七人の冒険者

 
七人の冒険者/顛末
ラディオスは、かく語る(4月9日夕方)
    ★「ふぅ・・片付いたみたいですね」僕は抜き身のショートソードの血をふきとってこう言ったよ。本当はあまり闘うのって好きじゃないんだけどね。まぁ、偶には良い運動になったかな(ニヤ)★称賛の言葉と共に村を出た僕らの元には一振りの魔剣と一巻のスクロールが残った。魔剣は村長からの御礼として、スクロールは山賊の副首領がおいていったんだ。まぁ・・僕はトドメをさしても・・っと思ったんだけどね。結局情けない山賊の姿をみていたら・・・まだまだ甘いかなぁ・・。★リファールへの帰り道、魔剣を興味深そうに弄っていたキースさんがこんな事を言ったんだ「どうやら私には軽すぎるな、どうだい?ラディオス君が使ってみないか?」・・・でも僕はゆっくりと緑の髪をゆらして首を横に振ったんだ。僕は自分で振るうより誰かに振るってもらうほうが好きなんだ(ニヤ)★僕はその剣をキースさんから受け取るとシーリスさんに手渡したんだ。「この剣、きっと貴女の役にたってくれますよ♪貴女の信じる道に光の神々の加護があらん事を」★「あ〜。リファ〜ルが見えてきましたよぉ!早くいきましょうよぉ〜」そう言うと僕はニコさんと一緒に町へと駆け込んでいったんだ。

 
七人の冒険者/GROWING UP!
ニコは、かく語る(4月9日)
    「いんじゃないです?少なくとも、あの村の英雄には成れたわけですし♪」帰りの道すがら、シーリスさんに声をかける。そう僕たちはあの村の人たちにとっては英雄なわけだ。誰が欠けてもあれほどの規模の山賊団を壊滅させることは出来なかっただろう。英雄なんだ。僕たち全員が。それで良い。僕は自分自身にも言い聞かせた。役に立てなかったなんて思わないことにしよう。精霊の力を借りてやったことも、僕が精霊達に指示した結果なんだ。アレックスさんに言われたとおり、これも一つの”力の形”なんだ、と。

 
七人の冒険者/帰路での回想
アレックス”スマートな”ソーニーは、かく語る(4月9日夕暮れ)
    リファールへの帰り道で俺は昨日の激戦の事を思い返していた。事前に渡された魔晶石を使い切り、意識が朦朧とするくらいまで何度「眠りの雲」や「魔法の矢」の呪文を唱えたろう? 気がつくと杖と短刀を両手に持って返り血を浴びて死体の山の前で吐いていた。たったこれだけの人数で俺達はあれほどの数の山賊を相手にして勝ったのだ。しかも一人も死者を出さずにだ。その後、例の魔法使いが遺失魔法を条件に命乞いをしていたな。俺はこれ以上殺す必要は無いと思って勝手に巻物を受け取ってしまったが、あの時、誰かがなんか言っていたような気がしたが…その後の記憶が無いんだよな(^^; どうやら気絶したらしい。「それでも巻物を握り締めているんだもんな、あきれるよ」気がついてからラッシュにそんなことを言われたっけ? 確かに我ながらあきれるな。リファールについて落ち着いたら二人でこの魔法を研究したいものだ。帰りにぎわに俺達に村長が魔剣を渡してくれる。お礼の意味も強いが今回の原因でもあったこの魔剣を処分したいのだろう。平和な村にこんな武器は無い方が良いかもね。ああ、リファールが見えてきた。「リファールについたら宴会だな。」「仕事の報告が先だよ。」「もう、相変わらず堅いんだから(笑)」みんなのとりとめの無い会話を聞きながら何故かほほが緩んでしまう俺だった(^^)

 
七人の冒険者/
シーリスは、かく語る(4月9日昼、8日回想)
    戦闘は激しかったが、山賊はなんとか全滅することができた。神官が三人もいたこともあって、重傷者を出す事なく依頼を完遂することができた。このことは喜ぶべきことだと思う。村での歓待もその事のあらわれだろう。「シーリス、いい戦いっぷりだったぜ。何を悩んでるか知らんが、自分が良かれと思うことをやってれば悩むこともないもんだ」酒宴の最中タイラムが声を掛けてきてくれた。私もそう思う。結局のところ自分自身の事で、私がかってに悩んでいたに過ぎない。私はこの日神官になって初めて酒を口にした。少し涙の味がした。少し大人になった気がした。

 
七人の冒険者/リファールへの帰還
「黄金仮面の」キースは、かく語る(4月9日夕刻)
    ■やっとリファールが見えてきた。やっとこれで一仕事終わった・・・そんな気分になる。村人の安全を確保できた事に満足をおぼえつつ、軽い足取りで我々は街へ歩いていく。■「しかし、皆無事で仕事を終えられて、なによりでしたな。」「そーですね♪魔剣なんてオマケも手に入ったし♪」「村長も義理堅いよなあ。こっちから言い出さなかったのに、出掛けに渡してくれるんだもの」「誰が預かることになったんだ?」「街に帰ったら、宴会かな?」皆の喋り声も明るい。■ふと、山賊の首領バーンナックルのことが思い出された。戦いの後、レクイエムの呪歌で簡単に葬儀をしてきたが、それでも不死怪物になって出そうな執念だったなあ・・・。他の山賊達も、奴らの自業自得とは言え、何人も殺してしまったし・・・せめて帰りついたら神殿で祈りをささげてやろう。奴らを倒したことは間違いだとはさらさら思わないが、私がもっとできた神官であったら、奴らをも救うことができただろうか・・・。■「キースさん、なに難しい顔してるんです?」「・・・仮面つけてるのに、よくわかったね(汗)」「やだなあ、カンですよ♪」うむ、考えすぎるのは、良くないな、うん。今は仕事を完遂した喜びにただただ浸っておこう。さあ、街までもうちょっとだ。「リファールについたら宴会だな。」「仕事の報告が先だよ。」「もう、相変わらず堅いんだから(笑)」

 
七人の冒険者/宴のあと
"幸薄き"タイラムは、かく語る(4月9日朝方・昨日の回想)
    ■山賊を殲滅した俺たちは、意気揚々と村に引き返した。シーリスとキースが癒してくれたおかげで、皆ぴんぴんしている。考えてみれば、何倍もの人数を相手に、一人の重傷者もいないというのは凄い戦果だ。「これでチャレンジャーズの名も上がるってもんだよな」仲間に軽口をたたきながら、帰途につく。■翌日の朝から出発する、と聞いて、村の人々は総出で宴の準備をしてくれた。夕方から始まった宴は、いつ終わるとも知れぬ、村人たちの喜びで満たされていた。■・・・人助け、か・・・。悪くない感じだな。ふっ、と感傷的になった自分に気づき、苦笑する。「シーリス、いい戦いっぷりだったぜ。何を悩んでるか知らんが、自分が良かれと思うことをやってれば悩むこともないもんだ」感傷を振り払うように、俺はシーリスに話し掛けた。■村娘の一人が踊りを披露する、と言ってたき火の前で舞い始めた。静かな、しかし喜びに満ちた舞。俺はキースに耳打ちをすると、ハーモニカを取り出した。銀のハーモニカ。市場で、まさに偶然手に入れた逸品だ。今はすっかり俺のお気に入りとなっている。舞にあわせるように静かな調べを響かせる。それに同調してキースのハーモニカも鳴り出した。村人たちもいつのまにか静まりかえり、娘の舞を見つめている。■舞が終わり、娘がぺこりと礼をすると、宴は再び喧燥を取り戻す。娘に口笛を投げかけるものもいれば、何事もなかったように隣人と歓談するものもいる。今のこの村ほど平和の二文字が似合う場所はなかろう、と何の根拠もないことを考えてしまう。俺は自らが平和にすごすことを望んではいないが、こういう人々を見ると、なんとなく嬉しくなる。もっとも、俺は人助けを生業にする気はない。世の中の遺跡という遺跡を踏破するという、途方もない目標があるのだ。ただ・・・たまにはこういう気分も悪くないな、と考えてしまう自分も、確かに存在した。報酬の魔剣のことを思い出しもしなかったのが、その証拠だろう。■朝、俺たちは村人たちに見送られながら村を出た。夜にはリファールにつくだろう。明日からまた、遺跡をもとめて冒険を続けることになる。そう思うと、胸が高鳴りこんなことを考える。俺はやはり、遺跡荒らしなのだ、と。

 
七人の冒険者/奇襲
銀の瞳のラッシュは、かく語る(4月8日)
    戦いが始まる…本拠地ともなるとさすがに大人数だな…そんな事を思いながら俺は秘蔵魔法の「シャイニング」を発動させる。眩い光り煌き、山賊の集団がある者は視力を奪われ、あるものは目が眩み仲間達の手によって地面に転がった…ラサに貰った魔晶石の残量を確認しながら細心の注意を払い、仲間を巻き込まないよう「シャイニング」を解き放った…そして戦いは乱戦に移行した…◆山賊が散り散りに逃げたなか、例の男が気絶から目覚め命乞いをはじめた条件は遺失魔法の巻物だという…少し心が動いたが、この男を生かしておけば、もしかしたら盗賊団の再結成と言う事もありえるかもしれない…まあ、この男がその器とも思えないが…とりあえず俺としては上の判断を待つことにした…

 
七人の冒険者/戦いの果てに
ニコは、かく語る(4月8日)
    「これを預けておきましょう。ただし今回の奇襲作戦で使い切るようにしなさい。」出発前にラサ様が、魔法を使える者に魔晶石を配った。奇襲とはいえ敵の数は多い。だけどこれだけの魔晶石が有れば何とか成るだろう。何よりキースさんや、タイラムさんの戦闘力は並外れた物があるわけだし。●「大地の精霊よ!敵の歩みを止めよ!」戦闘が始まると僕は、敵の動きを次々に封じていった。アレックスさんの言葉を思い出す。『しかし、何もしていないというが精霊という人の手に余る存在の力を借りれるんだ。つまり…制御出来てるって事だろ? それが大切さ、魔法が制御できなくて滅びたという話はよく聞くだろ?』力を欲するばかりではダメなんだ。仲間達を信じて僕は彼らの役に立てるように動く。武器を持った仲間達は動きを封じられた山賊達を切り捨てていく。長い戦闘の末、魔晶石も使い切り僕自身の力も底をつきかけた頃、キースさんが雄叫びを上げる。足元には頭を潰された首領の死体が哀れに転がっていた。●ちりぢりに逃げまどう山賊達。あとに残ったのは死体の山だった。幸い僕も含めて仲間全員、大した傷は負っていない。「まだ息のある者が居るがどうする?」タイラムさんが死体の山から幾人かの生存者を見つけてきた。その中には例の参謀役の魔術師も含まれていた。

 
七人の冒険者/
"幸薄き"タイラムは、かく語る(4月8日朝)
    ■・・・俺たちは山賊たちのアジトにやってきた。取る戦法は唯一つ、奇襲。盗賊を先陣として見張りを片づけ、重戦車キースに扉を破ってもらって突撃を敢行、混乱に乗じてリーダー格の山賊を討ち取る。これがおおざっぱな作戦だ。■見張りの山賊を音もなく無力化すると、当初の予定通りキースが扉を破って侵入する。"勇精"の凛とした歌声が響くと、不思議と力が湧いてきた。これがうわさの戦の歌ってやつか・・・魔法ってのは便利なもんだね。キースの背後から躍り出て、俺は雑魚を相手にする。■ほんとは荒事は苦手なんだ、俺。最近戦いに慣れてきちまったけどな。まぁ、遺跡荒らしも蝿を払うくらいの力がないと生き残れないから、いい訓練になるよ。■もういくつの首を転がしただろうか、さすがにところどころに傷を受け、疲労の色が見え始めた頃、キースのメイスが山賊の首領を叩きのめしていた。首領を失った連中は慌てて退却をはじめる。その中には、村にやってきた痴漢どももいるようだ・・・逃げ足だけは速い・・・。■山賊は壊滅した。アジトに残ったのは、気絶している魔法使いだけ・・・。

 
七人の冒険者/山賊団駆逐
「黄金仮面の」キースは、かく語る(4月8日夜明け)
    ■山賊のアジトは、山の中腹にある、貴族の館を不法に占拠しているものだったな。こういった所にある貴族の館なら、砦としての機能も若干は備えているものだろう。気をつけなくてはな。・・・ラサ殿の『戦の歌』が響き渡る。体の隅々まで戦意と力が満ち溢れる。「おおお・・・!」私はときの声をあげて突進した。■山賊達は完全に不意をつかれたようだ。鎧もつけずに右往左往している者もいる。ラディオス君の判断は正しかったわけだ。「・・・さすがだな。」ふと呟きがもれた。彼はまだ若いのに、ずいぶんと頭が切れる。頼りになる仲間だ。シーリス殿は、そのやりかたにちょっとばかり引っかかるものがあったようだが、私は一番大事なことを見失わなければ、道を誤ったりする事は無いと思っている。■戦いは乱戦の様相を呈してきた。ふと、眼の端に首領の側近らしい例の魔術師がとまった。ひきつった顔で、メイジ・スタッフをふりあげている。呪文を使う気だ。「ッ!!ファリスよ!!」振りかざした掌から『気弾(フォース)』がほとばしる。魔術師は直撃をうけて倒れこみ、姿が見えなくなった。・・・死んだかな?たぶん生きてるとは思うんだが・・・まあ戦闘力は奪えただろう。私は次の敵へ向かった。■見覚えのある武者・・・馬に乗っていた男だろう・・・を叩き伏せた時、地獄から響いてくるような声が聞こえた。「・・・よくもやってくれたな、貴様ら・・・。この俺、バーンナックルが直々に貴様らを殺してやろう。ファラリスの元へでもいくんだな!」冗談ではない。私はファリス神の元へ召されるつもりだし、それはまだまだ先の予定なのだ。まだ私はこの世でやらねばならないことが多く残っている。■手にセスタスをはめた男・・・首領はゆっくりと私の左側に回りこむ。私の腕が無いほうから攻撃をかけるつもりなのだ。燃え盛る炎のような動きで拳の攻撃を繰り出す山賊団首領バーンナックル。なるほど、それでバーンナックルか。さらに武術の腕前は私より一段上のようだ・・・。油断はできないな。だが優位はこちらにある。もう山賊どもは混乱の極みに有り、駆逐されるか、首領を見捨て逃亡しつつある。そしてタイラム殿、ニコ殿、シーリス殿、ラディオス君、アレックス殿、ラッシュ殿・・・皆、多少の傷はあるものの元気で、こちらに気づいて駆け寄って来るところだ。ラサ殿の『戦の歌』も途切れることなく続いている。山賊団は崩壊し、我々の勝利はもはや動かない。いかにこの男、バーンナックルが奮戦しようとだ。

 
七人の冒険者/
シーリスは、かく語る(4月8日早朝)
    昨日山賊の副首領(本人がそういっている)がやってきた。彼は自分が山賊の首領になるために我々を利用する腹づもりのようだ。彼は自分が首領になればもう村を襲わないといっている。だが邪悪検知の呪文は彼の言葉が偽りであることを示していた。だがよりにもよってラディオスさんがその話に乗ると言い出した。あげくに他のメンバーも納得している・・・。「冗談でしょ?バカなこといわないで。」そういう私を後目に、山賊は悠々と帰っていった。正直な所、私はどうしていいのか途方に暮れていた。まさかそんな話、とうてい受け入れる訳にはいかない・・・。困惑した表情を浮かべていたであろう私に、ラディオスさんが耳打ちする。「さぁ、シーリスさん。これから山賊退治に行きますよ。早く仕度してきてくださいね♪」私は一瞬何のことかわからなかったが、しばらくしてやっと理解することができた。彼らには山賊の申し出を受けるつもりなど最初からなかったのだ。相手を油断させるためにああいったまでなのだ。結局のところ、ラディオスさんたちスカウトは、常にそうした世界に生きているということなのだろう。私にはとうていできない生き方である。早朝私たちは村を発った。もちろん山賊達を殲滅するために、である。私はあれからいろいろ考えた。だが結局、難しく考えることをやめてしまった。目の前に敵がいて、戦うことに自分の信じる正義がある。それだけで十分だ。だいたい神官が3人もいるのだ。前で戦っても問題内だろう。ラサさんの戦の歌が聞こえてきた。血液が沸騰するように戦意が湧いてくる。私はバスタードソードを握り直すと、戦いの中に飛び込んでいった。

 
七人のの冒険者/情けは人の為ならず
銀の瞳のラッシュは、かく語る(4月7日夜明け)
    一人部屋で魔道書を読んでいると女の悲鳴…外に出るとすでにタイラムとキースが山賊達と対峙していた。分かりやすい構図だな…いくらもしないうちに山賊は散り散りになって逃げ出した…やはり俺達が出るまでもなかったか…。◆これも祝宴というのだろうか…村の娘に囲まれている仲間を横目で見つつ、俺は昨日盗み聞いた魔剣の事を思い出していた…山賊を倒したら報酬として差し出してもいいといっていたが…もし貰ったら誰が持つ事になるのだろう…?そんな事を考えているとアレックスの仲間を呼ぶ声が聞こえた…何やらお客さんらしいが…◆山賊団の魔術師の去った後、俺達は山の中腹の山賊団のアジトへと向かっていた…全く、“一番星”の奴…勝手に話を進めやがって…もちろん反対はしないが…ラサの姐さんもそのつもりだった様だしな…。そのときラディオスがアジトを指差しながら小声でささやいた…さて…そろそろ気合を入れるか…

 
七人の冒険者/襲撃は朝焼けと共に
ラディオスは、かく語る(4月7日深夜 〜8早朝)
    ★山賊のボスが村を訪れた翌日、チンピラ気取りの下っ端山賊が何人か村を襲いに来たよ。まぁ、キースさんの一睨みで逃げて行ったけどね♪★夜になってみんながほろ酔い気分に浸っている頃、村外れの方でソーニーさんの呼び声が聞こえる。★僕が眠い目を擦りながらソーニーさんの元へと着いた時、そこには貧相な小男とパーティーの面々が集っていた。★小男とみんなの話しをまとめるとこうだった。★小男は今のボスに取って代わりたいと言う事、その為に僕達に協力して欲しいと言う事、そして協力すればもう村を襲ったりはしないと言うこと。★シーリスさんは頑なにそんな卑怯な行いに手を貸すわけがないと主張していたけど、そんな彼女を横目に僕はこう言ったよ。「本当にもう村を襲わないんですね?じゃぁ手を貸しても良いですよ♪明日の同じ時間、ここでもう一度落ち合いましょう♪」僕の言葉にシーリスさん以外の皆が肯く。★山賊の副首領はその言葉を聞くと満足げに帰っていったよ。一人不満げなシーリスさんを残して。★「で、ラディオス君、何時いくんだい?」小男の姿が見えなくなるとキースさんはモールを手にそう笑いかけた。「そうですねぇ、どうしましょうか?ラサ様」と、僕。ラサ様は「そうね、あんな姑息な連中に勇気ある戦いは必要ないでしょう。朝方、襲撃をかけましょう」と軽く笑顔で返した。★その言葉を聞いて心得たとばかりに動き出す皆。一人シーリスさんだけは何が起こったのかわからないみたいだったよ。僕はそんな彼女に近づくとこう話しかけたんだ。「さぁ、シーリスさん。これから山賊退治に行きますよ。早く仕度してきてくださいね♪」「えっ?だって今・・」「ふふふ、アレは嘘です。僕達が山賊なんかに協力すると思ったんですか?」「・・・」シーリスさんは嬉びとも怒りともとれる何やら複雑な表情を浮かべていた。しかし山賊許さず、と言うキースさんの言葉で少し安心したみたい・・・・やっぱり僕ってそんなに信用ないかなぁ・・。★「あそこが山賊達のアジトです」昨日偵察した屋敷を指差して僕は小声でみんなにそう言ったよ。

 
七人の冒険者/回想
アレックス”スマートな”ソーニーは、かく語る(4月7日)
    昨日はニコから精霊魔法についていろいろ聞かせてもらえた「僕は何もしてませんから。精霊達が戦ってくれるだけです。ただ僕はちょっと精霊達に呼びかけてその力を分けて貰ってるんです♪」なるほど、今までは精霊から力を引きずり出す魔法と思っていたが認識を改めねば…「しかし、何もしていないというが精霊という人の手に余る存在の力を借りれるんだ。つまり…制御出来てるって事だろ? それが大切さ、魔法が制御できなくて滅びたという話はよく聞くだろ?」俺は若き精霊使いにそう答えたんだっけな? ん?何やら外が騒がしいな…あ、娘さんが山賊に絡まれてるな。ああ、すでにタイラムがニラミきかせてるし…。「昼間っから節操のない連中には、少々やけどをしてもらわないと、ね。どう思う、みんな?」と、タイラム。「その通りですね。おもいきり熱い灸を据えてやりましょう。どおれ・・・」とヘビーメイスを手にするキース。みんなやる気満々だなぁ…。案の定すぐに山賊達は逃げていった。その後は分かりやすい展開、娘さん達に囲まれての宴会と洒落こんでいる。親御さんが別の意味で心配してそうだなぁ…。おや?ニコが出ていく。酔い覚ましかな? 俺もちょいと酔いを覚まそうと外に出るとニコが見張りの男と…暗くてよく分からないが誰かもう一人と何か話している。「おいニコ、どうした…!」「あ、アレックスさん。今この人が…」そう、そこにいたのは俺が最も警戒したあの魔術師だった。「これは…参ったね。おい、みんな! 宴会はこれでお開きだ。お客さんが来たぜ!」まったく、気が抜けない相手の来訪にせっかくの酔いも覚めちまったぜ!

 
七人の冒険者/
ニコは、かく語る(4月7日夕方から夜にかけて)
    「ふぅ・・・」昼間の一件で今日は夕方から女の子達に囲まれての宴になっている。まだ山賊退治もしてないのになぁ・・・ま、みんなは楽しんでるようだけど。●僕が席を離れ外に出るとちょうど村の見張り役が駆け込んでくるところだった。「ど、どうしたんです?」出会い頭にびっくりして質問すると、「実はこの男が・・」と言って後ろを振り返る。と、闇の中からこちらを見つめる人影があった。そこに立っていたのは昨日の襲撃で見かけた参謀役と思われる魔術師だった。「取引をしないかね?」男の口から発せられた台詞に僕の酔いは一気に醒めた。「首領を倒すのを手伝って欲しい。」

 
七人の冒険者/こういう輩は粉砕撃滅してしまうに限る
「黄金仮面の」キースは、かく語る(4月7日昼過ぎ)
    ■私が駆けつけた時には、タイラム殿たちと山賊の下っ端どもがにらみ合っているところだった。ちょうど、私は山賊の後ろから・・・ちょうど退路をふさぐような形で現場に到着してしまった。「おぬしら、いい度胸だな。真昼間から婦女子に無礼をはたらこうなど」いや、真昼間じゃなければいいという事ではないが。念のため。■。「昼間っから節操のない連中には、少々やけどをしてもらわないと、ね。どう思う、みんな?」タイラム殿の一言に山賊達は腰が引けている。どれ、私も調子を合わせようか。「その通りですね。おもいきり熱い灸を据えてやりましょう。どおれ・・・」腰のヘビー・メイスを手に取った。■戦いの勝敗については、さまざまな要因が絡むため一概には言えないが、かなりの部分で士気というものの占める割合が大きいことは、どのような戦術家でも否定すまい。酔っている上、村娘達にひっぱたかれるほどなめられて、あげくに我々に包囲され浮き足立っている山賊どもには、我々に勝てる可能性など無いも同然だった。奴らはほうほうの体で逃げて行った。

 
七人の冒険者/下っ端は昼からお盛ん
"幸薄き"タイラムは、かく語る(4月7日昼)
    ■昨日は山賊団のアジトを突き止めて、どうするかを話し合った。俺としては折角アジトの場所も分かったことだし、攻め込みたい気分だ。そうじゃないと追跡した意味がなくて悲しいじゃないか。いや、それはいいんだけどな。そう、村を戦場にするわけにはいかないからな。うん。■後半部分だけを仲間に伝えると、あとはみんなの意見を聞くために俺は黙った。■・・・夜中まで話し合っていたせいか、俺はずいぶんと寝過ごしたようだ。目覚めたのは、若い女の金切り声のせいだった。「なにすんのっ!触らないでよっ!!」何事かと思い、眠い目をこすりながら外に出ると、そこには昼間っから酒でも飲んでいそうな赤い顔をした山賊が数人、村の娘にちょっかいを出していたところだった。よく見ると、山賊一人は娘の一人の足元で頬をおさえて涙ぐんでいる。・・・なぐられてやがんのな・・・。■山賊を張り飛ばすくらいだから肝は据わっているんだろうが、武器を持った相手ではさすがに分が悪い。連中を睨み付けながらも、足は震えている。ほかの娘にいたってはへたり込んで動けないらしい。■狭い村だ、"一番星"をはじめとして仲間がすぐに集まってきた。山賊たちは風向きが悪くなってきたことにようやく気づいたか、少し及び腰になっている。俺は連中に言ってやった。「昼間っから節操のない連中には、少々やけどをしてもらわないと、ね。どう思う、みんな?」

 
七人の冒険者/村の「秘宝」?
シーリスは、かく語る(4月7日6日回想)
    昨日の晩、他の人が偵察にいっている間に、キースさんが声をかけてくれた。ひょっとしたら気を使ってくれているのかもしれない。昨日の気の迷いが顔に出ていたのだろうか?とりあえず彼の提案に従って村長に山賊達のいう「秘宝」のことを聞くことにした。村長の話によるとこの村は古代王国の末裔の村で、古代王国期の魔剣が一振りある場所に隠されているのだそうだ。内心驚きを隠せなかったが、村長は山賊を何とかしたらその魔剣を我々に譲ってもよいといった。なぜ魔剣を連中に渡さないのかと思ったが(そうすれば襲われることはないのではないだろうか?)、村長の話をよくよく聞いてみると合点がいった。その魔剣を隠している洞窟の入り口は村の中にあるという。山賊達はその地図を持っているといっていた。その洞窟には魔剣しかないのか?山賊達はそう思うだろう。山賊達に魔剣を渡すにしても、山賊達を洞窟の入り口に案内するにしても、村が危険にさらされることは同じなのだ。結局のところ山賊達との戦闘は避けられないということだ。もっとも私にもパーティの他のメンバーにもそんなつもりは毛頭ないのだろうが。

 
七人の冒険者/人の食事を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ
銀の瞳のラッシュは、かく語る(4月6日夜)
    昨日の襲撃の為に村への到着が少し遅れる…大体昼頃といったところだろう…。ついた村は本当に普通の田舎といった感じだ…そして俺達は美味そうな鳥料理を御馳走してもらった…俺の故郷じゃ魚が主だが、うん…意外と鳥もいけるもんだな…そんな事を思いながら食事していると、何やら外が騒がしくなった…どうやら山賊団の奴等らしい…はじめは少し警戒したが、どうやら襲うつもりはなさそうなので俺は早めに食事の席に戻った…戯言にはつきあえん…◆その山賊団が去った後、幾人かは後をつけていった様だ俺は足手まといになるといけないのでここで待つ事にする…ふと気づくと、どうやらファリス神官たちが村長に「秘法」の事を聞いているらしいのが見えた…無意識に耳を澄ます…生まれの性という奴か…俺の横ではニコとアレックスが精霊魔法について話していた…精霊魔法と言えば、この前遺跡調査をしたメンツ…精霊使いが3人もいたが…今ごろ何をしているのか…俺はそんな事を考えながら二人が話しているのを少し離れた所から眺めていた…

 
七人の冒険者/
ニコは、かく語る(4月7日6日回想)
    「そんなぁ、僕にとっては古代語魔法の方がよっぽど”奇跡”ですよ♪」ラディオス君とタイラムさんが山賊団の後を尾けている間、アレックスさんが僕に話しかけてきた。どうやら精霊の力に興味があるらしい。「そう言うものか?」と答えるアレックスさん。「僕は何もしてませんから。精霊達が戦ってくれるだけです。ただ僕はちょっと精霊達に呼びかけてその力を分けて貰ってるんです♪」自分の力ではない。言葉にしたのは初めてだったけど、口にしてみると野営の時のことと言い、なんだか自分の力無さが身にしみてくる

 
七人の冒険者/で、どうしましょうか?
ラディオスは、かく語る(4月6日食後)
    ★「わぁ、おいしそうな料理ですね♪」”冒険者”として村を訪れた僕は村の人々から歓迎されたよ。でも、僕にはわかるんだ。村の人達のうちの何人かは明らかに好奇の目で僕を見てるってね・・・。でも僕は気にしないよ。今の彼らには僕達は必要な存在なんだからね♪★夕食が終わるか終わらないかの頃、山賊の団体さんが村を襲撃に来たよ。でも彼らは僕達の姿を見るとリファールへ帰る様に警告を促して帰っていったんだ。フフフ・・。★村から一通り山賊が引き上げて行った直後、僕はラサ様の方へ伺いを立てる様に振り向いた。ラサ様は不敵な笑みを浮かべて肯いたよ。もっともその時はもう僕は山賊達の後を追っていたけどね♪★「ただいまぁ〜」場違いに明るい声を出して戻ってきた僕は山賊達の後を追ってみた物・・・山の中腹にあった屋敷・・大きさから言って貴族の別邸って感じかな?・・を占拠して住んでいた事、そこに行くまでの道のり、そして、それ以上の戦力がなかった事を伝えた。★「で、どうしましょうか?」僕は小首を傾げながら皆に、そしてラサ様に意見を求めたよ。

 
七人の冒険者/鳥料理、おいしいですね
アレックス”スマートな”ソーニーは、かく語る(4月6日)
    なんか寝過ごしたような気がする。まぁ、昨夜の襲撃のせいもあるけど…朝の出発が遅れてしまったのが気にかかる。昨夜負った怪我は神官が神の奇跡で直してくれた。これまで何度もこの奇跡に助けられているが、何故か神様ってぇのを信仰できない。まぁ、そういう性分なんだろう。それから、はじめて見た精霊を行使する魔法…これは興味深い。暇を見て何か話を聞いてみようかな。そんな事をボーっと考えていると程なく村についた。村では俺達を歓迎して鳥料理が振舞われた。おお、鳥料理ってこんなにバリエーションがあるんだ。肉汁滴る串焼きをほおばったその時だった。外が騒がしくなり村人が駆け込んできて「山賊だ!」と叫んだのは。俺達は慌てて外に出る。馬に乗っているヤツを含めてざっと30人。まぁ〜たなんて数だよ、群れないと動けないのかねぇ? ん? あの馬車に乗っているヤツが首領らしいな。その隣の魔法使い風の男は…参謀か? 魔法の腕は分からないが頭は切れそうだ。山賊たちはこの一件から手を引けと警告してきた。俺は咥えていた串焼きの串をを投げつけてその意思が無い事を山賊達に伝える。山賊達は去っていったが…実際帰れるわけ無いだろ、幹部の目の前で(^^; もっとも相手にも魔法使いがいるならなおさら帰る気は無いけどね。誰とも無く山賊の後をつけて本拠地をつき止めようと言う話になったが…俺は鳥料理の方が気になるな。後をつけるなら人数は少ない方が良いだろうしね。

 
七人の冒険者/山賊達との邂逅
「黄金仮面の」キースは、かく語る(4月6日)
    ■村人達の心づくしの鳥料理を有り難くいただこうとしたその時、山賊どもが村を襲ってきた。無粋な奴らめ・・・。■敵の数は騎兵が五騎、馬車が一台、それに徒歩の兵士がうじゃうじゃいる。雑兵どもはそうたいした腕前ではない事が見て取れるが、騎兵は多少手強そうだ。そして馬車に乗っている首領の実力は、物腰から見てなかなかのものだろう。その側近は魔法使いか?魔法使いの実力は、外見からでははかりがたい・・・注意しなければ。■彼奴らは特に何もせずに、警告にもならない戯言をほざいて帰って行った。街へ帰れといわれて、はいそうですかと帰るわけが無いだろうに。第一、私やシーリス殿はファリス神官だぞ。■スカウトの人達は山賊どもの後を追跡するらしい。シーリス殿は残るといっている。・・・私も残る事にしよう。こういった任務では、私は足手まといになる事はライダーズで経験済みだ。・・・高い授業料だった。■シーリス殿がちょっと気落ちしているように見える。何かを気にしているのだろうか?・・・冷えてしまった鳥料理を口に運びながら考える。・・・空気が重い。こういった時には音楽が一番だな。私は先日買ったばかりのハーモニカを取り出して吹き始めた。■ハーモニカを吹きながら考えた。皆が偵察仕事をしている間、何もしないのは心苦しいな。『秘宝』の事やら何やら、村長に話を聞いておくのがいいかもしれない。強面の私より、シーリス殿にお願いするのがいいだろうな。私は一曲吹き終わると、シーリス殿に話し掛けた。「シーリス殿、ちょっとお願いがあるのだが・・・」

 
シーリスは、かく語る(4月6日夕暮れ近く)
    昨夜の襲撃の際のキースさんの働きは見事としかいいようがなかった。自分の未熟さを思い知らされた感じだ。他の人たちの戦いぶりも見事なものだった。スカウトの戦闘技術に関しては認識を改めなくてはならない。とくにタイラムさんには戦闘中にずいぶん助けてもらった気がする。ソーニーさんやニコさんの魔術援護も適切でパーティーとしても十分効率的に機能していたようだ。予定よりもやや遅れたが、昼過ぎには村に着いた。村では歓待を受け、特産品であるある鳥が振る舞われた。料理に手を付けようとしたそのときだった。彼らがやってきたのは。山賊たちは私たちに手を出さずリファールに戻るようにいった。だがパーティの仲間にその意志がないのは表情から見て取れた。山賊たちが立ち去ったあとスカウトの人たちは後をつけるつもりのようだ。「私は村に残るわ。鎧がうるさいし、陽動かもしれないもの。」ひょっとしたら私は、昨日の戦闘で十分働けなかったことを気にしているのかもしれない・・・。

 
七人の冒険者/鳥づくしのおもてなし
"幸薄き"タイラムは、かく語る(4月6日昼ごろ)
    ■昨夜の襲撃のせいで、朝の出発が少々遅れた。人数は多かったが、たいした使い手がいなくて助かったよ。キースはその外見に違わず、素晴らしい戦いぶりだった。無骨なおっさん、って感じで、俺は好意を持ったね。・・・歳も近いし。ファリス神官がみんなあんな感じだったら、仲良くなれそうなんだがね。■"勇精"はかかる火の粉を払う程度の動きしかしていなかった。どうやら俺たちを観察していたようだ。まぁ、ギルド幹部がギルド員の実力を探るのは仕方ないことだけどな。■昨夜の尋問から得た情報によれば、山賊の総勢は50人近くいるらしい。こちらの5倍以上だ。さすがに真っ正面からやりあうわけにもいかんなぁ。そして、連中の目的はどうやら村にあるという古代王国の秘宝。そんなん、俺が欲しいくらいだ・・・っと、別に人様のものを奪う気はないぞ。俺は過去の人々が残したものを分けてもらうだけだからな。ま、つまりはその宝とやらをどうにかすれば襲われることもなくなるわけだな。■「昨日は蹴っ飛ばしちまってすまんね」村への道中、ラッシュとキースに襲撃の際のことを謝った。昨夜の戦いを通して、俺たちに仲間意識が生まれつつあるような気がする。きっと気のせいではないだろう。■昼ごろ、ようやく目的の村についた。早速村長の家の場所を聞き出し、挨拶に向かう。彼らは、大喜びで俺たちをもてなしてくれた。■アーロンのおっさんに聞いていた通り、ここは鶏料理が中心のようだ。・・・料理が並ぶと、まさに鳥づくし・・・うまそう・・・。

 
七人の冒険者/テスト良好
勇精ラサ(NPC)は、かく語る(4月6日4月5日の回想)
    ■ファリス神官の戦力を抜かすとしても彼等の戦力には満足出来る。例えそれが人本来の与えられた能力のお陰だとしてもだ。使いこなしているという点でも評価できるだろう。私が戦の歌を歌う必要が無かった程なのだから。■最前線向きの逸材ね。今後も期待しましょう。

 
七人の冒険者/旅の始まりと終わりの襲撃
銀の瞳のラッシュは、かく語る(4月5日深夜)
    午前中の早い時刻から俺は精霊亭の酒場で待機していた。ぼちぼちと仲間が集まり出す。タイラムとアレックスにとりあえず声をかける、それ以外ではラディオスが会ったことがあるくらいだ…ニコという人物はどうやらこの前勧誘されたラディオスファミリーの一員らしい…。そしてギルドの幹部、「勇精」ラサという人もついてきた。どうやらうちの宿のマスターの昔の仲間らしい…そんなギルド員で占められた一行の中で異色が二人…どうやらファリスの神官らしい…俺は顔をしかめた。奴等を見ると昔を思い出してしまう…なるべく近づかない事に決めた。◆深夜…突然タイラムに蹴り起こされる。寝ぼけている暇はなかった…敵襲だ…!俺は近くに抜けてきた山賊を迎え撃つ、が、すぐ他の人に譲って後ろに下がる。白兵戦は俺の仕事じゃない。すぐに手近な集団に向かって「眠りの雲」を発動させる…もちろん仲間を巻き込まない様に細心の注意を払ってだ。少し離れた所で、タイラムと片手の神官戦士が鬼神のごとき戦いをしているのが目に入った…これならもう負ける事はありえないだろう…◆戦闘が終わって一息つく…どうやら怪我らしい怪我をした者はいないようだ。しばらくすると捕虜への尋問が始まった…山賊の目的…そして規模…。覚悟はしていたがそれほどとは…さて、これからの指示は上からもらえばいいだろう…どうせギルドの幹部が二人もいるのだ…まあ、とりあえず村に向かうことには変わりあるまい…俺はそんな事を考えながら銀のダガ−を弄くっていた…

 
7人の冒険者/夜襲
アレックス”スマートな”ソーニーは、かく語る(4月5日夜中)
    野営の焚き火ごしに今回の仲間を観察する。実際どんな奴らが集まるのか見当もつかなかったが半数は知りあいだった。気になるのは至高神の信者か…まぁ、初対面だしね。彼らは俺達ギルドメンバーをどう思っているんだろうか? そういえば、ラッシュとは久しぶりだな。彼も古代語魔法使いだ。どれほど腕を上げているだろう? そんなとりとめの無い事をぼんやりと考えながらウトウトしていた…「襲撃だっ!」タイラムの叫び声でビクリと目を覚ます。「相手さんから出向いてくれるなんて手間が省けるねぇ」そんな事をつぶやきながら杖を片手にタイラムの方へ援護に向かおうとする。が、視界に茂みから飛び出してくる白刃が!「なにっ…くぅっ!」切られた肩口を押さえながら、魔法で応戦する「ちぃっ、なんて数だよ!」痛みではっきりと目がさめ、何とか状況を確認する。数で押されているが、キースとかいう戦士とタイラムが押し返している。が、早めに片付けないと怪我人が増えるな「だったら、敵の頭を叩く……奴か! くらえ!」俺はリーダー格らしい盗賊風の男へ魔法の矢を放った。

 
七人の冒険者/勝利
「黄金仮面の」キースは、かく語る(4月5日夜中)
    ■「うおおおお!」私の右手の(右手しかないが)ヘビー・メイスがうなりをあげ、襲撃者を打ちのめす。向こうではタイラム殿が襲撃者達のリーダー格と目される盗賊風の男を、いとも簡単に叩きのめしていた。他の中間達も、襲撃者達に一歩も退かない戦いぶりだ。敵はみるまにその数を減らして行った。■「だれか一人は捕らえてくれ!」いま叫んだのはニコ殿か?私は目の前の敵の側面へ回りこみ、首筋へ手加減したメイスの一撃をみまった。相手は足元に崩れ落ちる。「一人捕らえたぞ!」私は叫び返す。その男はとりあえずほおっておいて、私は次の敵へと身を躍らせた。■戦いが終わり、敵は壊滅していた。先ほど気絶させた男を含め、何人かは息があるようだ。私は、手分けをして仲間達の治療を終えたあと、捕虜に治療を施してやった。さて、尋問は私より得手な方々に頼むとしよう・・・。

 
七人の冒険者/真夜中の襲撃者
ニコは、かく語る(4月5日深夜)
    「ニコさん起きて!」ラディオス君の声で眠りから引きずり出された。「襲撃です!」僕が半身を起こすと周りは既に囲まれていた。ラディオス君とタイラムさんの必死の応戦をすり抜け、敵の一人がようやく身を起こしたばかりの僕に斬りかかってくる。それに対して三直での見張りのためぐっすり眠っていた僕の体は、すぐには反応しなかった。●「大丈夫かなぁ・・・」僕は不安を覚えていた。リファールを発って半日も過ぎた頃、僕たちは街道をそれて目的地の村へと続く細い道にはいるところだった。考えても見れば冒険者になって二ヶ月あまり。とは言え僕の冒険の舞台は常に街の中だった。旅芸人として暮らしていた頃には街道を歩いてばかりだった。こうして街道をそれるとき、やっと僕は危険な冒険の中にいることに気付いた。●「冒険者失格だな・・・」深く眠りすぎ、すぐには動かない体に敵の戦士の一撃が振り下ろされる。すんでの所でかわそうとしたけれど、僕の肩をかすめた剣は薄っぺらな革鎧を切り裂き、僕は鈍い痛みを覚えた。慌てて精霊語を発すると戦士に向け光の球を叩きつける。しかしそれだけでは敵の攻撃を防ぐには足らず、一瞬ひるませただけだった。「次の一撃が当たれば・・・」恐怖に凍り付く僕に敵の攻撃が加えられるより一瞬早く、巨大な戦棍の一撃がそれを阻んだ。黄金色に輝く鎧をまとった隻腕の影が叫ぶ。「ニコ殿!敵はまだ大勢居ますぞ!」その叫びが僕に立ち直るきっかけを与えてくれた。「キースさん!戦乙女の勇気を!」僕は素早く精霊に呼びかけた。

 
七人の冒険者/襲撃
"幸薄き"タイラムは、かく語る(4月5日夜中)
    ■・・・リファールから何者かにつけられている気配を感じている。"勇精"はあえてそれを泳がせているようなので、俺も気づかないフリをしていた。■ファリス神官と盗賊。なんとも不思議な組み合わせになったもんだ。シーリスは、戦士でしかもファリス神官であるキースの登場であきらかに安堵している。まったく、盗賊の戦闘技術も少しは信頼して欲しいもんだ。もっとも、知らないものを信用できるはずもないからな、しっかりと俺たちがその力を証明しないと。■野営のたき火に木をくべながら、そんなことを考えていた。魔法を使える連中には、しっかり睡眠をとってもらうために最初と最後の見張りを頼んだ。俺は"一番星"とともに深夜の見張りで起きている。■「ギルドの依頼の話なんだが・・・」暇つぶしに"一番星"に話し掛けたその時だった。草むらが不自然にざわめく。"一番星"も気づいたようだ。リファールからつけてきた連中か?・・・明らかな金属音が聞こえてきた。どうやら剣を鞘から抜いたらしい。・・・結構な数だ。冗談じゃない。俺は魔剣を握り締める。■「襲撃だっ!」俺はそう叫ぶと、近くに寝ていたラッシュとキースを蹴飛ばし、草むらからわらわらと出てくる襲撃者に向かって切りかかった。先陣を切って襲ってきた勇敢な襲撃者を一閃して切り伏せ、敵の数をざっと確認する・・・10人じゃきかない・・・なんて数だよ!?

 
シーリスは、かく語る(4月5日夕暮れ)
    私たちは昼も遅くなった頃街道をそれた。パーティの編成には不安を抱いていたが、新たに加わったメンバーを見て少し安心できた。キースさん、アノスの神官戦士だ。隣にいて安心できる。夕暮れ近くになって移動をやめ、野営の準備を始めた。だが何となく、皆がそわそわしているような気がする。ファリス神に祈りを捧げ夕食を取る。見張りの順番を決めて、そうそうに休ませてもらうことにした。毛布越しに感じる硬い地面が自分が冒険に出ていること、こうした生活を欲していたことを教えてくれる・・・。

 
七人の冒険者/じゃあ宜しくお願いしますね♪
ラディオスは、かく語る(4月5日朝方)
    ★「じゃぁ宜しくお願いしますね♪」僕はこう挨拶をして店を出たんだ。★・・・ここは古の精霊亭の1階。山賊退治の募集に採用された僕達は日の出と日が最も高く上る時間の丁度真中にここに集る様に指示されてきた。・・・どうやら遅刻した人は・・あれ?ニコさんが走ってくるや・・・で、全員そろったみたいですね♪★8人集った冒険者のうち、7人は僕の既に知る人だった。ギルドの上級幹部であるラサ様、ファミリーの親友であるニコさん、そして一緒にガネード様の為に働いた同士ソーニーさん、タイラムさんは言うまでも無く、ギルドで”輝く手”として評判のラッシュさん、一緒に申し込んだシーリスさんとも面識があった。そして、僕は最後の一人に声をかけたよ「あ、あの。はじめまして。僕ラディオスって言います。宜しくお願いしますね♪」僕はそう言うと黄金色の鎧に包まれた隻腕の戦士に向かって”左手”を差し出した。★「えっ??キースさんなんですかぁ??」黄金の戦士から返された言葉は僕の意表を突くセリフと聞き覚えのある声だった。なんでも先のお仕事で神の声を聞いて賜った物なんだって・・・でも仮面をとったキースさんってこんなにかっこ良かったのかぁ・・ふぅ〜。★一通りみんなで挨拶をして、目的地(ゴーバの街道を北に進んで少しそれた所にある村なんだって)の説明を受け終わるとリファールを出たんだ。★リファールを出る前からなんか着けて来る奴が居るんだよね。・・・まぁ僕に程度に気付かれるような奴だし、今更わざわざラサ様に報告するまでも無いよね。僕がラサ様の方へ軽く流し目を送るとラサ様は「全てわかってるわ」と言うように軽くうなずいたんだ。やっぱり凄いよねっ♪