湿地帯の朝〜さようならタシュクルガン

交通賓館のひまわり

タシュクルガン、交通賓館のひまわり

朝8時起床。もう今回の旅も終わりが近づいてきつつある。
9時半のバスなので余裕でゆっくりコーヒー飲みながらビスケットなどかじっていると、部屋のドアがノックされた。
何だ?とドアを開けるとポーランド人カップルの女の子の方が立っていた。
何かと思ったら、彼氏の方が今日お腹壊してしまってバスには乗れないと言う。
それで彼らはタクシーで帰るらしい。私もタクシーの方が快適だと思っていたからじゃあシェアしましょうという話になった。
ただし、出発は12時。バスよりは速く走ってくれるだろうけど、カシュガルに戻れるのは何時になるのかな…。
戻ったら楽器屋に行ってアブ氏と連絡取ってもらわないといけないからそれだけがちょっと心配。
フロントでタクシーの値段を聞くと1台300元だと教えてくれた。
その値段なら1人100元だし悪くない。初めはふっかけられそうやけどなぁ。
12時まで部屋にいてももったいないし、最後のお散歩へ出よう。

何気なく泊まっている交通賓館の裏手に回ってみるとひまわりがたくさん植えられていた。
もうだいぶ枯れかけている花もあったけど、一番元気そうだったひまわりを交通賓館も入れてパチリ。




ポプラの影

タシュクルガン、ポプラ並木道の朝

また湿地帯の方へ向かってみた。やはりタシュクルガンのシメはあの場所こそ相応しい。
今日も雲はかかっているけどまずまずのお天気。朝の光を受けてポプラ並木から長く伸びる影が美しい。




光につつまれた集落

タシュクルガン、朝の集落

大通りをずんずん歩いて突き当たり、集落と湿地帯が見渡せる場所までやってきた。
少し霞がかかっていて、柔らかな朝の光に辺り全体がつつまれている。
朝ご飯の支度をしているのだろう、集落の所々から煙のようなものが上がっている。
人の姿は見えなくても、朝餉の煙にこの地に住む人たちの日々の暮らし・営みを感じられてほっこりした気分になる。
しかしそれと同時に、ホームシックという程のものではないがちょっぴり自分の家も恋しくなった。



湿地帯の朝

タシュクルガン、湿地帯の朝

湿地帯まで降りて来た。水たまりや朝露に濡れた牧草がキラキラしていてこれまた美しい!
昨日の昼間の湿地帯も最高に素晴らしかったが、静かに草を食む動物以外に誰もいない朝の様子も言葉にならない美しさだった。
これが初夏なんかだと、今はだいぶ茶色が混ざっている草も青々とした緑で、更に美しいんだろうなぁ。



おっきな空

タシュクルガンの空

今日の雲も迫力があるなぁ。タシュクルガンの大きな空も見納めだ。

この場所はいつまでもこのままであって欲しい…。
いち旅人のセンチメンタリズム的にはそう思うのだが、こんな場所にも『開発』の手は伸びているようで、
私が訪れた後、湿地帯に観光用と思われる遊歩道が作られたらしいと他の方から教えていただいて非常に驚いた。
観光客が増えればタシュクルガン経済が潤い、それによって人々の収入が増えるのは良い事という思いもあるけど、正直複雑な気持ち。
カシュガル旧市街のことも合わせて、今後どのように変化していくのか気になるところです…。




タシュクルガン最後のショット

タシュクルガン、タジク族のおじさん

何枚も湿地帯の写真を撮っていると、通りかかったおじさんがカメラを覗き込んで日本人か?と聞いてきた。
そうですよ〜と答えたついでにちゃっかりとおじさんの写真も撮らせていただいた。
なぜかこの方も頼んでないのにワザとカメラ目線外してポーズ(笑)
たまたま目線外しな人に会うのが続いただけなのか、タジク人の気質的にそういう人が多いのかは分からないが、
ウイグル人だと正面向いてニッコリというのが多いから私にとっては新鮮で面白い経験だった。

それからもしばし湿地帯をぼけ〜っと見つめ続けた後、まだ近くにいて数人で談笑していたおじさんに
さようならを言って、去りがたき湿地帯にも心の中で別れを告げて宿へと戻った。
このショットがタシュクルガンでの最後の写真になった。




山と洗濯物

カラコルムハイウェイ

12時になりチェックアウトし、彼女さんが大通りでタクシーを拾ってきた。
彼女は宿の人が言っていたとおりの300元で話を付けてきていた。
交渉でもうちょっと安く出来たのでは…?とも思ったが、バスでも何十元とするのだからまぁいいや。
いざ車に乗り込んで出発。さようならタシュクルガン!

漢人の若いクールな兄ちゃんはエエ感じでかっ飛ばしてくれた。
行きのバスでは気付かなかった大きな氷河におお〜!とか思いつつもスピードが速くて写真には撮れず。
途中で彼氏さんがトイレストップを頼んで車を降りた。ちょうど民家がある所で、洗濯物と山々を入れて写真を撮って私も休憩。
その後、行きにも止まった検問近くのトイレにも寄ったが、結局ぴったり4時間で4時過ぎカシュガルに到着した。
下りだからそりゃ早いよね。でも行きの半分の時間で帰って来られるとは思ってなかったからラッキー。

カップルさんは私はバス代だけでいいと言ってくれたがどうせ私もタクシーが良いと思っていたので
普通に割り勘で1人100元払い、彼らはセマン賓館、私はチニワク賓館まで行ってもらった。
ホテル前まで送ってもらえて、バスだったらまたバスターミナルからホテルまで行かないといけなかった事を思うと、
快適な車で早く着いてホテルまで連れてってくれて、これで100元なら十分満足だ。
おなか壊してぐったりだった彼氏さんには申し訳ないが、私にとっては非常にラッキーだったなぁ。
お二人も、これからも良い旅を!

チニワクでは今回は約束通り140元の部屋にしてもらった。やはり少し部屋がボロい気がするが問題なし。




楽器屋にて

カシュガル、ドタールを弾く男性

少し部屋で休んでから楽器屋へ向かった。
この為に早く帰ってきたから早くアブ氏に電話入れてほしかったが、忙しくなかなか掛けてくれないし次々と客が来て私も言い出せない。
そうするうちに笑顔がかわいいおじいちゃんがやって来た。弁護士さんだそうだがドタール弾くのもかなり上手い。
息子がタンブールとサタールを弾くそうで、今日は100年前のアンティークなサタールを買いに来ていた。
その古いサタールの弦を張り替えたりフレットを追加したりして、クルバンジャンはずっと忙しくしている。
クルバンジャンの仕事っぷりを見たり弁護士さんとカタコト中国語で会話したりしながら待ち続けた。




突然の雷雨

カシュガル、突然の雷雨

待っている間に、突然の雷雨!みるみるうちに職人街の道が水浸しに。
今年の秋は異常に雨が多いそうで、そういや私が着いた日も土砂降りだった。
子どもは雨でも楽しそうだが、こんなにいきなりスコールのように降ると露店商の人なんかは大変だろうなぁ。

雨が止んでもずっと楽器屋の椅子に座ったままの私を不思議に思ってた様子の弁護士さんに、
クルバンジャンが私のアブ氏との経緯を話しだした。
「それなら早く電話をかけてあげなさい」と言ってくれたようで、かなり遅い時間になってからやっとクルバンジャンは電話を手に取った。
アブ氏にかけたのかと思ったら他の人にかけていたようで、電話を切った後「ホントにごめん、パパは今ホータンに行ってて明日も自分が店にいないといけない。
他の英語話せる友人に通訳を頼もうと思ったんだけど友人も明日は無理だった」と言ってきた。
う〜〜〜ん、どうしよう!?
でも何とかなるような気がして、「通訳なくても中国語会話集持ってるし大丈夫だよ」と言った。
こないだのランチと違って明日は演奏がメインだろうからあまり会話は必要ないんじゃないかな?
しかしそれ以前に、アブ氏が明日大丈夫なのかまだ分からないのに…そっちの方が不安なんやけど。

そうしてやっとアブ氏に電話してくれたが何回か掛けてもアブ氏が電話に出ない…。
それからまたしばらくしてやっと向こうからかかって来た。
「明日はちゃんと予定に入れている」と言ってくれたそうだ。おお〜〜良かったーーーっ!!
流石はアブ氏、律儀なお方だ。めっちゃ嬉しい!!
ホッと一安心し、再びクルバンジャンの仕事の様子を見学。
でもかなり遅い時間になってもまだ弁護士さんのサタールのメンテが完成しないので完成するのを見届けるのを諦めて宿へ帰った。
ちなみに、
弁護士さんは、「俺はアブ氏が子どもだった頃から知ってるぞ」と話していた。
(アブ氏は小さい頃からカシュガルでは
『子ども演奏家』として有名だったとネットでも読んだ事がある)

明日は夕方6時に楽器屋で待ち合わせという事になった。
明日で私のカシュガル滞在も最後だし、夕方までじっくりと最後の旧市街散歩することにしよう。