■このサテライトの使用法
「リュキアンの微笑み」亭は主に初心者の参加者のためのサテライトです。SWWWにやってきたけど、どうしたらいいのか判らない、あるいはどこに行くべきかのアドバイスが欲しい、という場合はここに寄ってみてください。
慣れて、どこか他の場所に出かけたいな、と思うまで、この店にのんびりと居座っていただいてかまいません。
一番簡単な書きこみの内容は
○月○日/見習い戦士A
僕は旅人の店に入って、店番の少年に話しかけてみた。リファールは初めてなんだ。仲間も探したいけれど、酒場の賑やかさにはちょっと遠慮がちになってしまう。本当はモンスターをぶちのめして英雄と呼ばれるくらいになりたいけど、まだ強くないしね。これからどんな冒険が始まるだろうか
というようなものです。
これに対して、ゲームマスターは次のような書きこみをするでしょう。
○月○日/店番のブランセの日誌
今日は「見習い戦士A」さんが店にやってきた。この街は初めてだそうだ。仲間を探しているということで「月光の煌き亭」亭を紹介する。あの店で確か、ゴブリン討伐のための冒険者を募集していたと思う……英雄を目指すなら、一緒にがんばってくれるマイリー神官を探すといいよ、と助言しておいた。でも今日になってパイニーヒル神殿への食料運搬の護衛を募集していたから、そのほうがよかったかな。でもこれは出かけるとなると、また帰ってくるのは二週間はあとだね。他に誰か行く人を募集したほうがいいか。
これを読んだ別の人が、さらにこういうふうに書きこんでもいいです。
○月○日/レンジャーB
今日、微笑み亭に立ち寄ったら、神殿への食料運搬の護衛の仕事があった。ちょっと出かけてこよう。地道な仕事でも、レンジャーの腕は磨けるしな。俺は仲間を見つけるときは酒場の中でじゃなくて仕事の上で、ということにしている。さて、誰かいい奴とは出会えるかな。
このようにして旅人の店をめぐる事件や出会いが進んでゆくのです。
このサテライトにはいつでも誰でも書きこみができますし、またとくに挨拶もせずになく出てゆくこともできます。
■注意すべきこと
この店の中では、売買や会話に関する行動しかとることができません。たとえば「モンスターが店に大量に襲ってきたので自分が剣で撃退した」とか「店を襲って金品をまきあげた」などと書くことはできないのです。
スリリングな冒険を楽しむためのサテライトは別に用意されています。
そのような書きこみがあった場合は、「そういうことがあったと勝手に思いこんでいるだけ」として黙殺されます。
珍しい人物の到来やその他の事件などに関してはマスターが書きこみを行います。
プレイヤーのみなさんは書きこみは自分のキャラクターの描写に限って、とくに「どういう意図があってこの店を訪れたか」「この店でどういうことを考えたか」などについて書かれるようにお願いします。
矛盾を生じさせないようにするため、他の人がこの店のなかでどういうふうな行動をとっていたか、他の人にどのようなことを言われた、されたかなどについては明確な記述を避けるようにしてください。
ゲームマスターの書きこみもまた「〜ということがあった」というように過去をふりかえって日誌に書くような形式で行われます。このサテライトは主に「この店をめぐる日記の集合体」みたいな形式で描き出されるわけです。
■旅人の店
「リュキアンの微笑み」亭はリファールの街の南部、船着き場のそばにある雑貨屋です。ときどき間違われますが、ここは「酒屋・宿屋」ではありません。旅人のために荷物を預かったり、手紙や小荷物の運送の窓口となったり、旅のための食料や装備を販売するための店です。
店の大きさは10メートル四方ぐらいで、食堂や酒場よりもちょっと広い作りになっています。しかしそのほとんどには厳重に梱包された木箱が積み上げられています。これは冒険者達がここに預けている荷物です。
さらに地下が貴金属の倉庫、二階が店の主の住居になっています。
営業時間は通りにテーブルや椅子を出して、カフェテリア形式で自由に休憩したり、軽食を食べてもらえるようになっています。ヒマな冒険者や船頭がここでのんびりと時を過ごすこともあります。
営業時間は朝の5時から夜の9時までです。
■店の人々
ラマーニ
店の主人です。人間で四十歳の大男です。
彼はかつては城の兵士でした。先王に良く仕えたということで、店の名前にリュキアン姫の名を関することを許されています。
愛していた妻を病気で失った後にこの店を開きました。本当は冒険者としての暮らしをしてみたいと思っていたのですが、自由が手に入ったときには、もう歳をとりすぎていたのです。
十五歳になる息子「ブランセ」と義父である魔術師「ヨアヒム」と三人で暮らし、この店を切り盛りしています(残念ながらこの店に女っ気はないのです)。そんなに見目良い男ではないのですが、豪快かつ愛嬌のある性格は街の女達に人気があります。
店が終わったのち、ときおり美女を伴って酒場で賭場でその姿を見かけることがあります。人生を謳歌しているようなラマーニですが、それには妻の死の悲しみから逃れるためという面があるようです。
帰ってこなかった冒険者の財産を没収して潤っている、という噂がありますが、実は彼が裕福なのはこれまで貯めこんだ兵士の給料と退職金によるもので、店の売上のほとんどはオレイアス大臣の闇の財源である「オレイアス基金」に寄付しています。
「がははっ、その様子じゃ、遺跡のお宝はあてが外れたって感じだな?」
「おう、気をつけていって来なよ。一年経って顔を出さなかったら、預かり物は売っぱらっちまうからな!」
ブランセ
十五歳になるラマーニの息子であり、もっぱら店番、そして料理役をやっています。人間です。
城に勤めていた父に代わってずっと病に伏せっていた母親の面倒を見ていたので、女性のようにこまやかな家事をすることができます。もっとも女性っぽいと思われるのは嫌いで、少し不良っぽい「いきがった」態度をとるときもあります。
年齢にしては長身で、まあハンサムな少年です。
「ああ、それならあそこで聞いてみるといいよ?」
「お客さん、まあ元気だしなよ」
ヨアヒム・クラックボトム
60歳になる人間の魔術師/賢者です。かつては冒険者として西部諸国を行き来したものですが、十年前に引退し、リファールに暮らしています。すでに肉体的にかなり衰えており(魔術的な呪いの影響があるようです)、賢者の学院に顔を出すことも稀です。口ではそうは言いませんが、ラマーニに世話になっているのを心苦しく思っています。
「せいてはことを仕損じる……ふぉっふおっ、ワシみたいにな」
「大事なことを忘れると、大事なものを無くす。当然の結果じゃよ」
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