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平成13年第2回定例会
平成13年6月

【小林鈴子君】
 
それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。

中学校給食について質問させていただきます。
我が会派は一貫して中学校給食の実施を目指してまいりました。

中学校給食については、平成3年6月、中学校給食の実現を求める5万2,908名の請願が提出され、11月の委員会、そして12月の議会においてその請願は賛成多数をもって採択され、市民の声が議会で承認されました。

その後、教育委員会が中学校給食の実施を前提として、中学校給食検討委員会を設置いたしました。

その後、再度平成8年5月に設置された中学校給食検討委員会が生徒たちが置かれている食生活の状況や学校現場の状況、教育的効果、保護者の方々の給食に対する要望等、これらを勘案し、長年検討され、判断されたものが弁当併用デリバリーランチ方式であります。

そして、この方法を市の教育委員会は学校給食法による給食として実施が可能だとの結論に至り、議会の推進、また前市長の決断で、平成11年11月15日から2校で弁当併用のデリバリーランチの試行が現在実施されております。

その後、中学校給食は2校の試行実施のままで、なかなか進展がない状態が続いております。
そこでお伺いいたしますが、現在、本市は第二中学校と中山中学校の2校で中学校給食が試行され、1年半がたちましたが、試行実施の状況を具体的に、また、それについての生徒、保護者、学校などの反応と、そしてこれらに対しての市の受けとめ方をお聞かせください。

 過日の新聞によれば、文部科学省は、偏食や不規則な食習慣などが原因と考えられる子どもたちの健康問題が深刻化していることを受け、食生活の改善指導をどう充実させるかを検討する調査研究協力者会議を設置する。
これは栄養士の資格を持つ学校栄養職員を教育現場で積極的に活用する栄養教諭(仮称)制度の創設も視野に入れて検討されているとありました。

このように食生活の改善による子どもたちの健康増進が教育現場にも求められる状況がありますが、小中学校の給食を教材として取り上げる動きが広がっております。
食べ物と社会のつながりや、命、健康管理など幅広く教育に取り入れようというのがねらいであります。

これまで家庭科や理科、保健体育の授業の一部として教えられてきたことはありますが、これを授業の本体に据えようというものであります。

こうした食教育が急速に小中学校の授業の一部となり始めた背景は、2002年4月から小中学校の教育現場で総合的学習が本格化することにあります。

例えば、荒川区の小学校では食の教育に早くから取り組んでおり、受け持ちの児童たちに新宿区と荒川区の水道水を飲み比べさせたり、給食調理室から流れてくるにおいでどんな献立なのかを当てさせております。

れは子どもたちが感覚を使って知ることで、それが多方面へ好奇心を広げていくことにつながるためであります。また、筑波大学の教授は、小中学校の教壇に立ち、給食のほか、あんパンや駅弁を教材にして、素材、生産、流通、歴史などを学ばせます。これは教科書にあることをそのまま教えるだけではない、生活に根づいた講義をしているわけであります。

これらの授業の実例は自発的教育の試行でもあります。

 最近、児童、生徒の間で偏った栄養摂取などが原因と見られる肥満や糖尿病などが増加しており、不規則な食習慣が精神面でも悪影響を及ぼし、いわゆるすぐキレる子どもたちを生んでいるとの指摘もあります。

大人にもそれをただす力がなく、将来の生活習慣病の予防のためにも、規則正しい食生活は大変に重要な課題であります。

また、心身ともに成長期にある小中学生には、規則正しい食生活は欠かせない大事なことであります。

そこでお伺いいたしますが、成長期にある小中学生にとって規則正しい食生活の重要性については、教育委員会はどのように受けとめているのかお聞かせください。

 4月に我が会派で京都市の中学校給食の視察を行ってまいりました。
京都市は人口138万人の政令市であり、市内には79校の市立中学校があります。。
しかし、農村部の僻地校では小学校との親子方式での給食を実施していますが、残りの75校では給食はなく、給食実施は長年の懸案事項でありました。

平成8年に行われた市長選挙で当選した現市長は、元教育長で、大変に教育に理解があり、力を入れている方で、中学校給食の実施を公約としていました。同市では平成9年2月よりl1年12月までの3ヵ年を要して、外部の大学教授や学校関係者からなる検討委員会で中学生の健やかな成長を目指す望ましい食生活と昼食のあり方について京都市教育委員会の教育長から諮問を受け、中学生の食生活に関する実態調査を含め、調査及び検討を重ねてきました。

 この実態調査は、中学生の食生活に関する実態調査として、中学校全校を対象として、1、昼食の状況、2、食生活に関する指導及び家庭との連携の状況、3、食生活に関する教員、生徒、保護者の意見という3項目の内容について調査する中学校における昼食の状況調査と、中学校2年生生徒約2,000名を対象として、1、心身の状況、2、生活の状況、3、食生活の状況という3項目の内容について、合計52項目にわたり食生活に関するアンケート調査の2つの調査を実施いたしました。

 その結論として、1つとしては、学校での昼食は1日3食のうちの大切な1食であり、栄養のバランスに配慮した主食、副菜が組み合わされた食事をすることが必要である。
2として、しかし昼食を持参しない生徒の昼食はパンや市販の弁当で、栄養のバランスが配慮されているとは言いがたい状況であります。

したがって、家庭から持参する弁当の教育的効果を生かしながら、持参できない生徒へ栄養のバランスに配慮した食事を提供するようとの提言を行いました。
そして、本市が実施している弁当併用デリバリーランチ方式の給食を実施することになりました。そして、本年1月より6校試行を実施し、13年度より23校ずつ拡大し、15年度までに75校実施する予定であります。

 この調査によって、校長は、生徒の食生活はその生徒の生活状況と相関関係にあり、その生活習慣は学習面にもつながることが浮き彫りにされていると語っておられました。
この中学生の食生活に関する実態調査は、中学生の健全な育成を考えたとき、生徒を理解する上で大変に重要なことだと思います。

 本市においては、このような中学生の食生活に関する調査と、中学校における昼食の状況調査を実施したことがありますでしょうか、お尋ねいたします。

 次に、女性の社会進出が進む中、我が国のパートタイム労働者は年々ふえ続け、昨年は1,000万人を超えました。その7割以上を女性が占めていて、特に35歳以上の中高年層での増加が目立っております。
 また、1999年には就職した女性のうち、パートタイム労働者が一般労働者を初めて上回っております。少子・高齢社会では女性の労働力に頼るところが大きく、また、今世紀に豊かで活力ある社会を築くためには、性別による固定的な役割分担をなくして、女性の社会進出を積極的に促し、男女共同参画社会を築く必要があります。こうした中で女性が生き生きと働くことができる社会を目指し、女性の就労を妨げるさまざまな要因を取り除くことが大切であります。
ここにありました35歳というのは、ちょうど中学生を持つお母さんが少なくありません。
また、ベネッセ教育研究所には、中学生を持つ母親たちのタイトルで、母親の考えや言動の傾向性などを分析した調査報告があります。この調査の中で、就労状況は、フルタイムが18.7%、パートタイムが41.6%、自営業が12.4%で、何らかの仕事に携わっている母親が7割を超えており、専業主婦は20.9%であります。
本市としても、一生懸命働く女性の支援をしていくことも大切であると思います。

 八王子も人口が53万人となり、引っ越しをされてきた方が大勢いらっしゃいます。
八王子に引っ越してきて驚いたことが、交通渋滞とともに、子どもさんを持つお母さん方は中学校給食がないことにびっくりされる事実を御存じでしょうか。
こういう方々から、市長さんは中学校給食をやってくれないのとよく聞かれることがあります。しかし、私は市長を応援している手前、言葉を濁してしまうこともしばしばあります。
しかし、しっかりと市長の決断次第だと現状をはっきりとお話しし、毎回その場が大変に盛り上がります。

また、ある中学校のクラスだよりに、中学生になってと題して生徒のコメントがありましたので、御紹介させていただきます。僕は今中学生です。ワイシャツの上に制服を着て、入学式にはネクタイを締めて、まるで大人になったような気分でいつも登校しています。中学校では休み時間がお昼を食べた後しかないのにびっくり。それに給食じゃなくてお弁当なので、もし忘れたら……悲惨、とありました。この文面には、中学校給食をやってほしいという子どもの切実な訴えが奥にはひそんでいると思われます。

 この生徒のように、4月には4,535人が胸をわくわくさせて中学校に入学いたしました。
私は、学校には入学式、体育祭と、我が子の中学校の行事に行きますが、いくたびにほかのお母さん方から中学校給食を行ってほしい、アンケートをとってほしいという要望が出されます。このように私のところには中学校給食の要望がよく来ますが、市の方には市民の方々の中学校給食を実施してほしいという要望が届いているのでしょうか。
ありましたら、その内容と、それに対してどのようにお答えしているのかをお聞かせください。
 これで1回目の質問を終わります。



議長【寺田元信君】学校教育部長。

学校教育部長
【坂井力君】
まず、第1点目の実施の状況でございますけれども、喫食率にっきましては、平成12年度の状況でございますが、二中で57%、中山中学で61%、2校平均で58.9%でございます。

それから、給食を予約するプリペイドカードの所持率でございますが、これで見ますと、二中で86%、中山中学で95.1%、2校平均で90.5%となっております。
 これに対する反応でございますが、まず生徒の反応、これは味つげや量などについては個人差によりますので、かなりそういった面での声というのはございますが、大部分についてはおいしいというふうに評価をいただいております。

次に保護者は、試食会でのアンケートを見ますと、安全な食材や栄養バランスを考えた給食が提供されているということで安心しているというものが多いようでございます。
 学校の反応でございますが、通学途中で買い弁当がなくなり、結果的として教室からごみが減った。

また、半分の生徒が同じ献立のものを食しているので、周囲の目を気にすることもなくなり、給食と弁当によるなごやかな食事環境が生まれたというふうに言われております。
これについて、私ども教育委員会としましては、喫食率やプリペイドカードの所持率から見ますと、生徒、保護者の支持を受けているというふうに受けとめております。

 次に、規則正しい食生活の重要性ということでございますが、成長期にあります小中学生にとって、規則正しい食生活は生活習慣病の予防の面からも大変重要であるというふうには思います。

このため、学校においては日常生活に必要な食事についての理解と技能の習得と、みずから健康的な生活が送れる人間形販に努めているということでこざいます。

 次に、京都市での中学校の食生活に関する調査ということでございますが、八王子市としてはこのような実態調査を行ったことはございません。

最後に、市民からの要望または声等でございますが、ふれあいトークであるとか、または市長への手紙、こういったものを通じて、その理由とか、または表現はさまざまでございますけれども、早期拡大を求めるという声は届いております。

これについて、現状私どもでは本市の今の厳しい財政状況から早期の拡大は困難であるということで、現在さまざまな角度から検討中なので、もうしばらく御理解をいただきたいというようなことで御返答をしているところでございます。



議長【寺田元信君】小林鈴子君。

【小林鈴子君
それでは、中学校給食の第2回目の質問をさせていただきます。

 ただいまそれぞれの御答弁をいただきました。中学校給食の弁当併用デリバリーランチの試行実施の状況については、喫食率が試行の2校で58.9%前後であり、プリペイドカードの所持率も2校で90.5%の状況であるようです。
また、生徒、保護者、学校などの反応の方も、生徒の反応は、個人差はあるけれどもおいしい。保護者は、栄養のバランスの面でも安心であり、そして学校の反応も、買い弁当がなくなったことでごみが減り、給食と弁当による食事環境がなごやかになったと評価をされております。

 教育委員会としても、2校の試行は生徒、保護者の支持を受けていると受けとめていらっしゃるとの御答弁であったかと思われます。このことからも、1年6ヵ月間の試行については、それぞれの立場で喜ばれ、大変に高い評価を受けて、大成功であると思われます。
また、教育委員会は、規則正しい食生活は重要な要素であり、学校においては、日常生活に必要な食事については推進に日ごろから努めているということだったと思われます。
先ほどもお話しいたしましたが、文部科学省も今後、食生活の改善指導をどう充実させるかを検討をし、推進しているとのことでありましたので、本市の小中学校においても充実した食生活を心がけていただくとともに、中学校給食としてきちんとした形で食生活を実現していただきたいと思います。

 次に、中学生の食生活に関する調査を実施されたことはないということでありました。
しかし、本市においては、京都市の実態調査とは異なる中学校給食に関する市民意識の調査が約9年前に実施されておりましたが、その当時で中学校給食を56%の市民の方が実施すべきと思っていらっしゃいましたが、現在では女性の社会進出、環境、子育ての支援ということから、以前より大勢の市民の方が要望されていると私は思います。
私は、京都市の中学生の食生活に関する実態調査は、現在の中学生の健全な育成を考えたとき、食生活、生活状況の実態がよくわかり、生徒を理解することができ、また課題も見えてくると思いますので、本市において中学生の食生活に関する調査をぜひ実施していただきたいと思いますが、お尋ねいたします。

 また、中学校給食の拡大実現に対しての要望は、市長とのふれあいトークや市長への手紙などで拡大を希望する切実なる声が届いてるとのことでありますが、2校実施をしているが、財政状況で拡大が困難とのことであったかと思います。

平成12年第3回定例会の上島議員の質問に対して黒須市長は、デリバリーランチ方式を利用した生徒と利用しない生徒への不公平性の問題と、この方式ですと1食分770円かかり、高いなと感じもし、今始めていることですし、評判もいいわけで、この結果を見てやめるというわけにはいかないと御答弁されておりました。

この不公平性に対しては、デリバリー方式は2校の全生徒に対して利用する門が開かれており、それを選択するのは保護者や生徒の考えですので、不公平にはならないと私は思います。

平成13年予算等審査特別委員会での市川議員の総括質疑においては、黒須市長は、770円かかるデリバリー方式の中学校給食が今の経済環境の中で必要なのかどうか。
そして給食の施設の問題等、他市の例なんかもう一度今調べるように言っている。いろいろな角度から検討しなきゃいけない課題だと答弁されておりましたが、その後市民二一ズにこたえるために、実施する方向のためにどのような調査をし、検討されたのかを具体的にお伺いしたいと思います。

 この御答弁の中に経済環境とありましたが、確かに経済的要素は大切なことでありますが、私は今の中学生のことを考えると、教育環境、食教育というのもむしろ必要ではないかと思います。
京都市の実態調査の結果を見ましても、学校の昼食は1日3食のうちの大切な1食であり、栄養バランスに配慮した食事を食べることが必要とのことでありました。
都議会議員のときから教育の黒須さんということで評判の高かった市長でしたから、ぜひ教育的観点からも検討していただくことを強く要望いたします。

 本市の財政状況や、1食770円の単価につきましても、大きな課題ではありますが、京都市の弁当併用デリバリーランチ方式の中学校給食では、本市の方式とは大きく違う点があります。それは、注文は1ヵ月ごとに行い、各家庭から郵便振込で給食費1食分260円を振り込む方式で、本市の1食ごとに注文し、食数を教育委員会で掌握、発注する方式ではありません。

その結果、給食実施の経費では、設備費としての経費、配膳室の保冷庫、温蔵庫の配置と、ランチルームの設備費3,000万円を除きますと、1食当たり約300円で委託しており、総計1食当たり約560円の経費であります。すなわち運営経費では、教育委員会の負担は委託費と光熱費だけ、とのことでありました。

配膳室に配置する配膳員も委託業者の臨時職員とのことであり、またこのことによって、教育委員会では本市で掌握している喫食率を承知していない様子でありました。
大まかな数字として約25から35%になるとのことでありました。しかし、喫食率は大きな問題ではなく、どのように低い数字であっても、給食を必要とする生徒がいる以上、給食は実施すべきであり、必要な施策であると考えているとのことでありました。

また、1食ごとでなく、1ヵ月ごとを採用した経過には、食べ物を好き嫌いで判断するのではなく、食のあり方を学ぶためにも必要な方式と判断したとのことでありました。

この方法ですと、本市で行っていて、経費がかかっているコンピュータリース料が要らなくなるわけであります。

 私たちが視察した久世中学校の校長より経過説明がありました。
その中で同校長は、教員時代から昼食時にはクラス全生徒にお茶を注いていました。それはコミュニケーションをとるためとともに、その際に生徒の弁当の中身を見るためでありましたが、学校生活、特に成績と弁当の中身は大まかに言って比例していたそうです。
母親が愛情を持ってつくった弁当を持参している生徒と、そうでない生徒では、約30%のそうでない生徒のためにも1日でも早く給食を実施してほしかったということで、今回給食の試行実施に当たって1番に手を挙げたのはそのような理由からであったとのことでありました。
ともあれ、給食の実施は教育的観点においても必要な施策であると強く実感いたしました。

 そこで教育長にお伺いいたしますが、教育者として長年にわたり教育現場に携わっていらした立場から、中学校給食について、教育的観点からどのようにお考えになっていらっしゃるのかを教育長にお伺いいたします。

 最後に黒須市長にお伺いいたしますが、本市のコンピュータ使用申し込み方法ですと、経費がかなりかかりますが、京都市の例ですと、1ヵ月ごとの申し込み方法ですので、リース料と経費が節約でき、1つの弁当について単価が下がります。
1ヵ月ごとの申し込みですと、バランスのとれた食生活ができ、食教育の教育的観点からも充実をしているように思われます。

また、本市の試行の実施状況も、生徒、保護者にも喜ばれ、大変に高い評価を受けて、大成功でもあります。14年度の予算の検討にもあと3ヵ月で入るのではないかと思われます。
平成14年度に向けて、今のままの試行の体制でいくのか、それとも拡大に向けて推進していかれるのかをお聞きいたします。

 黒須市長、中学生は21世紀の人材であり、宝であります。ぜひ中学生に昼食を出していただきたい、このように思います。常に前に向いて進まれる市長の心強い勇気ある決断を期待いたしまして、一般質問を終わります。



議長【寺田元信君】学校教育部長。

学校教育部長
【坂井力君
まず、京都市の実態調査の件でございますけれども、中学生を取り巻く食生活に関して、朝食の摂取状況は規則正しい生活習慣との関係が深い。

また、家族との団らんとしての食事時間が減少して、個食が増加するなどの傾向が見られ、こういった京都市の実態調査を読ませていただきましたけれども、これらの面からそのさまざまな課題を把握するために実施をしたものというふうに考えております。

このような中学生の食生活の状況は、市民生活が多様化している現代社会においては一般的な傾向としてとらえられるものであると思っておりますので、本市にとってもこれが十分参考になるものというふうに考えております。

 それから、その後教育委員会としての検討の内容でございますけれども、京都市や甲府市について、実施している給食形態や経費等について概要を照会したり、現在行っている方式での経費節減の方法の検討、その他さまざまな情報の収集分析を今しているところでございます。


議長
【寺田元信君】成田教育長。

教育長
【成田一代君】
ただいま小林議員からの中学校給食について、教育的な観点からについての御質問をいただきました。お答えいたします。

 成長期にある中学生の健全な発達のためには、日々の規則正しい生活習慣とバランスのとれた食事、そして好ましい人間関係の醸成は重要であります。

特に現在、心の教育の充実に向けて、生徒の健やかな心身の発達を願う上で手づくり弁当の果たす家庭の教育的役割は大変大きいですし、深い意義を見出せると考えております。

しかし、お弁当を持参できない生徒への対応の考慮も欠かせないところであります。平成13年度におきましては、厳しい財政の状況から試行の拡大には至りませんでした。

中学校給食の教育的な意義を踏まえ、また、実施方法や経済的な情勢、またさまざまな面から検討しているところであります。今後スピードをもって努力いたします。


議長【寺田元信君】黒須市長。

【黒須隆一君】

小林鈴子議員の給食の問題についての御答弁をさせていただきます。

 この問題は、本当に私、率直に言つで悩み大きいんですよ。
調査をすればするほど悩みが深くなっています。ふれあいトーク等でもこの問題やはり出ますね。

でも、そのときに実態をいつもお答えさせていただくんですけれども、実際にかかる費用、あるいはお子さんが大変少なくなった中で、お弁当を親の愛情としてつくれないのかどうか。

本当につくれないのかどうか。あるいは今の中学校の実態等もいろいろお話をさせていただくんですけれども、これだけお金がかかるんですよという話をすると、ほとんどの方はなるほどということで終わりになっちゃうんですね。

これ私がふれあいトーク等での今の実体験としてのお話です。
そして、それを聞いていていただいている他の参加をされている方は、ああ、なるほどねと、よくうなずいてくれるんです。ですけれども、今始めたことですから、やめるわけにもいかないし、正直言って今非常に悩み深いです。

 その学校給食法にこだわってやらなきゃいけないのかどうかという問題もあると思うんですね。今実態を御存じだと思いますけれども、O-157以降は、例えばデザートに出るミカンがありますね。

ミカンは3回洗うんだそうです。
今、ミカンを洗って食べておられる家庭というのはありますかね。
皮ごと食べるんなら別ですけれどもね。
一般的に言ってミカンを洗って食べる御家庭というのも少ないと思うんですよ。
しかし、学校給食法で今やっていることは、3回洗うんだそうです。
生野菜も今自然にサラダを食べていますね、普通の御家庭では。熱湯を通さないと食べられないんだそうです。
これが今の実態なんですね。
それだけ手間暇かけているということなんですね。これじゃ、だけれども、やはり私は経費の点からしても、なかなか納税者の理解は得られないんじゃないかと、私、率直にそう思っているんです。

実際に今1人当たり現状では約500円前後のお金が税金から負担をせざるを得ないです。
今のやり方でいくと。年間160食ですから、単純計算でも11億2,000万円、喫食率を6割としても年間6億から7億円はかかります。本当にそれだけあるならば、教育の黒須としては、私は中学校の教育の内容の充実に使いたいと思うんです。

 今の中学校の現状は多分御存じだと思いますけれども、給食だけではなくして、今の中学校の現状はかなりひどい学校いっぱいありますよ。

今36校ありますけれども、約2割の学校は特にひどいです。これをぜひ給食の問題とは別の問題として、学校の今の現状をやはり今度ぜひ見ていただきたいと思うんですよ。
本当に教育の場じゃないです、はっきり言って。ひどいですよ。

私も先日ある中学校へ行ってきました。全部の教室も見てきましたけれども、これはもっと内容を考えないといけないなと。これは教育の問題だけじゃなくして、政治に携わる我々としても、あるいは皆さんとしてもぜひ関心を持っていただきたいなと思ったんです。

 それで、この給食の問題については、京都の例も先ほどるるお話もいただきました。
私も担当から話を聞いておりますし、甲府の例も聞いております。今、何であのパソコンをたった2校の試行のために入れたのかなというふうに。今の担当者は当時の担当者じゃありませんから、しかるわけにはいかないんですけれども、当時の担当者は、これ今1食137円パソコンだけでかかっているんですよね。

そして、これは16年までリースだから、契約があって、それを破棄するわけにはいかないんだそうです。

こういう率直に言ってばかげたことをどうしてやってきたのかなと、私は率直にこう感じました。この試行の段階にもかかわらず。そういうことを考えますと、大変悩み深いです。

 しかし、いずれにしても、今試行をやっている2校について、評判も決して悪くないわけですから、これを後退するというわけにはなかなかいかないと思うんです。

ですから、いろいろ今一般にデリバリー方式でやっているお弁当をつくっているのと実質的にも同じ内容で約半分ぐらいの金額でできているわけですよね。ですから、本当に食べられない、学校給食法にこだわらないで、実際に弁当を持ってこられない子どもたちに何らかの方法を考えられないのかというような、そういう考え方というのも私は必要なんじゃないかというふうに思っております。

だから、そういう視点からもこれもう少し検討させていただきたいというふうに思っております。私のモットーのスピードとは若干ちょっと反しておりまして、大変申しわけないと思っているんですけれども、そういう事情でございますので、もう少し時間をいただきたいと思います。