑の決戦/2月17日荘園主の話は、私達にバセルテットを探してほしい、というものだった。どうやら荘園主である貴族は、彼女を愛人にしたがってるよう。はあ。(ため息)そんなもん、こっちの方からお断りよ!案の定、シークさんも即答で断ってたし。でも、彼女に関する情報は、色々と聞けたから、まあ良いけどさ。◆荘園主の屋敷を辞した時には、もう、日も傾いていた。散々引き止められたものね(汗)その代わり、ここで作ってるワインや、美味しいものをたっぷりとご馳走になったけど。◆私経ちが葡萄畑にさしかかった時だった。私の斜め前を相変わらず離れて歩いてるシークさんの頭に、上空から何か黒い塊が襲いかかった。やっぱり!思った通り!いつもと違って、手に持って歩いていた弓に、すぐさま矢をつがえた。が、今矢を射ればシークさんに当たってしまう危険がある。シークさんを襲った塊を撃つのは断念して、空を見上げると、暗褐色の翼と尻尾を持った小さな妖魔――インプが、キイキイと甲高い、耳障りな声で鳴いていた。◆よし、まずは、あいつから!弓の弦をきりきりと引き絞って狙いをつけようとすると、「頼んだよ。」シークさんの声がしたかと思うと、私の弓と、つがえている矢が、ほんのりと光を放ち出した。どうやら弓に『エンチャント・ウエポン』の呪文をかけてくれたらしい。「かかってこい!」またシークさんの声。おとりになってくれてるよう。◆非力さも、腕の未熟さも、十二分にカバーされてる。これで矢を外したら私は大馬鹿者だわ。しっかりするのよ、リーヴィ!◆ヒョウ、と空を切って放たれた矢は、1匹のインプの身体を深深と貫いていた。凄い!いつもよりはるかに威力が上がってる!続けて2本目の矢をつがえ、葡萄棚に登っているシークさんの周りを飛んでいるインプを狙った。また命中!それも首を貫通して!もちろん、インプは絶命している。シークさんが、一本目の矢で射落としたインプにとどめを差して、戦闘はあっけなく終わった。◆モンスターとの戦いは、タラントに住んでる頃から、何度かやってるけど、ここまであっけなくカタがついたのはこれが始めて。こんなにうまくいっていいのかな?
リーヴェシュラン・バドリーは語る
隠し倉庫探検隊/冒険の終わりと新たな始まり/2/17●空には星が光り始め、もうすぐリファールの街の灯が見えてくる。今回の冒険も、けっこう大変だったような、楽しかったような・・・。●ふとため息が出た。なぜだろう、物悲しい感じがする。なにか祭りが終わった後のような感じだ。●皆がなにか話し合っているようだ。なんだろう。「キースさん、みんなで話し合っていたんですが、これからも皆で一緒に冒険しませんか?」なるほど、皆その相談をしていたのか。う〜ん、私としてもこの仲間達と冒険できればとても嬉しいが・・・。「ええと、手が空いているときでかまいませんか?もしかしたら来月あたりからちょっと忙しくなるかもしれないんです。」あ、そんな悲しそうな顔を・・・。「手が空いているときであれば、他の何をおいても駆けつけますよ。約束します。なんといったって、私がリファールに来てはじめてのお仲間なんですから、皆さんは。」●実のところ、この仲間にその『仕事』を一緒に手伝ってもらえればどんなに心強いかと思う。だがちょっとその事は口に出す勇気が出なかった。実はリファールに戻ったら私はリファールバイスに志願するつもりだったのだ。この仲間達の助力があれば・・・だが、『冒険』とは別次元のドロドロした戦いに「・・・巻き込みたくないよなあ。」「え?なにか言いました?」「あ、いえ何も・・・。」おっと、思わず口に出てしまった。『一緒に志願して見ませんか』のセリフが言えないまま、私は街道を歩きつづけた。●私は背中からリュートを取り出して弾き始めた。できるだけ陽気な曲を選ぶ。皆の前途が明るい物であることを祈って。
「仮面の聖戦士」キースは語る
隠し倉庫探検隊/探し物/2/17★「う〜ん。僕に出来る事があれば喜んでご一緒させてもらいますよ」ジェラさんの「もう少し一緒に冒険をしないか?」と言う言葉の答えだった。★★僕にはギルドに戻ってやらなければならない事がありる。根無し草の様に街から街へと流れる事は出来ない。でも皆と冒険してると心が休まるんだ・・★僕らしくないこんな考えが浮かぶ。僕はあわててこれはビザラークの財宝に、利用出来そうな仲間に会っている為だと否定する。否定しなければ僕の今までの人生が否定されてしまう。★なんだろう。不思議だな。こんな感覚・・・そして気がついた時にはそんな言葉が口から流れていた。
ラディオスは語る
ザーンにて/街を去る/2/22■ 何とかオオアリ退治も終わり、ここ数日は平穏な日々が続いている。まぁ、3箇所ほど壁の補修に駆り出されたが……。■ この一ヶ月で契約を更新するわけだが、私は結局辞退することにした。治療費と生活費を引くとさして報酬が手元に残らないこともあるし、何より、軽度の暗所恐怖症にかかってしまったようなのだ。■ もちろん、日常生活に支障は無いし、数週間もあれば治るだろうと知り合いになった精霊使いにも言われた。但し、ここザーンで生活しなければ、の話だが……。■ 故郷のベルダインに戻るわけにも行かない。次はドレックノールということか。あまり近寄りたくない街ではあるのだけれども。■「では、機会があればまた」 この街で知り合った人々に別れを告げて、私はザーンを後にした。久方ぶりの青空が、眩しい……。
ユーンライドは語る
溶け出す氷/出立/2/22■俺は今日からシルルという神殿都市に旅に出ることになった。目的は言うまでもなく俺の肉体を元通りにする事だ。俺自身に関わるだけのことなのに、何人かの「仲間」達が協力を申し出てきてくれた。世の中はまだ捨てた物じゃないらしい…。■昨日、俺はとりあえず馬車の手配をした。俺一人だったら歩いて行くところだが、何人もつれて行動するとなるとやはり馬車は必要だろう…。馬車の借り賃は、ギルドから借りた二万ガメルから支払うことにした。小型でぼろい馬車だが贅沢は言っていられない。■仲間の準備も終わったらしい。さぁ、そろそろ出発と行くか。とりあえず俺は御者役を引き受け、馬車に飛び乗ると馬の手綱を握りしめた。馬車はゆっくりと進み出す。目指すはシルル。サラマンダーの肉が俺を呼んでいる!
”蒼い鷹の”サキは語る
溶け出す氷/小娘/2/23馬車での旅,ガタゴトと馬車がゆれながら街道を進んでいく。どういうわけか向かいの席にはあの小娘が座っている。席はくじ引きできめたのでしかたない。が,気まずい事このうえない。とりあえず,誤解はといとかんとな・・・しかしどうするべきか・・・とりあえず話し掛けるしかないか。☆「あのよ,俺の事を痴漢とかいったけど,ありゃあ,あんたが悲鳴あげたから何かあったのかと思って助けにいこうとしたらああなっちゃっただけだぜ。まあ見ちゃった事は悪かったからあやまるけど・・・なんで殺されかけにゃあいかんかな?ていうかなんで俺が痴漢なんだよ。勘弁してくれよな。せっかく人が親切で助けようとおもってわざわざでてったのに。」
ディアス=ウィングウェイは語る
アテリルス村のゴブリン/諺学者の懸念/2/23●アテリルス村到着は日没後になるようだ。それまでは、同行者の観察に精を出すとしよう―――村に着いてから、そんな暇があるものか疑問なのでな。・・・そうそう、一応は仕事仲間と言う事で、自己紹介の際、私の事は『ハイン』で良いと皆に言っておいた。●カシスさん。エルフが二人居るにも関わらず、この七人の中では年長に思える。『遠足』から一緒なだけに、気心が多少なりとも知れている。初顔が多い今回、彼女の存在は正直言って有難い。●アイラーナさん。神官を欠く冒険者の一団に、ラマーニさんが手配して下さった幸運神の神官さんである。明るく、かつ教養もある人物のようで学者として好感が持てる。魔剣ラックドラークの為にも、積極的に仲良くしたいところである―――下心が見透かされない程度に、だが。私を含むここまでが女性陣だ。●男性陣はエルフのライカさんとリーンさんに、人間の、私やブランセ君と同年代と思しきエフォル君とクリオ君である。前衛に立てる者が居ない気がするのは、私の気の所為か? 精霊使いが三人もいるので、魔術師でもあるというリーンさんには、私と同じく魔術師として動いて貰うにしても・・・堅い人がどう見ても居ないのは、かなり困り物である。術者が多い魔術と呪術を駆使し、速攻でカタを付けねば被害だけ拡大しかねない。弓使いを前衛に出しては攻撃できんだろうし。●男性陣を観察していたら、頭痛がして来たのでついと視線を逸らした。参謀がこんな事でどうする。内心頭を抱えた所で、鎧が頑強になるはずもなし・・・「みなさん、ごはんにしましょー?」アイラーナさんの声にいとも容易く思考を中断した自分を、少々どつき倒したくなった昼下がりであった。
諺学者アーヅェルハイン(ハイン)は語る
アテリルス村のゴブリン/こんにちは!と。初めまして!ですー。/2月23日。「みなさーん、はじめましてですー。・・・あ。でもハインさんははじめましてじゃないですー!こんにちはですー。えへ。」☆今日は出発の日ですー。初めてお会いする方が沢山ですー。クリオさん、それからエルフのリーンさんとライカさん。エフォルさん。ハインさんが要チェックしているアイラーナさんは、チャ・ザ様の神官さんだそうですー。ビザさんの剣を貸してくれるでしょうかー。どきどき。☆優しそうな方ばかりですねー。「え?カシスが一番お姉さんなんですかー?わーい。アウトドア料理なら任せてくださいねー。」「カシスさん。」「??どうしたんですかー、ハインさん?」「今回は『村』に行くわけですから、その心配は無いものと思われますが・・・。」あ。そっかー。そうですよねー。「でも残念ですー。ゴブリンさんのお料理が作れないんですねー・・・。」☆「みなさん、ごはんにしましょー?」アイラーナさんがそうおっしゃった途端。んぐううぅーきゅるるるぅー!はりゃ。カシスのお腹が鳴ってますー。「・・・お腹、空きましたね。」クスクス笑いながら話し掛けてくれたのは、クリオさんですー。☆「あ!あそこがアテリルス村じゃないですか?!」足下がよく見えなくなってきた頃、真っ暗闇を指差してリーンさんが言いますー。「??カシスには全然見えないですー。・・・ぐっすん。・・・うわあ!」く、草ですべったですー!
カシス=ピンキィは語る
溶け出す氷/一蹴/2/23■目の前でディアスが一生懸命弁明してるのを、私は冷めた目で見てる。弁明・・・と言う には、口調がだんだん非難めいてきたけど。『雄弁は銀、されど沈黙は金』って言葉を 知らないのね。 ■「あなたの言い分は、つまり私があんなところで水浴びしてたのが悪いってことなのね? 被害者に全責任を押しつけようだなんて、ずうずうしいわ。それにあまり『痴漢、痴漢』て 連呼しないでよ。聞いてる方が恥ずかしいわ」それだけ言うと、ディアスから目を背けて、 考え事に専念した。 ■私の隣では、エステラがわくわくした表情で座ってる。彼女は私のことを歌にしたいと 望んでいるらしい。歌は・・・聴くのも歌うのも好き。ファリス神へ捧げる聖歌もそうだけど、 酒場で聴く冒険物語も大好き。あんな風に歌われるのは、英雄とか勇者だとばかり思ってたのに。 私の歌って、正直、ピンとこないのよね。 ■今回の旅は、いわばサキを助けるために、私達が自発的に動いたもの。当然報酬はない。 それを承知で着いてきた仲間はともかく、ジェダとエステラには悪いことをしちゃったな。 特に今回は買い物旅行だもん。彼女が望むような『ドラマティックな事』が起きるなんて 思えないし・・・。あ、そうだわ。 ■「・・・ねえエステラ」私はふと思いつき、彼女へ話しかけた。 「リファールへ戻ったら、今度は私があなたの見つけた仕事に着いていくわ。もちろん、 私の身体が空いていたらだけど。どうかしら?」
アラザン・モニク・カトルカースは語る
溶け出す氷/痴話げんか?/2/23昨日の夜、ディアスから誘われてシルルへ行くことになった。ま、ネズミ退治よりは楽しそうだったからね。急な話だったけど二つ返事で引き受けたよ。■で、馬車の中でディアスとカトルカースが喧嘩をしていた。ふ〜む、どうやらカトルカースの水浴びを目撃したディアスが「自分は痴漢じゃない〜!」と言い分けしているんだけど・・・・とりあえず見たのが事実だったら認めりゃいいのに。つまらない言い訳なんかするとこじれるぞ。「そーいう時は見つかったら、イイもん見せてもらいましたと逃げずに認めろ。運が良ければ助かるぞ」と、隣の家のおじいちゃんも言っていたなぁ・・・って、覗きはいけないことだとは思うけどさ。■とりあえず、「見られたって減るもんじゃなかろうに」などと言った日にはカトルカースに刺されそうだし、「素直に認めとけって。見たことに変わりは無いんだから」とはディアスに言えないし、口を出さずに黙って見てる事にした。■シルルといえば、あの人たちも「そっちの方から来た」とか言ってたなぁ。元気にしているかな?再会出来るかも知れないなぁ・・・おっと、その前に目の前の仕事を片づけないと駄目だけどな。
ジェダ=グローエンは語る
溶け出す氷/ウキウキの旅なのダ/2/23ルマ達はサキさんの借りて来た馬車に乗って、シルルに向かってるのダ。お買い物なのダ〜■交代で見張りしたり(盗賊やゴブリンに襲われたら困るからナ)もしてるケド、みんなシルル行く旅楽しんでるのダ。シルル行けばサキさん治るし、シルル珍しいもの多いって話だからナ〜。ウキウキなのダ。■でも・・・エイムさんとディアスさん・・・あ!!ルマは知らないのダ〜喧嘩なんて見てないのダ〜昨日は酷い目に会ったのダ〜・・・ジェダさんとお話してるから気づかないのダ〜「ジェダさん”月光の煌き”亭でコックさんしてるよナ?」■へえ・・・シルルにも冒険者でコックさんの人居たのカ?・・・シルルにはとっても凄い人が多いって噂なのダ。その人も凄い人だったんだろうナ・・・うーん楽しみなのダ。
”虎の瞳の”ルマは語る
溶け出す氷/神殿都市へ!/2/23■シルル神殿都市! 街の地下深くに広がる恐ろしい迷宮に挑まんと、腕利きの冒険者たちが集う街。大地母神マーファの懐に抱かれ、至高神ファリスの光に守られた街。……いろいろ噂は聞いてるけど、行くのはこれが初めてよ。かなりわくわくするわね。珍しい冒険話が仕入れられることを祈ってるわ。 ■そんなことをぼーっと考えてたら、ふと、ディアスさんのなんだか一生懸命な弁明が聞こえて来た。……あ〜あ、もう、そんなにベラベラ喋ったら効果ないじゃない。女の子口説く時は(あら、口説くのとはちょっと違うかしら?)一言でびしっと決めないと……ほら、エイムさんも呆れてるみたいよ。 ■と、急にエイムさんがあたしに話し掛けて来たの。え? 今度はあたしの行きたいところについて来てくれるの? なんだか立場が逆みたい。『ええ。あたしの心に響くような、そんな冒険があったらお願いするわ』あたしはにっこり笑って、そうエイムさんに答えたのだった。
エステラは語る
溶け出す氷/やれやれだぜ。/2/23■「放っとくに限るな、ありゃあ」ディアスとエイムの口喧嘩は、今日も決着がつかない。ディアスが言い訳するたびに、余計に泥沼にはまっていく(はたから見てると、案外楽しい)。「あきらめるんだな。一度偏見持たれたら、そう簡単に拭えねえよ」いい加減ディアスが哀れになって、苦笑混じりに忠告する。ディアスといい、シークといい、冒険者になってから知り合った奴は、どうも女に苦労するのが多いらしい。・・・巻き込まれんように気を付けよう。■サキが借りてきた馬車のおかげで、それなりに快適に旅は進んでいる。天気も良い。■これから行くシルルは神殿都市と呼ばれているらしい。俺はシルルのことをそれほど知らない。特にする事も無いし、他の連中に世間話がてら聞いてみる事にしよう。「俺って、案外街の外の事知らねえんだ」
ウィナルドは語る
アテリルス村のゴブリン/冒険の仲間/2/23おや、私以外にもエルフがいるのか。「よろしく、ライカ」ふむ、私より背が高いのが気になるが・・・。よろしく、ハイン、クリオ、エフォル、カシス、アイラーナ。仲良くやっていけそうな人達ばかりでよかった。■私はね、いつか魔法であの空を自由に飛ぶのが夢なんですよ。ハインも魔術師ならこの気持ちわかってくれるでしょう?え?なんでそんな顔するのかな?ん〜残念だな〜。■アイラーナが作ってくれた食事をすませた後、だんだん辺りが暗くなってきた。もうそろそろ、アテリルス村が見えてきてもいいのでは?・・ん?「あ!あそこがアテリルス村じゃないですか?!」と、そのとき足元で何かニブイ音が・・・「な、なにしてんですか?オネーサン・・」■「あの村にゴブリンが・・・」誰かが呟くのが聞こえた。メイジ・スタッフを握る手に、自然と力がこもった
リーンは語る
さて、がんばるかな/2/23■みんな集まり、村を目指す。ふむ、今回はチャザの神官さんが一緒にいるのか・・・少々の怪我も大丈夫そうだな。■ふむ、アーヅェルハイン(ハインでいいらしい)さんにカシスさん、エルフのライカさんにリーンさん・・・シャーマンが多い・・・あれ?戦士は?カシスさん一人?シーフは?僕だけ?大丈夫だろうか、不安だ。しかしカシスさんって年上何だよなぁ・・・ほんとうだろうか?■そして不安を拭い去るようなアイラーナさんの声”ご飯ですにしましょ〜”(んぐううぅーきゅるるるぅー)誰かのお腹がなる。思わず顔が笑ってしまった。まぁこれなら大丈夫かな?■”あ!あそこがアテリスル村じゃないですか?”リーンさんが叫ぶ・・・うん?ほんとだ。やっとついた・・・気を引き締めなければ。”うわあ”カシスさんが叫ぶ・・・ゴブリンか?即座に構え・・・そしてそれを解く。何だ・・・すべって転んだのか・・・驚いたな。■こんなんで大丈夫か?思わず呟いてしまった・・・いけないいけない、他の人に聞かれなかったろうか・・・
エフォルは語る
溶け出す氷/早く元に戻れるといいな/2/23■サキが調達してきた馬車の中での席決めを、お馴染みのくじ引きで決めることになった。いやな予感がしたので反対したのだが聞き入れられず、二人は見事向かい合わせの席を引き当てた。まったく、相性が良いんだか、悪いんだか。それでもリファールを出て暫くの間は静かだったのだが・・・。■沈黙に耐えかねたのかディアスが言い訳を始めてしまった。あ〜ぁ、黙ってりゃいいものを、ほらみろ、エイムだって意地になって反論してる。これはこれで当分退屈はせずに済みそうだが・・・。■それでもさすがに聞き飽きたので御者台に出てサキの隣に座る。今日は良い天気でこの時期にしては暖かかったのだが、奴のすぐ隣に来るとうすら寒い感じがする。これがルマの言っていた氷の娘の精霊の影響なのだろう。幸いにして対処法が書かれたスクロールが素早く見つかったからよかったものの、そのまま放置されたらサキはどうなったのだろうか?■恐ろしい考えを振り払って話し掛けた。「サキ、早く元に戻れるといいな。」
ゲルハルトは語る
アテリルス村のゴブリン/救出への準備/2/23村についてすぐ適当な廃屋を確保し、僕たちは村人にゴブリンの情報を聞いて回った。ゴブリンたちが陣取っている場所は村近くのマーファ礼拝堂、その中に捕らえられている人がいる。礼拝堂の主である老神官と、それを救いにいった青年。アイラーナは僕たちが情報集めている間にゴブリンによってケガを負った村人の治療へと向かった。■夜も更け、エフォルとカシス、僕とリーンで安全確保のため村を見回る。ハインとライカは村人から集めた情報を元に人質救出の作戦を立てているだろう。おそらく決行は明日。彼らを無事に救い出すためには失敗は許されないのだ。どんなことがあっても必ず人の命を救い出す、欠けた月を見ながら僕はそう心に誓った。
クリオ・デルクアードは語る
アテリルス村のゴブリン/ゴブリンさんは、食べないほうがよさそうですー。/2月24日。「みなさんは、私たちが帰ってくるまで家から出ないでください。」☆手分けして、村のみなさんにそう伝えますー。・・・大丈夫ですー。カシス達はきっと戻ってきますよー。☆「それでは・・・出発しましょうか!」どきどき。ゴブリンさんって、どんな動物さんなんでしょうー。聞いた話では、剣も使えるとか・・・。ううーん。ちょっと想像できないですー。「みなさん、がんばりましょー。ゴブリンに邪魔されてちゃ、みんな仕事になりませんもんね!」はうう。アイラーナさんは、緊張なさらないんでしょうかー?☆「うわああー!た、助けてくれえー!!」村を出て少したったお昼近くでしょうかー。誰かの悲鳴が聞こえてきますー。「・・・こっちの方から聞こえてきました!」☆はふー、はふー。みなさん、お速いですねー。カシス、どんどこ追い抜かれてしまいますー。どんっ!!「Fぎゅうー!・・・ライカさーん、急に止まらないでくださいー。・・・!!???」☆「ひどい・・・!ゴブリン達・・・許しません!」涙を溜めて怒っているアイラーナさんの腕の中で、村のおじさんが苦痛の表情で眠っていますー・・・。ここは畑のようですー。辺りには荒らされた跡・・・。「助かりませんか・・・?」その問いには、誰も答えられませんでした・・・。☆マーファ神殿にはお昼丁度位に着きましたー。隠れて、少し様子を見ますー。☆入り口に、変な人が二人いますー。肌が茶色くて、牙があるみたいですねー。どちらの方でしょうー?「どうやら、ゴブリン達は二匹ずつで行動しているようですね・・・。」「ふぇ?ハインさん、あの人たちがゴブリンさんなんですかー?」「そうですが・・・。」そういえば、動物っぽい気もしますー。☆「神殿の中には、ひときわ大きなゴブリンが一匹とゴブリンが2.3匹いるみたいですね。」「人質の方は・・・?」☆「ギャアギャギャアー!」作戦の確認をしている最中に、カシスのすぐ後ろから大きな声がしますー。「・・・ふぁ?」「ゴブリン!」
カシス=ピンキィは語る