辺境の遺跡探索

 
そして酒を酌み交わす
”銀狐”スレイは、かく語る(3月26日宵の口)
    もうすぐ街が見えてくる、というあたりで前方の茂みから複数の人の気配がした。まず頭に浮かんだのは昨日の後ろ姿。だとすれば、目的は多分フェアリー・・・戦闘は避けられそうにない。正面きっての戦いが苦手な俺は、相手の背後へと回り込むべく茂みへと身を躍らせた。■剣を抜く音、魔術の詠唱の声をききながら身を潜めて移動をする。どうやら出てきたのは山賊らしい。相手は人を襲って金品を強奪する下衆・・・手加減する義理は何も無い。足音を殺して相手の背後へ忍び寄り、手にした短刀をひらめかせた。■リファールへ戻ってきた俺は、ギルドへの報告を済ませて古の精霊亭へ・・・コーラルさんがお疲れ会を開いてくれるらしい。ただ飯、ただ酒を見逃すほど俺は馬鹿ではない。人の奢りだと思って飲むと酒は何倍にも旨く感じられるもんだ。ましてや、この一週間共に旅した者達とならば、なおのこと。・・・コーラルさんが言っていたように、この面子で組むというのも面白そうだ。

 
最後まで迷惑をかけたね
バルボンは、かく語る(3月25日日は落ちる)
    おおっと、あやしい男達。ラッシュさんはある男を見るなり呪文の詠唱に入る。戦闘か!?戦士の技能を持つ仲間はすばやく戦闘態勢に入った。さすがは手慣れている。自分も弓を構えるが、仲間に当たってはいけない。慎重に照準を合わせた…。もっとも、ほとんど射ることなく片付いてしまったようだが。■山賊達を見逃そうという人は…いないのかな?自分もこんなやつら野放しにしときたくないね。…金目の物に一瞬目が眩んだわけでもないが。■宿について気づいたのだが、フェアリーがラッシュさんになついていると思ったのはガストンさんに見られて隠れた時の先入観のためらしい。自分は精霊の考えることはよくわからんからねー。コーラルさんのお疲れ会で十分に暴れた記憶はもちろん無い。

 
一杯のエールに、百回の生への感謝を
レヴィ=ランシールは、かく語る(3月26日夕刻)
    帰り道は何事もないようかと思われたのだが、突然前方の茂みがざわめいて、くたびれた鎧などで武装した男が数人姿を現した。私は癒しの魔法も使えるテロルさんやバルボンさんを後方にし、広刃の件を抜いた。早く官憲にでも突き出してやるとしよう。●<古の精霊>亭に無事に着くと、コーラルさんが酒や食事を奢ってくれた。フェアリー(名前は未だ無い)はラッシュさんではなくポローシャさんや私に懐いている。ポローシャさんなら、彼女と気も合ううだし……どうだろう、彼女に引き取って貰うというのは。私には仕事以外での他人への責任感など、無い。●とにもかくにも、無事に帰れて良かった。今はこの幸せを楽しむとしよう。コーラルさんの言うように、彼らと組んでみるのも、悪くはないかも知れない。

 
遭遇そして乾杯
銀の瞳のラッシュは、かく語る(3月26日夕暮れ)
    リファールを目指して、俺達は朝から歩いていた。フェアリーに関しては、やはり誰か他の人に預けることにした。やはり言葉が通じないのでは話にならない…とりあえずは「古の精霊亭」に置いておいて、早目に保護者を見つけてやらねばなるまい…見うけるまでは申し訳ないが同じ宿のレヴィか、ポローシャに協力してもらうしかあるまい…(何しろ彼女が何を言っているのか俺にはさっぱり分からないのだ)そういえばポローシャは同郷出身の様だそういえばザイコア家というのも聞いた事があるような気がする。なんにしろ、俺には迷宮の呪いがあるのだ…彼女をそんな危険なところに連れて行くわけにはやっぱりいかないだろう…◆そろそろ町が近いという辺り…俺達は妙な連中に遭遇した…おさらく山賊の類だろう…奴らは見逃してくれるよう話を持ちかけてきた…そこでふと見かけた顔を発見する…頬に傷のある男…ここは念のためにも見逃すべきではないだろう…俺は「眠りの雲」の呪文に集中した…◆宿につくと、コーラルさんがお疲れ会と称し、皆に食事をおごってくれた。ギルドへの報告は明日でいいだろう…そんな事を思いながらその夜は騒がしく過ぎていった…

 
フェアリーの行方
コーラル(NPC)は、かく語る(3月26日)
    ■フェアリーはどうやら、ポローシャさんやレヴィさんに最もなついているようだ。精霊語で話せるのも精霊使いしかいないのだしそれにフェアリーが余りラッシュさんになつかないのはラッシュさんの光る腕に関係している様だ。■ボクは今いる面子で今後も冒険を続けたらどうかと提案してみた。以前も同じ仕事で面識もあったようだし。(注釈:イベントの詳細に載せておくべきでしたが精霊語が話せないラッシュはフェアリーの精友にはなれません。ましてや無能王の呪いに憑かれているので他の方が預かる形にしてください)

 
再び村で
ポローシャ・ザイコアは、かく語る(3月26日)
    村に戻ってからラッシュさんが、なにやら考え事をしている。聞いてみると、フェアリーの名前を考えてるとのこと。・・そっか、いつまでも名無しじゃ可哀そうだもんね。■子供達からもらった花を、いじくりながらあたしもかんがえる。う〜ん・・・フィリナかな?あたしがつけるとしたら、ね。■そういえばラッシュさんと、故郷が同じだっけ・・小さい頃会ってるかもね。うん。■とその時変なヤツが、こっちを見ているのに気がついた。村の人じゃなさそうね・・・言いたくないけど同業者?・・う〜ん違うな、それにしても嫌な感じぃ〜。スレイさんと、ラッシュさんもあの男に気がついたみたい。こりゃ帰るときに、何かありそうだなぁ・・・

 
”銀狐”スレイは、かく語る(3月25日)
    子供たちに花を貰った。白い、奇麗な花だ。レヴィさんやポローシャさんみたいな女性だけではなく、俺も。花を貰うなんてことはそうある事ではないので、なんだか照れてしまった。顔が火照っているのが自分でも分かるくらい・・・■手持ち無沙汰になり、指先でその花を弄んでいた俺に、フェアリーの名前を考えて欲しいとラッシュさんが持ち掛けてきた。俺も名前をつけたことなんて犬や猫くらいしか無いんだけれど、思い付くがままにいくつか挙げてみる。ネリー、チュチェ、イオニア、ベル・・・どうもしっくりこない。名前を考える、ってのは難しいな。■そんな事を言っていると、不意にラッシュさんが振り返った。俺も一瞬遅れて振り返ると、立ち去る男の背中が目に入る。コソコソと逃げていくところを見ると、あまり良い手合いではないようだ。リファールまで何も無ければいいんだけど。

 
後1日で終わり
バルボンは、かく語る(3月25日夜)
    フェアリーはラッシュさんにとても良くなついているようだ。口調こそ少しきついけど、いつも仲間のことを考えている彼だからこそだろうか?彼には迷惑をかけっぱなしだったね。■皆子供たちと楽しそうに話している。ガストンさんなどはものすごい勢いで話をしている。楽しそうだ。いつまでつづくか見物だねー。恐らく夜までは続けられるだろうけど。もっとも、子供たちにあわせて短くするのだろうが。■もう帰りだというのにラッシュさんはなにやら考え事をしているようだ。ああ、フェアリーの名前かなー?それにしてはちょっと使命感に燃えているというか…。なんだろう?一人で考え込まずに仲間と相談すればいいのにね。■結局のところ自分は遺跡でなにを発見したんだろう?なにも見つけられなかったような気がするけどなー。いいんだろうか?腹減った。レヴィさんが故郷について語りだした。旅も終わりに近づくと口数が増えるのは自分だけではなさそうだ。

 
精霊とフェアリーと
レヴィ=ランシールは、かく語る(3月25日宵闇は忍び寄る)
    精霊力に満ち満ちた場所。確かに遺跡での収穫は、金銭的に見れば少なかったと言えるだろうが、これだけで私にとっては十分すぎるものだった。フェアリーも伝承の中だけでなく、実際に目にすることが出来たし、彼女がラッシュさんと共に行くことを選んだことも滅多にない発見ではなかろうか。冒険者にとって大事な経験をまた一つ積んだ訳である。●私はそっと白い花に頬を寄せて香りを楽しんだ。サーカスを見せてくれたお礼にと、子供達に貰った花だ。炎を映って片側はオレンジ色に、もう片側は闇の紺に染まる様も良い。白はどの様にもも風合いを変え、そして時には貫く。冒険者も似たようなものではないか?●そう、旅も明日で終わりである。彼らともお別れだ。少し変わった話をしてみるのも良いかも知れない。私の故郷のラムリアースの話でもしようか。有名な建国記がある。……まぁ、尤も、同じ宿を巣とするものも多いが。

 
帰還 戸惑いと郷愁
銀の瞳のラッシュは、かく語る(3月25日日暮れ時)
    結局あの場所がなんだったのかは不明、見つけたのはフェアリーの彼女だけだった。その彼女は俺に同行したがり、コーラルさんは俺が彼女を守れるのなら連れて行っても良いという。彼女を守りきれるかどうかははなはだ疑問であったが、ここに彼女を置いてく気にはとてもなれなかったので、不承不承承諾する…きっとこの後の問題は山積みだろう…◆帰り道、サーカスを見た村に再び立ち寄る。フェアリーの彼女は子供達にまぎれ、無邪気に遊んでいる。…いつまでもフェアリーの彼女と呼ぶわけにも行くまいと、皆で名前を考えているのだがなかなか決まらない。大体俺は名前を決めるとかそういう事が苦手なた質なのだ…そこらへんはもう仲間達に任せ切りだった。◆ふと気配を感じて振り返ると、のどかな村には似つかわしくない目つきの悪い頬に傷のある男がこちらを見ていた…いや…俺達というより視線の先はフェアリー…男は俺の視線に気づくと姿を消した…やましい事がある印だろう…。とにかく、約束したからには守らなければならない…再びそう思いながら子供達と遊ぶ妖精の少女を見る…一瞬、自分の知っている人物と面影がダブり、目をこする…あいつの姿に見えるなんて…年も種族も違うっていうのにな…

 
密かに英雄誕生
ガストン=ラグレは、かく語る(3月25日昼ちょい過ぎ)
    すごいのぉこれがフェアリーか・・ワシは遺跡からの帰り道,その話題の相手をまじまじと見ておった.ん?恥ずかしいか?こそこそとラッシュさんの後ろに隠れておる.詩の中に出てきたりと話には聞いておったんじゃ.実際合えるとは・・やっぱり冒険者はいいのぉ.物語に満ちておる♪.結局あの遺跡が何だったのか・・それははっきりは分らなかった・・が,きっと太古の魔術師なんかがつくった場所に違いない.お?じゃぁあのフェアリーはそんな魔術師に囚われておったのか?・・・て事は,ワシ等は英雄じゃの♪そんなことを思いながら詩を作る.▼そうこうしておるうちに行きで立ち寄った村が見えてきた.今日はあの村に一泊せんか?ワシはこの前サーカスを一緒に見た子供とチャ・ザ神殿でワシの話を聞きに来ておった子供たちの目の輝きをだぶらせながら皆に提案した.がっはっは♪最新の話を聞かせてやろうかの♪

 
精霊達の満ちる場所
”銀狐”スレイは、かく語る(3月23日)
    魔法の鍵がかかっていると手も足も出ないな。そんな事を考えながら、扉のをくぐり、幻像の岩壁を通り抜ける・・・そこに広がっていたのは信じられない光景だった。一面の花畑。小川からウンディーネの歌声、飛び交うシルフの囁き・・・先の岩壁の例もあるので幻では、と疑ってみたが、溢れんばかりの精霊力がそれを否定する。警戒しなければ、とは思っているのだがどうも緊張が緩んでしまう、そんな光景。■洞窟の奥にあった、大きな蕾にラッシュさんが近づくと中からフェアリーが出てきた。それを見ながらガストンさんはさっそく詩を作り始めたようだ。昨日までの調子では、今日の出来事も”太古の魔術師に囚われたフェアリーを助け出す”くらいの事になりそうな気が・・・

 
ふぇ・・フェアリー??
ポローシャ・ザイコアは、かく語る(3月23日)
     探索から三日目、ようやく本命らしき隠し扉の前にたち、早速アンロックをかける。中は岩盤だけで、皆がっかりしたがそれはすくに幻影だと判る。 そこをくぐり抜けていくと、そこは精霊に満ちあふれていた。まるで何かの聖域の様に感じる。さらに奥へ行くと、あたしより大きな白いつぼみがあった!! ラッシュさんが近寄ってみると、突然そのつぼみが開きだし、中から綺麗な羽を持つ少女がでてくる。・・・・・・あの娘ってもしかしたら、ふぇ、フェアリー???!!!

 
探索 事件
銀の瞳のラッシュは、かく語る(3月23日)
    三日目、俺たちは早速魔法の扉を解除する…しかし出てきたのは岩壁、まあ、その後すぐに幻像だという事は分かった。◆幻の岩壁を抜けると、そこは一面花畑だった。心地良い風が吹き、綺麗な小川が目の前を流れている…面食らった俺はそこのある物が幻でないか、まず確かめる…本物だ…周りを見渡しながら先に進むと、大きな白い花の蕾が、でんと構えていた・・・なんだろう…?警戒しつつ近づくと、目の前で花がゆっくりと開いた…中に何かいる…しかし不思議と警戒心はわかない…果たして、そこのは一人の少女が立っていた。背中に美しい羽を持つ…そう、こいつは確かフェアリー…まだ子供の様だ…。…その瞬間…頭の中に他人の思念が流れこむような感覚…「お前なのか…?」俺が目の前の妖精に声をかけると、ゆっくりとうなずいた様な気がした………なにやらまずいことにならなければいいのだが…

 
楽器を持たない楽器引き
ガストン=ラグレは、かく語る(3月22日昼過ぎから夕刻にかけて)
    ワシは洞窟を歩いておった・・・ワシは野伏の訓練を積んでおる者に頼んでワシの荷物を滝の周辺に隠してもらった.もちろん楽器も.それでも機嫌が悪くなることなく歩けておるのは,この花の臭いのせいらしい.ラッシュさんが云々言っておったが・・・花が枯れないのか?魔法というものは便利じゃのぉ・・でもいつまでも枯れない花はそれで幸せなのじゃろうか.そんなことを考えながら何気なく手がいつもある楽器の方へと行く・・・ちょっと空しい・・今度帰ったら楽器に防水加工を施すんじゃ.そう心に誓わせる出来事じゃった▼行き止まりについた・・・行き止まりじゃのぉ・・・第一次調査隊はここで行き詰まったらしいのぉ.ワシは事前にコ─ラルさんから聞いていたことを思い出す.で,ワシ等は第二次調査隊ってなわけじゃが・・・取りあえずここで野営じゃな.そう思って用意に取り掛かっておったら(ワシは野営になれてないから労働員としてじゃが)周りを調べていた者が隠し扉を見つけたらしぃ.おお♪これでこそ冒険じゃ♪巧妙に隠された罠だらけの扉を力を合わせて開くんじゃな?こうしてワシの冒険の詩は少しずつ誇張されながら作られて行くのであった.

 
探索 小手調べ
銀の瞳のラッシュは、かく語る(3月22日)
    到着して二日目の朝…問題なく晴れている。まあ、雨だからといって遺跡の探索に支障が出るわけでもないだろうが…■昨日と同じようにして滝を潜り抜ける…大丈夫…昨日と様子は変わらない。あいも変わらず長々と通路は続いている…あの匂いも相変わらずだ。レヴィがどうやら匂いの元らしい植物について尋ねてきた…ふむ…何やら魔法がかかっている様だ…おそらく…枯れる事を防いでいる魔法だろう…俺にわかるのはそれくらいだった■ふと気づくとバルボンの姿が見えない…俺は少し早足で先へと進む…しばらく進むと呑気に休んでいるバルボンの姿を発見する。「先に進むのは勝手だが…万が一怪物にでも襲われた時…一人じゃ危険だぜ?」彼が何を意図して先に進んだのかは分からないが、あまり無茶はして欲しくないものだ…■半日強歩き詰ると行き止まりにぶち当たった…しかし、これだけの設備を整えておいてこれで終わりという事もないだろう…■案の定、隠し扉があった…調べてみると、どうも魔法の鍵がかけられているらしい。周りを見まわすと不思議と精神的な疲れはないようだが、やはり肉体的には辛いところの様だ…かく言う俺も半日歩き詰だったので、正直疲労度は深い。今日はここで野営するべきだろう…魔法の鍵ならもし万が一向こう側に何か居てもそう簡単には入って来れないだろうから…納得すると、俺は野営の準備に取りかかった…

 
先走る自分
バルボンは、かく語る(3月22日朝)
    服も脱がずに滝を通ったのは失敗だったなー。寒い。なんか、やること為すこと裏目に出てないか!?■なんか妙な花だなー。別にいいけど。なんか見つかるかも知れないから先に行こう。なんでも第一発見者が偉いんだ。…死体だけは発見したくないけど。■…いかん。なんか疲れた。どこまで続いてるんだ?結構歩いたぞ。進むべきか戻るべきか…。…誰もいないのがこんなに寂しいとはね〜。ちょっと休もう。誰か来るかも…。誰も来なきゃ戻ろっと。

 
遺跡の入り口
”銀狐”スレイは、かく語る(3月21日朝)
    覚悟はしていたとは言え、この時期に水をかぶるのはあまりいいものじゃないな。絞って水をきった服を身につけながら、つい言わなくてもいいことを言ってしまった。水も滴るいい男、なんて冗談・・・半分は本気で言っているんだが・・・。思わず口にした言葉に周りからの視線が痛かった。しかし、そういうことを考えていたのはたぶん俺一人じゃないと思う。■遺跡の中に入ると、昨日ラッシュさんから聞いていた通りの光景が広がっている。天井に点々と続く水晶、ほのかな香り・・・香りの元になっているこの植物、俺にはわからないがどうやら魔法がかかってるらしい。危険な植物では無いようなので、帰る前に何本か摘んでいくとするか。

 
探索、開始
レヴィ=ランシールは、かく語る(3月22日朝、水は温み始める)
    昨日、ラッシュさんが平気で服を脱いだのには驚いた。一瞬目のやり場に困ったけど、気にならない様子。ざっと探索して、照明不要だとかを教えてくれた。ガストンさんとスレイさんは、同郷とかで仲が良くなる。●さて、今日から本番・遺跡探索の始まりである。私は服を仕舞った背負い袋を抱きかかえ、プライドと羞恥心を天秤に掛けながら滝をくぐった。●だが遺跡に足を踏み入れると、不思議に心が落ち着いていく。頭上で輝く水晶と、そして見知らぬ植物の規則的な植え込み、芳香のせいであろうか。植物については、魔術師のラッシュさんに聞けば何か分かるかもしれない。コーラルさんもセージの訓練を積んでいるしね。

 
焚火を眺めながら
”銀狐”スレイは、かく語る(3月21日夜明け前)
    どうやらガストンさんとは同郷らしい。今日、ガストンさんが歌っていた歌は、子供の頃によく歌った歌だ。そういえば、レヴィさんがサーカスの真似をしようとしている、と言ってたな。違うと思いますよ、なんてその時は言ったけど、街に帰って広場あたりでやって見せたら面白いかもしれない。■一足先に偵察に行っていたラッシュさんは、どうやら皮袋を持ってきているようだ。そんなもの用意していない俺だが、荷物の中には濡れて欲しくないものもいくつかある。それらを入れる為に、焚火番の間に防水用の袋を作ることにした。探してきた大き目の葉を袋状に編み、その中にいくつか小さいものを入れる。簡単なものだが、多分大丈夫だろう。服は・・・半日あれば乾くだろう、と諦めることにする。■顔を上げると、揺らめく炎に照らされた滝が浮かび上がって見える。あの向こうに遺跡がある。小さな声で故郷の歌を口ずさみながら、明々と燃える焚火に新しい木を放り込んだ。夜明けまでもう少しか・・・

 
到着そして偵察
銀の瞳のラッシュは、かく語る(3月21日昼時〜夕刻)
    街道から脇道にそれて半日…小さな滝の前に野営用のテントが張られているのを発見する…コーラルさんの話によると、これは第1次調査隊の残していった物らしい…なんにしろ手間が省ける。■本格的な調査は明日からというので、俺としてはとりあえず簡単な下見だけでも済ませておくことにした…ふと気づくとレヴィがこっちの方を変な顔で見ている…何か困ったような顔だ…それでぴんと来た。おそらくぬれずに滝に入るには服を脱ぐ必要があると気づいたのだろう…俺としては女の裸など半ば見なれている。故郷のガルガライスでは男も女もいつも半裸のような格好で歩いているのだ…俺もこっちに来てからやっとまともな服を着るようになったのだ…まあ…判断は彼女に任せるとして…俺は迷わず来ている物を脱ぎさって下着一枚になり、衣服を皮袋に詰め込んで滝をくぐった…■洞窟の中には点々と光る水晶が埋め込まれていた…そして何か香りが漂ってくる…何か気分をリラックスさせる…害はなさそうなのでほうっておくことにした…■洞窟はそのままかなり奥まで続いている様だった・・・これ以上は明日みんなで調べるべきだろう…そう思うと俺は入り口の方にきびすを返した…■外に出て、俺は釣りをはじめることにした。故郷にいた頃は海でだがよくやったものだ…夕日を背に受けながら糸をたらしていると昔の事が浮かんでくる…俺は記憶を蘇るに任せながら水面を見つめていた…

 
到着
バルボンは、かく語る(3月21日昼)
    ■皆は子どものためにサーカスの料金を払っていたようだが…今になって払ってあげた方がよかったかなと後悔している。歩きながらだれともなく話し掛ける。「いや、だからさー、有り金ほとんど宿に払っちゃったんだよー。本当だって。」…言わなければいいことを口走って逆効果かとさらに後悔していた。■すでに遺跡の入り口に来てしまったらしい。遺跡の中ではたして野外活動の経験が役に立つのか不安だ。万が一があったときに自分は戦闘の経験がないのでガストンさんとテロルさんに治癒の魔法のお願いをする。…神の力は偉大だね。ついでにこの二人とレヴィさんは戦士らしい。万が一が起こってはいけないが、起こればその業を盗んでやろうとよからぬことを考える。不安と期待は紙一重だねー。

 
難題
レヴィ=ランシールは、かく語る(3月21日太陽は中点に掛かる)
    サーカス見物は有意義なものとなった。勿論精霊使いとしての見地からである。人混みが苦手だったから、この歳で初めて見たのだけれど。ポローシャさんやスレイさんも子供達にお金を払ってあげたところを見ると、このパーティには優しい人が多いのかもしれない。●今日は早朝から半日ほど西に歩き、渓谷を歩く。この小さな滝が目的の遺跡のようだ。話によれば、滝の向こうが遺跡の入り口とのこと。少し広くなった周辺では一部の草が刈られ、第一次調査隊が使ったという野営用のテントが残っていた。●さて、ここでちょっとした問題に突き当たる。遺跡に入るには、否が応でもこの滝の中を通らねばならない。服を濡らさずに通るには……。いや、勿論冒険者たるもの仕事は遂行するべきなのだが……思わずポローシャさんの顔を覗いてしまった。それからパーティの男性の顔を見渡した。盗賊達は、多分見慣れていると思うのだけどね。

 
西向きに後半日
ガストン=ラグレは、かく語る(3月21日朝)
    サーカスは楽しかったのぉ♪氷や水がぽこぽこあらわれよる.どうやら精霊使いがやっていたようじゃがワシには精霊は見えんからのぉ.単純に楽しめたわい.レビィさんは何やら真剣な目でサーカスを見ておったが・・・むむ?さてはまねしようとしておるな?いかんぞ独創性をもたねばのぉ・・・え?違うと思う?何故そんな事が分るんじゃ?そんな話をスレイさんとしながら歩いておったら,コーラルさんが前方の西向きの脇道を指さして説明してくれた...この道の先に遺跡があるらしい..ふふん♪もうすぐじゃな?え?あと半日・・・普通に半日歩くんじゃっら大丈夫なんじゃが・・・人間の足に合わせて歩くと結構つかれたりする・・むぅ・・・大変じゃのぉ・・・歌でも歌いながら気を紛らわせようかの・・・ワシは故郷ロマ─ルの歌,ワシが昔から好きだった歌を口ずさみながら少し早足で歩き出した.

 
サーカス見物
”銀狐”スレイは、かく語る(3月20日昼間)
    遺跡への旅の2日目、遠くに見える村からシルフがにぎやかな音楽を運んできた。サーカス団が来ているみたいです、ガストンさんとそう話していると、凄い勢いでガストンさんが走り出した。まだ村まではかなり距離があるみたいだけど・・・■ガストンさんが、背丈が彼と同じくらいの子供たちに囲まれて困った顔をしている。財布を手にしているところを見ると、どうやら貧しい村の子供たちに、サーカスを見せてやろうとしたらしい。手持ちが無いようで、ガストンさんは子供たちと一緒になって俺達を見上げている。レヴィさんは「急ぐから」と言ってサーカス見物に反対する、そう思ったんだが、どうやら賛成派らしい。俺もまだ人を見る目が無いって事か。■レヴィさんとポローシャさんは子供たちの分まで払ってやるつもりのようだ。そういうことなら、俺に否はない。たしか銀貨が何枚か入っていたはずだが・・・そう思いながらポケットに手を突っ込んだ。

 
サーカス
ポローシャ・ザイコアは、かく語る(3月20日)
    みんなと一緒に村の前を通りがかったら、サーカスのテントが見えた。小さい頃からサーカスは大好きだったし、まだ呼び出せない精霊の姿が見える。・・・・ううっ、みたいなぁ、でも今は仕事中だし。・・・とか思っていたら、ガストンさんがサーカス小屋へと、かけだして行ってしまった。■結局あたしはサーカスを見ることにした。お金を払おうとすると、レヴイさんが貧しくてお金が払えないで居る子供の分も払っている。■「あたしも払うわ」といってお金を支払う。・・あたしの母様もたまにそうゆう事してたっけな・・・

 
サーカス見物 一休み
銀の瞳のラッシュは、かく語る(3月20日昼時)
    通りがかった村でサーカスをやっていた…ガストンが真っ先に突入していく。…ずいぶんと陽気なドワーフだ…■サーカスの内容はどうやら氷と水の精霊を使ったものらしい…俺には精霊は見えないが、仲間の精霊使いがそう教えてくれた。精霊というのも意外と便利な物だ…■ふと気づくとレヴィは貧しくてショウを見ることができない子供の分まで払っていた…その表情には単純な優しさ…それとは違う物が見え隠れしていたような…しかし、そんな事は自分が詮索すべき所ではない…俺は氷菓子をかじりながらぼんやりとサーカスを眺めていた…

 
サーカス問答とお人好し
レヴィ=ランシールは、かく語る(3月20日お昼前)
    通りかかった村の入り口に真っ先に駆けていったガストンさんの背を、私達は追う。彼が陽気なのは良いのだが――そして私の名をレビィと呼ぶのも仕方ないが――これから大丈夫なのだろうか?●「仕事の途中にサーカスだなんて」私は小言を言うつもりで、幕の処で佇む彼に近付いた。しかし何やら心許ない表情を見せる。何かと思えば、開口一番、私達に説明を始めた。彼は子供達にサーカスを見せて上げたいのだが、それには懐にフラウが舞っているのだそうだ。サーカスの団員に聞けば、一人の見物料はそれほどでもない。コーラルさんも少し興味が有るみたいだし。さて、他の面子はどうなのだろう?冷静な彼らのこと、進んで観賞するとは思えないのだが……。子供達はガストンさんを瞳を輝かせて見上げて…いや、見つめている。●私はそれでも反対するつもりだった。万が一遺跡に魔物が入り込んだり盗掘されでもしたら洒落になりはしない。しかし、私はテントの中にウンディーネとフラウの気配を感じ取ってしまっていた。……今の私では自在に扱う力量は持ち合わせていない。ならばそれを観察するのも修業になるのではないか、と思わないでは居られなくなったのである。かくして、私は賛成に一票を投じることとなった。ついでに子供達にも20ガメルの入場料を。阻害されてしまう子供に、小さい頃の自分を重ねていたのかもしれない。

 
チャ・ザ神の御力を説く
ガストン=ラグレは、かく語る(3月20日昼間)
    むぅ・・・レビィ・・違うのか?レビィ・・何処が違うんじゃう・・レビィさんから訂正されながら何回か言ってみたんじゃがどうやらまだ違っているらしい・・・同じに聞こえるんじゃがのぉ・・・▼そうこうしとるうちに目の前に村が見えてきた・・なんか騒がしいのぉ・・・お?どうやらサーカスをやっておるようじゃ♪急に元気の出たワシは先頭を切って歩き出した・・・お〜い皆早く来るんじゃ♪ちょっとくらい見ていってもいいよのぉ♪皆に声を掛けてからワシは村の方に駆けていった.▼ここじゃな♪サーカスの会場らしき場所についたとき・・・その周りに一生懸命幕の中を覗こうとして起られておる子供がおった.どうしたんじゃ?どうやら金が無くて見ることができないらしい・・・これはチャ・ザのお導きかの?よかったのぉ.お前たち,チャ・ザ神に感謝するんじゃぞ.そう言ってワシは財布を開いて・・・・ちょ.ちょっと待っておれ.ワシは仲間が来るのを待つことにした...

 
盗賊として
”銀狐”スレイは、かく語る(3月19日黄昏時)
    今朝バルボンさんと古の精霊亭で会い、初対面なのはガストンさん一人だったが、改めて全員に自己紹介をした。■遺跡・・・か。盗賊としても、精霊使いとしても未熟な俺が、果たして遺跡調査で何が出来るのだろう。自分の内で期待や不安など、様々な感情が交錯しているのがわかる。■黄昏時の空の下、俺達は辺境遺跡へ向かい歩み始めた。

 
夕日
ポローシャ・ザイコアは、かく語る(3月19日夕刻)
    今回の仕事について考えると・・・なんだか緊張してる。何でだろ?そう思いながら、さんざん見たはずの自分の荷物を見始める。■コーラルさんや他の人たちとも、また改めて、お互い挨拶をしあった。今は皆、それぞれ自分の事をしている。■夕日が大地にとけ込んでいく様は、とても綺麗なんだけど・・なんだか切なくなっちゃな・・・ 

 
――北へ
レヴィ=ランシールは、かく語る(3月19日大地が茜色に染まる刻)
    遺跡探索の為に集まったのは依頼人・ラーダ神官コーラルさんを含め7人。その内5人が野伏の訓練を積み、辺境の移動には打ってつけと言えるだろう。多くは一緒にノカ村の護衛をした面々で、顔も見知っている。●バルボンさんという男性には一昨日会ったばかりだが、彼はアーロンさんが選んだ人材だ、間違いはないだろう。そうそう、あの吟遊詩人らしい変わり種のドワーフ・ガストンさんは私の名前を「レビィ」と発音する。ドワーフは「ヴィ」と発音できないのだろうか?●夕刻の街道は大地と融けていく夕日に茜色に染まる。そして誰かが口ずさんだ古歌が静かに流れてゆく。まだ外の人達に慣れていないけれど……今回は角をつき合わせずに済みそうだ。

 
ワシもやっと冒険者として・・・
ガストン=ラグレは、かく語る(3月19日夕刻)
    ワシ等は古の精霊亭で集まった.遺跡を探索する仕事で集まった冒険者たちじゃ..そこで依頼主コーラルさんから一週間分の食糧を渡される...少ないのぉ...ワシの胃袋をなめとるのか.とか思いながら..ワシが自分で用意していた保存食の中に加える.▼仕事で集まったとは言っても冒険を供にする仲間じゃ.ラッシュさんとポローシャさん.そしてレビィさんはこの前一緒に飯を食ったからのぉ.分るんじゃが...スレイさんとバルボンさん.テロルさんとは初対面じゃった...ワシを良く分ってもらうには...やっぱり歌かの?高いところがないか捜しておったら.だれかに急ぐからと止められてしもうた...残念じゃのぉ.今度じっくり歌うからのぉ♪そんなこんなでワシ等の冒険は街道を北へ一歩踏み出したのじゃった...