ただ一人の犠牲……



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そして再び、変わらぬ刻が動き始める…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月28日)
    騒動が明けて翌日…俺達はリファールへ向けてノカ村を旅立った…道中は特に何事もなく進み…更に翌日、リファールの街へと帰り着いた…◆まず馬屋へ行き、潰してしまった詫びと代金を払い…その後、一旦家へ戻って金を持ち、酒場にてハインやシルフェス達に会い、約束の金を渡す…◆昼だったからか?娘の姿は家にはなかった…◆この時間ならばおそらくパーカー商会だろう…パーカーのオヤジに事後説明の必要もあるため、パーカー商会へと行く…商会へ向かいながらシルフェス達が話していた事を思い出す…メイは随分と手酷く怒られたそうだ…尻を叩かれ、痛くて起きれないと言う…失笑が漏れる。笑ってはまずいだろうがこれくらいは良いだろう。今笑えるという事に感謝しなければ…笑い事では済まなかったかも知れないのだから…◆途中、メイの見舞いの為に市場で腫れに利く薬草と果物を幾つか購入し、商会の扉を潜る…◆「あ、いらっしゃ……」…挨拶をした声が俺の姿を認め、止まる……今帰ったぞ。心配させたか?ん?……◆店番をしていた娘に俺は優しい笑みを返し……◆いつもと変わらぬ日常が再び動き始める……

 
諺学者の言行録・黒影の章より
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月26日)
    ◆看病なぞしたのは、その昔熱病に倒れた弟以来だったろうか。目を覚された時には本心から胸を撫で下ろしたが、おじさまの寝顔を眺めるには張り倒すのも良いかも知れぬと思ってしまった私は不貞な女だろうか・・・。明日にはリファールへ発つのだからと、魔術で眠らせる事も辞さぬ風情で休息を言い渡した後自室に帰った。覗かれた程度の元は取った満足感からか、この日の眠りは速やかに訪れたと記憶している。

 
気が付くと泣きそうな顔(?)が…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月26日)
    湯煙が晴れた先…そこに見覚えのある人物の姿を認める…湯煙に浮かぶ幻想的なその姿に言葉を失う…◆目の前の人物の手から光が広がっていく…その光が視界一杯に溢れるのに合わせるように、俺の意識も白くなっていった…◆……ぅん…ここは?…気が付くと、俺はベッドに横たわっていた…「気が付きましたか?」…心配そうな表情をしたハインの顔が視界一杯に広がっていた…うぅ、俺は一体…気を失う前の出来事を思い出してみる…確か風呂で酒を飲んでいて…◆前後の記憶が上手く思い出せない…何か、素晴らしく美しいものを見たような?、とてつもなく恐ろしいものを見たような?…うぅ、無理に思い出そうとすると頭が痛い…頭を触ってみると大きな瘤が出来ていた…なんで?こんな瘤が?…◆…「おじさまが倒れられたときは本当に焦りましたよ」…俺の意識が戻って安心したのだろう。ハインは先程の心配そうな表情とうって変わって憂いのある笑顔を浮かべた…その笑顔は彼女の年相応の綺麗なものだった…◆…そうか、風呂で倒れちまったのか…心配かけたようだな。済まない……◆ハインに礼を言い、俺は心の中で考える…しっかしなんで気を失ったんだろうなぁ?…乱闘した所までは覚えてるんだが…乱闘?…そうだ、出歯亀共が懲りずに女湯を覗こうとしたから懲らしめてやろうとして乱闘になったんだ…で、不意を突かれて…駄目だ、こっから先を思い出そうとすると頭が痛む……う〜ん、う〜ん、ホントになんで気を失う羽目になったんだ?…

 
そして、黒威の炎上がる時
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月26日)
    ◆半年前ここに来た時は、不覚にも涙を流したものだ・・・。湯に身を沈め、物思いに耽ける。姉さんを探しに故郷を出たものの、旅慣れていなかった私はザインに着いた時点で路銀を殆んど限界まで使ってしまっていた。そこからは護衛として隊商に同行しながら、西部諸国までやって来た。ようやく若干のゆとりが出来たので、温泉村に足を運んだのだったな。◆それが半年前だ。先日も交渉の都合もあり宿泊したのだが、先を急ぐ身ゆえのんびりと身体を伸ばす事はできなかった。・・・ふと、左手が胸元を彷徨っているのに気付く。そう言えば、あれをアミュレット・オブ・カウンタースピリットと見切った学識ある神官戦士は、健在だろうか? ◆自分の世界に浸りきっていた私だが、カトルカースさんの事を思い出し外に目を向けると、何やら男湯の側が騒々しい。・・・と言うか壁際の攻防戦か? ・・・杖を持って入浴してはいないゆえ、発動体無しでの行使になるか・・・。◆案の定盛大に上がった水飛沫を温泉の岸に腰掛けて眺め、頭を振る。“侵入者”へ向かい動き出す4体の石下僕(敷石製)の後ろで、私はゆっくりと破壊の印を切り、詠唱を始めた・・・。◆『BOOM!』と、爆発一回。何を行使したかは言わずもがなだが、誰の怒りを買ったかは明らかであっただろう・・・。◆「いやー、なにげに妖魔が空飛んでたものでつい対空爆撃しちゃいまして・・・とんだお騒がせを。腐れ化石付与魔術師やバンパイアに喧嘩売らねばならん人生送ってますと、どうも対応が過敏になりがちでして。それからしきりの方は石下僕達に立て直させましたが、そちらの事情聴取は男湯組に宜しくです」以上が、当事者Aからのランドロードへの事情説明であったと言う。・・・と、言行録には他人事のように書いておこう・・・。

 
………あ(汗)
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月26日)
    …っぷぅ…あ〜、良い湯だ…◆俺は今、ノカ村で露天風呂の湯船に浸かって疲れを癒している…◆え?娘達はどうしたかって?…ふっ、途中、余りに急ごうと近道をしようとしたのが行けなかったんだろうなぁ…思いきり道に迷っちまった…おかげで楽に追いつけるはずが結局ノカ村に着いた時点で未だ追いつかず…あ〜あ、道なりに進んでいりゃあ良かったぜ…で、取敢えず、懇意で馬を貸してくれた宿の主人に礼を言い、馬を返した…これで明日から徒歩だな。帰り着くのは明後日か…◆んで、まぁ色々疲れたんで今夜はここの宿に泊まる事にした…いやあ、やっぱ湯に浸かるってのは気持ちの良いもんだ…◆…湯船は湯煙によって足元も見えないほどに見通しが悪くなっていた…ここ数日の気候で夜の気温が下がったとかで湯煙が出やすくなったらしい…◆しかしまぁ、これはこれで風情があった良いもんだ…心地良い気分で湯船の中、俺は一人酒を飲んでいた…◆俺が一人湯船に浸かっていると、数人の人影が湯煙の中を動いているのを見つけた…何やら小声で話している…声には聞き覚えがあった…前回、手痛い目に会わせた出歯亀どもだ…しかも、断片的に聞き取れる会話の内容は、また女湯を覗く算段ときた(怒)…あんの出歯亀共、まぁだ懲りてないのか?…俺は奴等の背後に立ち、大声を上げる…◆くぉら、貴様等!…「あ、お前は!」「あのときのゴリラ親父!」…俺の姿を認め、明らかに狼狽する出歯亀ども…んっんっんっ、まぁだ懲りていない様だなぁ?そういう輩にはもう一度、きつぅく灸を据えなければいかんなあ?…「やかましい!ここで会ったガ百年目!俺達をあのときの俺達都思うなよ!」…おもしれぇ、かかってきな!…そして、第二次温泉バトルロイヤルの幕があく…◆(数分後)…うぅおりゃぁぁ!!…戦闘は未だ続いていた…今の俺が本気を出すと流石に洒落じゃ済まなくなる…必然的に手加減せざるをえなくなってるんだが…この餓鬼ども、人が手加減してりゃあつけ上がりやがって、ちぎっても、ちぎってもすぐに復活して突っかかってきやがる…◆どがっ!…と?ととっ?…一瞬の気の緩みだった…一人を投げ飛ばそうとした所をタックルされ、バランスを崩す…ぅお!?…「こぉのぉ〜!!」…更に相手は腰に力を込める…流石に勢いを殺せずに押し出される…ちょ、ちょと待てお前等!…しかし相手が待つはずもなく…視界一杯に壁が写る…◆どがらばしゃーん☆…盛大な音と水飛沫を上げ、湯船に突っ込むハメになった…◆…ざばぁ…うぅ、クソッタレ餓鬼どもめ、やってくれるじゃねぇか。…◆そのとき、一陣の風が吹いた…涼しげな、肌に心地の良い風だった…さぁっと湯煙の霧が晴れて行く…◆…絶句する……霧の向こう側にあったものを見て…◆静寂が辺りを包む…後ろには、乱闘によってブチ破られた男湯と女湯の敷居の壁がその役目を終え。静かに佇んでいた…

 
恋しきはかの微笑み
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月23日)
    ◆樵の証言から探索に臨んだ森の中、猟師小屋に目当ての人物は居た。よっぽど『残念そうですなぁ、司祭殿?』などとやるべきかと思いつつ、口を出たのは「娘さんがご無事で何よりです」などと言うどうにも無難な代物であった。◆それにしても・・・世界の人間の九割は、私より知性の劣る者だと14の夏から信じてはいるのだが。このタイミングでの死人を易々と事故と言うか。剣を扱う者なればこそ、抜剣に及ぶとなればそれなりの事があったと推測されるのだが。・・・まあ良いか。余りに遅れて、本来の仕事の報酬を貰い損ねる訳には行かぬ。「死者は弁明せず、ですか」◆「マーサ嬢! ノカまで御一緒しませんか?」彼女には森までわざわざ同行して貰う等していた為、声を掛けておく。一泊して行く事を勧められはしたが、あくまで片手間の始末である。若者の方は時間的に望みはまず無いと判断できるしな・・・。「・・・滞在するならば、気を付けて下さいね。この辺りには、かなりしぶといインプが徘徊していますから。下等邪術は抗しきれば威力を完全に殺せますが、油断をしてはいけませんよ」◆おじさまが合流した所で、メッセンを呼び戻す。さて、微笑み亭の紅茶を飲みに行けるのは、27か28の日かな?

 
娘との別れ…もう一つの親娘との別れ…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月23日)
    そんな顔をするな…娘と別れる際、心配そうな顔をする娘に俺は言った…そんなに長い間じゃない。たった半日、娘を探すのを手伝ってやるだけだ…半日、その程度ならリファールに着く前に追いつけるさ。だから安心して先に帰ってなさい…◆先に旅立つ事になったシルフェスやカイル達に娘の事を頼み、俺は村に戻った…◆ようやく会えた娘と別れての行動…レオの娘の捜索…何故だか分からないが俺達はそれの手伝いをすることにした…全く、本当に何故なんだか…アイツに娘なんかいなきゃあ…本当は理由は分かっていた。同じ娘をもつ親として放っておけない。それだけの事だった…◆この村に着いてからずっと気になる人物がいた…フェロウ司祭…チャ・ザの神官と言うが、その言動や行動はおおよそ聖人とはかけ離れている…取ってつけたような理由も気にかかる…◆考慮の末、司祭には、俺達はこの土地に不慣れだからという理由でこちらと行動を共にしてもらう事にした。表面上はああ言っているが、体の言い監視だな、これは…◆村人総出の捜索が始まった…しかし、一向にレオの娘が見つかる気配は無い…時は刻一刻と過ぎて行った…◆夕刻…こちらもそろそろ出発しないと娘達に追いつけなくなっちまうな…そう考えていた時、ハインが俺に聞いてくる…「どうしますか?もうすぐ日が落ちますが?」…そうだな、そろそろ俺達も…◆その知らせが届いたのは俺達も村を去ろうと準備を始めたときだった…レオの娘が見つかった…◆急いで駆けつけて見るとそこは森の中にある一軒の猟師小屋だった。ただ、その持ち主は現在病にかかっており、最近は使用していないということだった…◆ふと、ハインが何かに気付いた様にマーサを庇う位置に動く…さりげなく横に付き小声で聞いてみる…司祭が一瞬残念そうな顔をした?…本来、発見されて無事なのを安堵する身分だろうに…全く不可解な…いや、怪しい野郎だ…◆娘の縄を解いてやる…どうやら随分と長い事縛られてた様だな…身体はひどく衰弱していた。取敢えず水を飲ませてやる…大丈夫か?…キツイかもしれんがこっちも時間が無い。ちと心が痛いがいた仕方あるまい…おぃ、何があった?なんでお前さんがここにいる?…質問をすると、切れ切れに娘は答えた…「…わから…ない……洞窟に…いたら…急に…意識が……気がついたら…ここで縛られ…」…そこまで言って娘は気を失った…ち、結局確証は得られないって事かい…◆結局、娘も無事(?)見つかったので俺達は村を去る事にした…今晩くらいは泊まっていけと言うが、俺達は先に旅立った者達に追いつきたいと言う理由でその申し出を断った(本当はこんな連中のいるところなんぞで一泊するくらいなら野宿の方がマシだったからだが)…だが、村を出る前にもう一度だけ、俺達はレオの家を訪れた…◆彼はどうかしたのか?と言う顔をしてこちらを見ていた…俺は、そんな彼の肩に手を置き…なに、ちとやり残したことがあったのを思い出したんでな…そう言ってレオの腹に思いっきり拳を打ち込んだ…今回だけはこれで勘弁しておいてやる。お前の、娘を思う気持ちに免じてな…◆そして、次にレオの娘の頬に一発…ターニャ、とか言ったな…親より先に死ぬ事は最大の親不孝だと知れ。どんな理由があろうと、二度とするもんじゃない。わかったな…◆それだけ言って、俺達は立ち去る…っと、忘れる所だった…一つ、忠告しておく。あの司祭にだけは絶対に気を許すな。確証が無いから放っておいているが、あの手の輩はまず間違いなく…いや、余所者の戯言だな、忘れてくれて良い。だが、出来るなら…(溜息)…あばよ。もう、二度と会う事もあるまい…◆そう言い残し、俺達はレオの家を…村を後にした…◆馬の歩は通常より少し速く…先行している者に追いつけるようなスピードで…

 
終了
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月27日)
    まあ、色々あったわけだが…無事にリファールに到着。娘達をパーカー商会に送りとどけた。…さてと、残った奴らはどうなった事やら。メイが尻を叩かれる音をバックに、俺達はねぐらに帰っていった。

 
出発
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月23日)
    俺達が帰還の準備をして村外れで待っていると、娘達がやって来た。…ブラン達は結局残るようだな、まあ…頑張る事だな。俺達もリファールまではこの仕事も終わったとは言えん、気を抜かんようにせねばな。さてと、ではそろそろ出発するとするか…。

 
朗らかな日差しに包まれていたはずなのに…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月23日早朝〜)
    (こしょこしょこしょ)…ふぁ?…(こしょこしょこしょ)…ふぁ?…鼻がむずむずする…「起きて下さい。」…誰かが呼んでいる…誰だ?俺を呼ぶのは?…「起きて下さい。」…先程よりははっきりと声が聞こえる…光が集まってくる…◆「起きて下さい」…眩しい朝日の光が目に染みる…どうやらさっき鼻がむず痒かったのは誰から俺を起こそうとして鼻をコチョコチョしてたからのようだ…「娘さんはもう起きてらっしゃいますよ?」そう言ってとある方向を指差す。指し示す先には朝日の下、小さく伸びをしている女性の姿が写った…リュリィ?…名を呼び、振り向いた彼女の顔を見て俺は絶句する…◆…リフ…思わず妻の名が口から零れた…だが、妻に見えたのは一瞬で、そこに居たのは紛れもない、娘のリュリィだった…「おはよう、お父さん」…娘がそう挨拶をする…あ、あぁ、おはよう…俺はほうけた表情で間抜けな挨拶を返した…◆ようやっと頭がはっきりしてきた…どうやら途中で寝ちまったらしい。俺ともあろうものが。面目ない…◆何時の間にかハイン達が戻ってきていた。聞く所によると司祭が娘を連れて行ったと言う場所まで言ってみたが、あったものは数体の村の若者の死体と怪物の死体だけ。肝心の娘は影も形も見えないと来たもんだ…◆丁度良いので、こっちも皆が村の外に言った後行った行動について報告する。ま、ようは何にも見つからなかった…ということだがな…◆少し休んだ後、これ以上この村に居ても意味がないという事で、リファールに戻ろうか?…という話になる…その後、ハインが村で唯一親切にしてくれた老人へ挨拶をしに行きたいと言うのでユルゲンと共に俺も行く事にする…一緒に行くか?…と娘達に聞き、着いて来る事になった娘たちと共に老人宅へ挨拶をしに向かう…◆老人とは残念ながら遭う事は出来なかった…あったのは余りにも不自然な後だけ…何が起こっていたのか、そこからは判別出来なかった…◆村の中を老人を探していて、彼が亡くなった事を知った…詳しい話を聞こうと村を更に歩くと数人の村人達が何やら準備をしているところに出くわした…なんだ?何をしているんだ?こいつら?…何をしているのかをきいてみる…それを聞き、俺はいきなり切れた…◆なんだと?!怪物が死んだから今から宴だと?!ふざけるんじゃねぇ!まだ行方が分かってないのが居るだろうが!なんでそいつらを探してやらん?!てめぇらの村の仲間だろうが!そこまで薄情なのか、お前等は!?もう怪物の脅威はねぇんだよ!とっとと探してやらねぇか!!他の村人連中にもそう伝えろ!!…◆そう宴の準備をしている連中をどやしつける…蜘蛛の子を散らす様に走り去って行く村人達…ったく、丸っきり悪役だな。今回は…もっとも、これ以上の悪役を演じねぇといけねぇんだけどな、これから…そう思いながらとある人物を探す…おっと、その前に、娘達をシルフェス達に預けないとな…娘達に村外れの馬を止めてある場所を教え、そこで先に旅立つ準備をして待つ様に伝える…

 
愚者の平安に背を向けて
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月23日午前)
    ◆・・・宴、か。食事と食餌の調達だけ済ませ、不機嫌さを表に出さぬ様に遅い朝を辞す。先日の老人に礼を言いに出向くのである。「クリストフさんも付き合いませんか? 礼も言わずに帰るのは些かならず美しくない・・・と言うのは、私の愚考でしょうか?」◆クリストフさんを誘い、無事に送り返す事が出来そうな家出軍団を同伴したおじさまと共に、老人宅に来た・・・のだが。「こんにちは・・・と、おや? 鍵、開いてますね」暫しの一考の後、使い魔に思念を飛ばし空から周囲を見渡す。・・・インプでも監視に付いてはいまいな? ◆老人宅は無人だった。放り出された剣を目にし、取敢えずおじさま達には外で待って貰う。しかし・・・抜剣したと言うことは争った跡・・・なのか? ・・・一体誰と? 時間を整理するに、かの老人は、二日前の訪問時には健在だった。私達は家内をざっと捜索して見たが、手掛かりになりそうな物は発見できなかった。◆かの老人は剣の心得があったようだ。剣の手入れを見れば、察する事は出来る。剣を取って争ったにしては、血の跡などはいくら探しても無かった。いや、剣自体に血が付着して居なかった以上・・・相手が素早く無力化魔法でも使ったか? ◆あの塔では邪術のメズマライズにやられて、一時主力が使い物にならなくなったそうだ(私は昏倒していたので論外という説もある)・・・逃げられたインプはシルフェスさんの闇霊連発を受けてなお、邪術を行使する余力を残していた。その“主人”ならば、高位邪術も行使可能と見て良いだろう。◆剣を鞘に納め、思考を一時打ち切り外に出る。・・・老人が既に帰らぬ人となっていた時には・・・。「・・・残念ながら不在の様ですね。私はちとその辺を・・・そう、3分程度でゆっくり歩いて行けそうな所を回ってから戻りますよ」◆特に成果もなく村に戻った。だが、共通語に訳して貰い『崖から落ちた老人』の弔いを遺体で戻ってきた若者と一緒に行う予定であると知った時、理性は強硬手段の使用を採択した。・・・レオ氏と司祭殿はどこだ?

 
さて、こっちも一応働いておくか…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    虫が鳴く夜が更けていく…傍らで小さな寝息を立てる娘が3人…◆司祭とシルフェス達が何処かに向かって早ン時間…恐らくは再び洞窟の方へと向かったんだろうが…◆さて、んじゃまこっちも動いてみるか?…◆静かに(と言っても金属鎧。ちと無理があるが)。娘を起こさない様に注意しながら立ち上がる…「ふぁ?」…やべ!だれか起きたか?…恐る恐る振り向いてみると、マーサが寝ぼけ眼でこっちを見ていた…「何処へ行くの?」…彼女の目はそう言っていた…◆司祭の態度や様子ががどうしても気になるんでな。ちと調べてくる。すぐに戻るから何かあった時は大声を出すんだぞ?…そう言って俺は司祭の教会へと向かった…◆一応扉で聞き耳を立てる…中から音は聞こえない…そっと扉を開き中へと入る…中は暗くてよく見えないが、慎重に歩を進める…◆まずは間取りを調べるためにぐるりと中を1週する…一際厚い壁なんかは無いようだな…次いで、軽く足で床を叩きながら進む…が、足音に変化は無い。床下に隠し扉のようなものもないらしい…最後に祭壇の方を調べる…動かした後は見うけられず…なんだ?結局何も無しか?俺の思い違いだったか…時折娘たちの様子が気になって途中途中でちらちらと窓から覗いてみたりしていたが、娘達のほうにも変化は無かった…◆あんまり長居するのもなんなので、静かに教会を出て娘達の方へと戻る…◆娘達はまだ安らかな寝息を立てていた…まったく、平和そのものだな。こんな事してる自分がバカらしくなって来た。俺も少しばかり休むか…そして娘達の側の木に腰を下ろし、背を預ける…ふわぁぁぁ、ちっと休んで置くか…そう考えて目を閉じる。ハイン達には悪いが先に少し休ませてもらおう…

 
黒の纏いは誰が為に
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日)
    ◆・・・人間離れした怪力による打撃だな、これは。フォースを余程の魔力で行使したとて、ここまでにはなかなかなるまい。ここは、我々が昼に入った経路とは別方向。三体の遺体の検分を終え、マントを一払いし立ち上がる。レオ氏とフィロウ氏が言うには、村の者に間違いないそうだ。「生者の捜索を優先しますか・・・」◆『癒しの奇跡だから悪用出来ないと言う事は無いぞ、ハイン。寧ろ使い手がある物もある・・・』姉さんの言葉を思い出す。現在、前衛が長虫と戦闘になっているが、フィロウ氏に目をやれば完全に防御体制を取っている。戦士の心得があるようには見えない。だがやはり山育ちだからだろうか、反応自体は私と互角か。・・・センス・エネミィに反応はしなかった以上、術で潰し合う事にはならぬと思うが・・・。◆次に発見した遺体は、背後から追い付かれて潰された感があった。数は一体。逃げるだけならば、ミノタウロスが相手なら逃げ切れそうなものだが・・・? 暗闇で明かりを無くしたなどで、全力疾走が不可能だったと言う事はあり得るか。対して、レッサー・バンパイアに暗闇は障害とならぬ。◆それにしても。死因は棍棒状の鈍器に見えたが、バンパイアが精神力を吸収する際は、素手で攻撃するはずだ。あのミノタウロスが吸血を行える者がいるはずは無い―――吸血は必ず同族の異性からで無ければならないが、ミノタウロスには雄しかいない―――とすると、自らを維持する為の精神は、どこから来ていたのだ?トランスファー・メンタルパワーが使えるならば、あれを生かして置く事はできるはず。しかし・・・結び付ける確たる線が、今のところ存在しない。◆村にはおじさまが居残っている。時間と状況が許せば、或いは動いてくれているか? 見覚えのある場所に出、発言を待ち・・・全く、私は葬儀には縁があると見える。内心嘆息しつつ、常の声音で村人の遺体回収を提案する。私は葬式の参列には苦労しない。私の服は普段から黒衣であるから。そんな機会など、ないに越した事はないのは勿論なのだが・・・その機会を自ら招いているのかも知れないと、最近思う私である。

 
見つからない残像
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●横道から出た場所は・・ミノタウルスを倒した例の洞窟だった。ミノタウルスの死体もある・・・●ミノタウルスを見つけた司祭が「村に知らせよう」って戻ろうとする・・何を考えているのだ、この司祭は・・●「今はまだ住民達は寝ている。それにミノタウルスが倒れているんだ。襲われる心配なんてもうないのだからそんなに急がなくてもいい。それより、生きていればたった一人で怯えているだろうターニャを探す方が先だ!チャ・ザの司祭ならそれぐらいの優先度は理解できるだろう?」淡々と説得する。これが分からないというのならどうかしてる・・・●どうやら納得はしてくれたようだ。ミノタウルスはもういないのだからと「ターニャ!どこにいるんだ!」と呼びかけながら奥へと進む・・だが、現れるのはバットやらロックウォームやら・・・カイルやフュリの前にほとんど抵抗もなく倒れていくけれど、奥に進んでも見つかったのは一人の男の死体のみ・・結局ターニャの姿らしきものは全く見つからなかった。どこに行ったのだろう?●ハインはじっと司祭の方を見ているようだった・・とりあえず、見張り役は任せておいていいのかな?●結局洞窟内でターニャを見つけることは出来なかった・・さて、どうするべきか・・・

 
手詰まり
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    …ふむ、見覚えのあるところに出たな…手詰まりか? …まあ、元々任務外だからどうでもいいといえばどうでもいいな。

 
ただ、今は前に進むのみ
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日深夜)
    ●自分の問いには神の答えがなかった・・・自らの力で知るべきことなのだろう・・サティンは・・声を聞いたと・・その内容を耳打ちしてくれた。「幸運は独占すべきものではないのと同様、不幸もまた、一人で背負うべきものではない」・・自分にはこの意味が全て理解できるわけじゃない・・でも、不幸を背負う者がいるということ・・助けることが自分に出来るのだろうか?●とりあえず、自分に出きることをするしかない・・それはターニャさんを救えるなら救うこと・・司祭の案内とともに進んでいく・・違う道筋、隠れた洞窟の入り口・・確かにミノタウルスの洞窟とほぼ同じ場所だが・・気がつかなかったのが残念なほどの近さだ。●司祭を含め全員で洞窟の内部へと潜る・・・若者3人の死体、棍棒による打撃による死亡・・やっぱりミノタウルスによるものなのだろうな・・そっと神の御許へと行けるよう祈りを捧げる。●更に進むと・・行き止まり?ターニャはどこに?・・帰り道・・カイルが横道を発見した。行ってみよう・・今は進むだけ進んでみよう・・・●自分達は横道へと入っていった・・・

 
静かに刻は過ぎてゆき…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    シルフェス達が司祭の家に入ってからどれだけの時間が経ったであろうか?…家の扉が開き、シルフェス達が司祭と共に出てきた…そしてそのまま村の外の方へと歩いていく…お、おいおい?何処に行くんだ?お前等?…心の中でそう舌打ちをして他の仲間たちの方を見る…彼らも何がなんだか分からないといった表情だ。一体どんな話だったんだ?まぁ、いい…◆ユルゲン達にそっと耳打ちする…こっちは俺一人でいい、行ってくれ…そう言って自分以外の者達を合流させる…俺自信はと言うと…娘達だけこの場に残すのは危険なので残る旨を伝える…◆ユルゲン達が合流するためにこの場を去った後…話の間、妙に静かだった娘達を見る…すると娘達3人は静かな寝息を立てていた…少し脱力すると共に安心もする…考えて見りゃこんな生活初めてだったろうからなぁ。緊張の連続で夜も満足に寝られなかったろうに…◆そっと…娘の髪を撫でてやる…◆緊張が解けたからか、安らかな寝息を立てているな…「……おとう…さん…」…そんな寝言をたてたのは、リュリィかメイか…◆俺は荷物の中から毛布を取り出すと娘達にかけてやる…いくら夏とはいっても夜は冷える。風邪をひいてしまうからな…◆…何処かで鈴虫が鳴いていた…そうか、もう夏も終りなんだな…娘達が静かな寝息を立てている横で、ふとそんな事を考えたりした…◆静かに夜は更けていく…

 
ヴァンガードは、かく語る(8月22日)
    カイルの提案により、私達は司祭の部屋を探索する事になった。ざっと見てまわったが、私が見る限りではこれといって目につく物は無いようだ。カイルが1枚の絵を見つけて司祭に質問している。……ほう、妹ですか……確かに隣に立っている青年は司祭の面影がありますね…嘘はついてないという事ですか…。司祭の次の言葉「……それより、例の洞窟へは行かないのですか?一刻を争うかもしれないのですよね?」に私は状況を思い出す。「そうですね、急いで案内して下さい。」と司祭に頼み、カイルに「そろそろ、行きましょうか。」と声をかけた。

 
お教えください・・我が神よ
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●ターニャさんを救いに行くという説得に対し、司祭は応えてくれた・・どうやら準備するようだ・・●法衣を着終わって出てきたのでさて行こうか?とも思った時、カイルがいきなり調べたいと言い出した、確かに疑いはあるけど・・でも、強引では?とも思ったけど、その疑いの心が自分の行動さえ束縛してしまい・・結局カイルを止めることは出来なかった・・・みんなはどう思ったんだろう?●とりあえず、その時間を借りて・・自分が一番気になってること・・本当にこの神官がチャ・ザの司祭であるか?という疑問を知る助けとなる質問・・チャ・ザの教義について聞いてみることにする・・・答えは・・確かに知っているように見える・・でも・・解釈が足りない?司祭でなくただの信者や、神の教義を知っているだけの者のような答え・・●ますます分からなくなってきた。本当に彼はチャ・ザの司祭なのか?いや、とりあえず、こんなことを考えるよりもターニャの元へと案内してもらう方が・・・●ふと、仲間の様子を見ようと振り向いた時、サティンが祈りを掲げて・・・そうか、神に直接聞いてみるという手があるか・・・答えが返るとは限らない、何も分からない可能性の方が高いに違いない・・・でも、・・・●一縷の望みをかけて神への祈りを捧げる・・・自らの悩みを問うために

 
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●ターニャさんを救いに行くという説得に対し、司祭は応えてくれた・・どうやら準備するようだ・・●法衣を着終わって出てきたのでさて行こうか?とも思った時、カイルがいきなり調べたいと言い出した、確かに疑いはあるけど・・でも、強引では?とも思ったけど、その疑いの心が自分の行動さえ束縛してしまい・・結局カイルを止めることは出来なかった・・・みんなはどう思ったんだろう?●とりあえず、その時間を借りて・・自分が一番気になってること・・本当にこの神官がチャ・ザの司祭であるか?という疑問を知る助けとなる質問・・チャ・ザの教義について聞いてみることにする・・・答えは・・確かに知っているように見える・・でも・・解釈が足りない?司祭でなくただの信者や、神の教義を知っているだけの者のような答え・・●ますます分からなくなってきた。本当に彼はチャ・ザの司祭なのか?いや、とりあえず、こんなことを考えるよりもターニャの元へと案内してもらう方が・・・●ふと、仲間の様子を見ようと振り向いた時、サティンが祈りを掲げて・・・そうか、神に直接聞いてみるという手があるか・・・答えが返るとは限らない、何も分からない可能性の方が高いに違いない・・・でも、・・・●一縷の望みをかけて神への祈りを捧げる・・・自らの悩みを問うために

 
そのころ外の面々は…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    俺達は司祭の家が見える場所で静かに様子を伺っていた…◆最初にシルフェス達が乱暴に司祭の家の扉を叩いたのが分かった…少しすると家の窓を覆っている鎧戸の一つから灯りが漏れた…ゆっくりと灯りが外の扉の方へと動いていく…なんだ。司祭、いたのか?てっきり居ないもんだと思ってたのによ…扉が開きシルフェス達が中へと入っていく…◆それから暫しの刻が流れる…鎧戸から漏れる灯りが動かない所を見ると中でなにか話し込んでるようだな。上手い事相手の盲点突いて情報聞き出せたかね?…まぁ良いや。進展するのにちっとばかし時間がかかりそうだな…ゆっくり腰を落ちつけて待つとするか…

 
今宵の空のように
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日)
    ◆月は見えない。・・・天候が悪化せねば良いが。曇天の夜空に嘆息しつつ、意識を切り替える。明かりが無い、と言う意味ではこの空も折衝も変わらぬな・・・。◆「“疾く集えマナ、我が眼は我が敵を識る!”」挨拶もそこそに寝巻きのフィロウ氏に向けて使ったのは、センス・エネミィである。・・・反応は無い。「攻撃魔術だと思われました? 技量が許すならば、それこそギアスとでも言いたい所なのですが」怯えた様子の氏に、声音はあくもまでも軽く微笑む。瞳の奥では、16の小娘と侮らせはせんと宣告していたが。◆メッセンはもう使えんか・・・。村人一号(西方語会話は未だもって良く解からん。名前はそもそも聞かなかった気もするが)を解放した後、クリストフさんに気力を分けて貰ってはいる。それで漸く大技一回が限度、残りの感知はお隣さんに頼むべきだろう。ギアスはおろか、上位術も未習得の身ゆえ不足は知性で補う他無い。◆「・・・ミノタウロスは怒り狂うでしょう」―――ちょいちょい。「奴がかなり確実に居る昼間に巣穴へ行くのに、自分一人は帰って来られる事を彼は疑っていなかったのでしょうかね? まあ推測形で仰せですから、本来アレには掛からないところですが」ぽそぽそら。◆「血の気の多い村の若者が5人ほどミノタウロスに挑むといって、そのまま帰ってきていないのです。恐らくは返り討ちにあったものと思います」―――ちょいちょい。と、もう一人のいかにも魔術師風の青年―――お隣のヴァンガードさんであるが、私より格上の術者とでも思い込んでくれればしめたものである―――の袖を引っ張り、氏には聞こえぬ様に囁く。「ここは違いますよ・・・数値的事実を語るに虚言は無いかと。我々が用心すべきは、気の毒な五名様が揃ってレッサーバンパイア化している可能性の方ですね」◆センス・ライが“あるように”振舞って見る。要はハッタリである。このフィロウ氏、答え方が妙にまだるこしいのがいちいち気に障る。責任を感じるならば、実行をもって根性を見せて欲しいものである。仮に上位古代語を唱えられるならば、例の欠陥火球棒杖でも進呈するのだが。◆いずれにせよ、なかなかに疑わしい人物ではある。着替えに取って返した司祭の背を横目に、処理要件を脳裏で検討する。レオ氏は黙らせておく事、現場の対応、元が一般人のレッサーバンパイアの強さ・・・本来の依頼も忘れる訳には行くまい。さて、面倒だ・・・その上この始末に報酬のアテは無し。・・・楽して儲かる仕事は、どこぞに落ちてはいないものかな。

 
真実が見えない・・・
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●ハインさんが先頭に立ってはじめた交渉・・ヴァンガードやハインさん、サティンなんかでいろいろうまく質問したり、引っかけようとしたり・・いろいろしてるみたいだけど・・結果はいまいち芳しくない・・●疑わしい答えはいくつかあるようにも思える・・ないようにも思える・・分からない・・相手の様子があまりに巧妙すぎる気もする・・真実、虚偽・・どれがどれなのだろうか・・●気になるのはチャ・ザ神官として生け贄を捧げた行為に対する返事・・・あまりに消極的で自分を責めるような・・・そしてそれを受け入れようとする・・何か違和感を覚える・・無力を嘆くのはいい、でも、それで終わりという態度が気にかかる・・・でも、これも自分の単なる想いへの違いだけなのかもしれない・・自分には彼の心が完全に分かるわけではないから・・●ふと思い出す・・あの使い魔のインプ・・自分達を見ていた・・もし、彼が疑うべきその人であれば・・自分達がヴォルネイ達といたことを知っているはず・・・ヴォルネイ達が倒れてきたことを確信したような発言をしたが・・あれは?あれで引っかけることは出来るの?●考え込み始めた自分の横からずっとやりとりを見ていたカイルが口を出してきた。やりとりの場は終わり、行動で引っ張る時なのか?●だが、神官から返ってきた言葉は・・また、自分を責める言葉・・まるでなにもかもを捨てたような・・でも、本心からの絶望なのか?そうは思えない気がするのだが・・・ほんの引っかけを含めたつもり・・場合によってはなんの引っかけでもないだろうけど・・神官の言葉を継ぎ言葉を紡ぐ●カイルに「そうだね、こんなやりとりをしている暇なんてなかったんだよね」と言い、神官へと言葉を向ける「本当にそんなに悲観的なのですか?我々はミノタウルスを退け、生け贄となった少女を救いたい、そのための案内してほしい、そう考えてのことなのです。もし、少女が生きているのであれば刻は一刻を争うでしょう。今すぐに案内をお願いいたします。それとも・・あなたがミノタウルスに生け贄の少女が殺されるところを見たのですか?見たのでないならまだ可能性はあるはずです!なら、助けることが出来るかもしれないのですから。」・・と

 
禁止
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    「…どうでもいいが…」俺は話に割って入った。「その、ターニャって女のところに案内しろ。今すぐだ」…「…眠いのはお前だけじゃない、俺もとっとと終わらせて寝たいんだ」…身も蓋もないか? まあ、気にする必要もないが。「…ちなみに、断るのは禁止だ。光の神に仕える奴が女を見殺しにはするとは思わんがな」

 
諦めの悪い者
フュリシャス=トゥースーサリュートは、かく語る(8月22日)
    ■生贄……か。そんなものを仕方ないと、運命だと受け入れて抵抗もしない奴ら。要は、自分に災いが降りかからなければいいのだ。でもそれは当然の反応なのかもしれない。人というのは本質的にそんなものなのだから。自分の身が危ないときに人を思いやれるほど、できたやつなどそうそう居ない。オレ達は? ……あきらめが悪い、のかもしれないな。かなりの迫力で村人を問いつめるハインを見ながら、何故かぼんやりそう考えていた。■今すぐにも洞窟へ飛び出していきそうなレオをシルフェスが説得し、とりあえず司祭宅へ向かう。朝に出たなら、すでに帰ってきていてもおかしくないはず。……実際に洞窟へ行っていたかはかなり怪しいが。レオやメイ達には司祭の家の前で待っていてもらうことにし、ヴォルネイとユルゲンに護衛をしていてもらう。はたして、司祭は居た。寝間着姿で、ご丁寧にあくびつきで。「こんな時間に何ごとですか?」ときたものだ。「夜分恐れ入りますが……」いけしゃあしゃあと答えるハイン。さて……『化かし合い』の始まりかな?

 
全く、ふざけるにも程があるぞ!!
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    生贄に差し出しただとぉ?!…レオが娘を知らないか?と近くの村人に聞いたときの応えである…「そんな!洞窟にはいなかったぞ?!」…そう返すレオ…そりゃまぁ、あんたが居なくなってから一週間近く立ってるわけだからその間に差し出されてとっくの昔に食われたりしてればそんな事にもなるかも知れんが…因みに先の言葉は口には出さない。その辺は俺も同じ娘を持つ身だから分かる…それよりも、だ…おぃ、こら、何処に行く何処に?…夜の闇に駆け出そうとするレオの腕を掴み止める…「放せ、もう一度あの洞窟に行って確認するんだ!」…いや、まぁ、気持ちは分かるんだが、チョット待て…振り解こうとするレオを押さえてる間にハインが村人に質問を浴びせていた。いやもう凄い剣幕で、まるで昨日の自分を見ているようだ(汗)…◆生贄になったのは今朝だと?!馬鹿な、俺達は見てないぞ、それらしい人影は!…何処に連れて行った?!アイツの住処にはそれらしい人物は見なかったぞ!?…知らないだ?お前達が連れて行ったんじゃないのか?…司祭が連れて行った?!司祭だと?…どういう事だ?俺達がミノタウロスの所に向かったのは分かっていたはずだ。何故そのすぐ後に生贄を準備しなくちゃならない?何故?…◆どうにも解せないぞ、あの司祭…やる事為す事不可解過ぎる…あの野郎、何を考えていやがる?!

 
今日という日はまだ終わらない
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日)
    ◆リーンさんがいれば、さぞ興がった事だろうに。偶然にも空飛ぶ絨毯に乗る機会を得た私は、びっくり箱の仲間だった魔術師に想いを馳せていた。空を飛ぶ事を目標にしていた彼は、今頃何をしているものかな。◆・・・。それにしても疲れた・・・。一応外面だけでも取り繕おうと努力はしているのだが、成功しているとは言い難い。気遣われて絨毯の上に居る訳だが、歩いた方が良かったかも知れんな・・・。◆レッサーバンパイア・ミノタウロスを倒した後、村の関係者はいたので証拠は持ち帰る必要は無いだろうと判断し、巣穴をざっと調べて一先ず退治依頼は完遂した。◆後はリファールに連れ帰れば、当初の依頼も達成できる―――そう思っていたので、私はレオ氏の招待は受ける気が無かった。・・・村人の視線の痛さも脳裏を掠めてはいたが。だが、レイザードの面々が夜道の危険を考慮して送って行くと言うので、野営にしても人数が多い方が良いし、依頼対象の安全を考えると致し方の無いところか・・・などと自分を納得させたのである。◆リーンさんには怒られそうだが、地上組のペースに合わせて進む絨毯の上で私は半分船を漕いでいた。そのまま眠りの園に直行したかったのだが・・・今日と言う日がまだ終わっていなかった事を知るのは、レオ氏宅に着いてからの事である。

 
村へ戻って来てみれば…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    俺とハインが村行きを渋ったんで、村行きはお流れになる気配が漂った…すると、気配を読み取ったのか、「…では私一人で村に帰ることにします」…レオがそう言って村へ戻ろうとする…おぃおぃ、もうすぐ日が暮れるってのに。夜に森をしかも素人が歩くつもりか?いくら地元だからって危険すぎやしないか?…そう思っていたら案の定シルフェスが止めた。…レオは渋々同意するが、ぼそりと一言呟いた…「早くターニャに生贄の必要がなくなったって言いたいのに…」…ぅぐっ!…ターニャと言うのは恐らくレオの娘の事だろう。くそ、そう来たか…俺は内心舌打ちした…◆………あんたの思いは理解できる。仕方ない、家までは送ろう…その台詞を口にした時、俺は苦虫を噛み潰したような表情をしていたに違いない…いいんだ、どの道馬を取りに村には戻らなきゃならんのだ…◆…村に着く。やはりちょっと落ち着かない…あんな事した後だしなぁ(汗)…◆更に少し歩いてレオの家に着く…彼は喜びを隠そうともせず娘の名を呼んだ…しかし、いつまで経っても家の中からは帰って来るべき応えはなかった…

 
夢見る都より
フィディリーア(パーカー商会)は、かく語る(9月6日)
    「どうやら、出て行かずにすんだみたいね……」。水晶の向こうでは、ミノタウロスが倒れている。あたしはほっと一息ついて、瞬間転移のスクロールと発動体たる指輪を元の位置に戻した。──それにしても……あたしにはひとつの事にひっかかりを覚えた。▼「メイは、メイは大丈夫かっ!」どだだだだだっ、背後から、階段から転がり落ちる音がした。ロベルトに決まっている。「メイは大丈夫かっ!」階段を転がり落ちたときにしたたかにうった腰を押さえながら、ロベルトは迫ってきた。「大丈夫よ。ミノタウロスはもう死んだわ」。この人は、娘のことになるとすぐに顔色を変える。そこが可愛い。彼の愛を独占できない、という意味では不満ではあるが。くすっ…微笑む私を、ロベルトはきょとんとした目で見ていた。▼ちなみに、帰ってきたメイちゃんに対して、ロベルトは「そんなに冒険者になりたいなら、なってもいい。ただし、今回の依頼料(1万2千ガメル)を払え」と、いうつもりだったらしいが、それはシルフェス氏に先を越されたから使えなくなった、ということだ。やれやれ、素直じゃないなあ。▼それにしても……バンパイア化したミノタウロス……。さっきのひっかかり、とはこれのことだ。バンパイア…不死なるもの…神に呪われし…まさか、辺境伯爵…!

 
戦い・・そして・・
シルフェス=ローレライは、かく語る(8月22日)
    ●誓約書を前にした時、メイは少し泣きそうな顔をしていた・・そして、それを堪えてるみたいな感じがした・・何か張り詰めた糸がぷっつりと切れたような・・●誓約書を受け取り、名前を書いたメイちゃんの頭を一つだけ軽く撫でる・・撫で回しはしない・・そんなことをしたら子供扱いされてると思うだろうから・・ただ、一撫でするだけ・・・それだけできっといつもどおりのメイちゃんが見れるはず・・もしかしたらいきなり泣かれる可能性もないではないと思いもしたけどね、そんなに弱くはないはず・・●戦いは後ろで見ていて・・と言う。ハインさんやヴァンの『麻痺』が決まれば一瞬で趨勢は決まるだろうが・・後ろにいた方が安全だし、万が一を避けた方がいいからね。●戦いは・・予定通り・・だった。敵は魔力に抗することもなく不可視の戒めに封じられ・・そのままカイル、フュリシャス、ヴォルネイの連携によって僅かなる時をもって大地に伏した。・・あまりにあっさりすぎる・・とはいえ、メイの眼にはどう写ったのだろう・・実力の違う魔法、明らかに長けた戦士としての腕・・見抜いてくれただろうか・・目指すところをしっかりと見据えてくれただろうか・・・●戦いが終わってレオが感謝と村への誘いをしてきた・・だが、頭にあるのはあのインプのこと・・そしてチャ・ザ神官への疑い・・確かにメイたちをゆっくり休める場所へ・・とも思うけど・・一ヶ所にまとまってる方がいいとも言えるし・・ヴォルネイの村人への行いが気になるのも事実だしね。ハインとマーサが精神的にかなりひどい状態のも事実だから・・うーん・・。まぁ・・みんなの結論を待とう・・どちらでも、メイちゃん達を守れるようにだけはしないとね・・

 
まるで歯ごたえも無く…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    …終ったな…◆やけにあっさりと…それこそバターに熱したナイフを刺すかの様にあっさりと、怪物の退治は終った…ハインの呪文により自由を失った怪物を仕留めるのにさしたる時間の必要も無く、俺達は今、怪物の死体を前にしていた…◆レオ氏は嬉しそうに俺達に感謝していた。そして、礼がしたいから村に来て欲しいと言ってきた…何人かはこの申し出に応じるだろう…だが俺は彼の申し出をキッパリと断った…◆…悪いがその招待は辞退させてもらいたい。理由は俺が村の連中を好きになれないということ…幾ら理由があろうと人の命が危ないという時に過去にこだわり口を閉ざすような者達はな…チャ・ザ神官にしても、およそ俺の知る神官らしからぬ男だ。元々コイツは村にとって脅威だったのだろう?その怪物を倒す事に金を出さないばかりか、道案内するだけで金を要求するようとはな…それに、どんな用事なのかは知らんが娘の…(咳払い)…いや、人の命よりも大事な用事があるとは俺には思えん。俺には、そんなものは聖職者とは思えん。恐らく、怪物を倒した事についても礼は言われるだろうが形だけでそれ以上はなかろう…皆が行くのなら俺も行くが、恐らく俺は歓迎はされまい…◆村人に歓迎されない理由は俺自信にある事は分かっていたが、娘の手前、それは言えない事だった(汗)…◆それから、キツイようだが丁度良い機会なので言わせてもらう。俺はお前さんを許した覚えはない。ここまでは俺にも責任があるから行った。だがそれでお前さんがうちの娘を危険に晒したという事実が消えたわけじゃない。…お前さんの娘については同情はする。しかしあんたが取った行動は俺とパーカーの親父さんの2人をお前さんと同じ境遇に落とす行為だ。それも、恐らくお前さんには予想出来ていた事だろう?…俺には、あんたはここに倒れている怪物となんら変わらん…

 
縛鎖は白金の輝きを帯びて
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日)
    ◆「これがルーンの指輪ですか・・・。・・・成る程」退治に先立ち、消耗しない有効な魔導器を借り受ける事になった。それがこの白金の指輪である。軽く魔術の精神制御を予行して見ると、なるほど確かに魔力が増幅されている感触がある。こんな物を借りてまで失敗しては、流石に立場が無いか? 拡大行使に耐える程の余力は無い以上、実力を信じる他無いが。◆発動体が指輪というのも初めてだ。詠唱動作に変化は無い・・・はずだ。あったりすると非常に困る。練習したのは一度きり、それも小動物相手である。果たして牛頭のデカブツを止めるだけの拘束力を得られるか? ◆敵の住処へと進む間、延々と術式を脳裏に描き続けていた。少し二人きりにして欲しい、とおじさまと娘さんが場を離れていた時間があった事は、私にとってなかなかに有り難かった。この程度のプレッシャーで失敗してなるものか・・・。◆「“疾く集えマナ―――”」出会い頭の遭遇戦にならなかった事は幸いだった。標的に向け研ぎ澄ました精神の裏側で、状況を分析する。私が今決めさえすれば、被害をゼロに抑える事も不可能では無い! 「“集いて我が敵を縛せ!”」呪文の完成と共に不可視の縛鎖が拡がり、一気に収束する。確かに掴んだ鎖の一端の感触に、唇は笑みの形につり上がっていたかも知れない。◆私が精神集中を解くまで、その後いくらも必要なかった事は述べておこう。

 
父娘2人きりで…(決戦前)
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    「お父さん…」…声をかけられたのは再び洞窟へと向かっていた時。皆と闘いの細かい打ち合わせをしながら歩いている途中での事だった…振り向くと娘が思いつめた表情をして立っていた…少しの間娘を見つめる…娘はその大きな瞳でじっとこちらを見つめていた…済まない。少し2人にして貰えないか?…俺は皆にそう言って2人きりにしてもらった……「…あ、あの…お父さん…」…ん?…「…なんでもない…」…そしてまた暫しの静寂…◆どのくらい経ったろうか?…リュリィ、ちょっと顔を見せなさい…俺は娘にそう言い、娘はその言葉に一瞬躊躇いを見せたがやがて静かに顔を上げる…俺はそっと娘の頬に手を触れた…そのまま少しの間、娘を掌で感じていた…◆掌に伝わってくる頬は少し熱かった…やっぱり、少し腫れてるな?痛かったか?今薬を…そこまで言ったとき、娘がその小さな手をそっと俺の手に添えてきた…みると娘はその瞳からぽろぽろと大粒の涙を流し始めた…「…お、おと…さん……わたし…わたし…」…俺は泣きじゃくる娘をそっと胸に抱きしめてやる…もぅ良いから、お父さん怒ってないから…◆…娘が泣き止んだとき、俺と娘との間にあったわだかまりは無くなっていた…◆…「…お父さん…」…ん?…「…大丈夫…だよね?…」…なにが?…そう問い返そうとして娘がこれから起こる戦いの事を言っているのだと気付く…ん?あぁ、大丈夫だよ、安心なさい。…「本当に?」…あぁ、本当だとも。お父さんを信じなさい。……正直言うとお父さん、こんな仕事しているのをリュリィには知って欲しくなかった。だって知ったらリュリィ止めるだろう?…娘は申し訳なさそうに小さく頷いた…だけどな、お父さんにはこれしか取り柄が無かったんだ。何、大丈夫だよ。お母さんとも約束してるからな。一人前の大人になるまでは絶対にお前を一人にはしないって…だから安心なさい。お父さんがお前との約束を一度でも破った事があったかい?…「…前に一度…禁酒するっていって…」…あ、いや、まぁ、それは(汗)…「……本当に大丈夫?」…娘がもう一度そう聞いてくる…あぁ、大丈夫だ。…俺はもう一度、自信を込めて娘に応えてやる…「…なら私、お父さんを信じてる…」…さぁ、そろそろ皆の所へ戻ろう。あまり彼らを心配させる訳にはいかないからな…◆「……おとうさん…あの…ごめんなさい…」…皆の所へ戻る途中、娘が小さな声でそう言ってきた…?…「…その…まだ…謝ってなかったから…お父さんを信じてなかった事…」…そう言って娘は俯いてしまった…俺はそんな娘の頭にそっと手をのせ、静かに微笑んでやった…◆娘との話を終え、皆と合流した俺達は再び前進を開始する…そして、ミノタウロスの洞窟の入り口に俺達は辿りついた…

 
魔晶石のペンダント
リュリィ・ブランは、かく語る(9月22日)
     真っ暗だった。何も見えなかった。そう、星の光さえないあの時のように。それは夜。暗闇が怖くて、家の中を明りで満たそうとして、家を燃やしかけた夜。「こんなに怖いのに、どうして傍に居てくれないの?」。怒られるのが怖くて、必死になって火を消した。結局その夜は眠れなかった。私にはわかっていた。でも、分かりたくなかった。信じたくなかった。そう、何もかも私のせい。「──疑いを持ったこと、それ自身は悪いことだとは──」シルフェスさんが何かを云ってるけど、私の耳には入らなかった。ごめんなさい。▼「リュリィ…その…ごめん」「いいの。あたしの問題だから…それより、ごめんね」。メイと話をするけど、どうしてだろう、何か空ろだ。それは夕方。友達は、お母さんが迎えに来る。「ねぇ、お母さんはどこに行っちゃったの?」何も答えてくれなかったお父さん。朝、一人で目を覚ます。誰も居ない家。そんな日が数日続いた後、お父さんは何事も無かったかのように帰ってくる。私は、心配させたかっただけなのかも知れない。もうそんなことはどうでも良かった。やさしいだけのお父さんじゃなかった。厳しいだけのお父さんじゃなかった。でも……。▼綺麗なペンダント。お父さんがくれたもの。ロベルトおじさんによれば、かなりの値打ちものらしい。メイが一生懸命に冒険者の人達を雇おうとしていたときに、あたしもこのペンダントを交渉材料にしようと思った。もう記憶に薄いお母さんでもそうすると思った。……出来なかった。お父さんとの絆が無くなってしまうようで……。▼パーカー商会で、お父さんが冒険者を職業としていることを知った。ある日、知らない人がお父さんの剣を持って家にやってくる。──この剣は、あなたのお父上の形見です──そんな言葉からはじまって、お父さんがどんなに勇敢な人だったかを聞かされる。私の知らないお父さんの話を、お父さんと会えなくなってから聞かされる──。そんな夢を見た日の朝は軽く化粧をして、泣いて赤くなったまぶたを隠さなければならなかった。▼「──もし、万が一、俺達が怪物を止められなかった場合、俺達が倒れるなんて事があった場合──」お父さんが死ぬかもしれない──自分でそう言っている──「我々だって、早々そんな事になる気はない──」でも、もし、「万が一」がこれからおきたら──。万が一…万が一…。そういって、お父さんは例の洞窟へ向かっていく。…万が一…万が一…「報われない勇気はないわ。さあ、お行きなさい」。ここに居るはずもないお母さんがあたしの背中を押した。「お父さん……」最初の一歩踏み出す。お父さんが一歩近づいた。でも、お父さんの背中は遠ざかっていく。もう一歩──もう一歩──。次第に駆け足になる私の足。「お父さん──」

 
怪物退治に向けて…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    …出来るなら皆の体制が万全な状態のときがいいんだが…◆怪物退治を行うのを何時にするかを聞かれたとき、俺はそう答えをかえしていた…◆…しかし、アレを野放しにして置くのもな…ハインの話じゃバンパイアは夜にこそ真の力を出すと言うじゃないか。なら、今の内に仕留めて置くべきなんだろうな。夜になっても安全とは限らないわけだし…よし、疲労はあると思うが戻って、早めにケリを着ける事にしよう…俺はそう皆に提案した…◆その後、この場を引き払いながら皆の役割りを確認しあう…◆メイ、お前さんが持ち出したもので幾つか借りれるものはあるか?…あぁ、魔晶石のような『使ったら減るもの』はいい、それと鎧の様に『外すのに時間がかかりそうなもの』もいらん。時間が無いからな…すぐに外せる盾やアクセサリーのようなもので良い。何かあるか?…適材適所だ、使える奴が使うと闘いが随分と有利になるからな…それと、俺達が戦っているときは後ろでサポートして欲しい。闘いは俺達の役目だ。それ以外の面で手伝ってもらいたい。…もし、万が一、俺達が怪物を止められなかった場合、俺達が倒れるなんて事があった場合…そんな事はないと願ってはいるが…そのような事があった場合、例えそれがどんな状況であっても、君達にはリファールまで戻ってその事を街の冒険者に知らせて欲しい…決して我々を助けようとか、仇を討とうとか考えないで欲しい…そんな光景を目の前にして逃げるなんて事はしたくないと言いたいと思うが…いいかい?この役目は相手から逃げる訳じゃないんだ。ある意味相手を倒す事より重要な事なんだ。…全滅したら怪物の事はまた闇に埋もれる事になってしまう。そんな事になったら怪物は再び好き勝手に暴れるだろう…多くの人が再び犠牲になるかもしれない…我々が倒れた事を無駄にしない為にも、誰かがその事を知らせる人間が必要なんだ。今回、その役目は魔法の絨毯を使えるメイ達が一番適切なんだ。君達が一番早く街に戻れる。君達が早ければ早いほど、怪物に時間を与えずに済む。…それから、戻るのはエルア村ではなくて『リファール』だ。見た所、村には不測の事態に対処できそうな者はいない。リファールの街まで戻って、冒険者や軍にお願いするんだ。彼らと一緒に仇はとってくれ。いいね?…そんなに心配そうな顔をしなくても良い、これはあくまで『万が一』に備えてだよ。我々だって、早々そんな事になる気はないから。そうなるまでは普通に出来うる範囲でサポートしてくれてれば良い…◆メイと話しをしながら、この場を引き払う前に一旦気配を伺っておく。ハインが言っていた変なヤツが辺りにいないか確認する為だ…それを終えてからもう一度、怪物の住処に向かう…今度は始末を着けに…

 
出来ること..するべきこと..考えること...
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●「では、決算が面倒ですからそちらの管理は貴方に預ける、で宜しいですかな?」ハインさんの言葉に「分かりました.」と答える.まぁ..言われるまでもないことだとは思ってはいましたが..後できっちりと計算しておかなければいけないな..まぁ..メイちゃん自身の返事..というかサインを待たねばなりませんけどね●戦い..明日でも今でも,自分としてはどちらでも構いませんが...夜の危険性を下げるという意味では今の方がいいのかな?でも,消耗していないわけでないという事実もあるのが難しいところでだな〜..ま,とりあえず,一番消耗していそうなハインさんに若干の精神点譲与を行なう..万が一戦うことになった時,全員が出来ることが出来るようにしておくのがいいですからね...そうだな,『耐魔』の魔法をあらかじめメイに頼んでおくという手もあるか..出来ること..だからね●さて,今か明日か..結論はどうでるか...

 
諺学者であるが故に
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日)
    ◆「なるほど。まあ、それはそれで良しとしますか」教育的配慮までしてやる必要があるのかは疑問ですが。―――言葉にはしないが、節制がもう少し弱ければ口に上せていたな。「では、決算が面倒ですからそちらの管理は貴方に預ける、で宜しいですかな?」まあ、それを考えての提案だろうと読んではいたのだが。私とて会計は果たして来た身である。・・・アイラーナさんは元気にしているようで何よりだ。いかに不信心者でも、至高神神殿に参拝した直後に幸運神神殿へは行きにくい。◆それにしても、どれだけシルフェスさんの真意は届いたのだろうな? 私は心を見透かす術を持たない。言葉の可能性よりはその限界を認識させられる事の方が多い。私は詩人にはなれまいな・・・諺学者であるが故に。自嘲の笑いを漏らし掛け、意識を現実に引き戻した。◆詩人、か。心の片隅の声に、芸術神の神官戦士の存在を思い出し戦力としての分析に眼を向ける。前衛候補の面々は、銀か魔法の武器は所持していると。やはり突入前に恐怖の視線対策としてカウンター・マジックを施し、敵は魔法で拘束した上で再生の暇を与えず集中攻撃で倒すのがベターだな。私がパラライズを使うには休憩が欲しいが・・・野営はあの滝のキャンプ跡まで退がれば多少は安全か? 何にせよ・・・「さて、そろそろまとめましょう。今日片を付けますか? それとも野営を挟み明日討伐を行いますか?」

 
誓約書の意味
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●「リファールのチャ=ザ神殿に寄進して貰っては如何です?その額を分けても始まりませんからね。チャ=ザ神殿ならば私も知人がいますし。サザティ神官はお元気ですかな?」ハインさんの言葉..確かにほんの小さな金額..でも,それじゃいけないんだ..「確かに,小さな金額ですけど,それじゃいけないんですよ.メイ自身がメイ自身の手で稼いで自分たちに渡す..このことに意味があるのですから..金額が小さいことで寄進に変えてしまうのでは全然意味がないのですよ」 ついでに付け加える..「自分が知る限りではお元気でしたよ,ね?サティン」..と●さて,ミノタウルス・レッサーヴァンパイアに対することを考えなければね.ヴァンガードは確かすでに『麻痺』の呪文が使えたはず..サティンに聞く限りではそうめちゃくちゃ魔法に抗する力が強いようでないから『麻痺』が成功してしまえば確実に勝てるか..まぁ..とりあえず,自分としては『大地の束縛』をしておけばいいか?●なんて考えていたが..まずは野営場所や戦う場所を考えないといけないんだっけ.自分としては..日を改めるならより安全な場所へ移動,やってしまうなら早めに戦いへ..だな.野営中に襲われるなんてのが一番危険だし馬鹿らしいからね.

 
誓約書の意味レーレライ/RAY 
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●「リファールのチャ=ザ神殿に寄進して貰っては如何です?その額を分けても始まりませんからね。チャ=ザ神殿ならば私も知人がいますし。サザティ神官はお元気ですかな?」ハインさんの言葉..確かにほんの小さな金額..でも,それじゃいけないんだ..「確かに,小さな金額ですけど,それじゃいけないんですよ.メイ自身がメイ自身の手で稼いで自分たちに渡す..このことに意味があるのですから..金額が小さいことで寄進に変えてしまうのでは全然意味がないのですよ」 ついでに付け加える..「自分が知る限りではお元気でしたよ,ね?サティン」..と●さて,ミノタウルス・レッサーヴァンパイアに対することを考えなければね.ヴァンガードは確かすでに『麻痺』の呪文が使えたはず..サティンに聞く限りではそうめちゃくちゃ魔法に抗する力が強いようでないから『麻痺』が成功してしまえば確実に勝てるか..まぁ..とりあえず,自分としては『大地の束縛』をしておけばいいか?●なんて考えていたが..まずは野営場所や戦う場所を考えないといけないんだっけ.自分としては..日を改めるならより安全な場所へ移動,やってしまうなら早めに戦いへ..だな.野営中に襲われるなんてのが一番危険だし馬鹿らしいからね.

 
シルフェス=ローレライ/RAY ZARD
誓約書の意味は、かく語る(8月22日)
    ●「リファールのチャ=ザ神殿に寄進して貰っては如何です?その額を分けても始まりませんからね。チャ=ザ神殿ならば私も知人がいますし。サザティ神官はお元気ですかな?」ハインさんの言葉..確かにほんの小さな金額..でも,それじゃいけないんだ..「確かに,小さな金額ですけど,それじゃいけないんですよ.メイ自身がメイ自身の手で稼いで自分たちに渡す..このことに意味があるのですから..金額が小さいことで寄進に変えてしまうのでは全然意味がないのですよ」 ついでに付け加える..「自分が知る限りではお元気でしたよ,ね?サティン」..と●さて,ミノタウルス・レッサーヴァンパイアに対することを考えなければね.ヴァンガードは確かすでに『麻痺』の呪文が使えたはず..サティンに聞く限りではそうめちゃくちゃ魔法に抗する力が強いようでないから『麻痺』が成功してしまえば確実に勝てるか..まぁ..とりあえず,自分としては『大地の束縛』をしておけばいいか?●なんて考えていたが..まずは野営場所や戦う場所を考えないといけないんだっけ.自分としては..日を改めるならより安全な場所へ移動,やってしまうなら早めに戦いへ..だな.野営中に襲われるなんてのが一番危険だし馬鹿らしいからね.

 
凍土と灯火
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日)
    ◆・・・。やはり解っていないな。交渉はシルフェスさんに場を譲り、瞳に籠めた冷気はそのままに観察していた―――彼女を。◆『解らんか。ならば解らせることもあるまいさ』姉さんなら、或いはそう言って血飛沫を吹かせたかも知れない。見捨てる事に何ら躊躇いはすまい。そう言った意味では、冷酷な人だった。・・・時に、パーカー商会からの依頼を引き受けた身でなければ、見捨てていたか? 自分に訊いてみる。◆あっさりと即答した自分に苦笑する。そうだな。この交渉に我々が応じなければ、彼女はまたあの洞窟に引返そうとするだろう。自滅への道をしか知らぬ者など死んで当然なのだが、犬死にとは思わぬのだろうな・・・本人は。横たわる豚と犬に、さほどの違いは無い。狼たり得るのは、結局の所生き延びた者だけだ。それを知る機会は、死によって永遠に絶たれているのだが。◆魔術で強制的に眠りの園に連行する事は、対抗魔導器でも隠し持っていない限り不可能では無いだろう。それを理由に逃げるだろうが。いや、既に逃げは見えるか? ・・・シルフェスさんは誘導しているな。成る程商家の人間らしく隙の無い交渉展開だが、彼女が言った事を改めて外部から突き付け、気付かせようとする素振りが伺える。彼は優しいのだな。私などは叩き潰す努力に全力を挙げてしまうのだが。◆そんな所へ提案があった。「ブランおじさまの依頼ならば、私は受けるに異存はありません」現金より何より“貸し1つ”に妙に燃えるものを感じた事は秘密だが、即答を返す。◆シルフェスさんは元々腹案があったらしく、誓約書へのサインを持ち出して来た。・・・甘いな、と感じはしたが二言三言述べるに留めておく。「その100ガメルはリファールのチャ=ザ神殿に寄進して貰っては如何です? その額を分けても始まりませんからね。チャ=ザ神殿ならば私も知人がいますし。サザティ神官はお元気ですかな?」最後の一言はサティンさんに向ける。ラックドラークを借り出すアテはまだ無いが、この件を片付けたら久々に挨拶に行くとしよう。◆やる気が出た所で仕事に目を向けるか。支援魔術ならば、まだ多少は使えるが。・・・考えどころだな。

 
交渉の流れ・・・
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●とりあえず、RAY ZARD内でどうするか相談・・報酬次第って感じかな?ただ、魔晶石・・パーカー商会のものなんだよな〜それがみなの悩み・・まぁ、しばらく交渉して・・代替案を掲示かな・・それまでは、メイの交渉術・・見学と行くかな?●で、メイとの交渉開始・・さすがに商人の娘らしく厳しい顔つきで交渉に出てきている・・でも、まだ声が完全に相手を押す力がないし、まだまだ未熟だな・・交渉が上手い相手と比較すれば全然違うな・・●「魔晶石・・ねぇ・・分けにくいものだね〜」「自分達、結構実力は高い方なんだよ?どれくらいが相場か分かってるのかい?そんな提示で大丈夫だと思ってる?」●ほんの少しの隙間でも言い方と迫力、そして相手との情報量の差次第でなんとでも交渉を有利に出来る、心の中で焦っているのも手に取るように分かる・・心の中でメイに頑張れ〜なんて思いつつもどんどん推し進めていく・・・まぁ・・でも傍目から熟練の人が見てたら笑うだろうな。自分、全然今眼に鋭さがないだろうし・・なんか遊んでるようにさえ見られてもおかしくないかも・・・●ふむ・・もうそろそろメイ自身の心が持たなそうだし、例の方法を・・なんて考えた瞬間にヴォルネイからの提案・・しかし、まだ完全にリュリィのことから立ち直ってない感じなのに・・まだ沈んでるリュリィとは違って大人であり冒険者であり・・といったところか・・ま、それはともかくとして・・この提案、確かに悪いものではないな。自分にとっては元虹の仲間、それに、メイが提示していた魔晶石とは違ってヴォルネイ本人自身のもの・・安心して受け取ることが出きる報酬・・●パーティーで再び簡単に相談・・ヴォルネイの提案を受け入れることにした・・ただ、だからといってメイに何もなしってのはね。●メイ自身、自分には勘違いしてるとしか思えない・・多分、困ってる人を助けないでどうするの?なんて思ってるんだろうけど・・危険に対するにはそれなりの力と方法が必要だ。そして、非力でも方法はある、間違った方法を取ってほしくない・・●この冒険・・レオが換金してきたお金を失った時、もしメイがパーカー氏に相談していれば、おそらく、メイの性格を考えてパーカー氏の依頼によってミノタウルスの退治の依頼が出ていただろう・・そうすればこんな困った状況にはなっていなかっただろう・・今もメイが提示しようとしたのは魔晶石・・パーカー商会のもの。メイ自身は魔晶石なら出してもいいだろう・・なんて思ってるんだろう・・でも、それがパーカー商会のものである以上、メイ自身のものでなく、それを気にするものは多くいる・・・●そういう意味を兼ねて・・ちょっとだけ勉強料をメイに提示することにする・・『メイ自身の手で稼いだお金100ガメルをいずれ渡す』と書いた誓約書・・それにサインしてもらうこと・・●後でいろいろ話そう・・メイとはね。冒険者というものについて、出来ることについて・・・冒険者になった今だからこそ言える思いだけでなく・・・自分が母に冒険を聞いていただけの時代やモンスター狩りでの自らの無力に悔いていた時代にどう思っていたのか・・みたいな冒険者になる前の想いも含めて・・ね。●時間は・・ミノタウルスさえ倒してしまえば・・帰りに充分あるはずだからね。

 
決断…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    気持ちが一段落したので皆のところに戻った。もっとも、まだ完全に立ち直っているわけではないが…皆はメイを中心にして何やら話し合っていた…聞くと今後の対策についてのようだった。メイがミノタウロス退治を頑として行おうとしているのを皆が引きうけるかどうか交渉中らしい…◆一目だけ娘を見る…胸のペンダントを抱いて必死に気を落ち着かせようとしているのが感じ取れた…長くは見ない事にした。見つめるとまた辛くなる…◆俺は当面、黙って成り行きを見ている事にした…交渉は遅々として進まない…まぁメイの提示する交渉材料があれではいたしかたのない事だろう。それに彼女は何かを勘違いしている。俺達は『物語の中の英雄』じゃない。単にその辺にいる人々より少しばかり戦う力を持っているに過ぎない。何でも出来る訳じゃない。それに、私情を挟むことが現金な世界でもある。まぁこれに関しては今回の自分は何も言えないな…レオ氏は村の司祭に頼んでなんとか金を容易するとか言っているが…無理だろう。あの司祭では…他人の命より、村の脅威より自分の都合を優先させるような男だ。それに聞く所によるとレオ氏がリファールまで来たのはその司祭が動かなかったのが理由らしいじゃないか…まず、動かんな…◆メイが困ってきている。仕方ないな…◆俺は一歩前に出て皆にその件に対して考えていた提案を出す。出そうかどうか迷ってはいたが、先程一人になって決心がついた。…◆「今回の件は俺にも少なからず責任がある。だから俺はミノタウロス退治を引き受けようと思う。最も、あくまでミノタウロスだけだが…それに、皆も手伝ってもらいたい。タダとは言わない。俺自身の貯蓄1万を出そう。ここにいる面子では足りない額である事は重々承知している。こんな額では俺自身とカイルに誰か他にもう一人雇えるかどうかだろう。そこを敢えて頼む。残りは俺自身に対する『貸し』と言う事で手伝ってはくれまいか?無理は頼まん。当然ミノタウロスは俺が受け持つ。俺へのサポートと言う事でお願いしたい。無論、無理をしてもらう必要はない。…というかしてもらって俺が困る。1万程度で命をはる仕事ではないだろう。状況を判断して不利だと思ったときは退避してくれて構わない。俺は責めん。どうだ?手伝っては貰えないか?」

 
決断…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    気持ちが一段落したので皆のところに戻った。もっとも、まだ完全に立ち直っているわけではないが…皆はメイを中心にして何やら話し合っていた…聞くと今後の対策についてのようだった。メイがミノタウロス退治を頑として行おうとしているのを皆が引きうけるかどうか交渉中らしい…◆一目だけ娘を見る…胸のペンダントを抱いて必死に気を落ち着かせようとしているのが感じ取れた…長くは見ない事にした。見つめるとまた辛くなる…◆俺は当面、黙って成り行きを見ている事にした…交渉は遅々として進まない…まぁメイの提示する交渉材料があれではいたしかたのない事だろう。それに彼女は何かを勘違いしている。俺達は『物語の中の英雄』じゃない。単にその辺にいる人々より少しばかり戦う力を持っているに過ぎない。何でも出来る訳じゃない。それに、私情を挟むことが現金な世界でもある。まぁこれに関しては今回の自分は何も言えないな…レオ氏は村の司祭に頼んでなんとか金を容易するとか言っているが…無理だろう。あの司祭では…他人の命より、村の脅威より自分の都合を優先させるような男だ。それに聞く所によるとレオ氏がリファールまで来たのはその司祭が動かなかったのが理由らしいじゃないか…まず、動かんな……娘が何かを決心したらしい。一歩前に踏み出す…恐らく自分の持つペンダントを交渉材料に加えるつもりだろう…◆娘が言葉を紡ぐ前に俺は娘の前に出て皆にその件に対して考えていた提案を出す。出そうかどうか迷ってはいたが、先程一人になって決心がついた。…◆「今回の件は俺にも少なからず責任がある。だから俺はミノタウロス退治を引き受けようと思う。最も、あくまでミノタウロスだけだが…それに、皆も手伝ってもらいたい。タダとは言わない。俺自身の貯蓄1万を出そう。ここにいる面子では足りない額である事は重々承知している。こんな額では俺自身とカイルに誰か他にもう一人雇えるかどうかだろう。そこを敢えて頼む。残りは俺自身に対する『貸し』と言う事で手伝ってはくれまいか?無理は頼まん。当然ミノタウロスは俺が受け持つ。俺へのサポートと言う事でお願いしたい。無論、無理をしてもらう必要はない。…というかしてもらって俺が困る。1万程度で命をはる仕事ではないだろう。状況を判断して不利だと思ったときは退避してくれて構わない。俺は責めん。どうだ?手伝っては貰えないか?」

 
ただ一人の犠牲?
メイ・パーカーは、かく語る(8月22日)
     シルフェスさんのお説教は、父がよく口にするものとまったく変わっていなかった。確かにそのとおりではあると思う。「マジックアイテムに頼ることなくできることが何なのか……をね」シルフェスさんの話は、そんな締めで終わった。あたしには何ができるか……。くやしいけど、まだ何もできない。でも、だからといってエルア村で暮らしている人達をほうっておいていいとは思えない。無理でもしなければならないことというのは、世の中に沢山あるはずだ。現実問題として、「自分一人が犠牲になれば…」なんて考える人だけを犠牲にすればそれでいいのか。▼そうだ、と主張する人がいるかも知れない。特に、「アンタが死んでも、俺達は報酬を貰えないだけだがな…ただアンタを大事に思っている奴が悲しんだとしても、すでにそれはアンタの責任だ」なんて責任転嫁で誤魔化す男は。どうせ心の中では「任務外だ、とっととリファールに帰ろう」としか考えてないに違いない。腹が立ってきた。そんな男のことなんか考えるのはやめよう。今のあたしにできる事。それは何か。「パーカー商会の依頼は、お二人を連れ戻す事。ミノタウロス退治は入っていないのですよ」。アーヅェルハインが言った。はっきりいって、幻滅だ。こんな人だとは思わなかった。この人も自分の事しか考えてない。でも、次の言葉は、あたしがするべき事の指針にはなった。▼「……時に、商人らしく交渉はしないのですか?」。……あたしが持っている魔法の品物は、あたしのものではない。でも、魔晶石の代わりなら、古代王国期の遺跡に行けば大抵は見つかる──。

 
仕事
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    「…この依頼、受ける気がまったくないわけでもない…命をはった仕事に見合うだけの報酬があれば、の話だがな…」アーヅェルハインに答えた。同時にメイ達に向けて言った言葉でもあるのだが。

 
仕事
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    「…この依頼、受ける気がまったくないわけでもない…命をはった仕事に見合うだけの報酬があれば、の話だからな…」アーヅェルハインに答えた。同時にメイ達に向けて言った言葉でもあるのだが。

 
ミノタウロス(・レッサーバンパイア)退治、ハウマッチ?
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日夕)
    ◆「さて、荷物と使い魔は回収完了と・・・まだ日はありますね。レッサー・バンパイアならば外には出て来ないでしょう。さ、帰りましょうか」・・・世間知らず達は不満気だな。まあ当然だが・・・交渉はできるかな? 「パーカー商会の依頼は、お二人を連れ戻す事。ミノタウロス退治は入っていないのですよ。・・・時に、商人らしく交渉はしないのですか?」◆「魔晶石など提示して良いのですか? 無論お代は高く付きますがね。パーカー商会の商品でしょうに」他人事の様に言いつつ、提示された魔晶石を一瞥する。まあ、個人的には受けてやっても良いのだが・・・。「レイザードの皆さんはどうなさいます? あなた方が受けるのならば、受けますが」

 
父娘2人きりで…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日夜)
    ぱきり…後ろで小枝の踏み折れる音がした…「…お父さん…」…そして背中からかけられる娘の声…静かに振りかえるとそこには不安げな表情をした娘の姿があった…立っているのもなんだろう?いいからこっちに来て座りなさい…娘はおずおずと腰掛けるとそのまま黙って俯いてしまった…少し時間を置いて娘が顔を上げる…「…あ、あの…お父さん…」…ん?…「…なんでもない…」…そしてまた顔を伏せてしまう…そしてまた暫しの静寂…◆どのくらい経ったろうか?…リュリィ、ちょっと顔を見せなさい…俺は娘にそう言い、娘はその言葉に一瞬躊躇いを見せたがやがて静かに顔を上げる…俺はそっと娘の頬に手を触れた…そのまま少しの間、娘を掌で感じていた…◆掌に伝わってくる頬は少し熱かった…やっぱり、少し腫れてるな?痛かったか?今薬を…そこまで言ったとき、娘がその小さな手をそっと俺の手に添えてきた…みると娘はその瞳からぽろぽろと大粒の涙を流し始めた…「…お、おと…さん…ぐすっ…わた…ぐすっ…」…俺は泣きじゃくる娘をそっと胸に抱きしめてやる…もぅ良いから、お父さん怒ってないから…◆…娘が泣き止んだとき、俺と娘との間にあったわだかまりは無くなっていた…◆…さぁ、夜も遅い。皆の所に行って寝なさい。あそこなら安全だから…しかし娘は俺の言葉とは反対にゆっくりと俺にもたれかかってきた…「ううん、お父さんの側にいる。お父さんの側の方が安心できるから…」…目を閉じながらそう言い、娘は静かに寝息をたてはじめる…お、おい?…全く、仕方が無いな…俺は娘を起こすのを諦め、荷物の中から毛布を取りだし娘にかけてやる…「…ごめんなさい…」…毛布をかける際、微かに聞こえたその言葉は寝言だったのか、それとも…まぁ良い、そんな事はもう良いんだ。今夜はずっと側にいるよ。

 
……心の傷は思い出となる。
リュリィ・ブランは、かく語る(8月22日)
     真っ暗だった。何も見えなかった。そう、星の光さえないあの時のように。それは夜。暗闇が怖くて、家の中を明りで満たそうとして、家を燃やしかけた夜。「こんなに怖いのに、どうして傍に居てくれないの?」。怒られるのが怖くて、必死になって火を消した。結局その夜は眠れなかった。私にはわかっていた。でも、分かりたくなかった。信じたくなかった。そう、何もかも私のせい。「──疑いを持ったこと、それ自身は悪いことだとは──」シルフェスさんが何かを云ってるけど、私の耳には入らなかった。ごめんなさい。▼「リュリィ…その…ごめん」「いいの。あたしの問題だから…それより、ごめんね」。メイと話をするけど、どうしてだろう、何か空ろだ。それは夕方。友達は、お母さんが迎えに来る。「ねぇ、お母さんはどこに行っちゃったの?」何も答えてくれなかったお父さん。朝、一人で目を覚ます。誰も居ない家。そんな日が数日続いた後、お父さんは何事も無かったかのように帰ってくる。私は、心配させたかっただけなのかも知れない。もうそんなことはどうでも良かった。やさしいだけのお父さんじゃなかった。厳しいだけのお父さんじゃなかった。でも……。▼メイは、黙って指を指した。そっちには、見慣れた背中があった。でも、それは肩を落とした見慣れない背中だった。「報われない勇気はないわ。さあ、お行きなさい」。ここに居るはずもないお母さんがあたしの背中を押した。「お父さん……」最初の一歩踏み出す。お父さんが一歩近づいた。もう一歩──もう一歩──。一歩踏み出す毎に、お父さんの背中は大きくなっていく。「お父さん──」

 
任務外
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    「…どうでも良いが、そろそろリファールに戻らんか?」 …サティエリナの話だと、あれはただのミノタウロスではないらしい…戦ってみたいと思ったりしたのだが、任務外だ。

 
言葉でしか伝えられない自分だから...
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●駆けつけた時,様々な姿が見受けられた...沈むもの,納得のいかないもの,考えるもの...●全体的な状況をヴァンガードに軽く教えてもらう,実に簡潔に..こういう時,これだけあっさりと教えてくれる相手がいるってのは実にありがたいものだな.ついでにメイたちが持ってるアイテムについて分かったものをざっと教えてもらった..これらが..まったくこんなに持ち歩いて邪悪なものに奪われていたらと思うと考えたくもないな....さて,自分が言葉で伝えることが出来ることを言えるだけ言ってみるか..時間的にも日が傾いてきた時間,ちょっと早い気もするが,森の中よりここの方がキャンプを張るなら安全か?いや,しかし,ミノタウルスがレッサーバンパイア化(良くは知らないが..アンデッドの一種らしい勉強不足だ..)して,さらに強力になってるとなると..倒してしまわないと安全とは言えないか?とりあえずは..話をするか..●まずは..マーサさん..メイたちへ参加した..「マイリーは,ただ,戦いを司るわけじゃないですよ.マイリーはなんらかの困難へ立ち向かう勇気をも司っているんだ.君が戦いという時に他人に構うことが出来なくなる恐怖の場の中で,助けたいと願った,心の中にある小さな勇気,それをマイリーが認めてくれたんだよ.だから,その心さえ忘れなければきっと大丈夫だよ」..これ以上はマーサさん,彼女自身の問題..●次はリュリィちゃんかな..自分にも同じように殴られた記憶がある..勘違いからの疑い..自分の父親も何も言わずに殴ったっけ,呆然と部屋に籠った自分の心を助けてくれたのは..母親,優しき慈愛...「リュリィちゃん,疑いを持ったこと,それ自身は悪いことだとは自分は思わないよ,状況が状況だったしね,でも,親ってね,子には信じて欲しいんだって..自分の母が言ってた..特に,父親は自分が最も可愛がってる子には疑っても信じてる振りをしてほしいんだって..難しいよね.でも,自分が間違ってないことを疑ってない時に疑われると本当に苦しいんだよ.誰でもね.でね,真実が分かった時,自分の疑念が間違いだって分かった時,自分の母親はこうしなさい..って言ったんだ.後ろから抱きついて『疑ってごめんなさい』って一言言えばいいって,たったそれだけで今迄通りのいい親子でいられるって..ね?」そういって微笑む.後は..リュリィちゃんとヴォルネイ,2人でなんとかなるはず..2人とも互いが大事なら...●ここでハインさんからインプのことを聞く..そっか,使い魔だったんだ..敵はアンデッドなミノタウルスだけじゃないとなると..逃げるが得策か?..しかし,相手次第だな..村とかで待ちぶせされると難しいな●改めてレオに話を聞く,フィロウ代々チャ・ザ..か,代々とはいえ隠していればそれまで..生贄を再び..どうも暗黒な気がするのは気のせいか?後は..唯一語ってくれたという老人についても聞いておかねば...●さて,最後は..メイちゃんだな.「メイちゃん,自分は君を子供扱いするつもりはない,同じ程度で冒険する人は確かに多いからね,冒険者として若過ぎるということはない.でも,冒険というのは危険だというのは確かだよ.で,楽しい部分がある,ってのも事実だよ.でも,楽しい部分ってのはあくまでその冒険を達成した時に始めて生まれるものだよ.冒険そのものは危険きわまりないものだよ.だから,その冒険が無理だと判断すればその冒険には決して参加することはないよ.メイちゃん,君は魔術師だろう?魔術師というのはその頭脳で考え,絶対的な危険は回避すべきなんだよ.自分はちょっとは戦闘訓練を積んでいるし,ゴブリン程度なら直接戦ったことがある,でも,ミノタウルスには絶対に直接攻撃しようなんて思わないよ.自分には無理だと分かってるからね.その分,パーティーを組んで,仲間の戦士に直接戦闘を任せて,自分は魔法を担当する,信頼と自分の役割の把握が分かってるからこそそうするんだ.メイちゃんの剣は確かに強力なものかもしれない,でも,本当に実力のある相手と戦うには自分自身の技量が足りなければ意味がないものなんだ.マジックアイテムとはあくまで自分を高めてくれるものであって,自分を最強にしてくれたり,敵に確実にかたせてくれたりするものではないんだよ.初心者の冒険者が初心者同士パーティーを組んで危険度の低い冒険をし,実力をつけるってのは間違いではないんだ.それが当たり前なんだよ.一人で冒険をする..それはある程度の実力が必要なんだよ.魔術師なら使い魔を持つ..ぐらいにはね.それに,危険を把握する知識もね.分からない敵と戦うこと..ある意味一番危険なことなんだ.勇気と無謀は履き違えてはいけない..勇気は冒険には必要だけど,無謀な冒険者は..死しか先に待っていない..メイちゃんの実力..いや,自分の実力でもミノタウルスと直接剣を交えることは無謀でしかないよ.冒険者の意味をもう一度ゆっくり考えた方がいいよ..自分の出来ることがなになのか..マジックアイテムに頼ることなくできることが何なのか..をね.」これで..メイちゃんがどう思うか...それで本物の冒険者と成れるのかが分かるかな...●さて,話すだけ話したし,とりあえず,今後の行動方針をどうするか,考えないとな.見える敵見えない敵..元々の仕事はメイちゃんとリュリィちゃんをリファールに連れ戻すことだけど...禍根をたてるものならたっておいてあげたい..っていうのは自分があまいんだろうな..でも...

 
語らぬものは時に最も雄弁
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日)
    ◆乾いた音が響いた。ふと、遠い故郷の家を思い出す。・・・父さんが私をぶったのは一度切りだったな。そう、虫取りに行ってオーガーに出くわした時だ。私の最も古い記憶の1つ。あの時とは父の背が語る言葉が違う。断絶を知ってしまった。そう見えた。◆去って行く背中と入れ替わりに場所を占める。・・・今は、一人にしてあげた方が良さそうだ。「少々報告です・・・。インプが逃げました。シルフェスさんの闇霊連打に耐えたとなると、並のインプでは無いと思えます。確実に“ミノタウロス”以外の敵が居ますね―――それが、《始祖》となり得るものでなければ良いのですが」疲労を堪え、怒りを封じ、かなりの集中力を投じて重い口調にならぬ様告げる。まだ何かあった気もするが、関係ないような気もし少々自信が無い。使い魔を攻撃されては、なかなか心中穏やかではおれぬのだ。インプの邪術程度、私の力を鴉の器を通してだが及ぼし、弾きはしたが。◆気分を変えるべく、依頼対象の二人+二人に一瞥をくれる。・・・私に解る物だけでミスリルメッシュに無限袋、魔法の大盾・・・一見で解らぬ物はどの道解らぬとして・・・あれは雷鳴の大杖か! “落雷”の二つ名を持っていたと言う魔術師などならば、ああした物を携えていたのかも知れんが。パーカー商会の主は娘にどんな教育を施しているのだ? 私などには正体の知れない品が多い・・・魔導器は常に一面のみを持つ物では無いと言うのに。◆話を聞いていれば、レオと言うらしいエルア村の住人は、魔導器の力を過信し過ぎている嫌いが見えるのが気に入らんが・・・。そもそもギルドの存在を考えれば、ギルドに属していない冒険者が街中で強盗などおいそれと出来るものか。元より都会慣れしていない風情でパーカー商会に出入りなどしておれば、スリの類には格好の標的であろう。この場合、乞食などが頂いて行った可能性が高いかな。宝石が戻って来る事はあるまい。◆無謀さの代償を知らぬ者に説教する気にもなれず(何程の意味がある?)、一人不安気な少女に近付く。ノカ村のマーサ嬢だったか。「心配事があるのですか? ・・・神官として初めて声を聞いた時が、神がその神官に使徒としての道を示すものらしいですからね。私の卵の薄皮より薄い信仰心では役に立たぬでしょうが、貴女の前途が大き過ぎる困難に潰されない程度の手助けは、出来ると思いますよ」精神的な疲労は体力を蝕みつつあるが、転生で得たこの体はまだ持つだろう。微笑みを向けるなら、空虚な物にはしたくないものだ・・・。

 
使い魔は見た
虐げられしインプは、かく語る(8月22日)
     悲鳴が聞こえた、そう誰かが云った。二つの呪文が重なり合う「あれ? どーしたにょ? どーしたにょ?」。近くで何かが弾けた! 「あうぅぅ、やめてよう(;_;)」。そして走り去る足音。目隠しが外れかかっているのに気がついた俺は、苦労して縄と目隠しをはずした。何があったのか知らないが、俺を縛っていた連中は全員去っていったようだった。腹が立つ。まぁ、もうネコをかぶる必要もないから良しとするか……。見ると、カラスが何やら騒いでいる。俺は、神に彼を傷つける事を願った。カラスは……平気だ。「このやろーっ」

 
心に深き傷を負い…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    何とか娘達が逃げるまで…そう決死の覚悟をして怪物に望んでいた時…後ろにいたサティンが何やら呪文を唱えた…すると急に目の前の怪物が踵を返して奥へと逃げて行った…なにが起こったのかは良く分からなかった…だが、取敢えず脅威は去った訳だ…◆メイが更に怪物を追おうとするが、サティンがそれを押し止めた…俺は娘に駆け寄った…◆リュリィ!良かった無事で…リュリィを強く抱きしめる…生きている姿に会えた…俺は更に力一杯娘の事を抱きしめる…◆俺と娘が感動の再会をしているときに隣にいた正体不明の男が大声を上げる…「お、お、お前はあのときの…返せ!あの時奪った一万ガメルを返せ!」…ちょっと待て、何の事だ?…内容が理解できない俺に、娘が言った…「…お父さん。この人に聞いたの。お父さんがこの人を気絶させてお金を奪ったって言うのは本当なの?」…!…娘の口から簡単に事情が説明された。何故メイや自分がここへ来る事になったのかも…だが俺にとって衝撃だったのは…「リュリィ、お前はその話を信じたのかい?」…そう言って俺は愛娘の目を見つめる…娘はこちらの質問が分からないと言った顔をしていた…「…そうか…」…(ぱしんっ)…乾いた音が広間に響く…娘は何が起きたのか分からないといった表情で頬に手を当てている…「…お父さんは何も言わない。今叩かれた理由は自分で考えなさい」…そう言って、娘に背を向け仲間の所に戻る…そして背中を向けたまま男に話す…「悪いがあんたの金の事は俺は知らん。その事は後で詳しく教えてもらう。それよりも今は一刻も早くこの場を離れて安全な場所へ一旦移動するべきだ。ハイン達とも合流しなければならないからな…」…◆そうして俺達は一旦穴の外に出る事にした…◆穴から出てほどなくして後続のハイン達と合流し、メイがミノタウロスを倒すと聞かないので仕方なく怪物の住処から少し離れ、住処を見る事が出来る位置に俺達は腰を落ち着かせる事にした…◆今だ興奮冷めやらぬメイと、精神が落ちつかないリュリィを置いて男に事情を詳しく聞く…男は自分の名をレオと名乗った…そして、事の顛末を詳しく語った…「そうか…あのときの…」…俺がリュリィに言い寄っていると勘違いして脅したときの男か…だが、残念だが俺は市政の者から金を奪うほど落ちぶれてはいない。犯人は俺じゃない…しかし俺の口から言っても男は納得しない…「俺は前から彼を知っているが、彼はそんな事をする男じゃない。気絶している間に物盗りか乞食に持って行かれたんじゃないのか?」…誰かがそう言った。恐らくそれが真相なんだろう。「俺が原因で金が盗られた事は認めよう。この通り、済まなかった」…そう言ってレオに対して頭を下げる。だが、それと娘達を連れ出した事とは話が別だった。娘達は誰が見ても素人。お世辞にもミノタウロスのような怪物が退治出来る様には見えない…その事について仲間が問いただすとレオは「お金が奪われてなければ、こんな小娘ではなく、あんた達みたいなもっと頼りになる冒険者を雇っている」…と突っ返すように言ってきた…「…その小娘に、危険と分かっていてミノタウロス退治を頼むような奴がよくもそんな口が聞けるものだ…そうは思わんか?」…カイルがそうこちらに問うてきたが俺は答えなかった…というより答えられるような精神的状態ではなかった…「…ん?あ、いや済まない。ちょっと考え事をしていてな…俺は少し洞窟の方を見張ってくる。怪物が出てきたら厄介だからな…」…そう言って仲間のいる場所から離れた…少し一人になりたかった。一人になって心を落ちつかせたかった…◆穴の見える場所にある大きな樹の根元に俺は腰掛ける…そして、右手を見つめる…娘を叩いた自分の手を…娘を叩いた事は俺自身傷ついていた…娘には自分なりに愛情を注いできたつもりだった…早くに妻を亡くし、リュリィを連れてリファールに流れ着き…そこで娘を幸せにする為にそれこそ血を吐くような思いまでして働いてきた…娘もその思いに応えてくれたと思っていた…そう、思っていた。今までは…◆……なぁ、俺は、リュリィの育て方を間違ってしまったのかな?たった一人の肉親を信じる事も出来ない娘に育ててしまったのか?何が間違っていたんだ?教えてくれないか?…そこで黙って立ってないで教えてくれよ…頼むよ…頼む…◆誰も居ないはずの場所に語り続ける…だがおれの目にはそこには今は亡き妻の姿があった…俺の瞳からは何時の間に流れたのか一筋の涙が頬を伝っていた…

 
小娘
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    「……ふざけんじゃないわよ…!」…ふむ…俺はふざけていたのか、それは知らなかった。「…ふざけていたのなら詫びてやっても良い。まあ、それはどうでも良いが…アンタ達を生きて返さねば俺達は報酬を貰う事ができん。…まあ、アンタが死んでも、俺達は報酬を貰えないだけだがな…ただアンタを大事に思っている奴が悲しんだとしても、すでにそれはアンタの責任だ」 メイとかいう女に言う。…「〜こんな小娘ではなく、あんた達みたいなもっと頼りになる冒険者を雇っている」…男が言う。「…その小娘に、危険と分かっていてミノタウロス退治を頼むような奴がよくもそんな口が聞けるものだ…そうは思わんか?」 俺は小娘の一人の親父、ヴォルネイにそうふった。

 
追いかける前に・・
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●悲鳴に気が付く、あわてて皆に教えて駆け出す・・みんな・・荷物を捨てて・・自分は・・捨ててまでは出来ない・・・●ふと、インプが気になって・・ハインさんがおいた荷物の中にインプは・・いるみたいだ・・あわてて立ち止まって・・とりあえず闇の精霊を2発ぶつけておく・・射程ぎりぎりからで・・気絶したかどうか分かんないけど・・とりあえず・・ね●こんなことをしていたせいですっかり遅れを取ってしまった。幸いハインさんがかけてくれた魔法はまだ働いているようだ・・悲鳴・・カイル達が何とかしてくれていればいいけど・・と思いつつ駆け出した。

 
──勇気あるものに祝福を──
マスターは、かく語る(8月22日)
    「…女、早く逃げろ」。そこ一言は、恐慌に陥りかけたメイに冷水を浴びせるような効果を伴った。メイの頭脳は、カイルの云っている言葉の意味を理解し、そして激怒した。「……ふざけんじゃないわよ…!」メイは、アーロンの魔剣を正眼に構えた。“狂戦士”アーロンの魔剣──、その剣の由来を、メイは知らない。密かに敬愛している“黒影の闘衣”アーヅェルハイン師が、武器を持つようになった──。メイが剣を持っているのは、そんな単純な理由であった。メイは、ミノタウロスの後ろに廻り込んだ。この後に及んで、いまだに自分が足手まといではないと信じているのだ。▼「レオさん、レオさぁん…!」「動かしちゃダメ!」どくどくと額から血を流し、動かないレオを揺さぶるリュリィを、マーサは止めた。(大丈夫、まだ生きてる…! でも、ここはじゃあダメ…もっと安全なところへ……)激しい戦いの音の中、マーサはそう思った。(ああ、おばあさまがいてくれたら)そして、手馴れた手つきで消毒し、血止めをはじめようとした。──勇気あるものに祝福を──マーサは、無意識にレオの額に手を翳した。清らかな光がレオの患部を包み込む。「……え?」レオの額の傷が消えた。「今の声は──?」

 
安全確保
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    …ヴォルネイ、そんなに全力で走ったら疲れるぞ…と思いつつ、俺も少し足を速める。…ヴォルネイより少し遅れて化け物と娘達の所に到着。…あの化け物、なかなか強そうだ。この人数では不利…一旦退いて、仲間たちと共に討つのが得策。「…女、早く逃げろ」 とりあえず奴の相手はヴォルネイにまかせて、こちらは娘達の安全の確保だ。

 
お? お?? お???
ユルゲン・クリストフは、かく語る(8月22日)
    ◆「悲鳴?」「早く?」「え? 魔法?」 目の前でめまぐるしく状況が変化している。お、おい、みんなどこへ?? なんだ? なんだか足が早く動く。いったいなんなのだ?? って、おーい・・・。とりあえず・・・走っていった皆を追いかけるとしよう。

 
うぉぉぉぉぉぉぉ!!
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    娘達を追い、穴の中へと俺達は進んでいった。娘達の足跡を追うように怪物の足跡も続いている…マズイ、マズイぞ。頼むから無事でいてくれよ…焦る気持ちからか自然と足の運びが早くなっていった…そして、最初の目印を後続の為に置こうとした頃、目の前の通路を大きな体躯をした怪物が曲がって行くのが見えた…娘達の足跡も同じ方向に進んでいる…◆やばい,あの先には娘達が!…考えるより早く身体が反応していた…俺は全速力で怪物を追いかける。その先は直ぐに開けた広間のようになっていた…場面は、丁度怪物の武器によって誰かが犠牲になったところだった…そして、怪物が再び武器を振り上げようとした…視線の先には…脅えて動けない娘達…!…娘の悲鳴が辺り一杯に木霊する…◆そこからはスローモーションの様にゆっくりと時が動いていった…恐らくその時俺は恐ろしいほどの大声を上げて突進していたのであろう…だが、その事は記憶には無い…覚えているのは徐々に自分の視界で大きくなっていく怪物の姿と、怪物の武器がゆっくりと振り下ろされる動きだった…広間の中に金属質な衝突音が響く…◆俺はメイの目前で怪物の武器を受けとめていた…俺はすんでの所で間に合い、娘達と怪物の間に割って入り相手の攻撃を身体で受け止めたのだ…ぐふっ、何をしている。ぼさっと突っ立てるな!早く出口まで走…れ!…しかし受けた手が痺れている。今回は何とか受けきる事ができたが相手の力は尋常なものではなかった…やべぇな、こんなモンそう何発も食らってられねぇ…◆カイル、娘達が出口にたどり着くまで手伝え!アイツの気を引くんだ!ただし奴の武器には注意しろ。食らったらタダでは済まん!他の者はそこに転がっているヤツを早く回収しろ!但しこっちが怪我を負った時の回復は頼む。終わったら俺達も逃げるぞ!

 
急げ!
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日後続組)
    ◆「悲鳴が聞えたのですか? ・・・では、急ぎますか。“疾く集えマナ。集いて左足の駿なるを我等に与えよ!”」バトンを手に、一息に呪文を唱える。多少は腕を上げたとは言え、やはりフィジカル・エンチャントを四人に、と言うのは疲労が大きい。◆全力疾走には邪魔でしかない荷物を置き捨てる。紅茶セットは心配だが、使い魔に思念を飛ばしこの場の見張りを命じる。私の余力ではおそらく使い魔の気力を使う事になる。コンタクトを維持できれば良いが・・・。◆私には悲鳴は聞えなかったが、一時強化した足ならば少しはマシなはず。・・・状況が許せば一時撤退して来て欲しいところだが・・・何れにせよ、急がなければ!

 
たった数十秒の、致命的な遅れ。
マスターは、かく語る(8月22日)
    「ここ…だと思う。今はいないみたいだな」「ふぅん。どうする? このまま待つ?」洞窟のひとつ、その奥に数人の人影がある。無論、人影はヴォルネイが血眼になって探すリュリィらのものである。そこは,ミノタウロスの巣(というより、部屋と呼ぶほうが相応しいな、とリュリィは思った)になっている広間であった。▼「そういえば一度訊きたかったんですけど──」ミノタウロスが居ないことに安心したのか、マーサがレオに尋ねた。「どうしてそこまで思いつめた表情をなさるのですか?」「え?」確かにレオはそんな表情をしていた。「ん、ちょっとな…」「よろしければ話していただけませんか?」マーサは親身になって話し掛けた。都の神殿と違い、神の奇跡はご利益程度しか望めないような小さな神殿だったとはいえ、そして今は離れているとはいえ、彼女はノカの神殿の主であった。リュリィとメイは、耳を傾けた。「……最初の生贄は、俺の娘なんだ…。」「……レオさんて今何歳なの?」「そろそろ36だよ」「うそぉ、絶対に見えない!」「はは、みんなそう言ってくれるよ」▼概してエルアのような小さな村では、若い人間は少ない。生贄の話が出た時点で、最初の生贄が誰になるかは決まったようなものだった。「わたし一人が犠牲になれば、村の人みんなの生活が守られるんでしょ? だったらそれでいいじゃない」ターニャ(娘の名)は既に覚悟を決めていたようだった。その覚悟を決めていなかったのは父親のレオのほうだった。思いつめたような眼差しでレオを見つめるリュリィを見て、メイは思った(惚れたな…)。▼ふと、リュリィが入り口のほうを見た。そして云った。「あれ、誰?」時ならぬ休息の時間は終わりを告げた。広間の入り口に巨大な人影が立ちふさがる。筋骨隆々とした男の太もも。割れた腹。太い刺のついた棍棒とそれを軽々と持ち上げる腕。それらを繋ぐ盛りあがった肩。そしてその上にあるべき頭は、人間のものではなかった。その眼が赤く輝いている。「…あ…あ……」牛頭神──どこかの田舎でミノタウロスがそう呼ばれていることに、メイは今更ながらに思い当たった。

 
さぁ、おてんば姫様達を助けに行くぞ!
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    穴の中に娘達が入った事は確認できた…それに娘達以外に何かがいると言う事も…◆足跡を更に詳しく調べようとしたカイルに言う。…一刻の猶予も出来ないだろう。娘達がその何かと鉢合わせしない内に追いつこう…っと、その前に一応念の為…◆俺は周りに気配を巡らせる。先ほどのおかしなモノの例もある。尾行者がいないか確認して、俺は穴の中へ入っていく事にした。後続の者たちへの目印を穴の入り口に置いて…

 
インプ巾着、一丁上がりにょ☆ ・・・にょ?
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日後続組)
    ◆突然何かと思えば・・・。おじさまが投げた物と対象を認識し、咄嗟にフォーリング・コントロールの呪文を唱えた。このインプがもし、使い魔ならば・・・今殺すのは色々と惜しい。◆「ちょっと気になる事もあるので、アレの捕縛は私がやりましょう。ブランおじさま方は先をお急ぎになって下さい。処理が済み次第、追い掛けます―――指輪をお持ちですよね?」などと言い、捕縛の為の道具一式を借り受け一先ず見送った。さて・・・。◆結構面倒な作業ではあったな。まあ、これならば仮に、直に鍋に突っ込んだとしても大丈夫だろう。尋問を考え仕方なく猿轡は諦め(こ奴も暗黒魔法を使うはずだが、抗しきれば打ち消せるクラスの邪術の使用に留まったはずだ)、頭だけ出した状態で袋詰めにしてあるのだ。さしずめインプ巾着と言ったところか。「さて、追いましょうか」◆こ奴が見張りだとすれば、かなりの確率で使い魔のはず。気力は惜しいが、魔術の実験台として考えれば良い。そう考え、最近覚えたタングを使って見た。理解する対象言語はインプ語である。◆後続に残ったメンバーからの質問をインプに向けつつ、先発組に追い付けるよう早足に進む。しかし・・・◆「ぼくなんにもしらないにょ。おにいさんたち、どーしてぼくをいぢめるの?」「フ・・・素直な良い子にしていれば“君の命は”奪いませんよ。さ、主人は誰なのです?」「ぼく、しゅじんなんかいないにょー。」「ほぅほぅ・・・。では、何故私達を尾行・・・もとい、見ていたのです?」「なんかいそいでるからみていただけだにょー。みちゃいけなかったにょ? もうみないからたすけてよー」「ふむ。ところで君、どこに住んでいるのです?」「ぼく、いんぷ。すきなところにすんでる」―――こんな調子で尋問は進んでいたのだが。「ふみゅ。それ以外には何かあるかにゃ?」・・・にゃ? ・・・ひょっとして伝染ったにょ? ・・・。◆盛大に咳き込むこと一頻り。「いえちょっと喉がいがらっぽくなりまして・・・。他に質問のある方は? あ、はい。ユルゲンさんどうぞ」まさかインプ語の侵略と戦う羽目になるとはな・・・。タングも使う相手を考えねばならんか。紅茶飴を口に放り込みつつ、冷汗を拭う。「話を聞き終わったら飴あげますからね。さて、君の一番仲の良いトモダチは誰です?」

 
メンバー分離
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    ●インプの後始末をするメンバーと先走るブランに付いていくメンバーに別れる・・ちょうど半分4人ずつに・・でも、ハインさんこっち・・捕縛側に残ったし・・ブランさんが突き進むの誰も止めれないのではとも思ったけど・・ま、なるようになるかな・・●ハインさんが手際よくインプを縛り上げて・・・で、言葉は・・分からん・・ハインさんが『通訳』の魔術を使えるらしいので・・とりあえず、それをもってハインさん経由で話を聞くことになるかな?●あ、でも、あんまりゆっくりしてるよりはちゃっちゃと進んだ方がいいよね。とりあえず・・歩いて追いながら尋問かな・・・

 
イノシシの暴走
フュリシャス=トゥース=サリュート/RAY ZARDは、かく語る(8月22日)
    まったく……やつはイノシシか? いくら心配といっても、もう少し冷静な判断ができんものか。ボーラを投げるだけ投げて、ずんずんいってしまったその背を見てオレは盛大なため息をついた。ああいうのは、疲れる。「ハインは尋問をやりたそうだが、あのおっさんは一人でずんずん進んでるし……。二手に分かれるか?」何があるかわからないから、オレは尋問する方に残るか。他の奴はどうするんだ?

 
なんだ?鬱陶しい奴だな?
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    誰かが俺の耳元で囁く…ん?なんだ?…なんか上空からこっちを見てる奴がいる?放っておけ、そんなの…やっぱり気にかかる?ちっ、しょうがねぇなぁ…俺は腰のボーラを取り、上空の相手に放り投げる…ボーラはしっかりと相手に巻きつき、そのせいで飛行できなくなった相手はそのまま地面へと落下して行く…ふん、これで良いか?…そいつをなんとかしたきゃロープとかも貸してやるから誰か行け、俺は先に行く。娘が心配だからな…そして後ろも見ずに先へと進む…◆暫くして山肌に幾つかの横穴が相手いる地点に辿りつく…娘達の足跡はそちらの方へと進んでいる…うげ、あの中のどれかに入ったってのか?くそ!手分けして探すしかないか…ほどなく、娘達が入ったと思われる穴を見つけた…ここか?くそ!もう中に入っちまってる!…非常に問題なのは足跡が娘達のものだけでは無いという事。追いかけてきた娘達の足跡とは別種の足跡があるということだった…

 
村〜合流〜そして・・・
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日朝〜昼過ぎ)
    ●エルア村・・情報収集を行って早く前に追いつかないと・・「ヴォルネイって人を知ってます?」・・なんか嫌な顔をしてる・・ブランさん・・何かやらかしたのか・・・じゃああの男性に・・「すまんが、ヴォルネイってやつを故あって追ってるんだが知ってるか?」・・お、ありがとう、・・こんなにぺらぺら喋ってくれるとは思わなかった・・半分怒りの言葉だったのがなんともいえなかったけど・・とりあえず目印と方向は分かったし・・でも、何人かに聞いたけどミノタウルスについてもメイちゃん達についても何も無し・・メイちゃん達は寄らなかった可能性があるから別としても・・ミノタウルスまで隠すのは・・何かあるのか?●とりあえず、馬は預けてと・・さて、追走開始だ!●目印は・・在った、OKOK間違えてない・・しかし、ブランさん・・焦りから前に一緒に冒険した時より荒っぽくないか?こんな調子なら結構速くに追いつけるかも・・●ん?なんだい?カイル・・気配を感じるって?そうか、もう追いつけたんだ・・●あ、やっぱりブランじゃないか・・やっと追いつけたよ。えっと・・あ、ハインさん、前に一度お会いしたことありましたよね?確か・・微笑み亭で。えっと・・そちらは・・ユルゲンさんっていうんですか、始めまして。●で、始まった情報交換・・といっても、こっちはかなり後方から情報収集を最低限にして追いかけて来たんだからほとんど聞くばっかりなんだけど・・・しかし、チャ・ザ司祭?の悪口をそこまで言われると気分悪いな〜自分もサティンもチャ・ザ司祭なんだよ・・少なくとも自分がチャ・ザの癒しを使えることはブランさん知ってたと思ったけど・・ま、父の怒りは何物にも勝るってとこかな・・●でも、確かにそのチャ・ザ司祭の行動、変な感じはするね。会ってないからなんとも言い切れないけど・・警戒はしておいた方がいいかな?まだ激昂おさまらないブランの元を離れ、冷静そうなハインさんにチャ・ザ司祭のこと聞いてみたけど・・やはり妖しいようだ・・しかも口止めされた村人・・唯一情報を語ってくれたという老人には自分達は会わなかったけど・・最悪の場合は・・いや、今はメイちゃん達を助けることを優先に考えよう・・●さて、こうして話を聞いてる間に息も整ったし、まだ日暮れには早いしね。追いかけようか。とりあえず・・これを見たら・・川下の方へ向かったのかな?●さて、頑張って行こう・・メイちゃん達がミノタウルスに出会う前に追いつかないと・・

 
合流
”閃光”カイル・マイストは、かく語る(8月22日)
    …ヴォルネイに追いつく。アーヅェルハインもいたのか。…あと、知らない奴…ユルゲンというそうだ。…ヴォルネイに一言言っておく…「…村での評判、悪すぎ」…下手をしたらミノタウロスより悪いのではないか? …まあ、どうでもいい…ユルゲンが、追跡は専門家にまかせると言うのだが…屋外は専門ではない。…やるだけやってみるか。幸い、シルフェスもフュリシャスも野外活動は慣れているようだしな…。

 
合流
ユルゲン・クリストフは、かく語る(8月22日)
    ◆ふむ。RAYZARDの面々と合流できたせいで、大分大人数・・・もとい、メンバーの層が厚くなったようだ。あとはミノタウロスを退治する・・・かどうかはともかく、乙女たちの救出をすればいいわけだな。・・・さて、ここからは追跡かね? ならば専門家に御任せしよう。

 
良かった…まだ無事だったか…(感涙)…
ヴォルエイ・ブランは、かく語る(8月22日昼過ぎ)
    森に入ってからの探索は思うようにはかどらなかった。土地に不慣れな事と何よりミノタロスの痕跡らしい痕跡が村の近辺で見つからなかった事が原因だろう。焦る気持ちばかりが大きくなる…22日も昼になった頃だった。水の補給と小休止を取ろうと思い、近くの水辺へ行った。そこにはまだ新しい野営の後があった。…!…俺達は小休止の前に野営後を調べる事にした…◆まだ暖かい。遅く見積もっても今朝まではここで誰かが居た。それにこいつは素人だな。火の始末や何やらが大雑把過ぎる…付近の足跡も調べる…あった、少なくとも数人?その殆どが小さな足跡…間違いない、娘達が今朝までここに居た!…良かった、無事だったか…思わず瞳から涙が零れる…目撃された娘達の絨毯は数人が乗る程の大きいものだ。この樹の茂った森の中では使えないはず…足跡を辿っていけばこういった所に不慣れな娘達なら直ぐに追いつける!…今回、俺の心に初めて希望の明かりが灯った…◆その時だった。微かに何か金属の擦れ合う音が聞こえたのは…なんだ?…緊張が走る…ハインに近づき簡単に事情を説明して付近の木陰に身を隠す…何者だ?…近づいてくる足音からして娘達ではない。規則正しい歩調。こういった所に慣れている証拠だ…◆やがて野営後に現れたのは数人の武装した一団だった…木陰から音を立てないように観察する…武器や鎧に統一性がない。正規の兵や何処かの組織の者という訳ではなさそうだな。御同業…か?厄介だな…しかし新たに現れた冒険者の一行、その中に見知った顔を見つけた…シルフェス?シルフェスか?それにお前さんはたしかカイルとか言ったか?お前達、なんでこんな所に?…◆お互い知った顔があることで張り詰めていた緊張が解けた。…それじゃあ、お前達も娘達の捜索に?…シルフェス達に話を聞くと彼らもまた、ハインと同じようにパーカーのオヤジさんの張り紙を見て飛んできたと言う。今朝早くに村につき俺達が既に森に入った事を知って自分達も直ぐに森に入ったらしい。初めての森の中ここまで順調に来れたのは俺達が残していった目印を頼りに来たからだと言った。◆因みに、俺達が近くに潜んでいる事はシルフェス達にも分かっていたらしい。何だ知ってたのか?ま、そっちにはその手の本職がいるからな…そう言ってカイルの方を見やる…◆取りあえず(こっちにとっては予期せぬ)合流によって得た仲間との出会いを喜ぶのは後回しにし、早速彼らにも野営後を調べてもらう。その間にシルフェス達と双方の情報交換を行った…その場で俺は特に、村に居たチャ・ザの司祭について散々悪口を言った。…だってそう思うだろ?村の存亡に関わるかもしれないのにミノタウロスを放置したり、そのせいでうちの娘まで巻き込まれたんだ。更に同行を願い出たら人名命がかかってるってのに呑気に「今日は用事が有りますので明日なら…」だぞ?俺の娘が死んでも良いってのか?ふざけるな!おまけに「同行するなら金をよこせ」と来たもんだ。そもそも自分達の村の問題だろうが?逆になんで自分から「微力ながら私も同行させて頂きます」って言わねぇんだ?そのせいでうちの娘が巻き込まれてんだぞ?こっちゃ言わば被害者なんだぞ?くっそ〜、話してたらまた腹立ってきた…村の連中も全員一様にミノタウロスの事は口を閉ざしやがるし、くそっ、俺達が退治してくれるかも知れないって期待があれば逆に進んで頼み込んだり情報を喋ってくれるのが普通じゃねぇか?あ〜、頭来る…村の連中に構ったせいで一日以上浪費しちまった。村なんざ無視すりゃあ、時間的にここで娘達を捕まえる事が出来たかも知れねぇってのに…◆おっと済まねぇ、感情的になっちまった。落ち着かなきゃいけねぇとは分かってるんだが娘の事となるとどうしてもな…んで、どうやらここで娘達は昨日一泊したらしい。まだ日は高いから足跡を追いかけていけば日暮れ前には捕まえられると思うんだが?

 
疑念を裡に・・・
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月22日昼過ぎ)
    ◆あくまでも簡単な手の掛らないものだが、目印を付けつつここまで進んで来た。“それらしい”痕跡を追うのは、心得のあるらしいブランおじさまにお任せであった。このキャンプ跡に辿り着いた今、日はやや天頂を回っている。◆「ここで水浴びでもしたのでしょうか? 年頃の少女が二人も居れば、自然な行動とは思いますが」跡地周辺を確かめに使い魔を飛ばしつつ、私はどうも落ち着かなかった。村では少女達の話は聞けなかった。時間的には着いていておかしくない―――ならば、拠点を無視して直接ミノタウロス退治に向かったか。おじさまが焦るのは解るが、それにしたところで村人への接し方は誉められた物では無かった。割と手加減無しだった辺り、私も激昂していた様だが。◆化け物が現れたにしては、村人の態度は不可解だった。一様に『知らない』とばかり言う者達の中、一人だけ語ってくれた老人が居た。何でも口止めしたのは、村の神官だったらしい。同行を頼んだ時、当の神官氏は用事があると言ったが・・・口止めの事と言い、どうも妙だ。代価を要求するのはまあ良しとして、センス・エネミィに反応したかも知れんな、あの男。『何故、貴方が案内できるのですか?』―――明日ならばと断られた時、反射的に私はそう考えた。◆「追えそうですか?」努めて平静さを保った声音で問う。ブランおじさまに熱くなられ過ぎては困るのだ。僻村とは言え一つの集落であれだけの影響力を持つ以上、奇跡は使えるのだろう。だが、奇跡には二つある。神聖魔法と、光の神々が禁忌とした暗黒魔法が。まさかとは思うが、な・・・。あの台詞を飲み込んだのは、果たして正解だったのだろうか?

 
疑念を裡に・・・
“黒影の闘衣”アーヅェルハイン(ハイン)は、かく語る(8月23日昼過ぎ)
    ◆あくまでも簡単な手の掛らないものだが、目印を付けつつここまで進んで来た。“それらしい”痕跡を追うのは、心得のあるらしいブランおじさまにお任せであった。このキャンプ跡に辿り着いた今、日はやや天頂を回っている。◆「ここで水浴びでもしたのでしょうか? 年頃の少女が二人も居れば、自然な行動とは思いますが」跡地周辺を確かめに使い魔を飛ばしつつ、私はどうも落ち着かなかった。村では少女達の話は聞けなかった。時間的には着いていておかしくない―――ならば、拠点を無視して直接ミノタウロス退治に向かったか。おじさまが焦るのは解るが、それにしたところで村人への接し方は誉められた物では無かった。割と手加減無しだった辺り、私も激昂していた様だが。◆化け物が現れたにしては、村人の態度は不可解だった。一様に『知らない』とばかり言う者達の中、一人だけ語ってくれた老人が居た。何でも口止めしたのは、村の神官だったらしい。同行を頼んだ時、当の神官氏は用事があると言ったが・・・口止めの事と言い、どうも妙だ。代価を要求するのはまあ良しとして、センス・エネミィに反応したかも知れんな、あの男。『何故、貴方が案内できるのですか?』―――明日ならばと断られた時、反射的に私はそう考えた。◆「追えそうですか?」努めて平静さを保った声音で問う。ブランおじさまに熱くなられ過ぎては困るのだ。僻村とは言え一つの集落であれだけの影響力を持つ以上、奇跡は使えるのだろう。だが、奇跡には二つある。神聖魔法と、光の神々が禁忌とした暗黒魔法が。まさかとは思うが、な・・・。あの台詞を飲み込んだのは、果たして正解だったのだろうか?

 
決戦の朝
レオは、かく語る(8月22日早朝)
     「きゃーっ」リュリィのよく透き通った悲鳴が森閑としたあたりに響き渡る。「きゃーきゃーきゃ〜っ」これはメイの声、それにマーサの声も入っている。それに水の撥ねる音もだ。8の月、第22の日、早朝。3人の娘は滝壷で水浴びをしていた。その音を背景に、レオ氏はぼんやりと考えていた。本当にこの3人で大丈夫なのだろうか……。俺は、何かとんでもない間違いを犯しつつあるのかもしれない……。では、俺には他に取るべき選択肢があっただろうか。あの暴漢に金を取られた時点でエルアの村を捨て、どこかへ流れるべきだったのだろうか? 俺が生まれた村。俺が育った村──。故郷──。俺の最後の安住の地──。「もうこっちを向いてもいいわよ」。後ろから声がかかり、俺は振り返った。リュリィ──と3人娘は、もう身支度を済ませていた。「ここって良いところよね。とてもきれい」「でもねぇ、まさか地元の人が道に迷うなんてね〜」。面目ない。「それより、目的地はこの河をくだって行けばいいのね?」目的地──ミノタウロスの住処──。本当に案内しても良いものだろうか。少しばかり躊躇したあとに答えた。「ああ、もう間違いない」「本当に?」メイが訊いた。俺が躊躇した原因を自信のなさと見誤ったのであろう。「エルアン河を下れば風穴が沢山空いた崖に行き当たる。その中のどれかひとつだ。そういつまでも道に迷っててたまるか」。みんな笑っていた。──叶えてくれるのなら誰でもいい。神よ、この笑顔たちが失われざることを。▼ヴォルネイがこのキャンプ跡を見つけるのは、昼過ぎのことである。

 
到着・・
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月22日朝)
    ●早朝・・まだ薄暗いうちより必死に馬を走らせて・・なんとかここエルア村にこんな朝早くにたどり着くことができた。最後だということで少し飛ばして・・馬にはちょっと悪かった気はするけどね・・●さて、自分達が遅れて到着しているのは明らかだし、メイちゃんたちだけでなくブランさんとかももう行動を起こしているだろう、早くその手がかりを得て追いかけないと・・・●あ、そうだ、この馬、借りて来たものなんだし、誰か預かってくれる場所も探さないといけないな・・・

 
一応もう一度だけ…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日)
    司祭に会った後、俺達はもう一度聞き込みを行った…だが俺達が村人にミノタウロスの事を尋ねても彼らは何故か皆一様に「私は何も知らない」と繰り返すばかりだった…明らかに何か知っている…俺は一人の村人の胸倉を掴み、凄みを利かせて言ってやる…「悪いが俺の娘の命がかかっている。お前さん達がなんで一様に口を噤んでるのか知らんが、話してくれない事で娘を助けられなかったら…俺はお前さん達の事を許してはおかん。その事は覚えておけ!…」…そのまま掴んだ奴を突き飛ばし、「こんな連中に何時までも時間をかけてられん。この際、時は黄金より貴重だ。何とか自分たちで痕跡を見つけて追うぞ!」…そうハインに言い、俺は森の方へと進んで行った…◆そういや、あの司祭、うちの娘よりも大事な用事があるとか抜かしやがったな。許さん!…

 
暗闇の中で──
GMは、かく語る(8月21日)
     (チャ・ザ司祭?の視点から)レオめ、面倒なことを。やつも処罰せねばなるまいな…。戦士と黒い魔術師が去った後、私は一人呟いた。それよりも、ついさっき出来た今日の仕事を片付けなくては。▼日が暮れてから、私は村の外れ、オルトー(ヴォルネイ等が遭った老人)の家へ向かった。▼「ミノタウロスのことをしゃべるなと言っておいたのに、あなたはしゃべってしまいましたね」「……。」老人は黙って剣を持ち出した。なるほど、昔は以前は傭兵だったというのは本当らしい。「私はおしゃべりは嫌いですよ」オルトーが剣を抜いた。ふふん、小癪な。「我が主は曰く、人間に光は不要なり」「ぬおおっ」突如、オルトーの動きが怪しくなった。それは我が神に光を奪われたからにすぎない。「死になさい、オルトー。死んで償いをするのです」▼(オルトーの視点から)突然、わしは暗闇に覆われた。「死になさい、オルトー。死んで償いをするのです」「黙れ、若造が!」。わしは吼えた。まだ若かりしころ、いくつもの戦場で相手を威圧した一喝である。だが、若造はおびえる様子もなかった。「おやおや、反省の色が見えませんねぇ。仕方がありませんね」。直後、わしは何も考えることが出来なくなった。ただうすぼんやりとした意識だけが残っていた。「さあ、歩きなさい」「そのまま歩いて行くのです」「左に曲がりなさい」「右に曲がりなさい」。「そう、そのまままっすぐに」薄い意識の中で、わしが思ったことは、このまま進めばそこは崖だと言うことだった。「そうです。そのままずーっと真っ直ぐに進むのです」。浮遊感──衝撃──

 
落ちつけ、落ちつけ…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月22日(PL補足:もしかしたら21日かも…))
    何?チャ・ザの司祭がミノタウロスの事を知っている?!よし、行くぞ!…◆司祭の話を聞いてわかった事は、ミノタウロスは村の東に広がる深い森からあらわれると言う事だった。…話を聞いている間、俺は自分自身に対して冷静になるのに苦労した。しかし、流石にそろそろ少しは頭を冷やさなければ…これからは一瞬の判断の誤りが命取りになる…◆司祭の話が終った…よし、すぐに行くぞ!…しかしハインに裾を掴まれ止められる…ぐぐぐ、まだ何か止めるのか?この人に回復役として同行を願ったらどうかって?…(しばし黙考)…たしかに何かあった時に司祭様がいてくれると何かと心強いが…済まないがハイン、また交渉を頼む。俺はダメだ、まだ冷静じゃない。こんな状態じゃ話を拗らせるのがオチだ…ハインの交渉の是非に関わらず、話が終ったらすぐに発つぞ!…おっと、忘れる所だった、ハイン、ついでにミノタウロスの住処が知っている者がいるか聞いてくれ、居るならなら近くまでの道案内を…居ないなら…村で一番腕の良い狩人を紹介してもらってくれ、それに…そいつが最後に現れた場所を教えろ!デカイ図体らしいからな、奴の痕跡から住処を暴き出してやる!待ってろよ、リュリィ!必ずお父さんが助けるからな!!

 
香に包まれて
シルフェス=ローレライ/RAY ZARDは、かく語る(8月21日夜)
    ●安眠のお香を炊きはじめ周りを安らかなる空間へと変えていく・・疲れ果てた馬達はすでに深き眠りにつき・・その上、天高くには星煌く・・●あともう少し頑張ればエルア村へ着けたかもしれないけど、借りた馬なのだから潰すわけにもいかず・・目的の村を目前にして休息へと時を移す・・焦る気持ちを抑え、2人の少女の無事を祈りつつ、自ら為すべきことを為すために行動に移る・・そう、力を回復するためにこの疲れ果てた身体を横たえる・・●明日の午前中には村へ着けるだろう・・張り紙を見て行動を起こした自分達と違ってブランさんのことだから、たぶん先に着いてることだろう・・他にも何人かいるかもしれない・・うまく合流できて情報を教えてもらえるといいけど・・・・

 
村に極悪山賊登場するの巻…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月21日)
    おい貴様!娘を出せ、出せば命まではとろうとは言わん、さっさと出せ!出せ!出せぇぇ〜!!逃げるなぁ〜!!◆目的地に到着してからずっとこの調子である…くっそ、なんでだ?なんでなんだ?…お?新しい村人発見!くぉら!そこのお前!うちのリュリィを何処へやったぁ!!…(ゴスッ!)………〜っぅぅぅ!なんか今、星が見えたぞ?…どうやらハインが俺の荷物から剣を取り出して鞘ごと俺に殴りつけたらしい…自分の武器の痛みというものを初めて知った…ってか、いきなり何すんじゃい?!…あん?何度も呼んでるのにアッチの世界に行って帰ってこないからこちらの世界に戻しただけだって?訳わからん事言うな。分かるように言え。あん?黙って人の話を聞け?なんだ、初めっからそう言え。でなんだ?え?何?娘達はミノタウロス退治に来た筈だからそこに行けば会えるだろうって?うん、そうだな、確かにハインの言う通りだ。と言うわけでそこのお前、ミノタウロスのいる場所をとっとと言え、知らないだと?知らないで済むと思ってるのか?おら、きりきり吐け、吐け!吐…(ゴスッ)…またいきなり殴ったなぁ!!(涙目)…(中略)…そんなこんなでなんでか知らんが娘達とミノタウロス云々、それに最近の情報なんかの情報収集は全てハインが行う事となった…ハイン曰く、「貴方に任せてたら集まるものも集まらない」だそうだ。失敬な、単に娘の安否が気がかりで、ちょ〜っと冷静でないだけじゃないか。

 
3日目…
ヴォルネイ・ブランは、かく語る(8月20日)
    ◆…先日、飛ばしてきた馬が潰れた…まだ先が長いと言うのに…慌てて代わりの馬を探したが流石に都合良くすぐには見つからない…と思ったら宿の女将がこちらの事情を聞き入れてくれて貸してくれる事になった。ただし、決して潰さない事を条件にだが…おれは例を言い、ついでにとあるものをリファールまで届けてもらうように頼んだ。中身は馬を潰してしまった詫びの手紙とその代金である…◆その後、夜も遅かったので宿で一泊し、翌朝早くに出発した…◆俺が代わりの馬を探すのに奔走して忘れていた情報収集はハインが行ってくれていた。助かる。今回も詳しい事は馬上で聞く事にする。今度の馬は他人の好意で貸して貰えたものだと言う事と、先日、ハインと名乗る魔術師を追加したため、今度は潰さぬ程度に馬を飛ばす。速度は落ちたがそれでも徒歩よりは遥かに早い。だが、娘達は既に村に着いているだろう。焦る気持ちを押さえながら俺は馬を走らせた。

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管理:ジャック天野
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