平成12年第1回定例会 平成12年3月 |
【小林鈴子君】 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 まず初めに、子ども読書年の本市の取り組みについてお伺いいたします。 国連は、1990年9月、子どものための世界サミットを開き、ここに参加した世界71ヵ国の元首、首脳たちが子どもを政治の最優先にと誓い合ってから10年が経過いたしました。しかし、この誓いを結実させるためには、国際間のさらなる努力が求められている中、その第一歩として、我が国は、世界に先駆け、西暦2000年のこどもの日の5月5日に国際子ども図書館を開館いたします。そして、それを契機に西暦2000年を子ども読書年とする決議が昨年8月の国会で採択されました。この決議では、衝動的な行動やいじめなどが浮き彫りになっている子どもたちの現状を憂慮し、言葉を獲得し、感性や表現力、想像力を養う読書の大切さを強調しております。 参議院は、読書の持つはかり知れない価値を認識して、子どもたちの読書活動を国を挙げて応援する。また、衆議院は、政府は読書のはかり知れない価値を認め、国立の国際子ども図書館が一部開館する平成12年、西暦2000年を子ども読書年とし、国を挙げて子どもたちの読書活動を支援する施策を集中的かつ総合的に講ずるべきであるとしております。 こ うした経緯をもとに開館される国際子ども図書館は、子ども読書年のシンポルであり、世界の子どもたちへの贈り物にふさわしい施設と内容、機能を備えた図書館になる予定であります。さらに子ども読書年の具体的な取り組みとしては、読書をするための家庭環境づくりや、家庭、学校、公共図書館の連携による地域の読書ネットワークの形成が大切であります。また、子ども読書年は、子どもと読書を考えるまたとない機会でもあると考えます。このことから、まず、子ども読書年に対する本市の取り組みについてお伺いいたします。 また、図書館の子どもの利用状況と、子どもへのサービスの内容とその参加人数をお示しください。 また、団体図書の貸し出し状況についてお示しください。 次に、本市の図書館のオンラインシステムによるネットワーク化の現状についてお伺いいたします。 また、図書館の7館構想のその後の進捗状況についてお伺いいたします。 次に、1997年6月3日に学校図書館法の一部を改正する法案が衆議院で賛成多数で可決され、12学級以上の学校の学校図書館には平成15年3月3旧までに司書教諭を配置することになりました。これからは教諭としての各教科等の授業も担当しながら、学校図書館の専門的な知識、技能を身につけた司書教諭が学習指導、読書指導等に幅広く活動を繰り広げることになっております。そこでお聞きいたしますが、司書教諭の本市の取り組み状況についてお示しください。 次に、痴呆性高齢者についてお伺いいたします。 厚生省は、痴呆性高齢者は、全国で155万人と推定され、65歳以上の人の7%余りに当たると統計数値を発表しております。そして、2025年には1割までふえて313万人に達すると予測しております。しかし、研究は進んでおらず、症状や治療法の理論的体系ができるまでに至ってないのが実態であります。 いよいよ4月から導入されます介護保険は、要介護認定の結果をもとに、サービスの利用計画、ケアプランの作成が始まっておりますが、認定結果に納得できないとして不服を申し立てる動きも全国的にふえてまいりました。中でも痴呆症の認定に関しては、徘徊などの問題行動が要介護度に反映されにくいためと言われております。 東京都のある医師は、体は元気だが、痴呆の問題行動がある高齢者が要介護度を軽く判定されたりすることがあるとして、厚生省がつくった要介護判定ソフトの改善を訴えております。介護保険の介護認定調査票では、痴呆の問題行動に関する質問は、昼夜逆転、不潔行為、暴力など、19項目ありますが、すべての問題行動に当てはまっても、体の元気な高齢者は、推計時間の伸びに限界があり、要介護度は重くても3程度になるそうです。 先日、朝のテレビで、「なぜ低い認定ランク痴呆老人に制度の矛盾」と題しての番組が放映され、そこに八王子市にお住まいの83歳と81歳の老婦人の姿が紹介されておりました。夫は痴呆症で、8年前から毎日五、六回徘徊してしまい、そのたびに奥さんが探し回るとのことでした。しかし、要介護1と認定され、今まで利用していた施設は利用できなくなり、今後の介護サービスでは足りません。また、介護費用を負担するのは、年金16万円の夫婦にとっては大変苦しいものがあるとのことで、介護している奥さんと市内に住む娘さんは、徘徊している間に何か事故でも起きたらと考えると、生きた心地がしません、常に心が休まるときがありませんと、深刻な悩みを打ち明けておりました。 この放映の後、番組を見た市民の方々から、私のところにも心配や苦情の声が多数寄せられ、市と厚生省に対してしっかりした対応をするよう、強く迫られました。 そこでお伺いいたしますが、痴呆性高齢者に対しての本市の取り組みについてお伺いいたします。 まず最初に、本市においての痴呆性高齢者の人数を、もしおわかりになりましたらお示しください。 そして、そのうち徘徊高齢者の人数をお示しください。さらに、市独自の痴呆性高齢者の認定方法についてお聞かせください。 また、痴呆性の高齢者が、住みなれた地域の民家や小規模施設に集まって日中を過ごしたり、共同生活する託老所やグループホームは全国で600ヵ所を超えると言われております。 そこで伺いますが、本市においてのグループホームの状況とその内容について教えてください。また、本市での地域福祉計画の高齢者計画における主要事業の整備計画の中に支え合いネットワークの構築の施策項目にひとり暮らしの高齢者を見守り、支える仕組みづくりと、徘徊高齢者の発見保護の仕組みづくりが示されております。 この主要事業の整備計画の支え合いネットワークの整備と徘徊高齢者SOSネットワークの整備について、具体的にどのような検討がなされているのか、その内容をお示しいただき、1回目の質問を終わります。 副議長【町田貞之君】社会教育部付参事。 社会教育部付参事【船引元子君】 子ども読書年について、本市の取り組みについてということでございますが、子ども読書年は、御質問者がおっしゃいましたように、平成11年8月、衆参両院で国を挙げて子どもたちの読書活動を支援することとし、本年5月5日、国立国際子ども図書館の開館を機に決議されたものでございます。本市の図書館も子ども読書年を記念して、行事を現在検討中でございます。 図書館の子どもの利用状況についてということでございますが、10年度中の状況で申し上げますと、登録者の状況でございますが、3館合わせて6歳までが3,022人、12歳までが1万3,707人、15歳までで1万1,379人、合計2万8,108人で、全登録者の15.4%でございます。児童図書の貸し出し状況でございますが、中央図書館、南大沢図書館、川口図書館、移動図書館車と合わせますと、45万5,648冊で、図書の総貸し出し冊数の28.1%となっております。 子どもへのサービスの内容でございますが、各図書館は児童コーナーを設けまして、絵本、お話、知識などと分けて配架いたしておりますし、南大沢、川口、生涯学習センター図書館は、文庫コーナーやヤングアダルトコーナーを設けております。また、各図書館では、職員やボランティアがお話会を開催し、お話や読み聞かせ、紙芝居等を行っており、季節の行事といたしまして、七夕会やクリスマス会を催しております。 また、中央図書館や南大沢図書館では、夏休みの間、宿題や自由研究のため、子どもたちが自分で本を探して自分で調べることができるよう、図書をそろえ、調べ学習コーナーを設置しております。南大沢図書館では、現在中学生以上の方々の郷土についての調査に利用できるよう、八王子に関する資料のコーナーを設けており、12年度中には、中央図書館でも同様のコーナーを設置し、郷土資料の貸し出しを検討しているところでございます。 参加人数ということでございますが、お話会の参加人数を説明させていただきます。11年度で申し上げますと、中央、南大沢図書館では、職員主催が62回で、参加者が約800人、中央、南大沢、川口図書館でボランティア主催が61回で、参加者が約1,100人でございます。生涯学習センター図書館ではl1年12月よりボランティア主催でお話会を開催しておりまして、4回で約300人の参加者がございました。 団体貸し出しの図書の状況でございますが、平成12年1月1日現在で申し上げますと、登録団体数、地区図書室が21団体、地区図書室以外、子ども文庫等ですが、63団体、合計いたしますと、84団体ございます。貸し出し団体数につきましては地区図書室は全部に貸し出しをいたしております。21団体です。 地区図書室以外では、36団体貸し出しをいたしております。合計いたしまして、57団体、貸し出しの団体数となっております。貸し出し冊数でございますが、地区図書室で18万9,245冊、子ども文庫等で3,318冊で、合計いたしますと、19万2,563冊を貸し出ししているところでございます。 図書館のネットワークの現状にっいてということでございますが、市内4図書館ではコンピューターネットワークにより、そして、4図書館間の図書の集配によりまして、市内どこの図書館の所蔵図書でも提供できるようになっております。 例えばの話でございますが、川口図書館で中央図書館所蔵の図書を窓口で予約いたしますと、職員はコンピューターに入力します。中央図書館では、所蔵図書に予約がかかったことがわかり、現在貸し出しをしていない、あるいは他に予約が先に入っていなければ、その図書は、図書館間の図書の集配の車に乗せますと、二、三日中には川口図書館に届きまして、手続をいたしまして、予約した人に提供するということになります。10年度、図書、雑誌予約件数は、3館合計いたしますと、6万1,995件となっているところでございます。 7館構想のその後のことにつきましてでございますが、本市では、昭和60年1月に中央図書館、平成8年10月に南大沢図書館、平成9年4月に川口図書館、平成11年10月に生涯学習センター図書館を開館してまいりました。 しかし、今日の財政状況の厳しい折から新たに建設するのは困難と判断いたしまして、既存施設を有効に活用することといたしまして、残りの3館につきましては、新21プランでは計画していないところでございます。新21プランでは、市民センター内の地区図書室5ヵ所に図書館のネットワークを拡大し・市民の方々が身近な場所グら図書館所蔵図書の提供が受けられるよう・図書館ネットワークの拡大を図る計画でございます。 ◎副議長【町田貞之君】学校教育部付参事。 ◎学校教育部付参事【和田信行君】学校の司書教諭の問題ですけれども、市立小中学校では、各校二、三人の図書担当教諭を決めて、資料の収集整理、読書活動の指導に当たっております。なお、司書教諭の有資格者は小学校担当教諭193人のうち28人、中学校は同じく担当教諭74人のうち18人となっております。 ◎副議長【町田貞之君】介護保険対策室長。 ◎介護保険対策室長【高野国利君】それでは、痴呆性高齢者に関しての御質問にお答えさせていただきます。 まず、本市の痴呆性高齢者の人数でございますが、実数は把握してないところでございますけれども、平成7年度に東京都が行った在宅での痴呆性高齢者の実態調査の出現率は4.1%でございますが、これから推計いたしますと、本市の場合、高齢者人口を6万9,000人とした場合、在宅の痴呆性高齢者の数は約2,800人となります。また、そのうちねたきり高齢者を除く介護を必要とする痴呆性高齢者は約500人と推計されるところでございます。 そのうち徘徊する痴呆性高齢者の人数という御質問でございますが、大変申しわけございませんが、これらにつきましては把握していないところでございまして、また、推計することもできない状況にございます。 3点目の介護保険での市独自の痴呆性高齢者の認定方法という問いでございますが、本市での要介護認定は厚生省が示した全国一律の基準、あるいは方法に従って実施しているところでございます。しかし、痴呆の判定は専門家でも大変難しいと言われているところでございまして、1次判定のほか、主治医意見書あるいは調査員の特記事項とともに、保健、医療、福祉の専門家によりまして、第2次判定を慎重に行っていただいているところでございます。 なお、東京都といたしましては、主治医意見書の作成に当たりまして、痴呆簡易診断マニュアルを作成いたしまして、医師に配付し、主治医意見書作成に活用されているところでございます。 ◎副議長【町田貞之君】福祉部長。 ◎福祉部長【三宅壮三君】グループホームの本市の実態につきましては、現在、鑓水地区に法人が施設を建設しておりまして、18人規模で5月に開設される予定というふうに聞いております。 地域福祉計画の中にある支え合いのネットワークにつきましては、民生委員、あるいは町会、自治会の方々などが中心になりまして、ひとり暮らしの高齢者の家庭を訪問したり、あるいは地域活動への参加を促す仕組みなどをして、孤独感の解消や安否確認ができる、地域での支え合いの仕組みをつくっていこうというものでございます。 また、徘徊高齢者のSOSネットワークにつきましては、徘徊高齢者とその家族を支援するために、一般市民を含む大きな組織で徘徊高齢者を早期に発見、保護し、適切なサービスに結びつけられるようにする仕組みでございまして、これらの整備方法等については具体的には新年度から検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。 副議長【町田貞之君】小林鈴子君。 【小林鈴子君】 それでは、2回目の質問を行います。 ただいまそれぞれの御答弁をいただきました。 引き続き子ども読書年の本市の取り組みについてお伺いいたします。 子ども読書年を記念しての行事はまだ検討中ということでございますが、他市では、子どもと読書をテーマにした講演会や、児童文学講座を開催するところがございます。本市においても、親と子の読書体験大会や読書感想文発表大会の開催や、ブックフェア、また、国際子ども図書館ツアーなどのイベントも1案に入れていただければと思いますが、いかがでしょうか。 郵政省は、子どもの本の日、4月2日と国立国際子ども図書館の開館、5月5日を記念した郵便切手を3月31日から全国で発売することになりました。 子どもの本の日は、童話の父であるアンデルセンの誕生日にちなんで設定されておりますが、記念切手のデザインは、本を読む楽しさや、子どもたちが図書館で本を読んでいる姿をテーマにしてあり、子ども図書館の意義を込めてあると伺っております。 文部省は、子ども読書年の読書振興のポスターとパンフレット、広げよう想像の翼、伝えよう読書の楽しさを、全国の教育委員会や学校図書館協議会に配布されました。また、シンボルマークと標語、読む人も読まれる本もうれしいねがPRとして活用されます。 先ほど来申し上げてきましたが、ことし2000年は子ども読書年であり、子どもたちに良書の読書を推進する意味からも、他市においても、さまざまな企画を立て、PR活動に力を入れてこの事業の充実を図っているようであります。 そこでお伺いいたしますが、本市においては、当然考えていることと思いますが、どのような形でPR活動に力を入れていくのでしょうか。その内容をお示しください。 また、図書館の子どもの利用状況ですが、さらにより多くの子どもたちに利用してもらうよう、図書館のお知らせや興味のあるイベントの開催に積極的に取り組んでいただきたいと思います。 子どもへのサービスは多く提供してくださっていることが先ほどの御答弁でわかりました。特に館長はお話されませんでしたが、夏休み中の調べ学習コーナーは多くの子どもたちが活用し、大変好評であったと伺っております。ことしはぜひこの企図を全館で行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 サービスの内容の中のお話会については、充実されているように思われますが、千葉県の浦安市では、図書館の司書が子どもたちに本の楽しさをもっともっと知ってもらおうと、子どもたちの生活の場である学校や保育園、幼稚園に出かけて、本の読み聞かぜやストーリーデリング、ブックトークを行っています。平成10年度にはこのようなサービスを701回行い、延べ2万330名の子どもたちに楽しんでもらい、情操教育の向上に力を入れているということです。 幼児のときからの絵本や童話の読み聞かせは、子どもたちの想像力や思いやりの心を限りなくはぐくむ大変すばらしい効果があります。本市においても、本のお話会等を学校、保育園、幼稚園で開催していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。 また、浦安市立図書館では、子どもたちのサービスとして、布の絵本というのを聴覚、触覚、手足の運動、情緒などの障害を持っ子どもたちのための絵本と位置づけて用意しており、布の絵本、29タイトル96点、布の遊具36タイトル140点を養護学校等に貸し出ししております。先日もテレビで布の絵本を見て、多くの子どもたちが喜んでいる様子が放映されておりました。これは非常にすばらしいことだと思いますが、この布の絵本についての本市のお考えをお聞かせください。 次にお聞きしたいのが、本市の図書館構想の基本的な考え方でございます。図書館の7館構想が4館になり、図書館は4館でネットワークしているとのことでありましたが、21プランで見ますと、地区図書室をネットワークするということが示されておりますが、どこの地区図書室がそのようになっているのでしょうか、お聞かせください。 また、せっかくそこまでなされるのでしたら、全地区図書室をネットワーク化されることができないものなのでしょうか、お伺いいたします。 また、団体図書貸し出しについては、ただいまの御答弁では、地区図書室、地域子ども文庫等々ということでございました。今後、学校、幼稚園、保育園にあわせて大学病院、小児病院などにも貸し出しはできないものか、お伺いいたします。 そして、新しくできる東海大学付属八王子病院に図書コーナーを設置していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。 次に、司書教諭有資格者については、一定の人員が確保されているとのことでございました。しかし、学校図書館は、視聴覚資料だけでなく、さまざまなメディアを取り扱い、多様化する教育方法に対応した教材や児童・生徒の自発的、自主的な学習活動を支援し、独立学習ができる場所を備える学習センターの機能を持たせることも必要であり、とても重要であると考えます。そこで、市独自の施策での学校司書配置の可能性についてのお考えを再度お伺いいたします。 また、埼玉県では朝の10分読書運動を835校ある小学校のうち352校、422校の中学校のうち102校で行われております。朝の読書を始めてから1年経過した段階で、生徒に行ったアンケートでは、本が好きになったが89%、読む本がふえたが71%、書店に行く回数がふえた61%など、読書に対する姿勢が顕著に変化し、遅刻が激減した上、その後の授業にスムーズに入れるようになり、学舎としてよい雰囲気になったと言われております。 こうした実例を通してお伺いいたしますが、本市の学校の中でも朝の1O分間読書運動を取り入れるように、学校に働きかけ、広げていくことはできないのでしょうか、お聞きいたします。もし本市で朝の10分読書運動を実施しているところがあるとすれぱ、その状況をお聞かせください。 続いて、痴呆性高齢者にっいてお伺いいたします。 高齢者がふえるほど、また、年齢が上がるほど痴呆性高齢者の発生率はふえてきております。介護保険での市独自の痴呆性高齢者の対策はないとのことですが、本市でも在宅の痴呆性高齢者は約500人と推定されているようであります。 地域福祉計画で示されている内容では、支え合いのネットワークと徘徊高齢者SOSネットワークの整備について、12年度には実現に向けて検討するとのことですので、早急にその対策をお願いしたいと思います。 次に、グループホームの状況については、5月に1つ開設との先ほど御答弁がございましたが、しかし、その施設1つでは対応が十分にできるとは思えませんので、今後、よく検討していただきたいと思います。そして、グループホームの拡充、充実に向けて御努力していただきたいと思います。 また、痴呆性高齢者の問題の1つに、徘徊をすることがありますが、全く知らないところを歩き回ることが多く、交通事故やけがなどの危険が常につきまとっております。それだけに徘徊する痴呆性高齢者を抱えた家族の精神的、肉体的な負担は非常に大きく、常に休まることができません。こういうことから、本市において、徘徊高齢者に対する認識と未然防止安全対策をどのようにお考えになっているのかをお伺いいたします。 現在、江戸川区や江東区において、昨年7月から、痴呆のお年寄りが家から出て居場所がわからなくなったとき、電話会社からの位置探索システムを利用して探すサービスを始めており、安心して生活ができるようになったと、大変喜ぱれているようです。 また、清瀬市においても、徘徊高齢者探索サービス事業が今年度の5月から始まります。このサービスは、在宅の痴呆性高齢者の衣服に小型の端末機をつけて、行方不明になったとき、家族からの問い合わせに応じて、電話会社などのオペレーターが約2分で位置を確認し、家族に知らせる方法です。清瀬市では、現在の痴呆性高齢者は約420人いると試算しています。新年度は20台を準備して、利用者は基本使用料と利用料の1割を負担する予定です。 今後、高齢化の進展とともに痴呆性高齢者の数も増加することが予測され、このようなPHS網などを使って位置探索システムは安全対策と安心を提供できるシステムとして期待されていくと思いますし、徘徊高齢者のいる家族の手助けにもっながると思います。本市においても、ぜひ導入していただきたいと思います。それについての御答弁をお願いいたします。 また、痴呆性高齢者についてでありますが、その実態はなかなか厳しいものがあります。御本人自身はその意識が全くありませんし、その上での行動は、家族にとって非常に大変な介護が必要となります。 最後に、痴呆性高齢者の今後の対応について、市長の所見をお伺いいたしまして、2回目の質問を終わります。 副議長【町田貞之君】社会教育部付参事。 社会教育部付参事【船引元子君】 子ども読書年のイベントの御提案をいただきまして、ありがとうございます。参考にさせていただきます。 読書年における行事のPRのことにっきましては、広報や図書館報、館内にポスターを張り出したりいたしまして、PRをしていく予定でございます。 調べ学習コーナーにつきましてでございますが、川口図書館、生涯学習センター図書館も、中央、南大沢図書館と同様に、子どもたちの夏休みの研究課題に沿った図書をそろえるよう努力をしてまいりたいと思っております。 お話会を学校、保育園、幼稚園で開催してみたらどうかというお話でございますが、図書館内へのお話会等への職員の派遣につきましては、現状の運営体制では困難と考えております。各図書館でお話会を開いておりますボランティア団体では、大変熱心に、また活発に活動しておりまして、学校、保育園、幼稚園等にお出かけになり、年間100回以上のお話会を催しているというお話を聞いております。 布の絵本のことについてでございますが・布の絵本は装備ができません汚れやすく・壊れやすいので、予算上もまた、購入は大変難しいものと考えております。児童向けの点字本やカセットテープを御利用いただきたいと思っております。 新21プランでの地区図書室でのネットワーク化はどこであるのかということでございますが、これから市民センターをつくる場所でございますが、加住と館。既にでき上がっているところでは北野、恩方、由木東市民センターの各図書室5ヵ所でございます。全地区図書室へのネットワーク化についてということでございますが、他の地区図書室は図書館に近かったり、また、規模も小さいこともありまして、新21プランでは計画をしていないところでございますが、その後の検討課題と考えております。 団体貸し出しについて、今後拡大をしていけないかということでございますが、団体貸し出し用の図書は返却期限の関係で、移動図書館用に購入いたしました図書の中から貸し出しをしておりますので、学校、幼稚園、病院と拡大していくことは困難と考えております。 副議長【町田貞之君】学校教育部付参事。 学校教育部付参事【和田信行君】 今後、市独自で学校司書を配置する可能性についての御質問ですが、公立学校の教職員の給与費につきましては、義務教育費国庫負担法及び市町村立学校職員給与負担法によりまして東京都が負担することになっております。司書教諭につきましても部費で措置されるべきであり、現在のところ、小中学校の図書館に市費による司書教諭の配置は考えておりません。 次に、朝の10分間読書をやっている学校等についての御質問ですが、本市の状況、数値的には把握しておりませんが、学校訪問等で得た情報からは、小中学校ともに、学級独自または学年独自での取り組みとして朝読書を行っている学校が多く見られます。また、全校挙げて取り組んでおります中学校では、今年度まで生徒も教師も自分で読みたい本を選び読んでおりましたが、来年度からは読んだ本の感想を述べるスピーチコミュニケーション活動も取り入れ、自己表現能力の育成も図っていこうとしていると聞いております。 また、教育委員会としては、朝の10分間読書等について働きかけるつもりがあるふということですが、楽しんで読書をしようとする態度を育成するには、日々のこうした活動が大切であると考えております。 今後も学校図書館の活用などとともに、児童・生徒の実態や学校の状況に応じて取り組まれるよう働きかけていきたいというふうに考えております。 副議長【町田貞之君】保健医療部長 保健医療部長【宮崎征男君】 東海大学付属八王子病院に図書コーナーの設置の考えでございますが、大学側としましては、学内に設置しております感染症対策委員会の決定によりまして、本院に当たります伊勢原病院同様に、八王子病院につきましても、病棟内に不特定多数の人が利用する図書コーナー等の設置は考えていないとのことでございます。 その理由といたしまして、大学側としましては、入院患者等の抵抗力が減退した人への感染症の問題をおそれているようでございます。いずれにしましても、御質問の趣旨につきましては、今後、あり方等を含めて大学側と協議してまいりたい、このように考えております。 副議長【町田貞之君】福祉部長 福祉部長【三宅壮三君】 徘徊高齢者に対します認識と未然防止策はあるのかということでございますが、高齢化の進展とともに痴呆症状を持つ高齢者の数も増加の一途をたどるというふうに想定しておりまして、痴呆性高齢者の外出時の行方不明、あるいは交通事故の不安など、痴呆性高齢者特有の問題について重大な認識を持っているところでございます。地域福祉計画においても、徘徊高齢者の発見の仕組みづくりについて検討を行うとしております。 2つ目の質間でございますが、探知機を導入する考えはないのかということでございますが、現在、日常生活用具給付等の事業の中で、徘徊感知機の給付事業を実施しております。これは、痴呆性の高齢者が家から外出した際に、家族に対し、設置機器が警告音で知らせるものであります。今後、新たな機器等について検討してまいる所存でございます。 副議長【町田貞之君】黒須市長。 市長【黒須隆一君】 小林鈴子議員の私に対する質問にお答えいたします。 徘徊痴呆性高齢者への対策ということでございますけれども、実は、正確な数字というものは、どの程度八王子におられるのかというのは、なかなかつかみにくい実態でもあります。ただ、私は、知人のところで徘徊高齢者というのは、よく承知しておりますけれども、御家族の方の負担というのは大変ですね。確かにお困りになっておりまして、何とかいい方法はないだろうかというのは、私も真剣に考えているところでもございます。 他市の例につきましても、今質問者から御披露もございましたけれども、今後、痴呆性高齢者の増加というのは、当然のことながら多くなってくるんじゃないか、そういう状況の中で何とか支援する仕組みづくりというのを早急に検討していきたい、このように思っております。 副議長【町田貞之君】小林鈴子君。 【小林鈴子君】 それでは、3回目の質問をさせていただきます。 痴呆性高齢者については、市長からもただいま御所見をいただきました。また、部長からも、徘徊高齢者に対しての新たな機器等を御検討いただけるとの御答弁でありましたが、ぜひ市独自の事業として、徘徊高齢者の対応策としての予算を6月の補正予算に入れていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、子ども読書年のPRについては積極的に取り組んでいただけるとのことでございますので、1人でも多くの方に周知し、これを機会に本により親しんでいただけるよう推進をお願いいたします。 布の絵本については限られた予算の中では難しいとの答弁だったと思いますが、初めは一、二点の購入でもいいですので、ぜひ前向きに検討をお願いいたします。 また、お話会等の多岐にわたる開催、そして、地区図書室のネットワーク化と団体図書貸し出しについても拡大を強く要望いたします。 また、サービスにおきまして、イギリスでは、赤ちゃんが生まれると本の紹介のリストを送るブックスタートという制度があるそうです。子どもは次の世代の宝であります。こうした思いの中でお伺いいたしますが、本市においても、生まれたとき、または乳幼児健診のときに本の紹介リストを配布していただきたいと思いますが、今後のお考えをお聞かせください。 続いて、東海大学付属八王子病院への図書コーナーの設置にづいてであります。ただいまの御答弁では、感染症等の問題はあるけれども、今後協議してくださるとのことでありました。私は、先日浦安に視察に行ってまいりました。 順天堂浦安病院においては、常時1,400冊の本を置き、入院患者さんのほかに付き添いの方、外来患者さんの方に自由に読んでいただく図書のコーナーを設けております。感染予防に対しては、大学病院の中の院内感染予防の委員会で協議していただき、先生方が判断されております。また、ヨーロッパの各国が病院の本のサービスを既に行っておりますが、今まで本を介して重大な感染をしたことはないと言われております。何を根拠に感染症等の問題があると言われるのでしょうか。 私が視察したこの病院では、利用されている方は大変喜んでおりましたし、ぜひ図書コーナーの設置をお願いしたいと思います。再度、御答弁をお願いいたします。 また、市独自で学校司書の配置は、東京都の管轄であるので考えていないとの御答弁でありましたが、心豊かな人間を育成する、主体的に学ぶ意欲を高める、情報化に対応するなど、児童・生徒にとって学校図書館の果たす役割は非常に大きいものがあると思います。このため、学校司書を配置することで子どもたちの学習の手助けができ、重要なことだと思います。 本来、私は、学校司書、地区図書室司書、児童図書館員等の専門職員の配置が必要と考えておりますが、行財政改革を進める中でもありますので、ボランティアの司書の方を募集し、その方々に応援していただけれぱと思いますが、お考えをお聞かせください。 次に、朝の10分間読書運動については、今後学校に取り組むように働きかけてくださるとのことでございました。読書の楽しさとの出会いをつくるのに重要なことでありますので、よろしくお願いいたします。浦安の図書館は、市立図書館の充実度では全国トップクラスであります。全市民の家から10分以内に図書館があり、明るく親しみやすい建物、広い駐車場、新刊の多い蔵書、司書によるきめ細かなサービスなど、大変行き届いております。これは行政と図書館の方々の御努力でもありますが、首長の図書館政策として打ち出され、実現されたとのことでありました。 また、全米図書館友の会連合会は、1997年6月、各地の図書館友の会の連絡協力を目的として設立された全国組織です。現在、2,600グループと75万人の会員とを持ち、名誉会長は大統領夫人のヒラリー・クリントンであります。この会は、図書館は私たちの生活の中心です、そして、私たちは図書館への変わらぬ支持を約束することを理由に発足されております。 最後にお伺いいたしますが、市長は12年度の予算提案の説明の中で、図書館の蔵書数をふやし、市民サービスの向上を図ると言われております。では、八王子の図書館行政をどのように充実させ、市民サービスの向上を図られるのか、また、子ども読書年のこの年、子どもたちを大切にする図書館にするための今後の取り組みについて教育上の観点から教育長に、また、図書館行政という観点から市長にお伺いし、一般質問を終わります。 副議長【町田貞之君】社会教育部付参事。 社会教育部付参事【船引元子君】 乳幼児健診の際の本の紹介リストの件でございますが、現在、図書の紹介につきまして、新刊図書については作成しているところでございますが、既刊のものも含めて多くの方々に読まれている図書の紹介パンフレットなどの作成については検討していきたいと考えております。 ボランティアの司書を募集して応援をいただいたらどうだろうかというお考えでございますが、現在図書館ではお話会や対面朗読等、ボランティア団体と一緒になりまして、運営しているところでございます。今後ともこれら団体の協力をいただきながら運営していくものと考えております 副議長【町田貞之君】保健医療部長。 保健医療部長【宮崎征男君】 書籍を介しての感染のおそれの根拠でございますが、書籍等が入院患者や外来患者等の手に触れることから、老人病院等で師行し問題となっておりますMRSA、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌のような比較的感染力の弱い常在菌でありましても、抵抗力が弱い入院患者への日和見感染のおそれがあるとの判断から、東海大学病院としては書籍等を置かない方針をとっているところでございます。 こ れはそれぞれの病院の判断によるものでございまして、八王子医療センターも同様の考えから、図書コーナー等は設置しておりません。危険性が少しでも心配される状況の中では、市としても設置を強要するわけにはまいりませんので……。そうは申しましても、御質問者の御意見がございますので、先ほど申し上げましたように、今後、可能な方法があるかどうかを含めて、大学側と協議してまいりたい、このように思います。 副議長【町田貞之君】学校教育部付参事。 学校教育部付参事【和田信行君】 司書教諭の配置の件ですけれども、今後、司書教諭が十分にその職責が果たせるための条件整備を国や都にお願いしていきたいというふうに考えております。 また、ボランティアの件ですけれども、ある小学校ではPTAのサークルが年間数回、全学年で放課後に読み聞かせを行っている学校もあります。また、別の小学校では各学級ごとに保護者が自主的グループをつくって、月に1回、図書の時間に読み聞かせを行ったり、また、PTAのサークルで中休みに読み聞かせを行っているというような小学校もございます。今後、このような活動を支援していきたいというふうに思っております。 副議長【町田貞之君】田中教育長。 教育長【田中博君】 読書の問題で子どもたちの指導ということで御質問いただきました。 確かに今、学校教育部付参事もお答えいたしましたけれども、子どもたちの読書離れというのは、最近特にひどくなってきている。これはテレビの普及、あるいはテレビゲーム等によって子どもたちが本離れをしているということではないかというふうに思っております。 そういった中におきまして、現在あります図書館、そしてまた、学校図書館等も利用しながら、子どもたちの読書熱というものを少しでも盛り上げていく必要があるのではないかというふうに私は考えているところでございまして、子どもたちは本を読むことによりまして、言葉も覚え、そして、感性も豊かになってくるということですので、今後とも学校を含めました図書館の行政につきましては、引き続き充実に努力をしてまいりたい、このように考えております。 副議長【町田貞之君】黒須市長。 市長【黒須隆一君】 小林議員から私に対しては、子ども読書年に関連して図書館の充実をということの質問でございますが、読書活動というのは青少年の健全育成には極めて重要な役割を果たしていることはよく承知しておりますし、また、青少年ばかりじゃなくして、生涯学習ということでも図書館の役割というのも大きいんじゃないかというふうに思います。 そういう観点から、図書館は幼児からお年寄り、また、体の不自由な方等、大変多くの市民が利用者であります。現在まで4館を開館させてきましたけれども、新21プランにもありますように、今後は図書館ネットワークを拡充し、蔵書の充実等も含めまして市民の利便性をさらに高めていきたいと考えております。 |