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平成14年第3回定例会
 平成14年9月

【小林林鈴子君】
それでは、通告に従いまして、一般質間をさせていただきます。

 まず初めに、聴覚障害者に優しい対応をについてお伺いいたします。
今国会において、介助犬や聴覚障害者の耳がわりを勤める聴導犬の存在を法的に確立し、これまで盲導犬に限られていた公共施設や公共交通機関利用の際の同伴を認める身体障害者補助大法が5月に成立いたしました。

 これは一部を除き10月1日に施行されます。同法は、盲導犬とともに介助犬、聴導犬を身体障害者補助犬と位置づけ、公共施設や公共交通での受け入れを義務化しております。

 さらに、2003年10月からは、不特定多数の人々が利用する民間施設でも、やむを得ない場合を除き、同伴が可能になります。また、職場の事業主や賃貸住宅の家主に対して、補助犬が拒まれないよう努力義務を規定しております。
 この聴導犬は、1975年にアメリカで初めて飼育されました。聴覚障害を持つ女性がラジオのトークショー番組に、だれか自分の飼っている犬を家の中のさまざまな音に反応するように訓練してくれませんかと持ちかけたのがきっかけでした。

 日本で第1号のモデル犬が生まれたのは83年。しかし、その後の歩みは遅々たるものでありました。アメリカでは既に2,000頭を超える聴導犬が活躍していますが、我が国ではわずか19頭しかおりません。

 聴覚に障害を持つ人は、一見して健常者と変わりがないため、障害者と認定されにくく、トラブルに巻き込まれやすいのです。そうしたさまざまな危険から聴覚障害者を守り、さらに自立と社会参加を促す大切な役目を聴導犬は担っています。この法案の成立によって、障害者の社会参加への制度を除き、
ノーマライゼーションヘの流れが進められました。

 この聴覚障害者は、一般に障害の発生年齢や制度から、聾唖者、難聴者、中途失聴者に分類されますが、その人がどれに当たるかは、その人自身がどう思っているかというアイデンティティーの問題であり、厳密に区分できるわけではありません。

 難聴とは、ある程度の聴力が残っている場合であります。
コミュニケーションの手段は、補聴器、口話、手話、筆談等、さまざまです。 中途失聴者とは、人生の途中で聴覚を失った状態を意味します。コミュニケーションの手段は、手話ができない人が多いので、主に筆談を利用しています。会合等では要約筆記に頼らざるを得ません。誕生時、または乳幼児期に重度難聴を来した聾唖者のコミュニケーションの手段としては、ほとんど手話が利用されています。

難聴者と中途失聴者とは、いずれも通常の話し言葉や書き言葉を主なコミュニケーション手段としています。

八王子市においては、新八王子21プランの中に、障害者福祉の現状と課題で、ノーマライゼーションの理念に立ち、障害者が地域や家庭の中で可能な限り自立して、生きがいのある生活を送ることができるように、障害の種類や程度、年齢や生活の様態に応じて、きめ細かな施策を展南していることが重要であるとあり、10ヵ年計画では、社会参加の促進、在宅福祉の充実、相談・情報提供機能の充実を明記し、推進しております。

八王子市には、障害者の方が1万5,000人おります。そして聴覚障害者の方は
1,102名おります。そのうち60歳以上が698名、63%ぐらいになります。このように市内に多くの方が生活されておりますが、市役所にも手続等においでになることがあります。

 そこでお伺いいたしますが、各窓口業務において聴覚障害者に対してどのような対応、心配りをされているか、お伺いいたします。

 また、職員の研修の状況をお尋ねいたします。


次に、市の情報誌はいつも充実した内容で、毎回、見るのが楽しみであります。特に広報は月2回、市政情報が満載されており、大変に役に立っております。しかし、誌面には電話番号だけで、ファクス番号は記入されておりませんので、質問や問い合わせをしたくても、聴覚障害者の方はできませんので、大変困っております。ファクス番号の記入がないのは、何か理由があるのでしょうか。お伺いいたします。

 また、聴覚障害者には欠かせないのが、手話通訳協力者等の派遣事業であります。ボランティアセンターが窓口であり、個人、団体、行政でも活用しておりますが、この事業の要綱とあわせて、その派遣実績をお示しください。

 また・地震や台風などによる自然災害が発生した場合・聴覚障害者の人たちが避難場所や被害状況などの情報を得るには・極めて難しい問題がありますが市では災害が起こったとき、聴覚障害者の方たちにどのように対応し、情報を伝達しているのか、お伺いいたします。

 次に、公共施設内における禁煙、分煙対策についてお伺いいたします。
日本では文部科学省が学校の原則禁娃を指示する通達、1995年を出し、厚生労働省が、健康日本21、2000年において、未成年者の喫煙率ゼロ%、公共の場や職場における分煙を徹底などの目標を示しました。

 また、{日本医師会も禁煙キャンペーンを開始しました。なお、2000年末には未成年者喫煙禁止法が半世紀ぶりに改正され、未成年者にたばこを販売した者への罰金が50万円以下に引き上げられました。
 
 さらに、昨年12月5日、参議院本会議で未成年者喫煙禁止法の改正法が可決成立しました。この法案は、たばこの販売業者が購入者の年齢確認をすることに法的根拠を与え、喫煙の防止策を強化することがねらいであります。また、ことしの4月、参議院財政金融委員会は、日本たばこ産業株式会社法改正案の審議を行い、その中でも、たばこが健康に与える影響は、喫煙者本人だけでなく、周囲の人にも幅広く及ぶことを指摘しております。

 現在、たばこのパッケージに印字されているあなたの健康を損するおそれがありますのでという注意書きについて、また、同じ言葉が小さい字で書いてあっても読まれにくいと述べ、注意書きの内容を数種類用意して表示を変えていく、ローテーション表示制度の案も出されております。

 さらに、5月には、超党派でつくられている禁煙推進議員連盟においても、歩きたばこや、たばこのポイ捨てなどの規制に関する喫煙等の規制に関する法案も提出され、議員立法で提案したいという議員がいるように聞いております。
 このように、国においても喫煙について議論、検討がなされております。
5月31日、世界禁煙デーでありました。韓国はこの日を境に、環境庁、教育機関、医療機関を全面禁煙に踏み切ったというように聞いております。また、アメリカ政府は逆CMを提供し、たばこ被害を強烈に訴えております。

 日本国内においても、千代田区が路上禁煙地区の指定をし、路上喫煙、たばこポイ捨てに対して2万円の罰金を課す条例を、全国で初めて1O月から施行いたします。

 また、大手下着メーカーは、社員の健康維持促進のためにユニークな制度を導入しております。それは、たばこをやめれぱ3万円の報奨金を社員の家族に出す。しかし、宣言した社員が喫煙しているのを見かけた同僚が会社に愛の密告をすると、1万円の協力金が支給され、喫煙挫折が発覚した社員には6万円を会社に返すというものであります。

 今回、4月、上場企業200社を対象とした社内禁煙状況の調査によると、分煙を実施している企業は65%の130社、全面禁煙22.5%、45社に上り、時間別の4%、8社を含めると90%以上の会社で既に喫煙に関する規制を設けております。

 このように、日本、世界においてもいろいろな試みがなされている昨今であります。

 受動喫煙については、健康増進法案要綱に受動喫煙の防止があり、それには次のようにあります。学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会所、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店、その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について受動喫煙を防止するために必要な措置を講じるように努めなければならない。また、2001年世界保健機構、WHOが定めた世界禁煙デーの標語は、他人の煙が命を削る。受動喫煙をなくそうでありました。喫煙者の周りにいる人がいや応なしに煙を吸わされているのをなくそうというのであります。

 さらに、火がついたたばこの先から立ち上る煙は、喫煙者が吸い込む煙より有害物質が多く、ニトロソアミンという発がん物質は52倍、アンモニアは46倍で、一酸化炭素が5倍、タールやニコチンも3倍であります。そして、虚血性心疾患、呼吸器疾患、乳幼児突然死症候群、呼吸器のがんなどの危機に陥らせるということです。

 喫煙者の出すたばこの煙が周りの人の体内に入ってしまうのです。危険を承知でたばこを吸う喫煙者の体も心配ではありますが、ともかく非喫煙者が他人の煙の害にさらされるのを見逃すわけにはいきません。過日の新聞報道で、国立保健医療科学院の疫学部長の談話が掲載され、たばこの害から子どもを守るには、家庭や学校、地域の協力が不可欠であり、周囲の大人が吸っていると、受動喫煙の危険性はもちろん、その子どもが大人五こなって喫煙する率が高いという報道もありました。子どもからたばこを遠ざけることが大切で、教師や医師は、喫煙が健康に与える影響を正しく教える必要性があると指摘されておりました。

 さらに、世界銀行は、現在の喫煙パターンを継続すると、今日の地球の生存者のうち、約5億人がいずれたばこの使用のために死亡し、そのうち半数以上は現在の子どもや10代の若者であると警告しております。

 我が国の2000年度の未成年者の喫煙したたばこは、何と443億本との報道もありました。

 さらに、愛知県がんセンター研究所が喫煙率などをもとに行った推計では、2015年の肺がんの死亡者数は12万3,000人と、さらに倍増すると予測しております。同センター総長の宮永氏は、特に発育期にある未成年者の喫煙は、将来、肺がんによる危険が高いと話され、若者をたばこから遠ざける方策が必要とされておりました。
 このような意味から、たばこの教育を学校教育において行う必要性があるとの思いから、質問をさせていただきます。
 八王子市の小中学校の学校教育において、喫煙防止教育をどのように推進しているのでしょうか。そして、特に児童、生徒には、たばこの人体及び環境への害にっいてどのように指導内容が徹底されていますでしようか、お尋ねいたします。

 さらに、児童、生徒に喫煙防止教育を行う教員の方への研修はどのように実施されているのかについてお伺いいたします。

 また、市内の小中学校の禁煙、分煙状況はどのようになっているか。また、禁煙、分煙の状況について、現状のままで十分であると考えているか、お伺いいたします。

 今や、各国における公共の場所での喫煙に対する取り組みは、フランス、イタリア、アメリカ、ベルギー、タイ、カナダなどにおいて、法律または法的性格を有するものによる規制措置を行っております。

 日本は公共の場所、職場における分煙に徹底して取り組むことを決めております。しかし、まだまだ徹底されていないのが現状であります。

 そこでお伺いいたしますが、本市の公共施設である文化施設の3館と、市民センター及び社会施設の禁煙、分煙状況をお尋ねいたします。

 また、本庁舎内の喫煙対策については、喫煙問題に関する検討会を開催し、検討結果で空間分煙を現在実施しておりますが、その分煙導入の経過と、設置したメリット、効果をお尋ねいたしまして、1回目の質問を終わらせていただきます。


【和田武雄健康福祉部付参事】
 聴覚障害者に対します窓口応対についてでございますが、手話が可能な職員がいる場合には、手話による応対ができることもありますが、ほとんどの職場では筆談による応対でございます。

 健康福祉部や市民課など窓口を中心とします職場には、簡易筆談器を設置し、気軽に窓口に訪れることができるように努めているところでございます。
 
 次に、研修でございますが、窓口業務のある職場を中心といたしまして、初歩の手話講習会を開催し、手話を学ぶことを通して障害者を理解するとともに、障害者にとって利用しやすい市役所を考える機会としておりまして、講習は、初歩的な手話表現の実技や、聴覚障害者との懇談等、6日間にわたりまして実施しております。本年度につきましては6月に開催し、17課から18名が参加しております。

 次に、手話通訳協力者の派遣の要綱でございますが、手話通訳協力者等を派遣することによりまして、聴覚障害者と健聴者との意思疎通を円滑にし、もって聴覚障害者の福祉の増進を図ることを目的としております。

派遣対象にっきましては、八王子市に居住する4級以上の身体障害者手帳を所持する方としているところでございます。

 派遣実績でございますが、12年度につきましては手話通訳協力者532人、要約筆記協力者が44人、合わせて576人、13年度につきましては手話通訳協力者が623人、要約筆記協力者は86人、合わせて709名となっております。

【寺田元信議長】企画政策室長。
【田中正美企画政策室長】
 広報誌へのファクス番号の掲載でございますけれども、障害をお持ちの方に関する記事につきましては、平成12年3月から、極力ファクス番号を掲載させていただいておりますけれども、それ以外の記事につきましては、スペースの関係で、不本意ながら掲載できていないというのが実態でございます。

【寺田元信議長】総務部長。
【村山博夫総務部長】
 災害の情報伝達方法でございますが、大規模災害が発生した場合につきまし
ては、防災行政無線や広報車による市民への情報の提供、また、市のホームページや、本年6月から開始しました携帯電話から接続できるホームページのモパイル版でも災害情報が得られるようになっております。

 また、障害者に対しましては、自分たぢのまちは自分たちで守るという地域の助け合いによる共助の考えに基づきまして、地域の人たちに支援の協力をお願いしているところでございます。

【寺田元信議長】学校教育部付参事。
【永関和雄学校教育部付参事】
 市内の小中学校における喫煙防止教育についてでございますが、小学校及び中学校の保健の授業において指導しております。

 また、総合的な学習の時間や、全校活動として取り組んでいる学校もございます。
 喫煙が与える心身へのさまざまな影響について、調べ学習等さまざまな指導法の工夫を通して指導しているところでございます。例えば、小学校では法律にも触れながら、また中学校では有害物質の中には依存性があることや、常習化による影響について、テーマを決めて自分で調べる学習、場面を想定して行う演習などの参加型、問題解決型の学習を工夫して徹底を図っております。

 また、教員の研修につきましては、東京都主催の養護教諭研修会、本市主催の保健主任研修会や、夏季パワーアップ研修会等を通して行っております。
今後も内容の充実を図り、多くの教員の参加を呼びかけてまいりたいと考えております。

 次に、市立小中学校内の禁煙あるいは分煙の状況はどうなっているかということでございますけれども、現在、91%の小学校、97%の中学校で分煙化が進んでおり、校舎内全面禁煙の学校は小学校9校、中学校2校でございます。また、分煙を進めている学校のほとんどが喫煙場所を主事室や応接室、校長室、職員室の一角等の限られた場所に絞っております。ただ、児童、生徒への影響を配慮いたしますと、これは十分とは言えないと考えております。なお一層の分煙化が必要と考えております。

【寺田元信議長】生涯学習部付参事。
【西野栄男生涯学習部付参事】
 文化施設3館と市民センターの状況でございますが、まず、文化施設3館のホール内やリハーサル室などについては禁煙でございます。喫煙する場合は指定場所となってございます。会議室につきましては、御利用者の判断に任せておりますが、一部、市民会館の和室などについては禁煙としております。

 また、市民センターにつきましては、3館が全館禁煙でございます。残り13館につきましては、会議室内は全部禁煙としておりまして、喫煙する場合につきましては喫煙コーナーを設けており、分煙を実施しております。

【寺田元信議長】社会教育部長。
【小笠豊社会教育部長】
 社会教育施設におけます禁煙、分煙の状況でございますが、図書館4館、
こども科学館、郷土資料館、南大沢公民館、川口公民館においては禁煙でございます。市民体育館、甲の原体育館、中央公民館にっきましては分煙となっております。

【寺田元信議長】総務部付参事。
【橋本義一総務部付参事】
 本庁舎における喫煙対策の経過、効果についてお答えを申し上げます。
本庁舎では、平成7年4月から午前11時から、あるいは午後4時から、それぞれ
1時間の時間帯を禁煙タイムといたしまして、時間分煙を実施したところでございます。しかしながら、空気の汚れ、におい等につきまして、なお一層の改善を求める声が来庁者及び市民の双方から上がってまいりました。こうした経過を受けまして、庁内に検討会を設置し、いろいろと検討してきました結果、取り入れられましたのが、昨年8月から現行の空間分煙方式ということであります。

 その効果でございますが、執務室、会議室における粉じんが減少する。あるい戸喫煙に対する苦情が少なくなっている等、庁内全体にわたっての環境がよくなっているという、そういう効果が上がっている状況でございます。


【寺田元信議長】第5番、小林鈴子議員。
【小林林鈴子君】小林鈴子議員
 それでは2回目の質問をさせていただきます。

 ただいま、それぞれの御答弁をいただきました。引き続き、聴覚障害者に優しい対応をについてお伺いいたします。

 聴覚障害者に対して窓口業務の対応は、手話研修会をされ、障害者の立場に立ち御配慮された対応をしてくださっていることが、とてもよくわかりました。しかし、聴覚障害者の方がもっと安心して意思伝達ができる環境づくりも必要と考えます。中途失聴・難聴者は、耳が聞こえない聾唖者と違って、言葉を普通に話すことができるため、障害の特徴が理解されず、これまで福祉の谷間に置かれてきておりました。この中途失聴・難聴者の最大の障害は、聾唖者のように手話を使える人がほとんどおらず、三ミュニケーションが成立しないことでありま丸すなわち・発信ができても情報の受信ができない情報障害者であり、本人は会話の中身がわからなくても、何のことかわからず、ただほほ笑みを浮かべてしまうことから、ほほ笑み障害ともいわれております。

 また、今後の高齢化社会の進展に従って、老人性難聴者のますますの増加も予想されております。そこで、このような中途失聴・難聴者の方々に、コミュニケーションをとる大事な方法であるのが筆談であります。これは会話の中で日時や金額など重要な部分をメモでやりやすくすることで、コミュニケーションを図るものであります。

 ところで、皆さん、このマークを御存じでしょうか。これは耳の聞こえが悪いことを示す耳のシンボルマークであります。今ではすっかりおなじみになった手足の不自由な方など身体障害者をあらわす車いすのマークと同じように、全国共通マークで、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が考案したもので、中途失聴・難聴者のためのマークであります。そこでお伺いいたしますが、この室外表示板、これですけれども、耳のシンボルマーク、ここには耳の不自由な方は筆談しますので申し出てくださいと、このようにありますけれども、この表示板の設置を市役所を初め、市の公共施設のすべての窓口に表示、設置していただきたいと思います。

 これをわかりやすく窓口に表示することで、安心して各窓口に訪れることができると思います。今後、さらに聴覚障害者が安心して意思伝達できる環境づくりのために、このマークの設置に対してお考えをお聞かせください。

 次に、聾唖者の方は手話で窓口の手続を行います。板橋区では、非常勤の手話通訳の方が毎日窓口の対応をしており、障害をお持ちの方が安心して窓口にお越しになっているそうです。

 本市においても聾唖者の方が気楽に市役所の窓口においでになれるように、週に1回、窓口業務に手話通訳者を派遣していただきたいと思いますが、お考えをお尋ねいたします。
 
 市の情報誌は、広報、暮らしの便利帳など、とてもよくできて、活用されている方が大勢いらっしゃいます。暮らしの便利帳にも、すべてのところにファクス番号が記入されているわけではありませんので、改訂されるときには、できるだけファクス番号を入れていただくことを要望いたします。聴覚障害者の方はコミュニケーションをとるとき、電話でなく、ファクスやメールで行います。今の広報誌では、質問をしたくてもファクスの連絡先が記入されていないので、できないのが現状です。市の広報には生活にかかわる大事な記事が盛り込まれておりますので、先ほどの御答弁で、スペースの関係で入れられないとありましたけれども、どうか工夫をしてファクス番号を入れていただきたいと要望いたしますが、お考えをお聞かせください。

 次に、手話通訳協力者等の派遣事業については、手話通訳の利用が多く、市民の方に喜ばれておりますが、要綱の中の派遣対象者が4級以上の身体障害者手帳を所持する聴覚障害者とありますが、5級、6級の方は活用したくてもできません。この事業の目的は、聴覚障害者等と健常者との意思の疎通を円滑にしていくことでありますし、板橋区では、すべての障害者手帳をお持ちの方に毎日派遣しております。本市においても、手話通訳協力者等の派遣事業を4級以上の条件を取り除き、すべての聴覚、言語障害者に派遣をしていただきたいと思いますが、他市の状況と合わせてお答えください。
 
 災害時の情報提供につきましては、いろいろな方法で対応されております。防災行政無線のスピーカーで情報を流していますが、聴覚障害者はそれを聞くことができません。地震や台風など、災害が発生した場合、目や耳の不自由な人たちが避難場所や被害状況などの情報を得るのは極めて難しい状況です。

 こうした災害弱者となりがちな視聴覚障害者の安全を確保しようと、青森県黒石市ではパソコンから携帯電話の電子メールや電話などを使って災害情報を伝える視聴覚障害者情報連絡事業を5月から開始しました。また過日の新聞に稲城市が災害情報をメールで自動的に情報サービスすることが載っておりました。市が単独の消防組織を運営している利点を生かして実施できますが、本市においては東京消防庁と協議をするなり、今後、このようなサービスを考えていけないか、お伺いいたします。

 次に、公共施設における禁煙、分煙についてお伺いいたします。
学校における喫煙防止教育は、保健の学習や、総合的な学習の時間で工夫して取り込まれているようであります。また、教員の研修では、都と市の主催、市の夏季パワーアップ研{1参会で開催されておりますが、特にたばこと子どもの指導者研修会は、毎回、参加人数が少ないようであります。1名でも多くの方に研修していただき、現場に戻り、それを十分生かした喫煙教育をしていただければと思います。

 我が国においては、男性の喫煙率は減少してきておりますが、議員の中にも、子どもさんに言われて禁煙された先輩の議員が何名がおります。逆に、女性や未成年者は著しくふえております。たばこに関しては、大人になってから禁煙するのは大変なことだと思いますので、小さいうちからたばこに対しての正確な知識をきちんと認識していることが大事だと思います。

 身体の未熟な未成年者は、たばこの有害物質の影響を受けやすいため、ニコチン依存症にもなりやすく、禁煙しにくいようであります。そして、喫煙開始年齢が早ければ早いほど、喫煙本数が多く、深く吸い込むくせがつきやすく、育ち盛りほど喫煙の影響が大きくあらわれ、病気になる危険性が高まります。特に大人になってから、がんや心臓病になりやすく、総死亡率も高くなると調査結果でも出ております。
 そういう意味からも、学校の喫煙教育が大事になってまいります。
さらに充実させるために、医師に直接禁煙教育をしていただく方法も、とても効果的であります。実際に日本医師会会長、坪井先生は、肺がんの患者さんと向かい合ってきたこれまでの経験を通して、わかりやすく訴えて、悪い習慣が身につく前に指導をして、好評のようであります。
 
 また、武蔵野市では、NPO法人が子どもの人権教育のプログラムを持っていて、小学校3年生全部に授業していただき、生徒が楽しく知識が得られるような方法もとられております。このようなことも取り入れながら、ぜひ今後も喫煙防止教育を、生涯にわたる健康を考えて一層の強化を図っていただきたいと思いますが、お考えをお伺いいたします。

 次に、学校内の禁煙、分煙状況について。
 先ほどの御答弁では、約93%の学校で分煙していて、できていないところもあるようでありますが、今後進めてくださるとのことでもあったと思います。しかし、分煙していても、分煙機器等が設置され、煙が校内に漏れないようになっているのか。その点もとても気になります。

 先日、和歌山県教育委員会に視察に行ってまいりました。和歌山県では、全国に先駆けて全公立小中高校、養護学校、計454校で、グラウンドを含めたすべての敷地内での全面禁煙、ノースモーキング・エリアに、平成14年4月から踏み切りました。これはたばこの害から子どもたちを守るための取り組みであります。国の健康づくりプラン、健康日本21に基づく県計画づくりでは、国が断念した喫煙率半減g目標を、県独自で盛り込みました。昨年度末、作成した県たばこ対策指導には、病院の禁煙化を明記し、禁煙指導者の養成、禁煙外来の紹介と、支援体制も整えられました。そして、最後の決め手は、県教育長の強い強い決断でありました。実施した理由としては、学校は禁煙防止教育がなされている教育機関であること。受動喫煙による健康阻害を防止するため、外国では禁煙とされている例が多いなどが挙げられております。

 ある小学校の校長は、40年来のスモーカーでありましたが、子どもたちにたばこ臭いと言われるのが悩みで、長たる者はまず範を示さざるを得ないと決意し見事禁煙に成功できました。臭いと言っていた女子生徒から、手づくりの卒煙証書を贈られたそうです。
 そういう中、愛煙家の教師は、自分の軍などで吸っている方もいらっしゃるようであります。子どもたちに聞いたところ、生徒はみんな喜んでいますと、この施策に工一ルを送っておりました。

 私は、このノースモーキング・エリアは、中学生で喫煙している生徒、また生徒、児童の健康をたばこから守るためには、大変すばらしいことだと思います。和歌山県のように、教育施設の学校内を全面禁煙エリア、ノースモーキング・エリアに児童、生徒の生涯にわたる健康を考えて実施していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

 次に、市民が使用する公共施設での禁煙、分煙状況では、ほとんどのところで分煙がされております。

 しかし、市民会館の一部の会議室は、利用者の判断に任せてありますので、生涯学習部の所管として指導性を発揮していただき、室内は特に禁煙、そして分煙化を徹底していただきたいと思います。
 
 今、病院を初め、世の中の流れが禁煙化になっておりますし、さらに分煙化が徹底されるように、以前の検討会は解散されたようですが、市民の健康を守るため、今後も市の公共施設全般にわたっての喫煙問題に関する検討をするために検討会を設置してはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 次に、本庁舎内の空間分煙の導入経過はよくわかりました。また、効果については、喫煙による影響が減少し、さらに喫煙に対する苦情がなくなったとのことであったと思います。喫煙者が減少したり、吸う本数が減ったりしたのでしょうか。その辺も気になるところです。

 しかし、この分煙に対しては、喜んでいる市民が大勢いらっしゃいます。本庁舎内の喫煙問題に関する検討会の検討結果最終報告にも、実施後、利用状況などを判断し、喫煙所の見直し、縮小等を適宜実施するとあります。

 また、健康日本21に、公共施設、職場の分煙徹底、漏れのない分煙とあります。私のところには市民の方々から、分煙化されてとても喜んでいるが、分煙機器のそぱはとても良く、煙が立ち込めているので、どうにかしてほしいとの苦情が寄せられております。
 
 また、市民の意見が反映されているのかとの質問も参ります。現在使用している分煙機器には4人用、8人用があるようですが、それで対応できているのか、疑問であります。私もときどきその分煙機器の近くを歩きますが、煙が立ち込めているときがあり、人数も規定より多いときがあるように思いますが、そのときはこの機器の処理能力を超えているのではないでしょうか。現在設置されている大きさの機器で、厚生労働省が明示している空気中の浮遊粉じんや、一酸化炭素の濃度が基準値以下になっているのでしょうか。また、煙が立ち込めているところの濃度は測定されているのでしょうか。

 ここで、現在の機器の大きさ、設置の位置、煙が立ち込めているところの対策、その場所の濃度測定など、ここで一度チェックをすることも必要であると思います。機器はリースであるようですし、常に新しいものが出ておりますので、変更も可能であると思います。今後、本庁舎内の検討をしてはいかがでしょうか。お尋ねをいたしまして、2回目の質問を終わります。


【寺田元信議長】健康福祉部付参事。
【和田武雄健康福祉部付参事】
 シンボルマークをつけた表示板の件でございますが、聴覚障害者福祉協会や中途失聴・難聴友の会にシンボルマークや表示板の形態などにつき'まして相談してまいりたいと思っております。

 それから、手話通訳者を配置ということでございますが、これにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在、窓口職場の職員を中心に手話研修を行い、一聴覚障害者に対する理解を深めるとともに、手話の習得に努めているところでございます。こうした積み重ねによりまして、聴覚障害者が気軽に窓口を訪れることができる環境をつくることが大切であるというふうに現在考えております。

 それから、要綱の4級の件でございますが、4級以下の方につきましても、派遣を要望される状況があるとすれば、今後、実態を調査し、検討していきたいと思っております。

 他市の状況でζざいますが、町田市、日野、稲城、多摩の南多摩各市は、等級制限を設けておりません。

【寺田元信議長】企画政策室長。
【田中正美企画政策室長】
 広報誌等へのファクス番号の掲載の関係でございますけれども、現状の誌面ではすべての記事にファクス番号を掲載することは不可能だと申し上げざるを得ませんけれども、ファクス番号を掲載しないことによりまして市民生活に多大な影響を及ぼすというふうな判断をしたものにつきましては、これは必ず掲載をしていくようにしてまいりたいと思っています。

 それから、暮らしの便利帳でございますけれども、ファクス番号一覧表で掲載をしておりますけれども、次に改訂版を発行する際には、便利帳という名にふさわしく、それぞれの記事に掲載できるように工夫をしてまいりたいと考えております。

【寺田元信議長】総務部長。
【村山博夫総務部長】
 稲城市の自動メール配信について御覧間がございました。
 稲城市のこのシステムにつきましては、来年4月から運用を開始するということで、照会しましたところ、まだ具体的な内容については決まっていないということでございますが、今後、導入時の費用やランニングコスト、また効果等につきまして、同様のサービスを実施しております他の自治体の状況等を含めまして、調査、研究をしていきたいと思っております。

【寺田元信議長】学校教育部付参事。
【永関和雄学校教育部付参事】
 喫煙防止教育の一層の強化を図るための今後の見通しについてでございますが、各学校ではビデオを活用して、わかりやすく、強く訴えるような指導方法を工夫したり、保健所や医療機関との情報交換や、講師の人材派遣などを通した連携を一層強めたりして、今後、充実と推進を図ってまいりたいと考えております。

 なお、学校内をノースモーキング・エリアにすることにっいてでございますが、児童、生徒に与える影響を考えますと、ノースモーキング・エリアの実現は望ましい方向であると考えております。

 今後は、学校の教職員や来校者等の喫煙状況を把握しながら、前向きに検討してまいりたいと考えております。



【寺田元信議長】第5番、小林鈴子議員。
【小林林鈴子君】
 それでは、3回目の質問をさせていただきます。
 公共施設内における禁煙、分煙については、さらに推進されるようにお願いいたします。
 ここで教育長にお伺いいたしますが、学校における禁煙防止教育の指導について、また学校施設における禁煙、分煙の重要性について、教育的観点からどのようにお考えか。また、和歌山県で実施している学校内禁煙エリアについて、本市でも検討していかなけれぱいけない時期に来ていると思いますが、お考えをお伺いいたします。

 聴覚障害者に対しては、これも常にその方の立ち場に立ち、優しい対応、サービスをお願いしたいと思います。

 最後に、市長にお伺いいたします。現在、本市においてノーマライゼーションの理念に立ち、きめ細やかな碑策を展開しておりますが・さらに障害者の方々が地域の中で安心して生活できるように、市は優しい対応をと考えますが、お考えをお伺いいたします。
 
 次に、本庁舎内の空間分煙については、職員の方々も揮力的で、大変評価されております。今後、公共施設の禁煙、分煙化について、政策的にどのようにお考えかを市長にお伺いいたしまして、一般質問を終わります。


【寺田元信議長】成田教育長。
【成田一代教育長】
 学校教育における喫煙防止の指導と、学校施設における禁煙、分煙の重要性、
これを教育としてどう考えるか。もう一つは、和歌山県等々で行われている学校ノースモーキング・エリアにすることについて、その考えをお答えさせていただきます。

 生涯にわたって健康な生活を送るための健康教育の面から、喫煙防止の指導は大変重要であると受けとめております。学校においては、先ほど来御答弁申し上げましたけれども、生活指導においては保健指導、あるいは体育の保健学習などで、あらゆる場面で行っていくことが重要でありますし、また、行いつつあるところでもあります。

 しかし、もっと一番重要なことは、喫煙が体に与える影響等を指導すべき立場にある教員等にも、その趣旨に沿った、配慮した行動が強く求められると考えます。それらのことを踏まえまして、学校施設における禁煙、分煙は今以上に、なお一層の推進を図っていくように各校には働きかけてまいりたいと思います。

 ノースモーキング・エリーアについては、望ましい方向であると考えています。今後、他市の先進事例を広く集め、研究してまいります。

【寺田元信議長】黒須市長。
【黒須隆一市長】
 5番、小林鈴子議員の私に対する質問にお答えいたします。

 2点の質問をいただきました。
 まず第1点は、障害者に優しい対応をという趣旨で、障害者に対する市長の考えをということでございますけれども、特に聴覚障害者を中心にいろいろ御提案、御覧間等もいただいたわけでございますけれども、すべての障害者に対して、ノーマライゼーションの理念に基づきまして、障害者が住みなれた地域社会で主体的に安心して暮らせるまちづくり、これはすなわち自立した生活ができるまちづくりということでありますけれども、こういったまちづくりを目指してまいります。
 御提案をいただいた件につきましては、できることから実施をしたいと思います。

 もう一点の、公共施設内禁煙、分煙の政策的考え方ということでございますけれども、たばこが健康に害があるということは明白でありますし、また、たばこが嫌いな方もたくさんおられるわけで、またたばこが、たばこのポイ捨てによって環境を害する、こういう問題もあります。
 ただ、たばこは、合いろいろ施策についての幅広い御要望もいただいているわけで、それについての財源ということを考えますと、30億円近いたばこ消費税というのは大変貴重な財源でございまして、市長としては大変難しい立場でございますけれども、ただ、公共の場における分煙あるいは禁煙、これは厚生労働省の指針もございますので、当然のことながら、積極的に対策は考えていかなければいけないと思っております。
 また、同時に、平成10年に策定いたしました基本構想におきましても、生き生きとした健康福祉都市を目指しているわけでございますから、そういう趣旨に沿ってこれから努力をしていきたい、このように思います。