カイロ 〜スーフィー・ダンス

演奏部隊

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

交渉成立した頃にはもう早くスーフィーダンス会場に向かわないと!という時間になっていた。
「じゃあそろそろ行きます。スーフィーダンスの場所はどっち?」と尋ねたら、
じいさんめ、金が手に入ったらもうどうでもいいって感じで小屋の前で「あっち」とそっけなく指差しただけで
まともに別れの挨拶すらしなかった。なんか最後に後味悪ぅ〜〜。ホンマ金だけなんやなぁ。

あっちと言われても…路地裏だから方角とか全然分かんないし。
とりあえずちょっと広めの道に出たところで人に尋ねて早歩きで会場に向かった。
会場の『スルタン・ゴーリーのウィカーラ』に着くと数人並んでいたがまだ余裕でホッとした。
しばらく待っている間に人が集まってきて、いざ開場時間になって中に入ると前の方の席は立ち入り禁止。
立ち入り禁止のゾーンは団体さんの予約席のようだった。せっかく早く来て並んだのにガッカリ…。

開演まで時間がかなりあったので席を確保しておいて、椅子が並べられてある周囲にお土産屋がずらりとあったから
時間つぶしにお土産屋を見て回ってみた。そのうちの1軒でさっき買ったような寄木細工の小箱が…!
珍しくここの土産屋はみな値札が付いていた。恐る恐る値段を見てみると、あ、こんなもんか、という感じ。
値札の方が
じいさんから買ったより高かった。ただし、値札は当てにならないから実際は値札より安いはずだ。
試しに値段交渉してみても良かったが、ぐんと安くなったりしたら悲しくなるからやめておいた(笑)
その後ちょっと外に出させてもらったらそこに偶然日本人の男の子が同じく時間つぶしに出てきてて、しばらく談笑した。

席に戻り、開演時間が近づいてくると会場には人がびっしり!
腹が立つ事に、後から来た人たちが椅子が満席だから会場の中ほどにある噴水に腰掛けて更に舞台が見えにくくなった。
何やねん!団体席と後から来た人たちにいい場所陣取られるなんてひどい。
なんかツイてないな私。。。

そんな風にイライラしているうちに開演時間になった。
白い衣装に白いターバンを巻いた人たちが楽器を持って現れ、演奏が始まった。舞台の背後の2階には歌をうたう人たちも。
演奏を少し聴いただけで、さっきまでのイライラはすっかり吹っ飛んでしまった。そのクオリティの高さに…。



キメポーズ

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

ちなみに、スーフィーとはひとことで言えばイスラーム神秘主義の修行をする人のことで、トルコのメヴレヴィー教団が有名。
説明が難しいのでWikiから抜粋して以下にコピペ(完全にこれが正しい説明とは限りません)
メヴレヴィー教団は日本語では旋舞教団といわれ、スカートをはいた信者が音楽にあわせて、くるくると回転をし踊るという宗教行為で知られる。
これは祈りの手段であり、回転は宇宙の運行を表し、回転することで、神との一体を図るというものである。
(Wikiへのリンクはこちら→ スーフィー メヴレヴィー教団

この、くるくる回る旋回舞踏(セマーという)を少しTVで見た事があるが、とっても美しくて印象に残っていて、
今回はトルコのメヴレヴィー教団ではないがおそらく同じような感じだろうから是非見てみたいと思っていた。
これは余談だがウイグルにも断食開けの祭りで踊る『サマ』という踊りがあり、セマーのように同方向に回り続けるのではないけど
回る踊りだし語感も似てるので、もしかしてセマーやスーフィズムと何らかの関係があるのかも?と思ったり。
(注:全く個人的にそう考えてるだけで特に調べたりもしてないから全然違うかも)

さて、このエジプトで見るスーフィーダンス。
『イスラーム神秘主義』という言葉やメヴレヴィー教団のセマーのイメージよりずっと派手で力強い音楽だ。
演奏部隊の人たちは基本的に踊らないが、タンバリンやミニシンバルの人は踊りながら演奏していた。
動画はダメだが写真はOKとのことなので写真撮りまくったがトロくてなかなか良い瞬間が撮れなかった。
でもこのキメのポーズが決まったところはバッチリ撮れて思わずニヤリとしてしまった私であった。



ひたすら回る回る…

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

しばらくすると違う衣装を着た人が出てきた。この人がメインのダンサーさんかな。
メヴレヴィー教団のセマーは頭を少し傾けて静かに優雅に回るのだが、ここの旋回舞踏は演奏と同様やはり優雅というより力強い。
アフリカだからか?ジャカジャカとリズミカルで回る速度も早い。
音楽に合わせてひたすら、ひたすら回りながら踊る。回ってるだけなのに見てて全く飽きないのがスゴい。




恍惚

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

『ひたすら回る事によって神との合一を目指している』というだけあって、ダンサーさんだんだんとトランス状態に。
ネットでメヴレヴィー教団のセマーを「さながら動く禅のよう」と書いていた方がいたが、
ここの旋回舞踏(タンヌーラというらしい)は禅とは正反対で速いリズムがどんどん盛り上がってトランスになる感じだ。
ダンサーさん白目むいてイッちゃってる…、もとい、恍惚状態になってしまっている。



旋回舞踏

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

途中音楽は変わりながらも、メインのダンサーさんは30分以上はず〜〜っと回ったまま。
リズムも速くなったりゆっくりになったりするが、それに合わせてくるくるくるくる…。



まだまだ回る

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

まだまだ終わらない。タンバリン持った人たちも踊りながらメインダンサーの周りを回る。



想像以上のクオリティ

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

いよいよクライマックスか、メインダンサーさんがカラフルなスカートの腰紐を外して(もちろん回りながら!)
それを少しずつ持ち上げて頭上でくるくるさせながらすごいスピードで回転。会場も興奮で大喝采。
そして音楽が終わったのと同時に、あれだけ何十分も回っていたのに完璧にピタッと停止してポーズを取った。
すごい、すごすぎる!!停止した瞬間ゾクッときた。
フィギュアスケートの選手たちも最後に高速スピンしてても音楽が終わるのに合わせてピタッと止まってすごいけど、
この人は何十分も回ってたのに…それだけ修行してるんだろうけど…自分の予想をはるかに越えたパフォーマンスに圧倒された。




いつもより多めに回っております〜!

エジプト、カイロ、スーフィーダンス

さっきがクライマックスでこれで終わりかと思ったらまた演奏の人たちだけになり、しばらく演奏だけの時間が続いた後、
ダンサー3人が出てきてまたまたくるくる何十分も旋回。
最後にはカラフルスカートを外して駒のように持ち上げ回し、それから傘のように頭上で回し、
しまいには上に放り投げてキャッチしたりで、もう神秘主義というよりお祭りみたいだ。

これが本当のクライマックス!1人でやってもスゴいのに3人同時だからド迫力!!
そしてまた音楽が終わったら3人ともピタリと見事に停止して終了。
ダンサーが舞台から去り演奏部隊だけになってしばらく演奏した後、完全にショーは終了した。
観光客向けだから『ショー』なんだけど、宗教的なパフォーマンスだからショーと書くのには少し抵抗があるなぁ。
ともかく、良い意味で予想を裏切る熱く激しいアフリカンなスーフィーダンスだった。
これほどのクオリティのものが無料で観られるなんて…。

大・大満足で会場の外に出た。もうあのじいさんの事を帳消しにするどころかはるかに越えて良い1日になった。
外に出ると開演前に出会った日本人の子がまたいて少し話した。
彼は何日もカイロにいるようで、このスーフィーダンスを観るのは3回目だけど今日が一番良かったと言っていた。
ラッキーやん私。
まさに「いつもより多めに回っております〜」状態だったってことね!
しかし3回も見たなんて羨ましい。ホント、出来ることなら私ももう一回見たいくらいの感動だった。

もうかなり夜遅い時間になっていた。タクシー拾って宿へ。
部屋に戻って「あ〜良かったなぁスーフィーダンス…」と余韻に浸りつつふと買った寄木細工の箱を思い出してカバンを開けた。
。。。あれ?ない?あれれ???
リュックをくまなく探してみても、あの小箱が無い!
うっそーーー!!ショッキング〜〜〜〜。
じいさんの小屋で、お金払った後に箱をビニール袋に入れてくれたところまでは記憶にあるのだが…。
なんと、そのビニール袋をリュックに入れるのを忘れていたようだ。またやってもた!!
元々忘れ物の多い人間なのだが、買った店でそのまま置いてくるとはマヌケすぎる私。
当然じいさんからしたら「あのバカ、忘れて帰ってやんの(笑)」てなもんで追いかけてきてくれたりするわけもなく。
あ〜あ。
忘れたのは自分のミスだから情けないけどしょーがない。
明日取りに行こうにも場所ははっきり覚えてないし、「そんなの知らんよ?」と言われたらそれまでだ。
何よりあのじいさんにまた会うのは気が進まないから小箱の事は諦めよう。
今日は午前のオールドカイロから色々予想外続きだったが、こんな
オチがあるなんて(笑)
ショーの余韻のお陰でそんなに落ち込まなかったのが幸いだった。

+++++ 参考 +++++
Youtubeで見つけた動画のリンク貼っておきます。
トルコのメヴレヴィー教団のセマーと、私が見たのと同じカイロのスーフィーダンスの 全体のダイジェスト打楽器部隊の演奏
全然違うというのがお分かりになるかと思います。カイロの方は長い動画だけど是非最後まで見て頂きたい!
(カイロのスーフィーダンスは撮影禁止だったはずですが…でもこうやって改めて見られて嬉しい)