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●タイトル● 「子どもへのまなざし」 ●作者● 佐々木 正美 ●出版社・発行年● 福音館書店 1999年 |
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世に氾濫する育児書や子育て指南本と本書が違うのは、作者が「子ども達の未来の幸せのために親ができる一番大事なこと」に焦点をあてて、シンプルにどの章でも繰り返し発言しているところにあるのではないだろうか。 筆者いわく、子育てで一番大切なのは乳幼児期で、その後の小学校、中学校ましてや大学教育などは付けたしにしか過ぎないとのこと。 人間として一番大事な土台を築く就学前の最も手のかかる時期に、親がしてあげられる最高の教育は、子どもが望むことに最大限に応えてあげること。 「自分が望んだことを望んだとおりにやってもらえて育てられた子どもは、いちばん幸せです。そういう子は自分で自分のことを好きになれるのです」 将来のために習い事をさせるよりも、社会に出てから困らないように厳しくしつけをすることよりも、子どもが安心して自分と他人を信頼し、愛せるよう親は出来る限り子どもの願いを叶えてあげる。 そして社会のルールの基礎は、子ども同士の遊びの中でこそ自然に効果的に身につくのだという。 子育てが難しい、と多くの人が感じる現代。 育児情報、早期教育情報、お受験情報等氾濫して、我が子の幸せのためには何を選んだらいいのか正直わからなくなるときがある。 例の全国的に衝撃を与えた文京区の俗に言う「お受験殺人」の背景にもこうした情報の氾濫があり、親自身の子育てに対する自信のなさが、身近にいる子育て中の仲間たちの流れに飲み込まれて彼女自身行くべき方向を見出せない袋小路に追いやられてしまったのではないか、と想像する。 親になった誰もがはじめての子育て。 不安で、周りの主流からはずれることへの恐怖は私も時々味わう。 でも、子どもを育てるということは子どもを愛するだけであとはその子の内なる自然が育ててくれるんだ、とこの筆者は何度も繰り返す。 本来はシンプルで体一つでできる育児が今は親自身の問題も含めて非常に努力のいる仕事になっている。 私自身も反省するところが多々あり、この本は自分の子育てを省みるきっかけになってくれたと思う。 専業主婦、働く母、父親、保育士、幼稚園の先生、等子どもに深く関わるすべての人たちに向けてのメッセージや助言が丁寧で温かい。 2000.9.4 |
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