「……ふぅん、2〜3日預かっていっていいかしら?」▼ふぅ、鑑定の客が多いわね、今日は。ま、好きでやってるんだからいいけど。定時になったので、あたしは店を閉め、ちょっとした図書室とも云える奥の部屋に入った。▼宝珠特殊な魔力波があるわね。カギ…かしら。鑑定額は…500ガメルでいいかしら?
何に使うのか分からないし。▼魔法の日記帳と羽根ペン。これはあたしも持っている。ロマールの闇市場で十万ガメルで買い取ったもの。面倒だから十万ガメルでいいわよね。▼魔晶石。すごいのは見かけだけだった。巨大な魔晶石というのは、実は発見例がないわけではない。しかも、マナ密度が薄いので価値はかなり落ちている。まぁ6000ガメルでいいわね。▼緑に輝く短剣。これを調べるのに結構苦労した。「コボルトスレイヤー/真の名、剣の中の剣/魔力付与者:(解読不能)/形状:刀身が緑色に光るミスリル銀製のダガー/この剣、銀を腐らす妖魔を新たなる銀と変質させる剣なり。その妖魔以外の存在に対するとき、所有者の技量を上げさせる魔力も有するものなり。(省略)また、形状記憶素子の使用により、所有せる人物の技量によって姿を変えるものなり。(省略)」要するに、タダの魔剣ではないのね。値段…つけようがないわねぇ。▼さて、鑑定料をいくらいただこうかしら。そのとき、ロベルトが入ってきた。
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