カシュガル 〜木漏れ日のランチタイム

チニワク賓館

カシュガル、チニワク賓館入口

泊まっているチニワク賓館の入口。
時間ないくせに、あまりにいいお天気なので記念に1枚。

慌てて部屋に戻ってお土産を準備して一張羅のシャツに着替えて(笑)もう一度楽器屋へ。
1時15分ごろ行ってみると、まだアブ氏は来ていなかった。良かった。
30分になっても来ない。きっと朝の用事が長引いているのだろう。私はもう今日は何時でもいいから気長に待つよ。
持ってきたノートPCでクルバンジャン君に去年のアブ氏の動画(特別に演奏を聴かせてくれた時の)を見せながら待つ。
その動画は一部YouTubeにアップしているが、中国でYouTubeを見る事は出来ない。
クルバンジャンは「中国では見られないけど世界中のウイグル人が見られるから良いことだ」と言ってくれた。
勝手に動画サイトに載せてしまってる事を自分の中でもいいのか悪いのかと悩んでいたのだが、
そのように言ってもらえて嬉しかった。アブ氏のCDやVCDを新疆以外で買うこと不可能なので、
動画サイトの類は著作権等で問題あるのは分かっていても、クルバンジャンの言う在外ウイグル人のみならず
世界中の人々に彼の音楽を知ってもらう為には最も簡単かつ効果的な手段だから『必要悪』ってやつかなと個人的には思っている。

楽器演奏が上手い漢族の客が店に入ってきていろんな楽器を弾きだした。
私もクルバンジャンの商売のために愛想良く「好的〜!」とか言ったりしてるとアブ氏到着!!
あ、でもドタール持ってない…代わりに集金のオッチャン仕様なセカンドバッグ小脇に抱えてご登場。
ニコニコ笑顔のアブ氏と再会の握手をしたら、後ろから入ってきた連れの方を指差して私にウイグル語で何か話しかけてきた。
言葉が分からないからクルバンジャンを呼ぶと、その人はアブ氏の弟子さんだそうだ(中年くらいの方だけど)。

お土産も無事渡せた。クルバンジャンは開けてと言わないと開けなかったがアブ氏はおもむろにリボンを解いて中を見た。
早速マフラーを取り出してニッコニコで首に巻いてみるアブ氏、いいね〜。
ウルムチは寒いから、これであったかくしていただけたら嬉しい。

どうも今日はドタールを弾くつもりなはいみたいで心の中でガッカリしていた。
目の前にドタール何本もあるのになぁ〜…。
アブ氏は予想通りご飯に行こうと誘ってくれた。もちろんOK。
しかしクルバンジャンは「お母さんがご飯食べに帰ってこいと電話してきたから一緒に行けない」と言う。
そんな〜困る!という表情をするとアブ氏が「んなもん、断れ」と一言(笑)
アブ氏にそう言われると逆らえないクルバンジャンは、家に電話して今日は日本人の通訳するから帰れないと言ってくれた。
そんなこんなで、店を閉めてレストランへと向かうことに。



オサレなレストラン

カシュガル、昼下がりのレストラン

弟子さんの車に乗ってエイティガール横のレストランへ。すぐ近くなんだから歩きゃええのに。
3階にあってオープンスタイルのちょっと高級そうな店だ。
ブドウ棚(よく見たら造花だった)が広がって木漏れ日のようになっていて柔らかな光が入りイイ感じ!
流石は地元じゃ有名なアブ氏、あちこちから人が来て挨拶されていた。
人が挨拶にやってくる度に立ち上がって握手して「ご一緒に如何ですか?」「いえいえ、あっちの席にいるので」「ああそうですか」
…というのを繰り返していた。有名人は大変だな。やはりとりあえず一緒にどうですかと誘うのが礼儀なんだと実感。
初めは何で近くなのに車で?と思ったが、歩くとこの繰り返しが延々続いてしまうからかと気が付いた。
私にも決まり文句で誘ってくれただけかもしれんのに二つ返事でノコノコ付いてきてしまって良かったのかな…?

好きなもの注文してとメニューを渡されたが何でもいいですよ言うと普通にラグメンとカバブとヨーグルトを注文してくれた。
ラグメンは濃いめで皆口の周りがソースで汚れまくり。
そうだ、アブ氏にティッシュを渡してさしあげよう…と思った瞬間、弟子さんに先を越された(笑)
弟子さんはコワモテで無表情で無口なのにやたらと気が利く人で、ずっとお茶を注いだりと気を配ってくれた。



アトラスドレス姿のウェイトレスさん

カシュガル、アトラスのワンピースを着たウェイトレスさん

クルバンジャン曰く店の主人がアブ氏と私を歓迎してくれて何でも好きなものを食べさせてくれると言ってくれたそうで、
アブ氏がスペシャルティーを注文すると、煮豚の羊バージョンごま辣油がけとひよこ豆のピリ辛炒めも付いてきた。アブ氏効果すげぇ!
ウイグルの伝統シルク織物『アトラス』で作った衣装を着たウェイトレスさんをパチリ。

今回の旅に出る前、ウイグルに詳しい方から「アブ氏にウイグルネームを付けてとお願いしたら」とアドバイスをいただいていた。
何故かと言うと、きっとアブ氏は私の名前を覚えられないだろうから。簡単な名前でも外国の名前って覚えにくいものだ。
で、アドバイス通りにウイグル名を付けてとお願いしてみたら、殆ど考える様子もなくあっさりと
アイグルと命名された。
ちょ、ちょっとアブ氏!!決めるの早すぎやん!?
もう少し熟考してくれてもええのに…(笑)
正直言って、命名された時、アイグルという響きがちょっと…と思ってしまった。名前に「グ」なんて付くのに違和感が。。。
しかしクルバンジャンがアイグル(Aygul)はMoon Flowerだと意味を教えてくれて、
月の花というイメージが素敵だし月はイスラムのシンボルだし私は太陽より月の方が好きだし…と、じわじわと気に入ってきた。

アブ氏の即決っぷりには若干面食らったが、「そういうとこがまた男らしくてステキ♪」とミーハーバカ女はいい方に取るのであった。
というわけで、
本日より私はアイグルになりました!

でも意外な事に、アブ氏は私の本名も去年一緒に会ったFさんの名前もちゃんと覚えていてくれていた。
去年アブ氏とFさんと3人で30分くらいウルムチの町を歩きましたね〜と話しかけると、
アブ氏は「あの時疲れたんじゃないかと後で思って…」と言った。
まさか!めちゃ嬉しかったのに!やっぱり優しい方やなぁ。ていうか、あの時の事覚えてくれてたのが感激。
(去年の話は2009年編の「ウルムチでの再会」セクションをご覧下さい。話超長いけど)



入魂のショット



アブ氏の新しいCDが出る予定を尋ねると、ちょっと間があいた後で「来年」と。
まぁ未定という事だろう…。
去年会った時には「今年中に」と言っていたが、その後7.5のウルムチ事件があり、それ以降はアブ氏だけでなく
他のミュージシャン達もCD出したりコンサートしたりできにくい状況らしいと人から聞いていたから
残念だけどもうしばらくは無理なのかもしれない。早く状況が良くなる事を望むばかり。

しかしアブ氏はCDは出せてないけど毎日かなり忙しく過ごされているようで、音楽の事で頭が一杯だと話していた。
日本公演もしてほしいと言うと、日本政府(文化庁か?)からの招待が必要だと言われた。
自由に外国に行ってコンサート開く事も出来ないという現実。色々と難しいね…。
アブ氏は1990年代にトルコで向こうのオーケストラと共演した事があるそうで、感激したと話してくれた。
いつか日本でもコンサートが出来る日が来ますように!

会話が一段落し、3人それぞれの写真も撮らせていただいた。アブ氏のが格好良く撮れて満足。
アブ氏は写真撮られるのが苦手なタイプと分かってるから撮り直しも出来ず一発勝負で入魂の1枚!(大げさ)
カメラ向けてもカメラ目線をしない辺りがやっぱり硬派なアブ氏やなぁ。

本人には言いづらかったから、敢えて弟子さんに「演奏を聞いてみたい」と言ってみたらクルバンジャンはちょっと困った顔をした。
弟子さんを使って本当はアブ氏の演奏が聴きたい事と
、そうやすやすとアブ氏が弾いてはくれない事を分かっての困った顔だったはず。
だが、アブ氏は「金曜にもう一度会って誰か友人宅に行って演奏してあげる」と言ってくださった!!
アブ氏はたまの帰郷で色々とお忙しいだろうし実現可能性は低いと思うが…そうなれば最高だ。

そろそろおいとまっぽくなってきた。アブ氏は次の用事があるみたいなので仕方ない。
アブ氏もクルバンジャンも、2時間も時間裂いてくれて本当に申し訳なく、有難かった。
アブ氏は「どこかへ行くなら車で連れていってあげる」と言ってくれたが格好つけて「歩くの好きなので歩きます」と断ってしまった。
金曜日に、と言ってお別れをして去りゆく2人の姿を見送った。
クルバンジャンも「友人を店の前で待たせてるからここで」と慌てて帰って行った。

宿へ戻る途中、さっき飲み過ぎたお茶のせいでものすごくトイレに行きたくて大変だった。やっぱり送ってもらえば良かった(笑)



幼稚園入口

カシュガルの幼稚園にて

おしっこちびりそうなのを堪えて冷や汗脂汗になりながらチニワクまで戻ってきた。
が、チニワク隣にある幼稚園の入口に可愛い子ども達がいて、ついつい立ち止まって写真を。




ラブリー!!

カシュガルの幼稚園にて

も〜〜この子たちったらラブリーすぎ!たまらん。(決して変な趣味じゃないですよ!)



ラブリー!!その2

カシュガルの子どもたち

カメラぶら下げてるだけで相手から「撮って撮って!」と言ってきてくれるから楽ちんでありがたい。
私はこの人なつっこさと豊かな表情でウイグルにハマってる部分がかなり大きい。

アブ氏は去年と変わらず癒し系で、かつちょっと違う一面も見る事ができた今日のランチタイム。
そんな幸せなひとときのシメにふさわしいラブリーな子ども達の写真が撮れて、ほくほく気分で部屋に戻った。