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平成14年第4回定例会
 平成14年12月

【小林鈴子君】
それでは、通告に従いまして、一般質間をさせていただきます。
まず初めに、市民二一ズにこたえ、図書館の充実についてお伺いいたします。

 読書は豊かな感性や情操、そして人への思いやりの心をはぐくむ上で、とても大切な営みであります。
 しかし、皆さん御承知のとおり、近年、活字離れの傾向はとみにふえております。文部科学省国立教育政策研究所の研究者が行った読書教育に関する調査が発表されました。それによりますと、図書館で本を借りたことがないが41%、家にある本は1冊から10冊が28%というのが高校生の実態でありました。

 読書離れの傾向は、学年が上がるにつれて深刻になっており、教師の39%は、大人や教師が本を読まなくなったことが原因と答えております。また、読売新聞の世論調査では、最近1ヵ月に本を全く読まなかったと答えた人は、80年代は3分の1だったのが、90年代の半ばから5割前後にふえ、特に若い世代の本離れが深刻であります。近年はサービスが充実していた公共の図書館が、財政難の影響で揺れております。

 中野区の中央図書館では、財政危機の打開のため、資料購入費の削減をと張り紙をし、市民に周知しており、資料購入費は3年前の69%もダウンしております。

 都立図書館の資料費は、ピークの97年前後から半減し、区立図書館の平均は93年度に比べ25%減らしております。

 そういう中、人件費を減らす動きも相次ぎ、江東区と墨田区はことし、一部業務の民間委託に乗り出しております。江東区では、窓口業務などを民間委託し、年間3億円が削減可能と試算し、2年計画で実行に移行する予定であります。民間の柔軟な発想を取り入れることで、開館日をふやすなど住民サービスも充実しつっあるようです。

 本市の図書館は、中央図書館、南大沢図書館、川口図書館、生涯学習センター図書館の4館があり、市民サービスも図られ、多くの市民に利用されております。しかし、1人当たりの蔵書数と貸出数は、三多摩各市の中でワースト2であり、総合ワースト1であります。この結果の原因をどのように解決していくかが問題でありますが、お金をかけずに市民の方々にサービスをし、満足していただく方法を考えていくことが大事になってまいります。

 私は、その打開策として、蔵書の充実はもちろんのこと、図書館の早期通年開館と、開館時間の延長で市民サービスをすることを提案いたします。現在策定されております基本構想・基本計画の生涯学習の推進に、施策の展開として図書館機能の充実とあり、通年開館を進めていくとあります。また、行財政改革大綱の中にも、図書館通年サービスの実施が平成15年度の取り組みとあります。
 この通年開館については、どのような考えで決めたのか、お考えをお尋ねいたします。

 次に、開館時間の延長についてお伺いいたします。

 現在、図書館の開館時間は10時から5時までで、水、木曜日は午後8時までとなっております。図書館事業実施状況によれば、夜間開館時の入館者数、資料貸出数も多く、市民に利用されております。

 行財政改革プランの中にも、夜間開館の通年化が平成14年度の取り組みと示されておりますが、なぜ夜間開館が水、木だけ午後8時で実施しているのか。また、図書館の勤務体制は正規の職員の方と嘱託の方でありますが、体制をどのように工夫されておりますでしょうか、お聞きいたします。

 次に、中央図書館の駐車場は現在20台のスペースがありますが、図書館が4館しかないために、広域から車で来る方が多くいらっしゃいます。駐車するのに二、三十分待たなければならず、私のところには大勢の方から駐車場の増設の要望があります。図書館には、こg増設を要望する声が届いておりますでしょうか。また、このような駐車場の実態をどのように認識されているのかをお伺いいたします。

 次に、他市との相互利用につIいては、本市と相模原市との相互利用が開始され、はや8ヵ月がたちましたが、八王子市から相模原市へ2,733人の方が登録され、利用されております。この相互利用の状況と成果をどのように把握されていらっしゃいますでしょうか、お尋ねいたします。

 次に、図書館バッグの配布については、千葉県浦安図書館において小学生以下の子どもに対して、新規登録したときに、本を入れて持ち運びできる、利用参入れもついている図書館バッグを配布しております。これは楽しく図書館通いができるように、また本を丁寧に取り扱ってもらうためでありますが、子どもたちは大変に喜んで使用しております。本市においても市民サービスとして子どもたちが楽しく図書館を利用できるように、図書館バッグを配布できないでしょうか、お聞きいたします。
 



 次に、子ども読書活動の推進の充実についてお伺いいたします。

 朝の読書とは、学校で毎朝、始業時の10分間、全校一斉に子どもと教師が一緒に好きな本を読む活動です。この読書運動は、1988年、千葉県の船橋学園女子高校、現在の東葉高校の林公先生が提唱し、大塚笑子先生が実行したのが始まりで、本年11月の時点では全国で小中高校合わせて1万957校が実施しております。みんなでやる。毎日やる。好きな本だけでよい。ただ読むだけなので、ほとんどすべての児童、生徒かち圧倒的な支持を受けます。実践を始めるまで、約74%の生徒が本は余り好きではなく、読まない方だったと答えましたが、3年たっと、約87%の生徒が本を読むようになり、本が好きになったと答えたそうです。各学校の実践から、読む力がつくことで国語以外の教科の基礎力がつく。学校、学級、児童、生徒の心が落ちっくなどが挙げられております。

 八王子市においても、小中学校の朝の読書活動が行われており、効果が出ていると思いますが、朝の読書活動をどのように評価していますでしょうか。お考えをお聞きいたします。

 すべての子どもがあらゆる機会に自主的に読書に親しめる環境整備をするために、向こう5年間の取り組みの基本的な方向性を示した国の子ども読書活動の推進に関する基本的な計画は、昨年12月に施行された子どもの読書活動の推進に関する法律に基づいて策定されました。

 これを受けて市にも計画策定の努力義務が課されております。本市として読書のまち八王子推進協議会で、八王子市子ども読書推進計画の策定を予定しておりますが、取り組みに対して市としての考え方と、市民の声をどのように取り入れていくのか、お伺いいたします。

 法律により、4月23日は子ども読書の日と定められております。これは国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるために設けられたものであります。本市においても、ことしの4月23日は子ども読書の日記念講演、子どもと本が出会うときを開催して、大変好評でありました。今後は、子ども読書の日の取り組みについてどのように考えているのでしょうか。また、今年度は学校での子ども読書の日の取り組みをどのように取り組んだのか、お伺いいたします。

 次に、学校図書室についてお伺いいたします。

 子どもの読書活動を推進するには、一学校図書室の図書資料の整備・充実が必要であります。中学校の図書室、図書冊数は、達成率が94.7%であり、小学校は118.2%であります。さらに、新しくできた小中学校では、達成率が50%前後の学校もあります。読書環境を整える意味から、特に蔵書の数の少ない新設校もそうですが、今後どのように学校図書館図書標準に定める蔵書の充実を図っていかれるのか。
 
 また、蔵書が多い学校もありますが、全国学校図書館協議会で定めている廃棄基準を踏まえて整備を行っているのか、お聞きいたします。

 次に、図書教諭は学校図書室資料の選択、収集、提供や、子どもの読書活動に関する指導を行うなど、役割は重要であり、学校図書館法の規定により、平成15年度以降、12学級以上の学校に配置しなければなりません。司書教諭を平成15年度から配置できるのかどうか。また、11学級以下の学校に対してはど
のように支援をしていくのか、お伺いいたします。

 図書館ボランティアの方には、小学校9校、中学校3校で、学校図書室の充実のために協力していただいておりますが、どのような効果が上がっているのか、お伺いいたします。

 学校図書室は、開かれた学校づくりとともに、情報センターの中核として、また地域のコミュニティの拠点としての役割を果たしていくために、地域開放をしていく必要があると考えますが、市教委としての考えをお聞きいたします。

 次に、ブックスタートについては、4月23日の子ども読書の日に、子どもと本が出会うときと題してお話があり、大変好評でありましたし、私も平成14年第1回定例会において一般質問をさせていただきましたが、ぜひ実施していただきたいという思いから、今回も質問をさせていただきます。

 このブックスタートは、赤ちゃんと絵本を通して楽しい時間を分かち合うことを理念として、1992年にイギリスのバーミンガムで始められた運動です。日本では、ブックスタート支援センターが東京・杉並区の協力を得て2000年11月に試験実施を行ったのが始まりですが、現在、200の自治体で実施されております。ブックスタートは、地域の保健センターで行われているゼロ歳の乳幼児健診時に、参加したすべての赤ちゃんと保護者に、絵本やアドバイス集などのセットとメッセージを添えながら、保護者ひとりひとりに手渡すというものです。
 絵本を介して赤ちゃんと保護者の心が通い合う、温かい時間を持ってほしいとのメッセージを伝えることが最も大切であり、セットを手渡す際には、図書館員や保健士が同席し、説明などを行います。

 子育てに頑張っているお母さんを支援していく運動として、ぜひブックスタートを実施していただきたいと思いますが、市のお考えをお伺いいたしまして、1回目の質問を終わります。



【寺田元信議長】社会教育部付参事。
【大熊誠社会教育部付参事】
 それでは、図書館に関する質問について順次お答えをいたします。
 まず、通年開館についてどのような考え方で決めたのかということでございます。

 市民生活の多様化や社会環境g変化などによりまして、市民の方の要望も多岐にわたっております。

 より利便性を求めるようにもなってきております。このような中で、図書館にも休館日の月曜日の開館や、開館時間の延長を要望する声も大変多くなってきております。図書館を利用していただける市民の方の利便性のさらなる向上を図るために、通年開館を行うものでございます。

 次に、夜間開館が水、木曜日の理由はなぜか、また職員の勤務体制をどのように工夫をしているのかという御質問です。夜間の開館は、昭和63年8月から実施しております。曜日の設定につきましては、通勤サラリーマンが平日来館できませんので、その方たちを主な対象といたしまして、平日の水曜日と木曜日というふうに設定したものでございます。

 また、職員の勤務体制ですが、おのおのの館で利用者の状況に応じまして正規職員と嘱託員で対応しておりますが、勤務時間等をずらすなど、工夫を凝らしているところでございます。

 次に、中央図書館の駐車場について、市民から、の声は届いているのか、また、その実態はどのようになっているのかということでございます。'

 利用者の声でございますが、確かに駐車スペースが少ないなどの声が上がっております。また、その実態でございますが、中来図書館では利用者用駐車場として、先ほど御覧間がありましたように20台分のスペースを確保しでございます。

 平日の利用につきましては、混雑時でも15分程度でほぼ駐車ができます。ただ、土曜日、日曜日になりますと、平日より来館者がかなり多くなりますので、1日130台ぐらい利用されます。
 
 また、午後の2時から3時がちょうどピーク時となっておりまして、30分から40分程度お待ちいただく場合もございます。

 次に、相模原市との相互利用の状況と、その成果をどのように把握しているのかということでございます。相模原市とは本年4月3日から相互利用を行っております。10月までの利用状況でございますが、先ほど御質問にありましたように、相模原市の図書館へ登録した八王子市民は2,733人で、八王子市へ登録した相模原市民の205人を大きく上回っております。八王子市民にとっては、相互利用により利便性の向上が図られた結果となっております。

 ただ、相模原市民の少ない理由といたしましては、相互利用の開始以前に八王子に在学、在勤している人が1,328人、八王子の図書館の方へ登録しているという事情もございます。
 
 それから、図書館バッグのサービスを本市でも実施できないかということでございます。図書館を多くの子どもたちに利用してもらうということは、子ども読書活動を推進する上で図書館にとっても重要な課題でもございます。子どもたちの利用促進の一つとして、今後、検討していきたいと考えております。

 次に、子ども読書活動推進計画についての市としての考え方、また市民の声をどのように取り入れるのかということでございます。国の基本的な計画を受けまして、本市でも14年度中に子ども読書活動推進計画を策定するために、11月に読書のまち八王子推進協議会を設置いたしまして、現在、協議を行っているところでございます。この中で、子どもにとっての読書の役割や、あるいは必要性、さらに推進事業についても検討を行っていただく、そういうことになってございます。

 また、この協議会では市民公募の2名の方に参加していただいておりまして、また、広く市民の声を反映するため、御意見、アイデア等ありましたら、その協議会でも協議をしていきたいと考えております。

 次に、子ども読書の日の取り組みについてどのように考えているのかということでございます。子ども読書の日の記念事業といたしまして、本年4月21日にクリエイトホールで講演や読み聞かせの実演を行いまして、70名を超える方が参加をいただいております。

 また、アンケート調査でも90%以上の人から、大変勉強になったと、大変好評を得ているところでございます。

 15年3月には、子ども読書活動推進計画も策定されますので、4月には引き続き、子ども読書の日の記念事業を実施したいと考えております。

 最後に、ブックスタートでございますが、実施していく方向で検討できないかということでございます。先ほど申し上げました読書のまち八王子推進協議会で14年度中に子ども読書活動推進計画を策定いたします。この中では、今後の推進事業についても検討してまいるように考えております。

【寺田元信議長】学校教育部付参事。
【永関和雄学校教育部付参事】
 私の方からは、学校での読書指導につきまして順次お答えをしてまいります。
学校における朝の読書の取り組みと評価でございますが、今年度、学校全体で朝の一斉読書を推進している小学校は35校、中学校では13校でございます。これに学級や学年単位での取り組みを含めると、市内のほとんどの学校で実施していることになります。

 学校からは、本が好きになった、子どもの言葉が豊かになった、家庭で読書に親しむ児童、生徒がふえたという声が上がっておりまして、市といたしましても、さらに取り組むべき活動と評価しております。

 次に、今年度の子ども読書の日の取り組みでございますが、各学校においては子ども読書の日の一環として、図書館などで企画された各種のイベントに参加したり、推薦図書を紹介するなど、読書の楽しさや大切さをPRいたしました。

 次に、司書教諭の配置についてでございますが、学校図書館司書教諭は本市12学級以上の小学校52校、中学校は15校に15年度から配置される見込みでございます。11学級以下の学校につきましても、できるだけ司書教諭の研修を受けるように指導するとともに、来年度も引き続き夏季パワーアップ研修の講座に図書館指導などを設け、教員の指導力の向上に努めてまいりたいと考えております。

 図書館ボランティアの効果でございますが、学校での読み聞かぜや図書紹介など、こういったものを通して、子どもが読書に親しむ機会がふえたこと、そして図書室の整備などが図られたことなどが効果としては挙げられると考えております。

【寺田元信議長】学校教育部長。
【坂井力学校教育部長】
 学校図書の蔵書の充実ということでございますが、今、各学校には学級数
を基準にして予算を配分しておりますけれども、大変厳しい財政状況の中で、一気にふやすということもなかなか難しい状況がございます。そこで、予算配分の仕方とか、または市立図書館との連携等も含めて、充実策については検討してまいりたい、このように考えております。

 それから、廃棄の問題でございますけれども、主に長年利用がないものや棄損したものを対象にしております。廃棄の基準については、可能な限り、これを達成するよう、各学校において努力をしているというふうに考えております。

 それから、図書室の開放でございますが、学校施設につきましては、図書室を含めて特別教室をできるだけ開放していきたいと考えておりますが、'図書室は地域のボランティアの御協力をいただくことも必要かと思いますので、今後、その具体策について詰めてまいりたい、このように考えております。


【小林鈴子君
 それでは2回目の質問をさせていただきます。
 そこれぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 図書館の通年開館と夜間開館の通年化につきましては、市民の要望も多く、利便性の向上を図るために決めたようであります。

 鹿児島県川内市図書館は、日本一開館日数の多い図書館として、全国住民サービス番付で全国各市の中核市図書館の中でトップランクに位置づけられました。

 開館日数をふやしたのは、98年7月から公共施設の効率的な管理運営を目的に設立された川内市民まちづくり公社に委託したことで、市職員では対応できなかった土日、祝日や夜間の開館が実現したのです。業務に公社採用のパート職員を充てることで、市職員の数を減らし、人件費も抑えられました。蔵書の点検などのため6月の15日間だけは休館しますが、毎月第4木曜の図書の整理、館内清掃日も午後5時以降開館し、市民サービスに努めております。
 この結果、利用者数が2倍近くにふえ、人件費のコスト削減効果も大きく出ております。

 本市の図書館の場合、正規職員と嘱託員がおります。それぞれの担う仕事の役割をはっきり整理し、職員の人的体制を整えていく。もちろん、正規職員も必要でありますが、嘱託員の方をふやして、運営コストを下げ、経費の削減をすることができると思います。

 また、ボランティアの方にも御協力をいただき、お金をかけずに経費を浮かして、その分、本を購入したり、通年開館や夜間開館の通年化をし、サービスの拡大ができると思います。

 私のところには、市民の要望として通年開館の実施を強く望む声が多く届いております。行財政改革大綱の中では、通年サービスの実施が平成15年度にありますが、通年開館の市民サービスを平成15年4月から実施すべきであると思いますが、いつから実施されるお考えか、お尋ねいたします。

 さらに、開館時間の延長につきましては、特に生涯学習センター図書館については駅にも近いということもあり、通勤帰りの方が水曜、木曜日だけでなく、他の曜日の拡大も望んでいらっしゃいます。

 また、中央図書館においても、本市の中心の図書館であり、広域の方が利用されます。

 他市区の閉館時間の実態を見てみますと、26市では午後8時までは3市、午後8時30分までは1市であり、23区では午後7時から8時までは22区で閉館時間を遅くして市民サービスに努めております。
 ぜひ夜間開館の拡大を実施すべきであると考えますが、お考えをお示しください。
 
 さらに、他市区の開館時間を見てみましても、26市では9時からが3市、9時
30分からが2市であり、羽村市では夏休み期間のみ9時からの開館になっております。
 23区では19区の図書館で朝9時からの開館であります。夏休みなど子どもたちが図書館を利用することが多くなりますので、朝9時からの開館を夏休みだけでも実施できないでしょうか。お伺いいたします。

 続いて、中央図書館の駐車場につきましては、市民からの要望も寄せられており、厳しい状況であることは掌握されていらっしゃると思いますが、この駐車場の対策を今後どのように考えているのでしょうか。周りにも駐車場がないようですので、近隣で民間駐車場がありますが、御協力は得られないので
しょうか。あわせてお聞きいたします。

 相模原市との相互利用につきましては、8ヵ月で2,733名の八王子市民が登録され、相互利用することによって利便性の向上を図ることができたと思いますが、つきましては、今後は市民要望の多い町田市、日野市、多摩市の近隣の市について、相互利用は進められないでしょうか。ぜひ相互利用できるように働きかけていただきたいと思いますが、市のお考えをお伺いいたします。

 子どもたちへの図書バッグのサービスについては、このアイデアは子どもたちが楽しくバッグを持って図書館通いができ、読書好きになると思いますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 
 次に、子どもの読書活動の充実についてお伺いいたします。
 朝の読書活動の取り組みにつきましては、ほとんどの学校で実施、効果が上がっているとの御答弁であったかと思います。しかし、実態を見ますと、毎日実施しているのが中学校の11校だけで、週数回が小学校5校、週1回が小学校10校、中学校1校であります。

 朝の読書の4原則は、みんなでやる。毎日やる。好きな本でよい。ただ読むだけであります。生徒も教員も一緒に、全校一斉に取り組むことは、無言の教育力となり、学校運営がうまくいっていない教員を助けることにもつながります。

 また、毎朝10分間読むことは、毎日やることで力をつけるのには最良の方法であり、朗読むことで1日の学校生活にわたって効果が期待でき、遅刻が減る学校もあります。

 lO分というのは、本が嫌いな子でもどうにか集中でき、効果が上がる時間ですし、小学校なら学級担任制であるため、授業の一部を読書に充てることができるのではないでしょうか。

 神奈川県綾瀬市の15ある市立小中学校が、ことしの4月から児童、生徒が1時間目の授業前に朝の読書に取り組んでおります。これは綾瀬市の教育委員会の意向で始まったもので、活字離れを食いとめるとともに、落ちついた朝を迎えることで授業にも集中できるはずと期待をしております。
 綾瀬市立綾北中学校では、2年前から毎朝午前8時45分から10分間、続けています。2年前に比べて、本が好きという生徒が20ポイントふえて52%となり、5冊以上読んだ生徒も25ポイントふえて60%となって、すばらしい効果が出ております。

 本市も、市教委の意向で、八王子市の小中学校で毎日、朝の読書を実施するように取り組めないのでしょうか。お考えをお聞きいたします。

 八王子市子ども読書推進計画につきましては、読書のまち八王子推進協議会で策定してくださいますので、八王子バージョンのすばらしい推進計画ができるのを期待しております。

 次に、子ども読書の日の取り組みについては、4月に開催され、大変に好評でありましたので、来年ももう少し拡大して開催していただきたいと思います。

 また、子ども読書の日に関して、子どもの読書活動を推進する意味で、毎月23日を八王子子ども読書の日として設定することはできないでしょうか。お尋ねいたします。

 学校におきましては、紹介や啓発のみでなく、学校としての取り組みをしていただきたいと思います。

 学校図書室につきましては、蔵書の数は各学校によって違うと思いますが、本の星もそうですが、質の面での充実も必要であると思いますので、整理をしていただきたいと思います。

 広島県教育委員会では、家庭の本棚に眠る本を公立学校の図書室の蔵書に生かそうと、家庭に眠る不要本を回収して、各学校に配布するフェニックスプラン事業に乗り出しております。財政悪化で各自治体の図書整備費が削減される中、読まれていない本を活用して、児童、生徒の読書環境を整えることができます。このように家に眠る本を回収し、それを活用することで、古書の活用と学校図書室の蔵書充実という一石二鳥になると思いますので、本市においても取り入れられないか、お伺いいたします。

 学校図書室の司書教諭につきましては、配置でさらに子どもたちの読書環境が整うことを期待しております。

 学校図書室は、学校図書室ボランティアによって成果が出て、有効活用が図られているとのことでありましたが、今後、学校図書室ボランティアの方々に対して支援が必要であると考えますが、市教委としてどのように考えているか、お尋ねいたします。

 さらに、学校図書室ボランティアがいない学校に対して拡大していくことも大切であると思いますし、ボランティアの組織化をぜひしていただきたいと思いますが、お考えをお伺いいたします。

 最後に、ボランティアの方々の御協力をいただき、今後、図書室の開放へ、またブックスタートにつきましても、読書のまち八王子推進協議会で協議をしていただき、実施していただくことを期待いたしまして、2回目の質問を終わります。


【生永恭博副議長】社会教育部付参事。
【大熊誠社会教育部付参事】
 図書館にっいてお答えいたします。

 まず、通年化についてですが、現在、通年開館に伴う各館の費用対効果などついて検討を行っております。近々、関係団体と協議を進め、15年度の早い段階で実施をしたいと考えております。

 次に、夜間開館の拡大と、開館時間を早くできないかということでございます。夜間開館につきましては、体制等の問題もありまして、通年開館とあわせまして、15年度早期実施に向けて現在検討をしているところでございます。

 また、夏休み期間中の開館時間ですが、現在、10時の開館までは職員が、本が返却されましたものの整理とか、あるいはリクエストされた本を戻すなりして、利用者の問い合わせに対応できるようにしております。利用者の利便性の向上を図るため、今後検討していきたい、そのように考えております。

 それから、駐車場対策でございますが、図書館近くには駐車場を確保するスペースがございません。
 
 また、財政上の問題からも増設することは困難な状況でございます。中央図書館では西八王子駅から5分という距離にございまして、利用者の皆様には公共交通機関を利用していただくというふうにお願いをしているところでございます。
 
 それから、近隣市との相互利用でございますが、市民の方から要望が多く出されております。特に日野市、多摩市、町田市でございまして、そちらとの相互利用について今後積極的に行っていきたいと考えております。

 最後になりますが、毎月23日の子どもの日の設定でございますが、これにつきましては、八王子子ども読書の日の設定につきましても、読書のまち八王子推進協議会の方で皆様から御意見をいただいて検討してまいりたい、そのように考えております。

【生永恭博副議長】学校教育部付参事。
【永関和雄学校教育部付参事】
 学校における朝の読書の取り組みを八王子市の小中学校で今後さらに広げる考えはどうかということでございますが、今後は教科の内容との調和に留意しながら、読書のまち八王子の事業の一環といたしまして、朝の読書に取り組む学校をふやしていきたいと考えております。

 家庭で眠る本を学校にというアイデアにっいてでございますが、本市においても学校図書館の蔵書充実の一方策として積極的に検討してまいりたいと考えております。

 また、学校図書館ボランティアヘの支援でございますが、来年度は市内の各学校でも積極的にボランティアを募るように指導し、応募された方には、市として研修の機会を設け、初めての方でも自信を持ってボランティアに参加していただけるようにしたいと考えております。

 学校図書館ボランティアの組織化についてでございますが、読書のまち八王子の取り組みの中で、小中学校との連携を密にしながら推進するように検討してまいりたいと考えております。


【生永恭博副議長】小林鈴子議員。
【小林鈴子君
 それでは3回目の質問をさせていただきます。 

 図書館、学校図書室の充実につきましては、多くの市民が望んでおりますし、市としましても、それを受けとめ、前向きに検討していただきたいと思います。

 今回は質問いたしませんでしたが、大学との連携や、そして地区図書室の充実ということでも要望が寄せられておりますので、充実に向けて御努力をお願いしたいと思います。
 
 このたび、読書のまち八王子推進協議会が設置されましたが、八王子が読書のまちになっていけるように、すばらしい協議会の先生方に心から期待をしております。

 最後に教育長にお伺いいたします。図書館と学校図書室の充実と、子どもたちの読書活動の推進につきまして、教育長のお考えをお伺いいたしまして、一般質問を終わります。


【生永恭博副議長】成田教育長。
【成田一代教育長】
 読書を取り巻く課題について御質問をいただきました。確かに活字離れや読書離れが子どもたちに与える影響が深刻な問題となっております。行政といたしまして・市民の読書活動の推進を担っていく図書館や学校図書室の役割はますます重要となってきております。御覧間をいただきました通年開館や、朝の読書活動の課題につきましては、早期実施に向けまして全力で努力をしてま
いりたい、そのように思っております。

 さらに、本市では、次代を担う子どもたちが健やかな成長をしてもらうためにも、また市民が生涯にわたって学び続けるための読書活動の推進や、読書環境の整備に向けて、読書のまち八王子推進協議会を設置し、去る11月15日には第1回目の協議会を開催したところでございます。この中で、読書を取り巻く課題や推進事業につきましても積極的に取り組んでまいりますので、今後、皆様の御支援をよろしくお願いいたします。