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広島の片田舎からギターひとつ携えて、夜行で横浜に降り立った青年。
家族に恵まれない少年期を過ごし、貧乏のどん底から這い上がってスーパースターになった男、矢沢。
金もなく、家もなく、コネすらないところから彼を今の地位にのし上げたもの、それはただひとつ、「俺はビッグになるんだ。必ず、成りあがってみせる。」その執念であった。
ロックン・ローラー矢沢永吉が自らの生い立ちと、キャロル解散後独立するまでを語った自伝的「激論集」。
何ヶ月か前に、テレビで観た同名ドラマ(TOKIOの松岡君が主演)がなかなか面白かったので、興味を持って本書を手にとってみた。
正直これを読む前までは、矢沢永吉があまり好きではなかった。キザっぽくて、態度が大きい、という印象が強かったためかもしれない。でも、不思議と男の人たちからは好かれているので、きっと同姓を惹きつける魅力があるのだろうな、とは感じていた。
そして読んでみて、なるほど、と思った。 上に行くことを夢見て叶わなかったアーティストが掃いて捨てる程いる中、希望通りやってのけられただけのことはある。
本当にすごい人。 正真正銘の成功物語。スピード感あふれるキレのある言葉も、矢沢らしさが出ていてすごくいい。 思わず何度も読み返してしまったほど。
矢沢がすごいのは、音楽の才能とか精神力だけではなく、普通のミュージシャンが見ないような方向までをしっかり見ているということ。 人のいいなりになって、だまってしきたりに従うのではなく、自分を取り巻く社会を知ろう知ろうと努力して勉強している点だ。
すると、どうしても上層部との軋轢が生じてくる。 自分の思い通りのことを実現させるために彼が選んだ道は、自らをプロデュースできる会社設立であったようだ。
やりたいことがわからないで立ち止まっている人、思い通りにならない毎日に苛立っている人、そんな人たちに向けたメッセージわかりやすく、力強い。
「自分の目指すものを定めて、執念燃やすんだ。自分の欲望を百パーセント確信し、それを具体化していくんだ。」
迷い多き中・高校生たちに薦めたい一冊。 2003.1.4 |