カイロ 〜夕暮れの散歩

ラブリーじいちゃん

エジプト、カイロ、タバコを吸うおじいさん

次の日。もう旅も残すところわずかになった。今日含めて丸二日滞在したらあさっての夕方にカイロを発って帰国だ。
しかし体調は戻らないまま。まだ行けてない所もあるし、お買い物もほとんど出来ていない…。
というわけで、今日も朝から午後にかけては宿で休んで夕方前から出掛けた。

昨日と同様に極力おなかに刺激を与えないようにゆっくりゆっくりトボトボとイスラーム地区へ。
もう少ししたらイスラーム地区という辺りに来た頃、道路沿いに椅子を並べているカフェに座っていた男性から声がかかった。
「よぉ!まぁ座ってけよ」と椅子を指差すおじさん。ちょうど疲れてきてたところだったし、誘いに乗って椅子に腰掛けた。

「シャーイ飲んでいきな」とシャーイを注文してくれた。お腹が気になるがついついお言葉に甘えてしまった。
これが得体の知れないジュースだったりしたら絶対にお断りだが(笑)
声をかけてきたおじさんは英語が少し話せた。「日本ではなにやってるの?」とかたわいもない会話だけど、
こうやって現地の(観光客相手ではない)普通の人たちと話をするのは旅の大きな喜びの1つだからありがたい。
おじさんは優秀らしい息子や娘の自慢話を色々聞かせてくれた。
その横で座っていた味のあるおじいちゃんがとってもチャーミングで、めちゃ美味しそうに一服してるところをパチリ!
カメラを向けるとポーズも取ってくれるオチャメなおじいちゃんだった。
おじさん&おじいちゃん、ありがとうね。



ストール屋の親子

エジプト、カイロのストール屋

しばらく談笑してからおいとまし、まだ行っていなかったイスラーム地区のスヴェーラ門南側を散策開始。
南北に伸びるスークに入ってすぐの辺りにはテント屋がいくつも並び、女性用のストール類を売る店もたくさんあった。
そんな中で何気なく入ってみた1軒のストール屋、値段を聞いてみたらけっこう良心的っぽい。
そうだ、ここで自分や友人達のお土産にストールを買おう、とあれこれ物色。
1つの柄に色違いがたくさんあるし、優柔不断な私は迷いまくり。
店のお姉さんが素材の説明とかちゃんとしてくれるし複数買ったら安くしてくれる?と聞いたらOKだったから5枚くらい選んだ。
値段交渉でお姉さんが提示した金額よりかなり安めの値段を言ったらお姉さんはパパさんらしき男性に相談し、
さすがにそれはダメだったが
いくらか値引きしてくれて交渉成立した。
(実はある日本人旅行者が旅行中に買ったと話してたのと同じ物があって、値段聞いたらこの店の方がだいぶ安かった)
他の現地人の客を見てても私が買ったのと同じくらい払ってるように見えたし、
ごり押しとか一切なかったから気持ちよくいいお買い物することが出来た。ムフフ、今日はなかなかエエ感じに進んでるな!



見返り美少女

エジプト、カイロの少女

ストール屋を出てスークをどんどん南下。野菜のスークとか、まさに庶民的なエリアでいいねぇ。
歩いていると、首からでっかいカメラぶら下げてほろほろしてる東洋人(私)が気になったのか、
ママと弟と3人で歩いていた美少女ちゃんがチラチラと何度も私の方を振り返りつつ歩くので歩きながら1枚。
歩きながらだったのとちょっと薄暗い場所だったのとでボケボケになってしまったのが惜しい〜。




ガーマ・ムハンマド・アリ

エジプト、カイロ、ガーマ・ムハンマド・アリ

スーク通りを更に南下しているうちに大通りに出て、そこから少し行くと『シタデル地区』という辺りに辿り着いた。
シタデルはかつて政治の中心だった要塞のことで、中にはモスクや博物館などがあるらしいがイマイチそそられないのでパス。
シタデル近くの広場からトルコ風なデザインの『ガーマ・ムハンマド・アリ』というモスクの姿だけ写真に収めた。
ちなみにガーマ・ムハンマド・アリはオスマン朝時代のモスクだからトルコ風。鉛筆型ミナレットがイスタンブールを思い出させる…。



夕焼けとミナレット

エジプト、カイロ、夕焼けとミナレット

今日の目的は、シタデルとは反対方向にある『ガーマ・アフマド・イブン・トゥールーン』というモスク。
ガイドブックでそのモスクのミナレットの写真を見て「これ見たい!」と鼻息荒くしていたのだ。
そのモスクに向かう頃にはもう夕焼けが…。ちょうど西に向いて歩いていたので
道すがらに建っていた別のミナレットがシルエットになっていて、その風情、その美しさにうっとり〜。



アッザーンを聞きながら

エジプト、サルガトミシュのマドラサから見たカイロの町

目的の場所に隣接する『サルガトミシュのマドラサ』に着いた。
中に入ってミナレットに登る。日が落ちて、さっきよりオレンジ色が薄くなった空とカイロの町を見渡した。
ちょうどアッザーン(祈りの呼びかけの声)の時間で、あちこちのモスクからアッザーンが響いてきた。
塔の上はかなり強風で、高い所がちょっと苦手な私は足がすくんで腰が引けてガクガクだったんだけど(笑)
異国情緒満点な黄昏時のアッザーンが大好きだから、私以外には誰もいないこの特等席でしばし感傷にひたった。



サルガトミシュのマドラサ

エジプト、カイロ、サルガトミシュのマドラサ

手前のライトアップされているのがサルガトミシュのマドラサ

そしてその奥に見える螺旋状になったミナレットが、今日の目的のミナレット!
写真では薄暗くてよく見えないけど、普通は塔の中が螺旋階段なのだがこのミナレットは外に螺旋階段が付いている。
これはエジプトでは唯一であり、イラクのサーマッラーにある有名な螺旋状のマルウィヤ・ミナレットを彷彿とさせる。
実際、このモスクを建てた
イブン・トゥールーンがサーマッラーのミナレットを模したらしい。
渦巻きフェチな私にはたまらなく魅力的!!
サーマッラーのミナレットを見る為だけにイラクに行きたいって思うくらい好きなので、それに似てるだけでも嬉しい。
(サーマッラーのミナレットを彷彿とさせるもう1つ、ブリューゲルの『バベルの塔』の絵画も大好きだ)




ガーマ・イブン・トゥールーンの中庭とミナレット

エジプト、カイロ、ガーマ・イブン・トゥールーン

上の写真から少しアングルをずらすと、イブン・トゥールーン・モスクの広い中庭も見える。




塔のてっぺんで

エジプト、カイロ、ガーマ・イブン・トゥールーンのミナレット

だんだんと空が薄暗くなってきた。
足はやはりガクガクだがこの美しい夕暮れの光景から離れがたく…。
眼下の道路からは車のクラクションが絶え間なく響き、幻想的な光景とあの喧噪とのギャップが
カイロらしさに溢れてて、
そろそろ旅も終わりという感傷も手伝ってか、この場所に来てなんだかカイロがとても愛おしくなった。
遺跡もすごいし感動したけど、その遺跡の時代から数千年の時を経て『今を生きる』人々のエネルギーがやっぱり私は好きなんだなぁ。




そろそろ帰ろう…

エジプト、カイロ、日没後のミナレット

感傷に浸ってミナレットからの景色を満喫し、塔を降りた。ちょうど他の観光客と入れ違いになった。
アッザーンから薄暗くなるまでのステキな時間を独り占め出来て良かった。

なんかすっかり満足してしまって、肝心のイブン・トゥールーン・モスクには入らなかった。
私にとってはあの螺旋のミナレットは外から眺めてこそ意味があるんだから、あの塔に登る事に興味はなかった。
さっきまでいたミナレットの写真を撮ってからあの螺旋ミナレットの近くまで行ってみたが、
近くに行くと逆に全体がよく見えなくて、じゃあもうえっか〜と思って帰る事にした。
しかし帰国後画像検索してみたら、モスクの広い中庭から塔を見た良い写真がいっぱいあって「しくった!」と思ったのだった。




エジプトでドタール!?

エジプト、カイロ、ウズベキスタン音楽コンサート

まぁその時はそんな事考えもせず十分に満足して宿に向かって歩き始めた。
来たのと同じ道を帰っていたのだが、地図を見ると「こっちが良さそう?」という路地があり、
またまた道に迷ってしまうかもしれんというのに(笑)性懲りもなく途中から路地に入った。

路地を歩いているとモスクのような建物があり、なんだか入口に人がいて中で何かあるような感じがした。
何だろう?と思ってそこにいた女性に声をかけてみると、コンサートがあるからどうぞ中に入って、と言われた。
無料だというし、興味津々で中に入ってみた。
敷地の中には屋外ステージが組まれていて、パンフレットをもらって空いている席に座った。
座ってからパンフレットを見てみると、ウズベキスタンとアフガニスタンの音楽のコンサートらしい。
ほほぉ〜ウズベキスタンか、と思いつつ出演者の写真を見ると……ウズベク女性が持っているのはドタール!?
私がウイグル旅行で出会ってハマってしまった民族音楽演奏家さんはドタールのスペシャリスト。
ウズベキスタンにもドタールがあるのは知ってるけど、まさかまさか、ここカイロでドタールの演奏を聴く事になるなんて!!

コンサートが始まった。まずはウズベク音楽の3人が登場。
伝統のアトラスという生地を使った民族衣装を纏った女性がドタールを奏でながら朗々と声を響かせる。
ああ、あのアトラスの衣装も懐かしい。ウズベキスタンもウイグルもどちらも大好きな土地だから感激もひとしお。
隣の男性もドタール。これがまたウイグルで出会ったアブ氏を思い出すすごい演奏技術!太鼓の人も超絶!
すげーすげーと思ってたら次に出てきたアフガン音楽の人たちもすごくいい演奏。
最後に両方の人たちがコラボで即興演奏して盛り上がり、めちゃアツいコンサートだった。
(Youtubeでこのウズベクの女性歌手の動画発見。ドタール弾いてないけど)



"Mc Arabia"

エジプト、カイロのマクドナルドで「マック・アラビア」

いや〜〜〜、今日は夕方からの短い時間だったけどとってもイイ1日だったなぁ。
最後にこんなサプライズもあったし!こんな事があるから路地歩きはやめられない。
『カイロでドタール』という個人的には強烈なトドメを刺されて忘れられない夜になった。

コンサート終了後の遅めの晩ご飯は、宿の近くのマクドナルドで食べた『マック・アラビア』。
アラブ料理のシュワルマみたいに薄っぺらいパンにチキンパテと野菜が包まれている(牛バージョンもあり)。
アラブ圏限定のご当地メニューだそうで、食べてみたかったんだ〜。
日本で言えばケンタッキーの『ツイスター』のイメージが近いかな。
量が多過ぎ&期待ほど美味しくなかった(笑)けど、おのぼりさん的に楽しめたのでOK!
満腹で胃は重かったがゴキゲンで足取りも軽く宿へ帰った。
明日、体調が良ければアレキサンドリア日帰りするつもりだ。